« やっぱり酷かったアメリカGP路面のバンプ | トップページ | ペレス(レッドブル)、「敵はドリンクシステム」 »

2021/10/25

ホンダ系チーム、決勝レースコメント(10/24)

Max Verstappen (C)Redbull Racing
拡大します
アメリカGPの決勝は、ファイナルラップまでもつれる激しい戦いとなり、マックス・フェルスタッペンが優勝。
セルジオ・ペレスが3位に入り、Red Bull Racing Hondaは2戦連続のダブル表彰台。
Hondaとしては1991年以来30年ぶりのアメリカGP制覇となりました。

Red Bull Racingにとっては、これが通算200回目の表彰台獲得。
奇しくも1965年のメキシコGPでHonda RA272がF1初勝利を挙げた10月24日に達成となりました。
表彰台には、山本雅史マネージングディレクターがコンストラクターの代表として登壇しました。
Acuraのロゴをまとっての勝利と合わせ、Hondaとして記録と記憶に残るレースになりました。

ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンですが、スタート直後のターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)に先行を許します。
しかし、Red Bull Racingはこれを戦略で挽回。
序盤の10周目にピットインを行ってペースを上げ、アンダーカットによってリードを奪い返そうと試みます。

ペレスは3番手をキープして、12周目にミディアムタイヤに交換。
数周後にハミルトンも反応してピットインを行い、フェルスタッペンが首位に浮上しました。

10番グリッドとなった角田裕毅は、好スタートを決めて8番手にポジションアップ。
8番手スタートのピエール・ガスリーは、10番手にポジションを落としたものの、バルテリ・ボッタス(メルセデス)をパスして9番手に浮上。
Scuderia AlphaTauri Hondaの2台は連なって序盤を走行します。
9周目に角田がピットイン。
ガスリーはその次の周にピットインしたものの、マシンのリア部分に不調を訴えてピットへ戻り、残念ながらそのままリタイアとなりました。

レース中盤では、ハミルトンが差を詰めてきますが、Red Bull Racingはアグレッシブな戦略を採り、ハミルトンのアンダーカットを防ぐべく、フェルスタッペンが29周目に2度目のピットインを行ってハードタイヤに交換。
チームはコース上でのポジションを重視し、ここから最後まで走り切る作戦に出ます。

ペレスは32周目に2度目のピットストップを行い、3番手のポジションをキープ。
角田は34周目にピットへ入ると、ポイント圏内を目指して前方のマシンを追いかけます。

早めのピットインを行ったフェルスタッペンは、ハミルトンに対して8周古いタイヤでの走行となります。
ハミルトンはタイヤ交換後から差を詰め始めるものの、フェルスタッペンもペースをうまくマネージして対応。
最終ラップに入った時点で2人の差は1秒を切っていましたが、最後にペースを一段上げたフェルスタッペンが、1.3秒差でチェッカーフラッグを受け、今季8勝目を挙げました。

ペレスは、ドリンクシステムの不具合によって水分補給がままならない中でのレースとなりましたが、順位をしっかりと守って3位フィニッシュ。
コンストラクターズチャンピオンシップでは、Red Bull Racing Hondaがメルセデスとの差を13ポイント詰めました。
角田もポジションを譲らずに9位でレースを終え、2ポイントを獲得しています。

ドライバーズチャンピオンシップでは、フェルスタッペンがリードを拡大し、シーズン残り5戦で12ポイント差となりました。
次戦は、2週間後の11月8日(日)に決勝が予定されているメキシコGPで、ペレスの母国GPとなります。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「今日のアメリカGP決勝は、Red Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウインで優勝を飾りました。
ペレス選手が3位に入り、前戦トルコGPでのHondaスペシャルカラーに続き、今回はAcuraをリアウイングに付けたマシンで、2戦連続のダブル表彰台を獲得することができました。

フェルスタッペン選手は早めにピットインする戦略を採り、それに対してピットインを遅らせたハミルトン選手が終盤激しく追い上げを仕掛けてきましたが、レースペースを見事にマネージしてポジションを守り切り、優勝しました。
マックス選手の素晴らしい走りで、とてもエキサイティングなトップ争いになったレースだったと思います。

チームメートのペレス選手は、週末を通して速さを見せ、2戦連続の3位を獲得。
コンストラクターズチャンピオンシップを争うチームに大きく貢献しました。
また、今回は山本さん(マネージングディレクター)が表彰台に上がりましたが、Red Bull Racingからのうれしい計らいとリスペクトに感謝しています。

Scuderia AlphaTauri Hondaの角田選手は、素晴らしいスタートで2台をオーバーテイクすると、その後も粘り強い走りで9位入賞を果たしました。
6戦ぶりのポイント獲得、2戦連続のQ3進出と合わせて今後もこの勢いを持ってシーズン終盤を戦ってくれればと思います。
ガスリー選手についても、序盤は入賞圏内でいい走りを見せていただけに、サスペンショントラブルによってリタイアせざるを得なかったことは残念でした。

次戦は、ペレス選手の母国メキシコでのレースとなります。
今シーズンのレースも残り5戦となりましたが、われわれにとっては長く厳しい戦いが続きます。
一戦一戦の結果がとにかく大切になってきます。チームとともに万全の準備をして次戦に臨みます」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 1位)

「エキサイティングなレースでしたが、ここでファンの皆さんの前で勝利できるのは、素晴らしい気分です。
レース中ずっとプレッシャーがあり、ルイス(ハミルトン)がどれほどの速さで追いついてくるのか分かりませんでした。
僕のスタートは問題なかったと思いますが、ルイスがそれ以上によかったです。
そこで、僕らはターン1でリードを失ってからはアグレッシブな戦略を採り、最初のスティントで早めにピットインをしました。
第2スティントでは、僕らがアンダーカットされてしまうタイム差にいたので、それに対応しました。
この暑さの中で、最後のスティントは非常に長くなりましたが、コース上でのポジションを重視しました。
最後の2周はタイヤがかなり厳しく、グリップがあまり残っていませんでした。
ただ、最後2周に入る際に、前方にハースのマシンがいてDRSを使うことができたので、最後まで順位を守り切れました。
今日はチーム一丸となってすべてを出し切りました。チェコ(ペレス)と一緒に表彰台に上がれて最高の気分です」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝 3位)

「これまでで一番厳しく、長いレースでした。
レース前から具合はあまりよくなかったのですが、1周目にドリンクシステムが止まってしまい、今日の暑い気候の中では体力的にとても厳しい状況でした。
20周目を終える頃までは相当苦戦してしまい、マックスとルイスについていけなかったのは残念ですが、このレースウイークではポジティブなことが多くありましたし、2週連続で表彰台に立てたのもいいことです。
チームにとっても素晴らしい結果で、アンダーカットが機能してルイスにスキを与えず、僕がマックスをカバーすることができたので、とても満足しています。
メキシコGPもとても楽しみで、チームは過去に相性がいいので、自分のホームレースにいいパッケージで臨めます。
レースが待ちきれませんし、ホームのファンの前で再び表彰台に上がれればと思います」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝 9 位)

「今日はいい一日になりました。
チャンピオンシップでの戦いにおける貴重なポイントをチームに持ち帰ることができたので、本当にうれしいです。
とても暑い中でタフなレースになりました。
ソフトタイヤでのスタートで、周りのマシンとは異なる戦略だったので楽ではなかったのですが、オープニングラップでアドバンテージを持っているということでもあるので、それを最大限活かそうとトライしました。
今日のペースはかなりよかったので、ポイントを獲得できて満足しています」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝リタイヤ)

「残念ながら、今日はサスペンションに問題が起きてしまい、リタイアせざるを得ませんでした。
なぜサスペンションにトラブルが出たのか、まだはっきりしないので、ここから確認していく必要があります。
現状の中団の戦いでは、一つのポイントがとても重要になるので、今日はフラストレーションの溜まる結果です。
今週末はずっと素晴らしい雰囲気の中で走れていたので、最後までレースができていればと思っていました。
チェッカーフラッグを受けられずに残念です」

提供:本田技研工業(株)

|

« やっぱり酷かったアメリカGP路面のバンプ | トップページ | ペレス(レッドブル)、「敵はドリンクシステム」 »