ホンダ系チーム、決勝レースコメント(9/05)
Max Verstappen (C)Honda Racing
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ザントフォールト・サーキットで行われたオランダGPの決勝は、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンがペースで他を圧倒し、今季7勝目を挙げました。
母国出身ドライバーの勝利にサーキットは沸き立ち、フェルスタッペンは熱狂的な声援で祝福を受けました。
レース前、セルジオ・ペレスのマシンに新たなパワーユニット(PU)を投入し、グリッド降格ペナルティーを受けました。
これは戦略的な理由によるもので、ハンガリーGPでのクラッシュによってPUがダメージを負っていたことや、予選16番手というグリッドなどの状況を総合的に判断して新コンポーネントの投入を決定しました。
この中にはスペックの異なるものもあったことから、レギュレーションによりペレスはピットレーンスタートとなりました。
スタートポジションは、フェルスタッペンがポールポジション、ガスリーが4番手というポジションは変わらないものの、他車のピットレーンスタートにより、角田裕毅が14番グリッド、ペレスはピットレーンから19番手スタートとなりました。
スタートタイヤは、予選でQ3に進出したフェルスタッペンとガスリーが、Q2で使用したソフトタイヤ。
角田はソフトタイヤを選択した一方、ペレスはハードタイヤで序盤のスティントを長くする戦略を採りました。
スタートで大きな混乱はなく、フェルスタッペン、ガスリー、角田は順位をキープ。
ペレスは追い上げを図ってプッシュしますが、ハースのマシンにターン1でオーバーテイクを仕掛けた際にロックアップしてしまい、タイヤを傷めたことで、8周目にミディアムタイヤへ交換を余儀なくされました。
追い抜きが難しいコース特性ながら、ペレスはロスを取り戻すべく、ターン1と11を巧みに使って、前を行くマシンを次々とオーバーテイク。
ほぼ全車が1度目のピットストップを終えた時点で、ポイント圏内へと浮上しました。
リードを保ったまま周回を重ねていたフェルスタッペンは、2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)のピットインに反応し、21周目にミディアムタイヤへと交換。
ハミルトンの前でコースへ戻ります。これで先頭に立ったのは、1ストップ戦略を目指すべくピットを遅らせたバルテリ・ボッタス(メルセデス)でしたが、ペースに勝るフェルスタッペンは間もなく追いつき、ターン1手前でオーバーテイク。
相手のピットインを待つことなく、再びリードを奪います。
ガスリーは24周目にミディアムタイヤへと交換。
背後のフェラーリ勢との差をにらみながらレースを進めます。
角田は、PUにデータ異常が見られたため、残念ながらピットに戻ってそのままリタイアとなりました。これについては、現在調査を進めています。
40周目、フェルスタッペンは2度目のピットインでハードタイヤに交換。これもハミルトンのタイヤ交換に反応した動きでしたが、ここでも前に出て、リードを盤石なものにしていきます。
ペレスは、レース終盤の55周目に2度目のピットストップを行い、ソフトタイヤへと交換。
12番手でコースに戻ると、オーバーテイクを重ねていきます。
ダニエル・リカルド(マクラーレン)をターン1のアウト側から攻略して入賞圏内の10番手にポジションを上げると、さらにはランド・ノリス(マクラーレン)をパスして9番手に。
最後はエステバン・オコン(アルピーヌ)を交わして8位に入賞しました。
また、ガスリーも順位を守って4位フィニッシュを果たし、12ポイントを獲得しました。
リードを守りきったフェルスタッペンは、ハミルトンが再びタイヤ交換を行ったこともあり、約21秒の大量リードでチェッカーフラッグへ。
自身初の母国GPでポール・トゥ・ウインを果たしました。
これがHondaとしては通算87勝目、さらには1991年以来のシーズン8勝目となります。
次戦は1週間後、3連戦の最後となるイタリアGPです。
超高速のモンツァ・サーキットでの戦いは、Scuderia AlphaTauri Hondaにとってのホームグランプリとなります。
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「今日のオランダGP決勝は、Red Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手の素晴らしい走りとレース展開で優勝を獲得することができました。
2台のメルセデスを相手に簡単なレースではありませんでしたが、チームの的確な戦略とピット作業により、彼らの猛追を押さえてのポール・トゥ・フィニッシュとなりました。
加えて、週末を通して、素晴らしい雰囲気を作り上げてくれたオランダのファンにも、感謝の言葉を送ります。
4番手からスタートしたScuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は、1ストップ戦略を採り、こちらも追い上げてくるフェラーリの2台を相手に素晴らしいパフォーマンスで周回を重ね、チームにとって貴重な大量ポイントを持ち帰ってくれました。
ペレス選手については、昨日の予選結果も踏まえて新PUの投入を決定し、ピットレーンからのスタートとなりました。
オーバーテイクの難しいこのサーキットでいくつもの追い抜きを見せて8位入賞という結果は、非常によかったと考えています。
角田選手については粘り強い走りを見せていたものの、PUのデータに異常が見られたためにリタイアすることを決めました。
ここから詳細を確認していきます。
フェルスタッペン選手の母国GPということで、大きなプレッシャーを感じながらのレースでもありましたが、優勝を飾れてホッとした部分もあります。
われわれHondaにとっては一度きりのオランダGPになってしまいましたが、皆さんに喜んでもらえる結果を出せたことと、その温かい大声援は我々の思い出の一つになると思います。
来週に控えるイタリアGP、またその後もまだまだシーズンは続きますので、ここからも2つのチームとともにプッシュを続けていきます」
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 1位)
「 ホームコースで勝利できたことは本当に素晴らしいことですし、ドライバーズチャンピオンシップでのリードもとてもいい気分です。
レースウイークへ入るときには期待がとても高かったので、それを満たすのは決して簡単ではありませんでしたが、観衆の皆さんはとてつもない雰囲気だったので、ここで勝ててとてもうれしいです。
レースはかなりタフでした。
ルイス(ハミルトン)はすごくプレッシャーをかけてきましたし、メルセデスは2台ともとてもいいペースでしたが、僕らは必要な時に確実に3秒の差を確保できていたことが、とても重要だったと思います。
チーム全体のパフォーマンスにすごく満足しています。正しいタイミングでピットインして、レースをしっかりとマネージすることができました。
このコースでの72ラップはとても面白かったですし、これだけのファンの前なら尚更です。
レース中ずっと凄まじい歓声で、これまでこんな経験をしたことはありません。
今夜はもちろん自宅でも祝いますが、モンツァはすぐですし、チャンピオンシップ争いは僅差なので、最高のパフォーマンスを発揮したいと思います」
【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝 8位)
「今日は全力を尽くしました。
どのオーバーテイクも限界まで攻めて、かなりのリスクを取る必要がありました。
PU交換によってピットレーンスタートになったので、ダメージを最小限に抑えることが重要でした。
終盤にランド(ノリス)と接触したのは残念で、マシンの右側に大きなダメージを負ってしまいました。彼に僕が見えなかったとは思いませんし、十分なスペースが残されていなかったので、レーシングインシデントだと考えています。
そこからは大きくグリップが低下しましたが、それがなければ6位までは狙えた筈です。
オランダのファンの皆さんはレースウイークを通じて素晴らしかったので、もっといい結果を出したかったです。
ここからはまた先を見据えて、モンツァでは強さを取り戻せるように取り組んでいきます」
【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝リタイヤ)
「今日の結果はとても残念です。
PUのデータに異常が見られ、リタイアせざるを得ませんでした。
そこまでレースはかなり上手くいっていて、マシンのペースもよかったのですが、オーバーテイクは難しかったです。
今は、モンツァを楽しみにしています。
これまでいい経験ができているサーキットですが、今週末と同様のアプローチを取り、徐々にペースを上げていきます。
来週こそ全力が出せればと思います」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝 4位)
「今日の4位は素晴らしい結果です。
これ以上は望めないくらいの位置で、12ポイントを獲得しました。
ここザントフォールトでの72ラップはとても楽しく、素晴らしいコースです。
今日は面白いレースで、すべてに満足しています。
マシンはとても速く、望み通りのセットアップに仕上げることができました。
チームはレースウイークを通じて素晴らしい仕事ぶりで、今日は飛ぶように速かったですね!
ここから昨年優勝したモンツァへと戻るのはとてもエキサイティングな気分ですし、当然ながら期待もとても高くなっています。
今週末はパッケージの力を最大限引き出せたので、来週のイタリアではどうなるか、面白い戦いになると思います」
提供:本田技研工業(株)
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