ホンダ系チーム、決勝レースコメント(9/26)
Max Verstappen (C)Redbull Racing
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ロシアGP決勝は、レース最終盤での降雨により波乱が巻き起こりましたが、最後尾の20番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが2位で表彰台登壇を果たしました。
前日の予選がウエットコンディションとなったことで、この日のスタートタイヤは選択が自由に。9番手のセルジオ・ペレス、11番手のピエール・ガスリー、20番手のフェルスタッペンが、ハードタイヤでスタートしました。
Hondaパワーユニット勢では唯一ミディアムタイヤでスタートした角田裕毅でしたが、スタート直後のターン2で膨らんでポジションを最後尾まで落とします。
一方、Red Bull Racing Hondaの2台は序盤から順調に順位を上げ、ペレスが3周目にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)をパスして7番手に、フェルスタッペンはオープニングラップで3つポジションをあげると、4周目までに15番手へ浮上しました。
5周目、フェルスタッペンは前を行くバルテリ・ボッタス(メルセデス)をターン12で鮮やかにオーバーテイク。
さらにその前方のガスリーもとらえ、13番手まで順位を上げます。
フェルスタッペンはその後も、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)を次々と交わし、13周目を終えて8番手へと挽回。
このラップで角田が最初のピットインを行い、ハードタイヤへと交換しました。
ここからピットインを行うマシンが増え、15周目には、フェルスタッペンが6番手、ペレスは4番手となり、好調なペースで走行していきます。
レースが折り返しを迎える頃、フェルスタッペンはトラフィックの中でタイヤの状態が悪くなってきたため、26周目にミディアムタイヤへと交換。
同じ周にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が前方でピットインします。
コース上に留まったペレスは、他車のピットインもあって首位に浮上。
リードを拡大すべくペースを上げていきます。
ガスリーは6番手を走行していた33周目にミディアムタイヤへと交換。
ペレスは36周目に同じくミディアムタイヤへと履き替え、表彰台圏内でコース復帰が可能に思われましたが、このピット作業に9秒近くを要し、5番手となります。
ミディアムタイヤでロングスティントを走行する戦略に出たフェルスタッペンは、ペースをコントロールしながらの走行に。
7番手にポジションを落としていましたが、ポイント獲得は確実なものとしていました。
しかし、レースが終盤に差し掛かる頃に雨粒が落ち始めます。
フェルスタッペンは、残り5周となったところで、Hondaパワーユニット勢の中では最初にインターミディエイトタイヤへと交換。
雨により滑りやすくなった路面をものともせず、カルロス・サインツ(フェラーリ)をオーバーテイクします。
角田はこのタイミングでソフトタイヤを履きましたが、雨脚が強まったために2周後に再度ピットストップを行い、インターミディエイトに交換。
フェルスタッペンは早めの判断が功を奏し、他車のピットインを尻目に大きく順位を上げ、最終ラップを目前にして3番手に浮上。
ここで、レースをリードしていたランド・ノリス(マクラーレン)がスリックタイヤでコース上に留まっていましたが、コース上は完全にウエットコンディションになっており、やむなくピットイン。
これでフェルスタッペンは2位となってチェッカーフラッグを受けました。
ペレスは雨が降り出す前に3番手まで順位を上げていましたが、フェルスタッペンの2周後にピットインしたことで、9位フィニッシュ。
ガスリーもスリックタイヤでステイアウトすることでポイント獲得を目指しましたが、ピットインせざるを得ずに13位に。
角田は17位でレースを終えました。
次戦は2週間後、10月10日(日)にイスタンブール・パークで決勝が行われるトルコGPです。
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「 今日のロシアGP決勝は、最終盤に降り出した雨により波乱の展開になりました。
その中で、最後尾からスタートしたRed Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手が多くのオーバーテイクを決め、雨も味方につける形で2位表彰台を獲得しました。
PU交換のペナルティーから見事にポジションを回復して2位のポイントを獲得できたことは、この先も続くチャンピオンシップ争いに向けて非常にポジティブな結果です。
8番グリッドからスタートしたペレス選手は、うまくスタートタイヤをマネージして、雨で大きくポジションが動き出すまでは表彰台も可能なレースを見せてくれましたが、雨脚が予想より強まったことでポジションを落とし、9位という結果に終わりました。
Scuderia AlphaTauri Hondaの2台はレース中、終始DRSトレインの中での走行を強いられて思うようにポジションアップができず、また、最後の雨に足を引っ張られる形で、2台ともに入賞圏外に終わったことは、残念に思っています。
フェルスタッペン選手がハミルトン選手に2ポイント差でドライバーズチャンピオンシップのリードを譲る形にはなりましたが、まだまだ熾烈な争いが続きます。
またすぐに次のレースがやってきますので、そこでいいレースをできるように十分に準備を進めていきます」
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 2位)
「素晴らしい結果になりました!
最後尾からの2位フィニッシュという好結果で、今朝目が覚めたときにはこんな結末は予想していませんでした。
今回はペナルティーを受けていたレースでしたが、チームの努力もあって、ポイントを大きくは失わずにすみました。
インターミディエイトへの交換が勝負を決めましたが、路面は非常に滑りやすくなっていたので、タイミングの判断は素晴らしく、一番適切なラップでピットに入ることができました。
最後尾からのスタートでは、1周目の混乱や他車とのバトルの中で様々なことが起こり得ますが、トラブルに巻き込まれずクリーンな展開で、レースをとても上手くマネージできました。
レース自体は簡単にはいかず、他のマシンを抜くのは難しかったですし、前に詰まるとタイヤを傷めやすくなってしまいましたが、幸運なことに最後の雨にも助けられてジャンプアップを果たせました」
【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝 9位)
「今日は表彰台争いをしていたので、インターミディエイトへの交換ではなく、スリックタイヤでステイアウトするというリスクを負いました。
セクター1と3ではほぼドライコンディションで、タイヤの熱入れもできていたので、もし雨が止めば、スリックタイヤのマシンが有利でインターミディエイト勢はレースを台無しにしてしまうと考えていました。
結果的に、スリックが正解ではなく、雨の降るタイミングによって幸運を得た者もいれば、その逆もいました。
今日は表彰台に値するだけの戦いができました。
ピットストップに時間がかかり、ポジションを落とす場面はありましたが、レースでは起こり得ることです。
ピットストップでの問題はヒューマンエラーによるものではないですし、みんな落ち込んでいたので、レース後にピットクルーのもとへ行って大丈夫か確認しました。
チームとしては多くのポイントを獲得できましたし、僕にとってはフラストレーションになったのは確かですが、マシンの力をかなり引き出すことができ、2週間後のトルコに向けては希望が持てる筈です」
【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝17位)
「とても残念な一日になりました。
レースウイークを通じてマシンバランスに苦しんでいましたが、それは今日のレースでも同様で、特に1周目はコース上にマシンを留めるのも大変でした。
再びポイント獲得を目指すために、今週末を終えてリセットし、自分のパフォーマンスのベースラインを見直す必要があります」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝13位)
「僕らにとっては、いいレースウイークにはなりませんでした。
昨日の予選では大きなチャンスを逃し、今日はスリックタイヤで留まるという判断が功を奏さず、残念ながらポイント圏外でのフィニッシュとなりました。
ソチではペースがよく、最初のスティントはよかったと思いますが、今週末は訪れたチャンスを活かすことができず、本当に残念です。
今日のレースをきちんと振り返り、この先同じようなコンディションになったときにどうすればいいのかを確認する必要があります。
今回は忘れるべきレースウイークになりましたが、僕らがいいチームであることは変わらないので、次戦では巻き返す自信があります」
提供:本田技研工業(株)
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