Max Verstappen (C)Honda Racing
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第20戦カタールGPの決勝は、昨日の予選中のレギュレーション違反によるグリッド降格ペナルティーのために7番手スタートとなったマックス・フェルスタッペンが巻き返しを見せ、ファステストラップと2位表彰台を獲得。
セルジオ・ペレスも11番手から4位入賞を果たし、Red Bull Racing Hondaがコンストラクターズチャンピオンシップで首位との差を5ポイント差に詰めました。
昨日の予選後の審議により、Q3で2番手に入ったフェルスタッペンに、ダブルイエローフラッグを無視したとして5グリッド降格のペナルティーが科されました。
同じく、3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)にもシングルイエローフラッグ無視による3グリッド降格の裁定が下ります。
上位グリッドは大きく入れ替わり、今日のレースはピエール・ガスリーがフロントロー2番手からのスタートとなりました。
スタート後のターン1では、ガスリーが2番手を守りますが、その直後のコーナーでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に交わされて、3番手にポジションダウン。
一方でフェルスタッペンは7番グリッドから抜群のスタートを見せ、ターン1で4番手まで浮上します。
フェルスタッペンは3周目にガスリーの前に出ると、その次の周にはアロンソも攻略して2番手まで追い上げます。
11番手スタートのペレスも1周目で9番手まで浮上すると、8番手を守っていた角田裕毅をターン4でオーバーテイク。
さらに、その次のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)、その翌周にエステバン・オコン(アルピーヌ)を立て続けに追い抜き、9周目には6番手まで順位を上げました。
Scuderia AlphaTauri Hondaの両ドライバーは、ソフトタイヤでの走行に苦しみ、早めのタイヤ交換を敢行。
角田が9周目、ガスリーが13周目にピットインしてタイヤを交換しますが、その後はトラフィックの中でなかなか順位を上げられない展開となります。
16周目、ペレスがランド・ノリス(マクラーレン)をオーバーテイクして4番手に順位を上げると、その次周にはフェルスタッペンがピットインしてミディアムタイヤに交換。
ペレスもこれに続いて19周目にピットストップを行います。
これにより、フェルスタッペンは2番手を確保。
ペレスは前を行くマシンをオーバーテイクしながらレースを進めます。
ペレスは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を交わすと、アロンソとのバトルに。
ターン1から2にかけてサイド・バイ・サイドとなりますが、このバトルを制して4番手まで浮上します。
33周目にボッタスがパンクを喫してピットインしたことで、ペレスは3番手に。
この時点でコース上の多くのチームが1ストップ作戦の気配を見せていましたが、序盤にピットインしたScuderia AlphaTauriの2台はガスリーが35周目、角田が36周目に2度目のピットストップを行います。
フェルスタッペンとペレスも、41周目に2度目のピットイン。
フェルスタッペンは2番手のままレースを進めますが、ペレスは7番手でコースへ戻り、再びバトルをしながら順位を上げていきます。
ペレスは残り11周でランス・ストロール(アストンマーティン)を交わすと、その次の周にはターン1のアウト側からオコンをオーバーテイク。
さらに、その前にいたノリスがピットインしたため、4番手まで挽回します。
表彰台を目指して前を行くアロンソを追い上げる中、不運にもバーチャルセーフティカー(VSC)が発動。
最後は3位へ約3秒差に詰め寄るも、4位フィニッシュで12ポイントを獲得しました。
フェルスタッペンは、このVSCの間にソフトタイヤへ交換し、ファステストラップ獲得による追加の1ポイントを目指します。
狙い通りに最終ラップでファステストを記録し、2位フィニッシュ。
19ポイントを獲得しました。
この結果、計31ポイントを獲得したRed Bull Racing Hondaは、コンストラクターズチャンピオンシップで首位のメルセデスに対して5ポイント差に迫りました。
また、フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップを8ポイント差でリードしています。
Scuderia AlphaTauriの2台は1ストップ勢を攻略しきれず、ガスリーが11位、角田が13位でフィニッシュ。
残念ながら予選での好結果をポイントにつなげることができませんでした。
これで今季最後の3連戦が終わり、次戦は2週間後のサウジアラビアGP。
カタールに続いてF1初開催となる、首都ジェッダの市街地コースで、12月5日(日)に決勝レースが行われます。
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「今日のカタールGP決勝は、オーバーテイクの多いエキサイティングなレースになりました。
Red Bull Racing Hondaの2台も多くのオーバーテイクを見せ、予選中のペナルティーにより7番手スタートとなったRed Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手が大きくポジションを上げて2位表彰台、ペレス選手も11番手スタートから4位に入賞。
現状のわれわれのパフォーマンスを最大限に引き出せたレースだったと考えています。
Scuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は予選上位の選手のグリッド降格にともない2番グリッド、角田選手は予選ポジションから変わらず8番グリッドからスタート。
残念ながらレースペースが上がらず、2台ともにポイント圏外で終わり、昨日までの速さを考えると非常に残念な結果になりました。
簡単な週末ではありませんでしたが、あと2戦のところでドライバーズチャンピオンシップのリードを保ち、コンストラクターズチャンピオンシップもトップとの差を詰められたという部分で、大きな意味があったと感じています。
チームとともにシーズンを振り返り、パフォーマンス向上のためにわれわれとして何ができるのかをじっくりと考えて、また十分に準備をして残りの2連戦に臨みます。
最後に、ベテランらしい素晴らしい走りで7年ぶりの表彰台を獲得したかつてのチームメート、アロンソ選手におめでとうの言葉を贈ります」
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 2位)
「今日の結果は、もちろんうれしいです。
今週末は僕らチームにとってかなり厳しい展開で、今日もペースは不足していましたが、5グリッド降格を科されてもできることはすべてトライしたので、2位フィニッシュとファステストラップ獲得はとてもいい結果です。
エキサイティングなスタートを決めた後、最初の数周が重要になることは分かっていましたが、すぐに2番手まで順位を取り戻すことができました。
そこから前との差を詰めようとしたのは上手くいったと思います。
今日は、特にファステストラップを目指したときが楽しかったです。
チェコが表彰台に上がれなかったのは残念でしたが、チームにとって貴重なポイントを獲得してくれました。
また、フェルナンド(アロンソ)の結果もよかったです。
彼がいいドライバーだということはみんな分かっていて疑いようもありません。
ここからも、集中し続けていくことが必要で、残り2戦でも多くのことが起きる筈ですので、不可能なことは何もありません」
【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝 4位)
「予選から挽回し、11番グリッドから順位を上げていくことができました。
表彰台に手が届く位置にいましたが、不運にも叶いませんでした。
今日はすべてを出し尽くしたレースになりました。
常に全開で、オーバーテイクを繰り返してプッシュしました。
レース中に、1ストップから2ストップへと戦略を切り替えましたが、パンクを喫したマシンもいたので、そうならないようにしながら、コンストラクターズチャンピオンシップで最大限の結果を残す必要がありました。
表彰台を手中に収めていたと思いますが、先週に続いてバーチャルセーフティカーに阻まれました。
それがなければフェルナンドに追いつけていたかははっきりしませんが、かなり僅差にはなっていた筈です。
残念ではありますが、僕らは予選結果によるダメージを最小限に抑えることができ、バルテリ(ボッタス)がノーポイントに終わったことも大きいです。
今日はコンストラクターズチャンピオンシップを見据えて、僕らは安全策を採るべき状況だとチームが判断したと思います。
チームにとっていい結果でしたし、先を考えれば、僕らはプッシュし続けて残り2戦でのパフォーマンスを向上させなければなりません。
すでにサウジアラビアとアブダビに目を向けていますし、残りも全力を尽くしいていきます。
5ポイント差と、コンストラクターズチャンピオンシップ獲得の大きなチャンスがあります。
ここが勝負どころです」
【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝13位)
「とてもタフなレースで、特に第1スティントのソフトタイヤではかなり苦戦しました。
レースウイーク中はずっとペースがよかったので、予想外の展開でしたが、今日のレースでは大きく落ちてしまったので、データを確認してなぜこうなったのかを分析しています。
アルピーヌがとてもいいレースをしただけに本当に残念ですが、残り2戦で強さを取り戻す必要があります」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝11位)
「とてもフラストレーションの溜まる一日です。
ユウキも僕もトップ10以内からスタートしましたが、レースを後方で終える形になりました。
マシンの中では全力を尽くしていましたが、今日の僕らには速さがありませんでした。
スタートでもアロンソ選手に前を行かれてしまい、それによりアグレッシブな2ストップ戦略を採りましたが、ペースがよくありませんでした。
今日は上手くいかずに本当に残念です。
昨日の予選でのインシデントからいくつかのパーツを交換しましたが、それが今日のレースペースに影響したのかは分かりません。
今は理由が分からないので、すべてのことをきちんと分析する必要があると思っています」
提供:本田技研工業(株)
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