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2021年8月

2021/08/31

雨の影響により、FORMULA 1 史上最短のレースとなる (ピレリ)

マックス・フェルスタッペン (C)Pirelli Motorspotr
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2021 ベルギーグランプリ 決勝
2021年8月29日、スパ・フランコルシャン

キーポイント
• 悪天候のため、ベルギーグランプリは Formula 1 史上最短のレースとして成立し、ハーフポイントが適用されました。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、ウィリアムズのジョージ・ラッセル、メルセデスのルイス・ハミルトンが続きました。
• 当初のスタートから3時間以上遅延後、全ドライバーがCinturatoブルー・フルウェットタイヤを装着してピットレーンから再スタートしました。気温14℃、路面温度15℃の豪雨のコンディション下、セーフティーカー先導で3周を走行した時点で赤旗中断となり、レースはそのまま終了しました。
• レース週末の大半で雨天用タイヤが使用されました。土曜日のフリー走行および予選もウェットコンディション下で行われました。レース週末を通して、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤは、確かな耐アクアプレーニング性能とともに、力強いパフォーマンスを示していました。

ピレリ F1およびカーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「残念ながら、雨が弱まることはなく、グリーンフラッグの下でレースを行うことができませんでした。主たる問題は視界の悪さです。フルウェットタイヤは、時速300kmでの走行時、毎秒85リッターの排水を可能にします。排水された水は後方へ飛ばされます。その結果、セーフティーカーの後方で見られたような水しぶきが上り、ドライバーの視界が失われるような明らかに危険な状態が生じていました。また、今回のように高低差があるサーキットでは、アクアプレーニングの危険性を増大させる水溜りが、特定の場所に生じるリスクもあります。連戦となるオランダグランプリでは、天候の回復を祈りたいと思います」

ピレリジャパンプレスリリース

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ストロール(アストンマーティン)、20位に降格ペナルティ

Lance Stroll (C)Aston Martin F1 Team
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ベルギーGPのレーススチュワード(審査委員)は、18位でフィニッシュしたアストンマーティンF1のランス・ストロールに対し、レース結果に10秒加算のペナルティを科したことを明らかにした。

これは、レースが悪天候のため赤旗中断でストツプしている間に、ストロールが事前に届け出た仕様ではないリヤウィングに交換したことが確認されたため。
本来であればペナルティはピットレーンスタートに該当するものになるが、今回のケースでは意味がないため異例の10秒加算のペナルティとされたもの。

しかしこれによりストロールは20位へと降格することになり、19位のライコネン(アルファロメオ)と20位だったペレス(レッドブル)がそれぞれ一つずつ順位を上げる結果となった。
チャンピオンシップ・ポイントに変更はない。

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F1ヘルメットカメラ、実用化に向け前進へ

Image (C)Alpine F1 Team
F1は、先週行われたベルギーGPのフリー走行セッションで、史上初めての試みとなる『ヘルメットカメラ』の映像をお披露目したが、これがすこぶる好評だったことから実用化へ前進することになるようだ。

これはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌF1)のヘルメットのバイザーの内側に超小型のマイクロカメラを取り付けたもので、これまでのロールフープからのものと比べまさにドライバー目線の迫力ある画角のシーンが実現したもの。

F1でメディア担当ディレクターを務めるディーン・ロック氏は、「今回のものはまだテスト段階のもの。
改善すべき点は多々あるが、しかしそうした問題点の解決を考慮しても導入する価値が十分にあることが証明された。
今後の開発が加速されることだろう」と説明した。

ヘルメットメーカーのベルによれば、今回使用されたマイクロカメラはわずか2.5グラムという超小型軽量のものでヘルメット内部の裏地の中に埋め込むことに成功したという。
フォーミュラEなどで実験されてきたが、F1では初の試みになるもの。
技術的に目途は立ったものの、最大のテーマはドライバー自身の安全性にあるとのことだ。

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ラッセル(ウィリアムズ)、みごとな『ポイント荒稼ぎ』

Image (C)Pirelli Motorsport
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実質わずか数周で終わったベルギーGP決勝レースで、一挙に今シーズンこれまでの全戦に匹敵するポイントを荒稼ぎしたのがウィリアムズ・レーシングだった。
今季ここまでの11戦で10ポイントだったものを、今回ひとレースで倍の20ポイントにしてみせた。

中でもその象徴的な活躍を支えたのがジョージ・ラッセル(23歳:イギリス)だ。
めまぐるしく路面コンディションの変化する公式予選でみごとな2番グリッドを獲得したことが大量ポイントを引き寄せた。
「失うものは何もなかったから」と謙遜するラッセルにとって予選2位は自身最高位に並ぶものだが、もう1回は代替出場したメルセデスで記録したものであり、戦闘力に欠けるウィリアムズのマシンでの快挙は特筆に値する。
フェルスタッペン(レッドブル)の激走がなければ初のポールポジションも夢ではなかった。

いまだ明確にされないメルセデスAMGチームのハミルトンに並ぶ来季シートだが、今回のパフォーマンスがシート獲得への強力な後押しに結び付くかも知れない。

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2021/08/30

ホンダ系チーム、決勝レースコメント(8/29)

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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ベルギーGPの決勝は降り続く雨によりセーフティカー先導走行のみでの終了となり、規定周回数に満たずハーフポイントの付与となりました。
前日の予選でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペンが優勝し、Red Bull RacingとHondaのパートナーシップ50戦目に華を添えました。

レース前から大雨に見舞われ、路面コンディションは非常に難しくなる中、グリッドへ向かっていたセルジオ・ペレスがターン6の“レ・コーム”でコントロールを失い、バリアへとクラッシュ。
右フロントサスペンションを破損し、グリッドに並べない状態となりました。

しかし、雨は収まる気配がなく、スタートは延期に。
さらに、フォーメーションラップを行ったものの、コース上の水が多く視界が確保できない状態だったため、スタート進行が中止されます。
ここから3時間以上の中断を経てレースが再開。
グリッドの通り、フェルスタッペンが先頭で、ピエール・ガスリーは6番手、角田裕毅はペレスのクラッシュによって1つ順位が繰り上がり、15番手でのリスタートとなりました。

Red Bull Racingはこの中断の間にマシンの修復を完了させ、ペレスはレースへ戻ることができました。
セーフティカーが先導する隊列の最後尾についたペレスでしたが、レースは再び赤旗中断となったために順位を上げることは叶わず、20位となりました。

リーダーのフェルスタッペンが2周を消化したことから、レースは成立。
規定によって入賞者の獲得ポイントは半分となり、フェルスタッペンは12.5ポイントを得てチャンピオンシップでの差を詰めました。
ガスリーは6位入賞で、Scuderia AlphaTauri Hondaは4ポイントを獲得しています。

このベルギーGPから3連戦の日程が組まれており、次戦は1週間後。ザントフォールト・サーキットでのオランダGPで、フェルスタッペンは再びホームグランプリに臨みます。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「今日のベルギーGPの決勝は朝から降り続く雨が上がらず、雨雲の様子や路面コンディションを見ながらレーススタートまでに3時間以上の延期となりました。
セーフティカーの先導でレースは開始されましたが、路面状況が悪いこと、また前車の上げる水しぶきで視界が非常に悪いことなどから、3周を終えたところで赤旗中断となり、そのままレースが終了となりました。

ポールポジションを獲得していたRed Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手が優勝、Scuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手が6位となり、両チームともにポイントを獲得できたことはうれしく思っています。
残念なことに、ペレス選手はレコンノサンスラップでコントロールを失い、バリアにクラッシュしてマシンにダメージを負いました。
赤旗中断の間にメカニックが懸命の修復を行い、レース開始には準備が間に合ったものの、セーフティカー先導であったためポジション回復には至りませんでした。

寒い気温と雨の中で待ち続けたファンのことを思うと、もっといいコンディションの中でレースをしたかったという想いもあります。
来週はフェルスタッペン選手の母国、オランダでのレースになります。
初の開催となるザントフォールト・サーキットでの戦いとなりますので、十分な事前準備を進めて臨みます」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 1位)

「勝利を挙げてポイントを獲得することは重要ですが、今日は誰もが望まぬ形になりました。
特に、Hondaとの50戦目だっただけに残念です。
結果として、昨日ポールを取っていたことが大切でしたね。
このコースは大好きなので、いつものようなレーシングラップができなくて残念ですが、今日のようなコンディションでは不可能でした。
もしかしたら、15時30分時点のコンディションのほうが実際にリスタートしたタイミングよりもよかったかもしれませんが、それでも視界は非常に狭かったですし、レースができなかった理由も理解できます。
僕は先頭にいたので、セーフティカーの後ろとはいえ視界はだいぶましでしたが、後方のドライバーは何も見えなかった筈なので、もし誰かがオー・ルージュでコースアウトしてラインへ戻ってくるようなことがあれば、誰も望まぬ高速走行下でのTボーンクラッシュが起きる可能性もありました。
また、午後は雨が降り続いたことからグリップも非常に低く、改善しませんでした。

今日は、冷たい風雨の中で一日中待ってくれたファンの皆さんを称えたいです。
こんなコンディションで座っているのは本当に大変だったと思うので、心から感謝していますし、今日の真の勝者は観客の皆さんです。
ここからまた、僕らはチャンピオンシップのリードを奪い返すためにプッシュし続けなければなりません。
マシンがいいので自信はありますし、まだこの先は長いので、残りのシーズンも持てるベストのパフォーマンスを出していく必要があります」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝19位)

「今日はおかしな形の午後になりましたが、雨で寒い中、待っていてくれた素晴らしいファンの皆さんには感謝しています。
いいレースを見せられずに残念でしたが、これもこのスポーツの一面ですし、できる限りのことはやったのですが、このような形になってしまいました。
グリッドに向かう中でのクラッシュは僕のミスでした。
非常に視界が悪く、縁石に乗り上げてしまい、マシンのコントロールを失いました。
レースに戻ることは難しいと思っていましたが、チームが必死の作業をしてくれましたし、Red Bull Racingのスピリットを見せてくれました。
ベストを尽くし、あれだけ早く修理を完了してくれたことは素晴らしいと思います。
今日のレースで彼らの努力に報いたかったので、レースができないことは残念でしたが、幸いにもこの後ザントフォールトでのレースがありますし、とても楽しみにしています!」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝15位)

「今日はレースが不可能なのは明らかでした。
特に、7番手以降のドライバーにとっては、視界がほとんどない状況だったと思います。
今日のコンディション下で、スパのような高速コースでレースをするのは危険すぎるので、安全面を考えるとFIAの下した決定は正しかったと思います。
もちろん、個人的にはレースでポイントを獲得するチャンスがなかったのは残念ですが、安全のほうが重要です」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝 6位)

「長い一日となりましたが、レースができなかったことはとても残念です。
雨の中で一日中待ってくれたファンの皆さんにレースが見せられなくて本当に申し訳ないと思っていますし、最後までいてくれて感謝しています。
コンディションは非常に厳しく、これほど悪い状況でドライブしたのは初めてだと思います。
1周目に誰かがスピンしたら、視界がないので大きなアクシデントにつながってしまうことが問題でした。
この状況でレースをすることの危険性は分かっているので、今日は正しい判断だったと思います」

提供:本田技研工業(株)

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F1修正カレンダー、日本GPの代替開催地は空白

F1は、日本GP(鈴鹿サーキット)の中止決定を受け、今シーズン後半の修正カレンダーを発表した。
ただ一部の日程変更はあるものの、第20戦(11月21日)は開催地未定として空欄に留められた。
また全体のグランプリ数も1戦減らされた全22戦と縮小されたものになっている。

【2021年F1カレンダー】修正版(8/28)

No. 日程 グランプリ 開催地
1 03月28日 バーレーンGP バーレーン・サーキット
2 04月18日 ロマーニャGP イモラ・サーキット
3 05月02日 ポルトガルGP アルガルベ・サーキット
4 05月09日 スペインGP バルセロナ・サーキット
5 05月23日 モナコGP モンテカルロ市街地特設コース
6 06月06日 アゼルバイジャンGP バクー市街地特設コース
7 06月20日 フランスGP ポールリカール・サーキット
8 06月27日 シュタイヤーマルクGP レッドブルリンク
9 07月04日 オーストリアGP レッドブルリンク
10 07月18日 イギリスGP シルバーストーン・サーキット
11 08月01日 ハンガリーGP ハンガロリンク
12 08月29日 ベルギーGP スパフランコルシャン・サーキット
13 09月05日 オランダGP ザンドフールト・サーキット
14 09月12日 イタリアGP モンツァ・サーキット
15 09月26日 ロシアGP ソチ・サーキット
16 10月10日 トルコGP イスタンブール・サーキット
17 10月24日 アメリカGP(US-GP) オースティン・スピードウェイ
18 11月07日 メキシコGP ロドリゲス・サーキット
19 11月14日 サンパウロGP インテルラゴス・サーキット
20 11月21日 T.B.A T.B.A
21 12月05日 サウジアラビアGP ジェッダ市街地特設コース
22 12月12日 アブダビGP ヤス・マリーナ・サーキット

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雨のベルギーGPは赤旗中断相次ぎ、結局打ち切りに

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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8月29(日)15時(日本時間:22時)から今季F1第12戦ベルギーGPの決勝レースがスパフランコルシャン・サーキットを舞台に全44周で行われた。
スタート時の天候は雨、気温は12度、路面温度14度、路面はウェットコンディションとなっている。
リカルド(マクラーレン)は今回が通算200戦目の記念レース。
なお心配されたノリス(マクラーレン)のマシンは無事元のシャシーでの修復が完了、ただギヤボックスを交換したため15番グリッドからのスタートとなった。
またエアロダイナミックスを変更した模様のライコネン(アルファロメオ)はピットレーンスタートを選択している。

雨中のレコノサンスラップで7番グリッドのペレス(レッドブル)がコースアウト・クラッシュ、レースが始まる前に無念の戦線離脱となった。
雨の勢いが収まらずスタートは遅れに遅れ、結局25分遅れに。
フォーメーションラップはセーフティカー先導、レーススタートはできず、再びスタートはディレーに。
隊列はピットレーンへと戻った。
こうした間にレッドブルはペレスのマシンの修復を進め、1周遅れでのピットレーンスタートが認められた。

長い中断の後、当初予定より実に3時間17分を経て改めてレーススタートとアナウンスが流れた。
再度セーフティカー先導で3ラップほどした後、レースコントロールは再び赤旗中断を指示し、全車ピットレーンに戻された。
結局、現地時間6時45分(日本時間:翌1時45分)、レースコントロールはレース再開がないことを宣言。
レースは成立したもののレース距離の75%に達していないため規定によりポイントは半分となった。
F1次戦は来週のオランダGP(9月05日決勝)になる。

ベルギーGP決勝レースの結果はこちら
ベルギーGPの画像はこちら

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2021/08/29

ベルギーGPスターティンググリッド(修正版)

Start Signal (C)Mercedes Motorsports
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ベルギーGPのレーススチュワード(競技委員)は、ペナルティにより下記のようにスターティンググリッドを修正した。

それによれば、いずれも前戦ハンガリーGPでのアクシデントを誘発した責任を問われ、予選8位だったボタス(メルセデス)が13位に、また15位のストロール(アストンマーティン)も同様に20位にそれぞれ5グリッド降格のペナルティが科せられたもの。

【修正スターティンググリッド】

1. フェルスタッペン(レッドブル)
2. ラッセル(ウィリアムズ)
3. ハミルトン(メルセデス)
4. リカルド(マクラーレン)
5. ベッテル(アストンマーティン)
6. ガスリー(アルファタウリ)
7. ペレス(レッドブル)
8. オコン(アルピーヌ) *
9. ノリス(マクラーレン) *
10. ルクレール(フェラーリ) *
11. ラティフィ(ウィリアムズ) *
12. サインツ(フェラーリ) *
13. ボタス(メルセデス) *
14. アロンソ(アルピーヌ)
15. ジョビナッツィ(アルファロメオ) *
16. 角田裕毅(アルファタウリ) *
17. シューマッハ(ハース) *
18. ライコネン(アルファロメオ) *
19. マゼピン(ハース) *
20. ストロール(アストンマーティン) *

* 印は変更のあったドライバー

【追記】
その後ノリス(マクラーレン)がギヤボックス交換で5グリッド降格となった。

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ホンダ系チーム、公式予選コメント(8/28)

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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ベルギーGPの予選は目まぐるしく天候が変わる厳しいコンディションで行われましたが、Red Bull Racing Hondaのパートナーシップ50戦記念という節目のレースで、マックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。Hondaパワーユニット勢は3台がトップ10入りを果たしました。

終日ウエットコンディションとなったこの日、FP3ではRed Bull Racing Hondaが1-2となりました。
予選開始前には雨が強まり、スタートがディレイに。セッション開始後もほとんどのドライバーがフルウエットタイヤで走行を開始しましたが、そこから路面が回復し、インターミディエイトへと交換してアタックを続けました。

その後、再び雨が強まったことから、ラップタイムが急速に落ち始めます。
路面コンディションがいい状況でアタックできたドライバーのタイムが伸び、フェルスタッペンとセルジオ・ペレスが2番手と4番手、ピエール・ガスリーは8番手でQ1を突破。
スパ・フランコルシャンで初めての予選を迎えた角田裕毅は17番手に留まり、明日のレースでは他車のペナルティーにより16番グリッドからスタートします。

Q2では、開始前に雨が落ち着き、走行が進むごとにコンディションが回復していく傾向に。
セッション終了5分前に再び降雨が予想されていたことから、コースインのタイミングが重要となりましたが、フェルスタッペンとペレスは1回目のアタックで隊列の最後尾からコースイン。
その後、予想されていた雨は降らず、路面がさらに回復したことから、全車がタイヤを交換してさらなるアタックへと臨みました。

天候に翻弄されながらも、最終的にはガスリーが4番手、フェルスタッペンが5番手、ペレスは7番手で3名ともQ3進出を果たしました。

Q3開始前には再び大雨となり、不安定なコンディションの中でセッションがスタート。
ウエットタイヤを装着したランド・ノリス(マクラーレン)が、アタックの1台目となりましたが、オー・ルージュでコントロールを失い、激しいクラッシュを喫し、赤旗中断となります。
幸いにもノリスに大きなケガなどはありませんでしたが、マシンの撤去や路面の処理を行う間に雨が強まったこともあり、再開まで45分間の中断になりました。

Q3は残り約9分で再開され、全車がインターミディエイトタイヤでのアタックとなりました。
各車が1度目のアタックを終えてスローラップを挟み、そこから最後のアタックを行うという展開に。チェッカーフラッグが振られ、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がトップタイムをマークしますが、その後方からアタックしたフェルスタッペンが唯一2分を切る好アタックで上回り、今季6度目のポールポジション獲得となりました。

ガスリーは好調さを維持して3列目6番グリッドを獲得。
ペレスは他車と異なり3回連続でのアタックに挑みましたが、最終アタックでタイムを更新できず、7番手となりました。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「まさにスパウェザーと言える天候の中で行われた本日のベルギーGP予選は、難しいウエットコンデションの中、Red Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手が素晴らしい走りで今季6度目のポールポジション獲得しました。
Red Bull Racingとの50戦という節目に、ポールポジションを獲得できたことをうれしく思っています。
チームメートのペレス選手が7番手、Scuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手が前半戦に続き調子のよさを見せて6番手と、Honda勢3台がトップ7に入ったことはレースに向けていい結果です。

雨が降ったり止んだりと、雨脚が刻々と変化する中、路面状況の変化、他車の走行状況などを的確に判断し、タイヤのチョイスや、マシンを送り出すタイミングを計るなど、両チームの働きも素晴らしかったと思います。

角田選手についてはペースが上がらず17番手という結果になりましたが、明日は長いレースになりますし、ここスパ・フランコルシャンはオーバーテイクも多く見られるコースですので、レースではポジションアップを期待しています。
明日のレース時もこれまでと同様の天気予報が出ていますので、今日のデータを解析しコンディション変化に迅速に対応できるようにチームとともに準備を進めます。
予選Q3で激しい降雨の中、マクラーレンのノリス選手の大きなクラッシュがありましたが、自分の足でマシンを降り、大きなケガなどがなさそうなことには安心しました。
明日も同様な天候が予想される中、危険なクラッシュなどが発生することなくクリーンなレースが行われることを願っています」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(予選 1位)

「このホームグランプリでポールポジションを獲れてとてもうれしいです。
簡単ではありませんでした。
ラップをまとめるのが大変で、正しいタイミングと適切なラインを探りながら、どのくらいのスピードでコーナーに進入すべきかを判断しました。
長い赤旗中断の後だったので、難しかったです。
また、タイヤの熱入れも重要で、このような長いコースではラップタイムに2~3秒の影響が出ます。
明日のスタートはドライなのかウエットなのか分かりません。もしウエットでも先頭からのスタートのため、視界がクリアになるので気にしてはいませんが、クリーンでいいスタートを切れればと思います。
ランド(ノリス)は大きな衝撃を受けていると思うので、彼が無事で、大きなケガがなければと思います。
仲のいい友達ですし、明日彼がレースに出場できることを願っています」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(予選 7位)

「今日はマシンの調子もよく、もっとペースがあったと思うので、結果については悔しく思っています。
常に変わり続ける天候の下での予選は難しかったですし、最後のアタックが最も大切だったのですが、タイムアップを果たすことができませんでした。
結果は残念でしたが、明日も天候が不安定であらゆることが起きうると思うので、チャンスはたくさんあると思っています。
チームがいい仕事をしていますし、明日のレースでトラブルを避けることができれば、いい結果に向けて戦うことができるでしょう。
ランド(ノリス)がマシンから自分で降りてこられたことはよかったですし、問題ないことを願っています。
金曜のドライバーズミーティングではオー・ルージュに対する懸念を上げていましたし、来年は対策を打ってほしいと感じています。
明日のレースで今日のようなコンディションになった場合、あのようなブライングスポットでのコンタクトは避けたいですし、間違いなく対策が打たれたくてはいけない箇所だと思います」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】(予選17位)

「レースウイークが進む中で徐々にペースを上げてマシンに対する自信を深めていこうと取り組んできました。
それは上手くいったと思いますし、フリー走行の各セッションを通じてペースを組み立てていきました。
しかし、特にF1マシンでウエットの経験がまだ多くないので、今日の予選のコンディションは簡単ではありませんでした。
マシンのペースは明らかにいいので、Q2に進めなかったことは残念ですが、僕には速さが足りませんでした。
明日のレースでは追い上げができるように、複雑なコンディションになればと思っています」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(予選 6位)

「面白い予選となり、このコンディションでのドライビングを楽しみました。
コース上で何が起きるか予想がつかない中で、マシンの持つ限界まで攻める必要がありました。
6番手に入り、再び素晴らしい予選結果となりましたし、明日のレースでもいい位置につけられたと思います。
今日は厳しい展開でしたが、ランド(ノリス)が自力でマシンを降りて無事な様子が見られてよかったです。
明日の天候がどうなるかは分かりませんが、レースウイークを通じて変化しやすくなっているので、明日の朝カーテンを開けてどうなったのかを見てみるつもりです」

提供:本田技研工業(株)

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クラッシュのノリス(マクラーレン)、肘の精密検査に

Lando Norris (C)McLaren Group
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28日(土)に行われたベルギーGP予選Q3で大きなアクシデントに見舞われたマクラーレン・レーシングのランド・ノリス(21歳:イギリス)は、精密検査のため市内の病院に搬送されたことがわかった。

事故直後には、メディカルカーの到着よりも早く後続のベッテル(アストンマーティン)が駆け付けノリスの身体を案じたが、OKのサインをもらったこともあり、無事と確認された。
事実、マシンからは自力で脱出し、路面に飛び降りるシーンがみられたが、その後コクピット内で左肘を激しく強打していたことがわかったもの。
ノリスはサーキット内のメディカルセンターで応急措置を受けた後、病院に搬送されて精密検査を受けているとのことだ。

なおマシンの損傷は大きく、おそらく新たにシャシーから用意しないとならない見込みのようだ。
ノリスは予選Q2で最速タイムを記録していて、初のポールポジション獲得に挑んでいた。

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契約延長のペレス(レッドブル)、「2022年が重要な年」

Sergio Perez (C)Redbull Racing
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ベルギーGPの会場で2022年の契約延長が発表されたレッドブル・レーシングのセルジオ・ペレスは、これを歓迎しながらも「2022年こそが重要な年になる」と、自ら戒めた。

「チームが僕を信頼してくれたことに感謝する。
レッドブルのような高い戦闘力を持ったチームで来年も走れるのはドライバー冥利に尽きるよ。
なんたって、あのメルセデスと対等に渡り合っている唯一のチームだからね。
今年、フェルスタッペンと共にやるべき課題は多くて難しいものだけれど、来年はもっと困難なシーズンになる。
レギュレーションが大きく変わる2022年に向けて、すでに開発をシフトしているチームが多いからね。
僕らがそれに後れを取らないか心配なんだ」と、F1生活11年目のベテラン。

チームではその意味でも経験豊かなペレスの存在は大きいとしている。

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赤旗で荒れたベルギーGP予選、フェルスタッペンがPP

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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8月28日(土)15時(日本時間:22時)からポールリカール・サーキットを舞台に2021年F1第12戦ベルギーGPの公式予選が始められた。
18分間で争われるQ1では全20台中、下位の5台がノックアウト、15台によるQ2でも下位の5台がノックアウト、そして10台12分間で行われるQ3では決勝レースのトップ10グリッドが決定する。

再び雨脚が激しくなった予選Q3、Q2で最速だったノリス(マクラーレン)がオー・ルージュでいきなりスピン、ガードレールにクラッシュしてマシンは大破、直ちにセッションは赤旗中断となった。
無線でコンディションの悪化を訴えていた後続のベッテル(アストンマーティン)がマシンを止めて容態を気遣った。
幸いノリスに大きな怪我はないようにみえる。

強い雨のせいで約40分もの長い中断の後、やっとセッションが再開。
インターミディエイトとウェットの判断が分かれたが、やがて全車インターミディエイトでのアタックに。
熾烈なタイム争いの末、水しぶきの中みごとポールポジションを獲得したのはほぼ地元のフェルスタッペン、雨に濡れながら辛抱強く待ち続けた観衆の声援を浴びた。
フェルスタッペンのポールはイギリスGP以来今季6回目、自身通算9回目の快挙となった。
予選2位は自身2度目のラッセル(ウィリアムズ)で、本家メルセデスAMG勢を下してみせた。
3位ハミルトン(メルセデス)、4位リカルド(マクラーレン)、5位ベッテル(アストンマーティン)、6位ガスリー(アルファタウリ)、7位ペレス(レッドブル)、8位ボタス(メルセデス)、9位オコン(アルピーヌ)、10位がノータイムのノリス(マクラーレン)となった。
ベルギーGP決勝レースは29日(日)15時(日本時間:22時)から全44周で行われる。

ベルギーGP公式予選の結果はこちら
ベルギーGPの画像はこちら

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2021/08/28

予選Q2、ノリス(マクラーレン)が最速

引き続きベルギーGP予選は15分間のQ2が行われた。
路面は乾きつつあるようだが、ここでも15台中、Q1と同じく下位の5台がノックアウトとなる。
なおウェット宣言のため上位10台のここでベストタイムを記録したタイヤが明日・決勝レースのスタートタイヤとなる規定は適用されない。

激しいアタックを終え、トップはノリス(マクラーレン)。
2番手ハミルトン(メルセデス)、3番手ボタス(メルセデス)、4番手ガスリー(アルファタウリ)、5番手フェルスタッペン(レッドブル)、6番手ベッテル(アストンマーティン)、7番手ペレス(レッドブル)、8番手ラッセル(ウィリアムズ)、9番手リカルド(マクラーレン)、そして10番手オコン(アルピーヌ)までがQ3進出。

ここでの敗退はルクレール(フェラーリ)、ラティフィ(ウィリアムズ)、サインツ(フェラーリ)、アロンソ(アルピーヌ)、そしてストロール(アストンマーティン)の5台となった。

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ウェットの予選Q1、角田裕毅(アルファタウリ)脱落

8月28日(土)15時(日本時間:22時)からスパフランコルシャン・サーキットを舞台に2021年F1第12戦ベルギーGPの公式予選Q1が始められた。
18分間で行われるここでは全20台中、下位5台がノックアウトとなる。
天候は雨、セッション開始時の気温は13度、路面温度は18度まで低下、ヘリコプターは飛んでいるがコースはもちろんウェットコンディションとなっていて、セーフティカーで確認の結果公式予選の開始はディレーとされた。

12分遅れで予選Q1開始。
目まぐるしい順位争いの結果、トップはノリス(マクラーレン)、2番手フェルスタッペン(レッドブル)、以下ハミルトン(メルセデス)、ペレス(レッドブル)、ラッセル(ウィリアムズ)、ボタス(メルセデス)、ガスリー(アルファタウリ)、ルクレール(フェラーリ)、ラティフィ(ウィリアムズ)、サインツ(フェラーリ)、リカルド(マクラーレン)、ストロール(アストンマーティン)、アロンソ(アルピーヌ)、オコン(アルピーヌ)までがQ2進出。

ここでの敗退はジョビナッツィ(アルファロメオ)、角田裕毅(アルファタウリ)、シューマッハ(ハース)、ライコネン(アルファロメオ)、マゼピン(ハース)の5台となった。

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ウェットのフリー3回目、レッドブル勢が1-2タイム

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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8月28日(土)12時(日本時間:19時)からスパフランコルシャン・サーキットを舞台に2021年F1第12戦ベルギーGPのフリー走行3回目セッションが行われた。
天候は曇り、セッション開始時の気温は13度、路面温度15度、コースはセッション前に降った雨のため、まだウェットコンディション。
インストレーションラップはマシンによってインターミディエイトかウェットタイヤか選択が分かれている。
なお前日クラッシュしたルクレール(フェラーリ)はスペアシャシーでの走行となっている。

1時間のセッションの前半を終え、フェルスタッペン&ペレスのレッドブル勢が1-2タイム。
これにハミルトン(メルセデス)、ノリス(マクラーレン)と続いている。
終盤、路面コンディションの好転と共にドライタイヤで走行するマシンも現れたが、スピンが続出してタイムアッフムはならず。

結局トップはフェルスタッペン(レッドブル)、2番手ペレス(レッドブル)、3番手ハミルトン(メルセデス)、4番手ノリス(マクラーレン)、5番手オコン(アルピーヌ)、6番手ストロール(アストンマーティン)、7番手ガスリー(アルファタウリ)、8番手ベッテル(アストンマーティン)、9番手ラッセル(ウィリアムズ)、10番手アロンソ(アルピーヌ)となった。
今日が32歳誕生日のボタス(メルセデス)は11番手、角田裕毅(アルファタウリ)は17番手に留まった。

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ホンダ系チーム、フリー走行コメント(8/27)

Pierre Gasly (C)Scuderia Alphatauri
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後半戦のスタートとなるベルギーGPがスパ・フランコルシャンで開幕。
初日は各車とも順調に走行を重ね、FP2では、マックス・フェルスタッペンが終盤にクラッシュを喫したものの、トップタイムでセッションを終えました。

サマーブレイク明け最初のセッションとなったFP1は、ウエットからドライへと切り替わる難しいコンディションとなり、序盤はインターミディエイトタイヤでの走行となりました。
徐々に路面が乾き、スリックタイヤでの走行が可能となると、フェルスタッペンがトップタイムをマークします。

終盤では各車がソフトタイヤで走行し、最終的にフェルスタッペンはセッションを2番手で終えます。
ピエール・ガスリーが好調な走りで3番手に続き、セルジオ・ペレスは5番手に。
スパでのF1マシン初走行となった角田裕毅は、スピンを喫する場面があったものの、15番手につけました。

FP2も路面がやや濡れた状態で開始したものの、すぐに路面が乾き、多くのチームがスリックタイヤでの走行が可能になったタイミングでコースイン。
ここでもフェルスタッペンが、メルセデス勢の2台を抑えてトップタイムをマークします。

残り時間わずかとなったところで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がセクター1の終わりでクラッシュを喫し、赤旗中断となります。
残り10分でセッションが再開され、各車は一斉にコースインしましたが、ターン7の出口でフェルスタッペンがスピン。
マシンの右後部にダメージを負い、再び赤旗が掲示されます。
残り時間が短かったことから、セッションはそのまま終了となりました。

最後のクラッシュがあったものの、フェルスタッペンはFP2をトップで終了。
ガスリーも5番手と好調を維持し、ペレスは10番手、角田は12番手となりました。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「サマーブレイクを終えて後半戦の初戦、ベルギーGPの初日が終了しました。
休暇を挟み、2週間のブランクがありましたが、チームメンバー、Hondaのメンバーともに今週頭からスパ・フランコルシャンのサーキットへ入り、通常のレース週末と変わらないペースで、スムーズに準備を進めました。

スパウェザーと言われるように不安定な天候のため、路面には一部ダンプ状態などもありましたが基本的にドライでの走行ができています。
Honda PUを搭載したRed Bull Racing、Scuderia AlphaTauriの4台は、おおむね予定通りに初日のメニューを消化しました。
これから、不安定な天候なども考慮しながらキャリブレーションの最適化を進め、予選・レースに向かいます。

なお、FP2の最後にフェルスタッペン選手がマシンのコントロールを失い壁に接触するトラブルがありましたが、現時点ではPUのデータ上で特に異常は見られていません。
ここからさらに詳細に、状況を確認していきます」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(2- 1番手)

「 今日はポジティブなスタートが切れたのは明らかでしたが、FP2の最後にリアのコントロールを失いました。
ややオーバーステアになりすぎ、ウォールにヒットしてしまいました。
チームとしては、FP1とFP2の間に行った調整も含めてすべてが順調に進み、満足しています。
明日に向けては天候なども考慮に入れなければなりませんが、ウエットで路面がどのようになるかを判断するのは難しいです。
土曜も日曜も今日と似た天候になると思うので、面白い戦いになる筈です。
また、チェコ(ペレス)が来季もチームに残ることが決まったのも素晴らしいことです。
僕らはいい関係が築けているので、また一緒に仕事ができてうれしいですし、今季も来季もチームに多くのポイントをもたらせるように挑んでいきます」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(6-10番手)

「マシンのフィーリングはよく、今週末は力強いポテンシャルがあると思います。
マシンの調整に大きな影響があるので明日の天候がどうなるかは興味深い点ですが、楽しみにしています。
僕らはいい戦いができて、予選でも上位につけられると思います。
今日のペースはよかったですし、誰がQ3ですべてを上手くまとめてくるのか面白くなる筈です。
今日は2回のセッションを通じて多くの情報を収集できたので、明日ベストなパッケージを手にするために、今夜はそれを分析していきます。
Red Bullとの来季の契約が決まったのは素晴らしいことで、今季にエネルギーを注いでいくことができます。
このチームの一員であることを心から楽しんでいるので、2022年もそれが継続できることはうれしいですが、まずは今週末の戦いに集中し、ベストな結果を出せればと思います」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】((15-12番手)

「今週末、僕が目指すのは安定性で、フリー走行の各セッションを通じて徐々にペースを上げていきます。
ここまではそれが上手くいき、セッションをこなす毎に適応してパフォーマンスを向上させられていると思います。
チームで見ればペースがいいことは分かっているので、このまま向上していって自信を深めて明日の予選に向かいたいです。
スパでは天候の変化があるのが伝統のようなもので、ドライビングは難しいのですが、この数年でいい思い出が多くあるサーキットなので、またこのコースを、特にF1マシンでドライブできて、とてもエキサイティングな気分です」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(3- 5番手)

「サマーブレイクが明け、再びレースに戻って来られて本当にうれしいです。
それが、スパのような素晴らしいコースなら尚更です。
僕らにとっては、今週末を可能な限りベストな形でスタートすることが重要でしたが、今日は3番手と5番手で終えられて、それが達成できたと思います。
明日に向けて取り組むべき領域は分かっていますし、常に向上できる点はあるものです。
今日もさまざまなコンディションとなったように、ここスパでは天候が非常に変わりやすいので、これについても準備が必要です。
僕らのベースラインはいいと思うので、明日の予選ではすべてが上手く機能することを確認できればと思います」

提供:本田技研工業(株)

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F1、超小型ヘルメットカメラ映像お披露目

Image (C)Alpine F1 Team
F1は、27日(金)行われたベルギーGPのフリー走行セッションで、史上初めての試みとなる『ヘルメットカメラ』の映像をお披露目した。

これはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌF1)のヘルメットのバイザーの内側に超小型のマイクロカメラを取り付けたもので、まさにドライバー目線の画角のシーンがこれまでのオンボードカメラにはない迫力を世界の視聴者に届けたもの。
コースだけでなく、コクピット内部の表示なども丸写しとなった。
ただヘルメット内部ということで安全面の懸念を示す向きもあり、今後定着するかは不明だ。

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2022年初開催のマイアミGP、辣腕運営者を起用

Richard cregan (C)Ex.Panasonic Toyota Racing
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2022年にアメリカ第2のグランプリとして開催が予定されているマイアミGPの主催者は、専門的知識や経験を活かした運営責任者としてリチャード・クレガン氏(アイルランド)を起用することを明らかにした。

元トヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)で同社のF1やスポーツカーレースで実績を挙げたクレガン氏は、その後アブダビGPの開催地ヤス・マリーナ・サーキットの責任者を契機にグランプリ運営に携わると、さらにソチ・サーキットでのロシアGP立ち上げにも尽力を果たした。

今回運営に加わったマイアミGPは、NFLチームであるマイアミ・ドルフィンズの本拠地ハードロック・スタジアムの周囲に特設される全長5.41kmのコースで2022年から開催される予定となっている。

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2021/08/27

フリー2回目、フェルスタッペンのクラッシュで終える

Spa-Francorchamps (C)Pirelli Motorsport
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8月27日(金)15時(日本時間:22時)からスパフランコルシャン・サーキットを舞台に2021年F1第12戦ベルギーGPのフリー走行2回目セッションが行われた。
午前のフリー走行後、サーキットは再び雨に見舞われたが現在の天候は曇り、セッション開始時の気温は14度、路面温度19度、コースはほぼドライコンディションとなっている。

開始約40分、オコン(アルピーヌ)が派手にスピンしてイエローフラッグが出される。
5分後にはルクレール(フェラーリ)が6コーナーでコースアウト・クラッシュしてセッションは赤旗中断に。
残り時間10分でセッション再開、ピットレーン出口に19台が全車整列して再開を待つ。
しかし最後にフェルスタッペンがクラッシュして再び赤旗、フリー走行のためそのままセッション再開は終了とされた。

皮肉にもこのセッション最速はそのフェルスタッペン(レッドブル)で1'44.472のベストタイム。
2番手ボタス(メルセデス)で1'44.513。
3番手ハミルトン(メルセデス)、4番手アロンソ(アルピーヌ)、5番手ガスリー(アルファタウリ)、6番手ストロール(アストンマーティン)、7番手オコン(アルピーヌ)、8番手ベッテル(アストンマーティン)、9番手ノリス(マクラーレン)、10番手ペレス(レッドブル)となった。
角田裕毅(アルファタウリ)は12番手、クラッシュしたルクレールは18番手となった。
なおこのセッションではおそらくF1史上初、アロンソのヘルメット内部に設置されたマイクロカメラでのドライバー目線画像が披露され、大きな話題を呼んだ。
明日はフリー走行3回目セッションと注目の公式予選が行われる予定となっている。

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レッドブル・レーシング、ペレスとの2022年契約を発表

Sergio Perez (C)Redbull Racing
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27日(金)、レッドブル・レーシングは同チームのセルジオ・ペレス(31歳:メキシコ)のと契約を2022年まで延長したことを正式発表した。

昨シーズン、レーシング・ポイントから移籍したペレスはアゼルバイジャンGPで自身2勝目を記録しただけでなく、8回の入賞などその堅実なドライビング・スタイルが高く評価されていた。
チームメイトであるマックス・フェルスタッペン(23歳:オランダ)の残留はすでに決まっているので、これで同チームは来季も同じドライバー・ラインナップで戦うことが確定した。

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ベルギーGPフリー1回目、ボタス(メルセデス)が最速

Spa-Francorchamps (C)Pirelli Motorsport
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8月27日(金)11時30分(日本時間:18時30分)からベルギーのスパフランコルシャン・サーキットを舞台21年F1第12戦ベルギーGPのフリー走行1回目セッションが始められた。

天候は予報通り軽い雨が降ったがほぼ上がり、セッション開始時の気温は12度、路面温度16度と低く、コースは一部ダンプコンディションとなっている。
ピレリは今回5種類用意されたコンパウンドのうち、ホワイトのハードにC2、ミディアムのイエローにC3、そしてレッドのソフトにC4という中間の部類に位置する3種のタイヤを選択・持ち込んでいるが、インストレーションラップはインターミディエイトタイヤでの幕開けとなった。

セッション半ば、ライコネン(アルファロメオ)がピットレーンの進入でガードレールに接触というベテランらしからぬ珍しい出来事。
ハミルトン(メルセデス)はアタックラップでラティフィ(ウィリアムズ)とあわやという危ない場面も。
セッション終盤再び雨粒がみられたがドライタイヤのままフィニッシュ。
トップタイムはボタス(メルセデス)の1'45.199。
これに0.164秒差でフェルスタッペン(レッドブル)が2番手。
以下、3番手ガスリー(アルファタウリ)、4-5番手にルクレール&サインツのフェラーリ勢、6番手ペレス(レッドブル)、7番手ベッテル(アストンマーティン)、8番手ノリス(マクラーレン)、9番手オコン(アルピーヌ)、10番手アロンソ(アルピーヌ)となった。
角田裕毅(アルファタウリ)は15番手、ファステストラップを邪魔されたハミルトン(メルセデス)は18番手に留まった。
このあと15時(日本時間:22時)からフリー走行2回目セッションが行われる予定となっている。

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アルピーヌF1、アロンソとの契約1年延長

Fernando Alonso (C)Alpine F1 Team
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F1後半初戦のベルギーGPを前に、アルピーヌF1チームはフェルナンド・アロンソ(40歳:スペイン)との契約を2022年末まで1年間延長したことを正式発表した。

アロンソとの契約は2021年の1年契約だったが、チームはオブション権を行使したもの。
今シーズン、2年ぶりにF1復帰したアロンソはブランクを感じさせない高いパフォーマンスを示してチームに貢献していた。

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ベルギーGPの週末、3日間共に雨の可能性

Wet Tyre (C)Pirelli Motorsport
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今週、スパフランコルシャン・サーキットで開催される2021年後半初戦ベルギーGPの開催地であるリエージュ州地方の天候について、地元気象台はフリー走行の金曜日、公式予選の行われる土曜日、決勝レースの日曜日ともにいずれも曇りないし雨の可能性を伝えている。

期 日 種 目 気 候 気 温 降水確率
8月27日(金) フリー走行 曇り所により雨 11- 14度 90%
8月28日(土) 公式予選 曇り所により雨 11- 16度 90%
8月29日(日) 決勝レース 曇り所により雨 11- 15度 80%

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2021/08/26

F1、今日にも後半戦の改定カレンダー発表へ

Image (C)Pirelli Motorsport
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10月10日の日本GPや11月21日のオーストラリアGPの開催中止などで改定が必至となっているシーズン後半のF1カレンダーだが、その改定スケジュールが今日26日(木)にも発表される見込みだ。

すでに中止になった10月3日のシンガポールGPはトルコへの変更が決まっているが、トルコはイギリスが定める『感染レッドリスト国』に指定されていて、その直後にヨーロッパ地域で代替開催をするのは事実上不可能となっている。
このため昨年のサクヒールGPのように中東バーレーンでの開催や、これまでもしばしば名前が挙がるカタールGPなどに期待が集まっている。

それでも2021年のF1が当初のカレンダー通り全23戦で実現できるかは注目だ。

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ベルギーGPのスチュワードにデレック・ワーウィック氏

Derek Warwick (C)Renault F1 UK
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FIA(国際自動車連盟)は今週末行われる第12戦ベルギーGPのドライバー出身枠レーススチュワード(競技審査委員)に、ベテランのデレック・ワーウィック氏(66歳:イギリス)を指名した。

元ルノー等のF1ドライバー(最高位:2位)であるワーウィック氏のスチュワード就任は今年のオーストリアGP以来となるもので、自身通算34回目。
これは目下最多のエマニュエル・ピロ氏の38回に次ぐものになる。
なおフットワーク時代には日本の鈴木亜久里とチームメイトだった。

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F1、『最多オーバーテイク賞』を新設へ

Crypto.com logo
F1は、今シーズンから新たに『最多オーバーテイク賞』を新設することを明らかにした。
正式名は『Crypto.com Overtake Award』と称し、その名の通りシーズンを通して最多のオーバーテイクをしたドライバーに授与されるもので、今シーズン開幕戦から遡って選定される。
なお11戦を終えた現時点の集計では、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティンF1)が1位にランクされているとのことだ。

なおタイトルにあるようにこの賞は仮想通貨のシステム企業であるCrypto.comのスポンサードによるもの。
同社は今季3戦に渡って実施しているスプリント予選のタイトル・スポンサーも務めている。

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2021/08/25

2022年アルファロメオのレースシートはライコネン次第

Kimi Raikkonen (C)Alfaromeo Racing
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F1はいま束の間の夏休みだが、一部のチームでは早くもストーブリーグならぬF1夏の陣が繰り広げられている。
フェラーリ製パワーユニットを搭載するアルファロメオ・レーシングもその一つで、ライコネン&ジョビナッツィ両ドライバー共に今年末までの契約とみられることからすでに多くのドライバーの名前がメディアを賑わせている。

とりわけ42歳と現役F1ドライバーの中で最年長であるキミ・ライコネンについては、すでに今季限りでの引退を前提に報じられているのが現状だ。
しかしこれについて当のライコネンは、「2022年もF1で走るかどうかは僕の意志次第」と牽制した。
その上で「まだ続行するかどうかについて何も決めていない」と、はぐらかしている。

ライコネンが引退した場合の後任には、シューマッハ(現ハース)の移籍やジュニア育成ドライバーであるカラム・アイロット(22歳:イギリス)の抜擢、さらには周冠宇(アルピーヌ)の起用に加え、元F1ドライバーのアルボンやヒュルケンバーグなど枚挙に暇がない。

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ウィリアムズ首脳、ラティフィの来季残留を示唆

Nicholas Latifi (C)Williams Racing
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ウィリアムズ・レーシングのヨースト・カピート/CEO(63歳:ドイツ)が、母国ドイツのテレビ局『シュポルト1』に出演、来季の同チームドライバーについて言及した。

今シーズン、同チームはジョージ・ラッセル(23歳:イギリス)とニコラス・ラティフィ(26歳:カナダ)いうドライバー・ラインナップで参戦。
ここまで予選では11戦11勝でラッセルが圧倒しているが、前戦ハンガリーGPではラティフィが7位、ラッセルが8位と共に今季初となるW入賞を果たしている。
両ドライバー共に残留というのがチームとしては無難な線だが、メルセデスAMGチームのリザーブドライバーも兼ねるラッセルには、来季ボタスの後任として本家メルセデス昇格の噂が絶えない。

来季のラッセルについてカピート/CEOは「まだ何も正式に決まったものはない」と、しながらも、一方のラティフィについては「残留が確実」と太鼓判を押した。
その背景には同選手の父親であるマイケル・ラティフィ氏の存在があるようだ。
マイケル氏は同チームのスポンサーでもある大手食品会社『ソフィーナ・フーズ』を経営、カナダの富豪として知られる。

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2021/08/24

マイケル・アンドレッティ氏、F1チーム買収に関心

Michael Andretti (C)Andretti Green Racing
インディカー・シリーズに参戦するアンドレッティ・オートスポーツ・チームのオーナーでもあるマイケル・アンドレッティ氏(58歳:アメリカ)が、既存チームを買収してのF1参戦に高い関心を持っていることを明らかにした。

マイケル・アンドレッティ氏のF1での最高成績はマクラーレン・フォードによる1993年イタリアGPの3位。
F1でこそ当時のルールなど様々な不運が重なって成功しなかったが、アメリカ・レース界のレジェンドでCARTでは1991年にチャンピオンに輝くなど多くの勝利を獲得した名ドライバー。

また父親のマリオ氏は同じく1984年のCARTチャンピオンであるだけでなく、1978年のF1チャンピオン(ロータス・フォード)、そして子息のマルコも同じくインディカー・ドライバーというレーサー一族だ。

伝えられるところでは、すでにハースF1チームを対象として交渉に入ったものの不首尾に終わり、現在は他のチームに打診しているということだ。
ただ実現の可能性はあまり高くないとみられる。

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「来季ドライバー発表」遅れる見込みのメルセデス

Toto Wolff (C)Mercedes Motorsports
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夏休み明けにも発表があるのではとみられていたメルセデスAMGチームの来季ドライバーだが、同チームのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターは「まだ決定していない」と、噂を否定した。
これはドイツの専門紙『ビルト』の取材に答えた際に、発表はもう少し先になるとの見解を示したもの。

これまでの見方では、すでに2023年までの契約延長が正式発表されているルイス・ハミルトンのチームメイトとして、高い才能が評価されているジョージ・ラッセル(現ウィリアムズ)を来季は据えるというのが主流とされていた。

発表に時間が掛かっているのは、あるいはメルセデスのシートを喪失することになるバルテリ・ボタスの移籍先がまだ決まっていないことがあるのかも知れない。
噂ではデビュー・チームであるウィリアムズへの復帰ないしアルファロメオへの移籍という案が聞かれている。

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2021/08/23

日本GP中止、日本政府の対応に疑問符

2021日本GPロゴ (C)Honda Racing
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結局今年も新型コロナウイルスの影響により中止という決断に追い込まれたF1日本GPだが、最後まで開催に向け奔走した鈴鹿サーキット(モビリティランド)の田中薫社長が、その背景について次のように語った。

それによれば日本GPのために海外から入国する関係者について、入国ビザの発給、及び入国後の隔離措置について最後までこれを保証する政府からの回答が得られず、時間的に不可能と判断したものという。

主催者側は入国する人間のリスト化や使用する空港の限定化を行うなどの準備をしたが、政府はイベントの窓口はスポーツ庁、ビザを発給するのは外務省、防疫を判断するのは厚労省、入国の審査は法務省といった具合で対応に時間が掛かる背景が露呈したという。

ホンダF1最後の年、そして7年ぶりの日本人F1ドライバーのフル参戦など開催への期待が大きかっただけに、無念さを隠せなかった。

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2022年型F1マシン、視界に難点ありか

2022 F1 Car (C)Pirelli Motorsport
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2022年シーズンのF1マシンは、2年ぶりに大きく変更されるレギュレーションにより外観的にも大きな変化が予想される。

とりわけ大きいのが、タイヤが現行の13インチ径から18インチ径に大型化されること。
これに加えさらにエアロダイナミックスの規定も変更されフロントタイヤにはフロー・ディレクターと呼ばれる整流のためのカバーが取り付けられることも相俟って、これらがハロー(頭部保護装置)システム以上にコクピットからの視界の妨げとなることが指摘されている。

すでにシミュレーターで2022年仕様マシンのテストをしたドライバーからは「コースの縁石が見通せなくなった」と訴える声もあり、オープニングラップなどの接近したバトルではマシンどうしの位置関係にも影響を及ぼしそうで、今後の改善策が注目される。

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2021/08/22

アルピーヌ、新規参入チームとのエンジン供給交渉認める

Alpine logo (C)Alpine F1 Team
F1は増大する一方のコスト削減に向け、大幅なバジェットキャップ(予算制限)を設ける方向だが、これにより新たな新規参入チームが名乗りを挙げることが期待されている。
こうした動きを受け、アルピーヌF1では複数の新規参入チームに対しPU(パワーユニット)を供給する交渉が進行中であることを明らかにした。

これは同チームのマルチン・ブコウスキー/エクゼクティブ・ディレクターが語ったものだが、その具体的なチーム名については先方の事情もあるとして挙げることは避けた。
「それらはかねて報じられているところもあれば、まだ報道されていないところもある。
いずれもF1に大幅なコスト削減が図られることが前提だ」としている。

今シーズンのエンジン分布図では、メルセデスが4チーム、フェラーリが3チーム、ホンダが2チームなのに対し、アルピーヌ(前ルノー)は自らへの1チーム供給のみに留まっている。

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レッドブル、2チーム同時に来季ドライバー発表へ

M.Verstappen & H.Marko (C)Redbull Racing
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レッドブル・グループでドライバー人事に影響力を持つヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーは、夏休み明けまもなく傘下のレッドブル・レーシング&アルファタウリ2チーム4人の来季ドライバーを同時に行う方針をドイツ・メディアに示唆した。

両チームはレッドブルがフェルスタッペン&ペレス、アルファタウリがガスリー&角田裕毅というラインナップで今シーズンを戦っているが、関係者によればいまのところ変更されるという話は持ち上がっていないようだ。

マルコ博士は具体的な名前は挙げなかったものの、「いくつかの選択肢は検討しているが、4人が継続というのが両チームにとって良い手段」と、残留の可能性をほのめかしている。
発表の期日については、早ければ次戦のベルギーGP、もしくはその次のオランダGPとの見方が強い。
ちなみにオランダGPはフェルスタッペンのホームコース。
昨年は新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれたが、今年は7万人まで観客が入る予定。
35年ぶりの開催とあって実現すれば『オレンジ・アーミー』の盛り上がりが予想される。

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2021/08/21

アルピーヌF1勢、ルマン24時間レースでデモランへ

Fernando Alonso (C)Alpine F1 Team
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今週、フランスが誇る伝統の『ルマン24時間レース』が当地で行われていて、19日(木)までに行われた公式予選では地元フランスのアルピーヌのマシンがトヨタWECチーム勢に肉薄して3番グリッドを獲得している。

このレースに同じくフランスを本拠のアルピーヌF1チームのアロンソ&オコンがそれぞれエールのデモンストレーションランを行うことがわかった。
それによれば、オコンがアルピーヌの最新仕様GTカー『A110 GT4』を、またアロンソはアルピーヌ・カラーにペイントされた旧型の『ルノーRS20』をドライブする予定とのことだ。
なお世界三大レース制覇を狙うアロンソは、2019年にトヨタでルマン制覇を果たしている。

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マクラーレン、タイトル獲得に向け最新風洞設備新設へ

McLaren Technology Center (C)McLaren Group
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かつてのチャンピオン・チームであるマクラーレン・レーシングが、タイトル獲得に向けて本格的に稼働する意欲をみせている。

これは同チームの指揮を執るアンドレアス・ザイドル代表が明らかにしたもので、2024年までにイギリス・ウォーキングにある同チームのテクノロジー・センターに最新仕様の風洞設備を新設しようとするもの。
現代のモーターレーシングでは実車を使わずコンピュータによるCFD(計算流体力学)を用いた開発が主流になりつつあるが、それでも風洞設備によるデータ収集はエアロダイナミックスの設計に欠かせない要素。

F1ではコスト削減のため使用制限も案じられる中、マクラーレン・レーシングは巨費を掛けて設置に動く模様だ。
なお現在同チームでは、かつてトヨタF1のベースだったドイツ・ケルンのTGR-E(トヨタ・ガズーレーシング・ヨーロッパ GmbH)の風洞設備を使用しているとのことだ。

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2021/08/20

オリンピックとF1の違いは?

2021日本GPロゴ (C)Honda Racing
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最終的に無観客レースになろうとも最後まで開催の道を探っていた日本GPが開催断念に追い込まれたのは、海外からの入国者に14日間の隔離を求める日本政府の示した規制だったことがわかった。
前戦のトルコGPから1週間の間隔で迎える日本GPにとって、これはクリアすることが不可能な条件だからだ。

しかし五月雨式に入国する東京五輪の選手や関係者が『バブル方式』と称して隔離を免れたのと比べ、チャーター機で移動するF1のほうが事実上のバブルであると言え、感染拡大のリスクは少ない筈。
事実、最近行われたグランプリでは有観客レースが続いている。
最後まで許可しなかった日本政府当局の判断に、ファンからは怨嗟の声が持ち上がっている。

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アストンマーティンF1、来季マシンの開発に移行へ

Sebastian Vettel (C)Aston Martin F1 Team
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昨年までのレーシング・ポイントから今季はアストンマーティン社のブランドを冠して参戦しているアストンマーティンF1は、夏休み以降の開発を2022年マシンに完全移行する方針を明らかにした。

昨年はルノーやフェラーリらのワークスチームを押さえてコンストラクターズ・ランキング4位と大健闘した同チームだが、今季はここまでランキング7位と低迷。
中団グループの中では最下位と、シーズン前の期待を裏切る苦戦を強いられている。

さらに前戦ハンガリーGPでは混戦の中、セバスチャン・ベッテルが2位表彰台を得たものの、その後燃料規定違反により痛恨の失格裁定。
残る今シーズンの戦いでこれ以上大幅な躍進は望めないと首脳陣は判断したようだ。

F1は衆知のように来季大幅にレギュレーションが変更されるため、多くのチームがシーズンと並行するマシン開発に苦慮している中、3位争いで鎬を削るフェラーリやマクラーレンなどは依然、今季マシンの熟成を継続していくとみられている。

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2021/08/19

アルボン(前レッドブル)、来季インディカー参戦も視野に

Alexander Albon (C)Redbull Racing
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前レッドブル・レーシングのレースドライバーだったアレクサンダー・アルボン(25歳:タイ)が、来シーズンはインディカー・シリーズ参戦を視野に入れているようだ。
先週はインディアナポリスを訪れ、実際のインディカー・シリーズを見学、デイル・コイン・レーシングのガレージで談笑しているところを目撃されていたという。

アルボンは2019年、22歳で当時のトロ・ロッソからF1デビュー、そのセンスを買われてシーズン半ばからレッドブル・レーシングに昇格。
3位表彰台を2度獲得するなど活躍したが、今年はセルジオ・ペレスにそのポジションを奪われ、今季同チームでリザーブドライバーとしてスタンバイしながらDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦、現在はランキング5位となっている。

F1からインディカーに転身したドライバーとしてはアレッサンドロ・ザナルディや佐藤琢磨、アレクサンダー・ロッシ、古くはエマーソン・フィティパルディ、ナイジェル・マンセルなど枚挙に暇ない。

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2021年日本GP、開催中止を正式発表

Suzuka Circuit (C)Pirelli Motorsport
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F1日本GPの開催地である鈴鹿サーキット(モビリティランド)と、親会社でイベントの冠スポンサーでもあるホンダは、今年の開催が中止となったことを正式発表した、

新型コロナウイルスの影響によるもので、昨年に続いて2年連続の中止となるが、今シーズンでF1から撤退を表明しているホンダにとっては地元ファンの前での最期の舞台を失う事になった。
代替開催などのカレンダーについてはまだ決定していない。

なお東京五輪開催が強行されたこともありたとえ無観客レースとなっても開催の道を探っていたホンダにとって、日本政府から最期の引導を渡される無念さを偲ばせる結果となった。

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2021/08/18

スプリント予選方式、導入3戦目はブラジルGPに

Image (C)Honda Racing
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すでに予想されていたものだが、今年試験的に導入されているスプリント予選3戦目のグランプリは、第20戦のブラジルGPになることが確実となった。

これはF1の責任者であるステファーノ・ドメニカリ/CEOが明らかにしたもの。
なおイギリスGPに続く導入2戦目は第14戦のイタリアGPで、こちらはすでに正式なタイムスケジュールが公表されている。

ドメニカリ/CEOはイギリスGPでの反響が好意的だったことに自信をみせていて、来シーズンはさらに拡大させたい意向だが、全戦がスプリント予選方式になることはないとも明言している。

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レッドブル、ベルギーGPでの新エンジン投入を逡巡

Image (C)Honda Racing
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今シーズン、ハミルトン(メルセデス)との間で激しいチャンピオンシップ争いを繰り広げているレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、イギリスGPでのライバルによるクラッシュでエンジンにまで損傷を受け、前戦ハンガリーで早くも今季3基目となるPU(パワーユニット)投入を余儀なくされた。

今年のレギュレーションでは1マシンあたり年間3基目までと制限されていて、シーズンの残り12戦をこのまま乗り切るのは不可能なため、どこかでグリッド降格ペナルティ覚悟で4基目のエンジン投入をしなければならないのは必至の状況となっている。

その場合、次戦ベルギーGPが行われるスパフランコルシャンは比較的オーバーテイクが容易であるためここで投入されるのでは、との見方が広まった。
しかし同陣営ではこれについて、FIA(国際自動車連盟)の見解を待つという姿勢に変わったようだ。

というのもフェルスタッペン同様、フェラーリのルクレールもボタス(メルセデス)のドライビングが原因でエンジンを1基失っていて、同チームは「他車が原因のクラッシュにより発生した損害については考慮されるべき」とFIAに主張しているからだ。
レッドブルにおいてもその判断が待たれるところだが、救済される可能性は残念ながら低いとみられている。

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2021/08/17

FIA、ピットストップ機器の標準化を目論むも

Pitstop Scene (C)Mercedes Motorsport
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F1で進化を続けるピットストップ作業時間について、これを支える最新機器に制限が掛けられるかも知れない。

F1のピットストップ時間は年々短縮が図られていて、最近のレースでは2秒を切る驚異的なタイムが当たり前のことになっており、とりわけレッドブルやウィリアムズ、メルセデスなどが覇を競っている状況。
しかし最新機器の開発導入に巨額の資金が掛けられていることなどからFIA(国際自動車連盟)はこれを標準化しようと試みているとのこと。

ただ現在の優位性を手放したくないとの思惑から、上記チームらからは反対の姿勢が表明され、計画は進捗していないということだ。
レース結果に直接結び付く要因の一つでもあり、今後の展開が注目される。

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アウディ&ポルシェ、「V4ターボ・エンジン」を希望か

 Audi (C) Audi AG
F1は大きくレギュレーションの変更が予定される2025年に備え基本的な方針を策定するため全エンジン・サプライヤーの代表が集まって会談の場を設けたているが、これに参加した新規参入が期待されるアウディとポルシェが、「V4ターボ・エンジン」への変更を希望していることが伝えられた。

現行のレギュレーションでは「V6ターボ」となっていることからVW(フォルクスワーゲン)得意のダウンサイジングが狙いとみられるが、既存のエンジン・サプライヤーからはこうした変更が却ってコスト増大の原因になると反対の意向が示されているという。

なおアウディ&ポルシェからはすでに4輪駆動システムの導入も打診されたことがわかっているが、こちらも既存チームからは反対の意見が強くまだ合意点が見出せていないという。

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2021/08/16

レッドブルリンク、新たにシケインを設置

Redbull Ring (C)Redbull Racing
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F1オーストリアGPの開催地であるレッドブルリンクが、新たに2コーナーにシケインを設置する改修工事を行うことを明らかにした。
このコーナーでは2輪モトGPのレースで大きな事故が続いていた。

これにより2022年の2輪オーストリアGPから新コースが使用されるとのことだが、いまのところ4輪のF1オーストリアGPについてはこれまで通りのコースが使われる見込みという。
なおレッドブル・グループのホームコースである同サーキットでは昨年からF1シュタイヤーマルクGPも行われている。

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マクラーレン首脳、「DRS(可変リヤウィング)継続を」

DRS Image (C)Sauber Motorsport
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イギリスGPの際に発表された2022年仕様のマシンにはリヤウィングにDRS(ドラッグ・リダクション・システム)のアクチュエータがなかったことから、DRSは今季限りで廃止されるとの見方が強まっている。
しかしこれについてマクラーレン・レーシングのザク・ブロウン/エクゼクティブ・ディレクターは「廃止は時期尚早」と、訴えている。

「2022年マシンではエアロダイナミックスなどの見直しからオーバーテイクがこれまでよりも容易になると言われている。
私もそうであって欲しいと考えているが、残念ながら実際にレースをしてみるまでその保証はない。
だから実際にその効果を確認するまで、DRSは残しておくべきだと思うんだ。
廃止にするのはその後でもいい、急ぐことはない」

DRSは、設定された区間で先行マシンから1秒以内で走行した場合、リアウイングのフラップを開くことでオーバーテイクを容易にするためのもの。
これまでそれなりの効果を挙げていることが実証されている。

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2021/08/15

リカルド(マクラーレン)、2022年マシンの大きさを懸念

2022 F1 Car (C)Pirelli Motorsport
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先のイギリスGPの会場で初お披露目された実物大の2022年型F1マシンは概ね好評だったが、一部にその大きさに懸念を示す向きもあるようだ。
マクラーレン・レーシングのダニエル・リカルドは、ドイツの専門メディアである『モータースポーツ・トータル・コム』の取材に対し次のように語っている。

「初めて目にした2022年仕様のマシンは結構好印象のものだったね。
外観は簡略化されてなかなか洗練されすっきりしているし、みんなも気に入っているようだよ。
これで思惑通りにオーバーテイクが増えると言いと思っている。
ただ昔のマシンと比べると、新しいものはずいぶんと大きくなっているよね。
これがコース上で足かせにならないか、ちょっと心配しているんだ」と、7勝のムベテラン。

実際、F1マシンは以前のものより幅があり、ホイールベースも長くなっていて、この点を心配する関係者もある。

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オランダGP、7万人までの有観客開催が認められる

Orange Army (C)Redbull Racing
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9月5日(日)、実に35年ぶりとなる復活開催が予定されているザンドフールト・サーキットでのオランダGPが、オランダ政府当局から有観客での開催が認められたことが伝えられた。

ただ当初、主催者が見込んだ一日最大10万人以上の観客は、最大7万人までとされたとのこと。
しかし昨年のグランプリが新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれたことを考えれば大きな前進と言えそうだ。

オランダには同国出身のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の活躍でF1人気が盛り上がっていて、同選手を熱烈に支持する『オレンジ・アーミー』と呼ばれるサポーター集団がスタンドをオレンジ(オランダのナショナルカラー)に染めるシーンは近隣グランプリではすでにお馴染みのものになっている。
実現すればオランダGPのスタンドは衝撃的なものになることだろう。

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2021/08/14

アストンマーティン、さらなる上訴を断念

FIA アストンマーティン・コグニザントF1チームは、ハンガリーGP決勝レースに関するFIA(国際自動車連盟)へのさらなる上訴について、これを断念したことを明らかにした。

 

9日(月)にオンラインで行われた審理ではアストンマーティン側が提出した新証拠を提出したものの裁定結果は覆らず、これ以上の展開は期待できないと判断したものと思われる。

 

これにより2位でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティンF1)が失格、3位だったハミルトン(メルセデス)以下の順位がそれぞれ繰り上げられたレース結果が最終的に確定をみた。

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角田裕毅(アルファタウリ)、「イタリア転居は好効果」

角田 裕毅 (C)Scuderia Alphatauri
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今シーズン序盤、それまでのミルトンキーンズ(イギリス)から所属するアルファタウリの本拠地であるイタリアのファエンツァに居住地を移した角田裕毅は、これが正しい判断だったと自ら評価をしている。

開幕戦のバーレーンGPでいきなり9位入賞を果たしF1初ポイントを記録したルーキーの角田裕毅だったが、その後はクラッシュや不振が続き、レッドブル・グループでドライバーを管理するヘルムート・マルコ博士の意向からイタリアへの転居が命じられた。
ファエンツァであればファクトリーも近く、チームの責任者であるフランツ・トスト氏によるプライベート面の管理も行き届くという思惑だったとみられる。

これが功を奏したか、その後のレースでは着実に戦果も好転したと評価されているもの。
角田自身も「イギリスにいた時より誘惑もなく、F1を中心とした生活が送れるようになった」と、自負。
「テレビゲームをする時間も減ったし、何よりイタリアのほうが食事が旨い」と、自讃している。
シーズン後半は、先輩であるピエール・ガスリーとのギャップを詰め、さらにチームに貢献して恩返しをたいところだ。

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2021/08/13

オコン(アルピーヌ)、排気システムの制限数迫る

Esteban Ocon (C)Alpine F1 Team
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ハンガリーGPでみごと初勝利を飾ったエステバン・オコン(アルピーヌF1)だが、1シーズン中に8基までと制限されたエクゾースト・システムが早くも規定数の限界に迫っていることが明らかとなった。

レギュレーションではMGU-H(熱エネルギー回生システム)は1ドライバーあたり年間8基までと決まっていてこれを越えるとグリッド降格のペナルティを科せられることになるが、アルピーヌF1の場合、アロンソが5基、オコンはすでに7基が投入されているのだという。
ルノー製パワーユニットでは以前からエクゾースト関連が弱点とみられていて、現在のものもシーズン序盤から改善が続けられていたもの。

今後の展開次第ではアルピーヌF1は苦しい戦いを強いられる可能性がある。

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ベッテル(アストンマーティン)の失格処分に同情の声

Race Battle (C)Alpine F1 Team
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ハンガリーGP決勝レースで今季最高位となる2位フィニッシュを遂げたアストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテルだったが、レース後に行われた規定の燃料サンプル採取ができなかったことで失格(レース結果から除外)という厳しいペナルティを受けた。
これについて、他チームの間からも処分が厳しすぎるとの同情の声が広まっている。

あるライバル・チーム首脳は、「ベッテルは違法な燃料を使っていたという訳じゃない。
たまたまレース終盤に首位の座を争うというシチュエーションに遭遇したため、想定よりもわずかに燃料を使ってしまっただけではないか。
行為に対してのペナルティが厳し過ぎる。
あの場面で行かないのなら、レーシングドライバーとは言えないよ」と、ベッテルのファイトに理解を示した。
その一方で、「首位を争うバトルで接触し、ライバルを大クラッシュに追い込んでも、わずか10秒のタイムペナルティなんて余りにも軽過ぎる」と、ハミルトン(メルセデス)への処分を引き合いに出した。

ただこうした批判についてFIA(国際自動車連盟)のレースディレクターであるマイケル・マシ氏は、「ペナルティはドライバーやチームも合意の上で構築された基準通り」とにべもない。

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2021/08/12

ルノー退社のレミ・タフィン、レッドブルに移籍か

Remi Taffin (C)Renault Sport
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1999年にルノーに加入、以来アロンソのレースエンジニアなどを経て、現在はエンジン・テクニカル・ディレクターの重職を務めていたレミ・タフィン氏が、20年以上在籍したルノー・スポールを退社したことが確認された。

注目を集めるのはその移籍先で、来季はホンダF1から自前の『レッドブル・パワートレインズ』を通じてF1を戦うレッドブル陣営に移籍するのではないか、との見方が広まってきているという。

今季はアルピーヌF1に搭載されたルノー・スポール製のPU(パワーユニット)は先のハンガリーGPでチームに初勝利をもたらせたばかり。
これを知り尽くしたレミ・タフィン氏の獲得はタイトル獲得を狙うレッドブル・レーシングには大きな財産になりそうだが、一方ライバルらからの反発も避けられなさそうだ。

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アルファロメオ代表、「夏休み後にも来季ドライバー決定」

Frederic Vasseur (C)Alfaromeo Racing
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2022年シーズンに向けてのドライバー市場で、いま最も熱い視線が注がれているチームの一つがアルファロメオ・レーシングかも知れない。

アルファロメオでは現在ライコネン&ジョビナッツィというラインナップで戦っているが、いずれも契約は今季限り。
中でもF1最年長で41歳になるライコネンは今季限りで引退するとの見方が強い。
そのチームメイトである27歳のジョビナッツィは首脳陣が求めるだけの戦績を挙げているとは言い難い状況。
こうしたことからこれを埋める来季ドライバーには若手の起用が期待されている訳だ。

すでにパドックでは現ハースF1のミック・シューマッハ(22歳:ドイツ)や、F2ドライバーのロバート・シュワルツマン(21歳:ロシア)の名前が浮上しているが、いずれもバックにフェラーリの意向が働いているとの見方がさらにこれを後押ししている。

これについて同チームのフレデリック・バッサー代表は、「私一人の権限でドライバーが決められる訳ではないが、そうした噂があることは知っているよ。
来季のためにも、夏休み明けの9月くらいにはドライバー・ラインナップを確定させたいね」と、いなしている。

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2021/08/11

日本GP開催まで2か月、依然詳細発表はなし

Suzuka Circuit (C)Pirelli Motorsport
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10月10日(日)決勝レース予定の日本GPまで2か月になったにも関わらず、依然鈴鹿サーキット側から開催についての具体的な説明はないままだ。
ドイツのメディアらはこれについて8月10日が発表の最終期限と報じていた。

今年はホンダF1最後の年、一方で小林可夢偉以来7年ぶりの日本人F1ドライバーの参戦ということもあり、日本GP開催を期待する声は大きい。
しかし今シーズン、これまでの他のケースではイギリスGPのように有観客で行われたグランプリもあれば、制限付きまたは無観客のものも多く、さらにはシンガポールやオーストラリアらのように再び中止に追い込まれたものもある。

これについて鈴鹿サーキットでは「現時点で発表できることはない」と困惑しているが、ここに来て最終的に日本GPも無観客レースということで結着するのではとの見方が広がっているようだ。

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角田裕毅(アルファタウリ)、真価問われるシーズン後半

角田 裕毅 (C)Scuderia Alphatauri
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レッドブル・グループでドライバー人事に強い影響力を持つヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーが、傘下の2チームの2022年の体制についてドイツの専門誌独『スピード・ウィーク』で、言及している。

まずレッドブル・レーシングのエースであるマックス・フェルスタッペンについては確かな実績と2023年まで有効な契約があり残留は決定的。
そのチームメイトであるセルジオ・ペレスは2021年の1年契約となっているが、これまでの貢献が評価され、来季の残留は確実とみられている。

一方、アルファタウリではこれまで好調のピエール・ガスリーについて、その活躍からオブション権を行使して来季残留が、確定的。
ただし本人が望むとされるレッドブル・レーシングへの昇格はない見込みだ。
そしてまだ不確実なのが角田裕毅。
日本、そしてホンダからも残留の期待が高まるが、「ガスリーとのタイム差が大きい」ことと「不必要な場面でのクラッシュが多い」ことが指摘されていて、これまでのレッドブル・グループであればシーズン半ばの放出に遭ってもおかしくない状況とされる。

ただマルコ博士は「角田は、頭はヘルメットを被るためだけのものではなく考えるためにもあるということを理解する必要がある」と、揶揄しながらも、まだ時間の猶予を与えるとしている。
ただ頼りのホンダからのサポートが来季は当てにできないのが不安な要素と言えそうだ。

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2021/08/10

FIA、アストンマーティンの上訴を棄却

FIA
FIA(国際自動車連盟)は、アストンマーティン・コグニザントF1チームから出されたハンガリーGP決勝レースに関する上訴について、8月9日(月)にオンライン方式で審理を行った結果、これを却下したことを明らかにした。
審理はハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)や、アストンマーティン側の関係者も出席して行われた。

これにより2位でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティンF1)は失格となり、3位だったハミルトン(メルセデス)以下の順位はそれぞれ繰り上げられるレース結果が確定することとなった。

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「勝利はたまたま」と、引き締めるアルピーヌF1首脳

Esteban Ocon (C)Alpine F1 Team
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F1はいま束の間の夏休みに入っているが、この休みを最良の気分で迎えたチームは間違いなく前半戦最後のハンガリーGPで今季初勝利を遂げたアルピーヌF1の面々だったろう。

このレースではエステバン・オコン(24歳:フランス)がキャリア初勝利を記録しただけでなく、チームメイトのフェルナンド・アロンソ(39歳:スペイン)もそのベテランらしいサポートでみごとこのレースの『ドライバー・オブ・ザ・デー』に輝いた。

しかし同チームのマルチン・ブコウスキー/エクゼクティブ・ディレクターはこの勝利に浮かれることのないよう陣営を引き締めている。
「今回の勝利は上位の多くがアクシデントで脱落するというレアなケースでのもの。
そうして巡ってきたチャンスをしっかり活かしたということは評価されるが、われわれの力がメルセデスに匹敵したなどと考えてはならない。
上位とはまだ大きな戦力の差があることは明白だ。
われわれが望むほんとうの勝利を掴むには。これからもまだ相当な努力が必要だ」

前身のルノー時代を含めても、ルノー・エンジンによる勝利は2008年以来の快挙となる。

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2021/08/09

新規開催マイアミGP、来年5月から開催へ

Miami GP Image (C)Hard Rock Stadium
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かねてその計画が伝えられていたアメリカ第2のグランプリとなるフロリダ州のマイアミGPだが、どうやら2022年の5月前半というスケジュールで新規開催が認められたようだ。
これはF1のステファーノ・ドメニカリ/CEOが示唆したもので、具体的な2022年シーズンのカレンダーは今年9月にお披露目される予定という。

マイアミGP計画は当初市街地特設コース案から始まったが、その後アメリカン・フットボールの人気チーム『NFLマイアミ・ドルフィンズ』の本拠地として知られる『ハードロック・スタジアム』を中心としたものに変更されていて、10年間の長期契約になると伝えられている。
アメリカでのF1開催地としてはこれまでセブリング、ワトキンスグレン、ラスベガス、ダラス、デトロイト、ロングビーチ、フェニックス、インディアナポリス、そして現在のオースティンなど枚挙に暇がない。

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ガスリー(アルファタウリ)の来季のレッドブル昇格は懐疑的

Pierre Gasly (C)Honda Racing
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アルファタウリのリーダーとして存在感をみせるピエール・ガスリー(25歳:フランス)だが、再び本家であるレッドブル・レーシングへの復帰はしばらくないようだ。
レッドブル・グループにおいてドライバー人事を掌握するヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーは、ガスリーの来季移籍について次のように否定的な見解を示している。

「ガスリーが好成績を収めていることにはこれを高く評価している。
しかしそこですなわちレッドブル・レーシングに起用するかは別問題だ。
Bチームでナンバー1になることと、Aチームでフェルスタッペンというエースの元でナンバー2になることとは別問題だからね。
彼には現在のポジションのほうが剥いているのではないか」と、マルコ博士。
その上で、「31歳というセルジオ・ペレスの年令を考えれば、いつまでもレッドブルの現在の体制が継続されるとは考えにくい」として、将来の可能性について含みを持たせた。

2017年シーズン途中、21歳でトロ・ロッソに起用されたガスリーは頭角を現して2019年にレッドブルへの昇格を果たしたが、わずか1年で降格の憂き目をみている。

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2021/08/08

ダニエル・ティクトゥム、F1昇格断念を認める

Daniel Ticktum (C)RedBull Racing
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既報のように、ウィリアムズ・レーシングは同チームの開発ドライバーであったダニエル・ティクトゥム(22歳:イギリス)との契約を解除したことを明らかにしたが、ティクトゥムの不祥事は今回の件だけではなく、これまで様々な分野で何回も物議を醸す事態を繰り返してきた。
これを受け当人は「事実上、僕のF1昇格のチャンスはなくなった」と、認めた。

ティクタムの脱落により、ウィリアムズの若手ドライバー・アカデミーはジェイミー・チャドウィック、ロイ・ニッサニー、そして唯一すでにF1スーパーライセンスの資格を持つジャック・エイトケンの3名となった。
なお同チームではすでに財政危機は脱しており、資金持ち込みのいわゆるペイ・ドライバーは必要ないとしている。

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FIA、9日(月)にベッテル(アストンマーティン)の審理開催へ

FIA
FIA(国際自動車連盟)は、アストンマーティン・コグニザントF1チームから出されたハンガリーGP決勝レースに関する上訴について、来たる8月9日(月)にオンライン方式で正式審理を行うことを明らかにした。
審理はハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)や、アストンマーティン側の関係者も出席して行われる。

これは、ハンガリーGPで2位フィニッシュしたセバスチャン・ベッテルのマシンから、ゴール後規定の量の燃料サンプルが採取できなかったためレギュレーションにより失格とされさたもの。
アストンマーティン側によれば、必要な量の燃料が残されていたことを証明する新たな証拠を提出したとしている。

この2位18ポイントの行方は、ベッテルとアストンマーティンにとって今季アゼルバイジャンGPと並ぶ最高位となるものであるばかりでなく、今シーズンの熾烈なチャンピオンシップ争いにも影響を及ぼすカギとなりかねないものになっている。

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レッドブル首脳、「事故責任のペナルティ不十分」

Race Scene (C)Honda Racing
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レッドブル・グループのヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーは、先のハンガリーGPオープニングラップでの事故を引き合いに、「ペナルティが不十分」との見方を示した。

このアクシデントでは何の過失もなかったフェルスタッペン(レッドブル)がブレーキングをミスしてコントロールを失ったボタス(メルセデス)に追突されたノリス(マクラーレン)にぶつけられて大破、マシンは大きな損傷を受けただけでなく、ハミルトン(メルセデス)とのチャンピオンシップ争いでさらに大きなダメージを負ったもの。

ボタスはこのアクシデントの責任を問われてレーススチュワードから「次戦5グリッド降格のペナルティ」を受けたが、マルコ博士は次のように主張した。
「次はベルギーGPで、舞台はオーバーテイクが可能なスパフランコルシャンになる。
メルセデスのマシンなら、まともに走れば2周もあれば順位を取り戻すことは可能。
つまり事故の結果に比べ、このペナルティの意味などないに等しいということだ」と、吐き捨てた。

またフェルスタッペンはその前のイギリスGPでもハミルトン(メルセデス)との接触でマシンを大破させていて、レッドブル陣営の不満はさらにやるかたないものになっている。

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2021/08/07

来年のF1日本GP、富士のWECレースと日程バッティング

Suzuka Circuit (C)Mercedes Motorsports
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日本のASN(各国のスポーツ権能保持者)であるJAF(日本自動車連盟)が、各サーキットから提出された2022年国際格式のレース・スケジュールの内容を明らかにした。

それによれば、例年同様10月となっている鈴鹿サーキットのF1日本GPは、来年は10月9日(日)決勝となっている。
一方、富士スピードウェイでも同じく世界選手権であるWEC(世界耐久選手権)が同じ10月9日(日)決勝で申請されたことがわかった。

FIAでは同じ国で二つの同日世界選手権レースを基本的に認めていないため、いずれかの日程が変更される可能性がある。
一部にはあたかもホンダ(鈴鹿)vsトヨタ(富士)の代理戦争と穿った見方をする向きもあるようだ。

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ハンガリーGP、2037年まで驚異の長期開催契約

Hungaroring (C)Pirelli Motorsport
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オープニングラップで多重事故というハプニングに見舞われながらも成功裡に終わったハンガリーGPだが、なんと2037年までの長期開催契約が結ばれたと伝えられている。

驚異の契約のニュースの出所は、ハンガリー政府の有力閣僚であるラースロー・パルコヴィチ大臣で、今回F1首脳との会談のため現地ハンガロリンクを訪問していた。
それによれば現行契約での2032年までの開催に加え、さらに5年間のオブション契約を結ぶことでF1とハンガリー政府が合意したという。
この結果、実に2037年までという異例の長期契約になったもの。

ただ契約にはサーキットのアップグレードなども盛り込まれているということで、ハンガリー政府としても財政的保証は避けられない様相だ。

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メキシコで第2のグランプリ開催目指す

1991 Mexico GP Scene (C)Williams F1
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セルジオ・ペレス(レッドブル)の活躍もあり、F1人気が盛り上がるメキシコで、現在のメキシコGP(ロドリゲス・サーキット)に次ぐ第2のグランプリ開催話が浮上している。

これについて地元モンテレーの『レフォルマ紙』は、背景にセルジオ・ペレスの父親であるアントニオ氏の活動があるとしている。
自身もレース活動の経験を持つメキシコの実業家アントニオ氏は、財界の代表団を率いてF1開催を統括するFIA(国際自動車連盟)を訪問して働き掛けを行っているのだという。

開催の候補地として、メキシコが誇る世界的観光地のカンクンの名前が挙げられているが、アントニオ氏は2024年の実現に確かな手応えを感じ取っているという。

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2021/08/06

ハミルトン(メルセデス)、コロナ禍の後遺症危惧

Lewis Hamilton (C)Alpine F1 Team
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ハンガリーGP終了後の公式会見に遅れて登場したルイス・ハミルトン(メルセデス)は、疲れた表情で体調不良だったことを訴えた。

それによれば、今回のレースでいったんは最後尾まで転落したハミルトンはその後壮絶な追い上げをみせ、とりわけレース終盤の見せ場を作ったものの、チェッカーフラッグを受けた後は疲労困憊で目眩がしたと訴えた。

「暑かったので水分補給が追い付かず、脱水症状になったのかも知れない。
でもこれまで経験したことのない症状だった。
とりにかくふらふらしてまともに歩けず、チームドクターのところへ相談に行っていたんだ。
コロナの影響でなければいいけどね」と、ハミルトン。

ハミルトンは昨年12月、新型コロナウイルスへの陽性反応でサクヒールGPを欠場を余儀なくされ、その後は体調管理に不安を訴えていた。

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2輪の英雄バレンティーノ・ロッシ、現役引退表明

Valentino Rossi (C)Ferrari S.p.A
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5日(木)、2輪モトGPの英雄バレンティーノ・ロッシ(41歳:イタリア)が2021年シーズン限りで現役を引退することを表明した。

ロッシはここまでキャリア423戦、自身通算115勝という不滅の大記録を立てた2輪界のスーパーヒーロー。
ミハエル・シューマッハとも親しく、フェラーリ・チームがF1テストの機会を複数回に渡って用意、非凡なスピードでF1転向が本気で検討されるなど才能のあるところをみせた。

引退後、来シーズンからはアラムコのサポートで設立されるチーム『Aramco Racing Team VR46』を主導することになっているという。

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F1首脳もアロンソ(アルピーヌ)のドライビングを称賛

Race Battle (C)Alpine F1 Team
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エステバン・オコン(アルピーヌF1)のF1初勝利で終えたハンガリーGPだが、ウィナーと同等あるいはそれ以上に評価をされているのが勝利を支えたチームメイトのフェルナンド・アロンソだ。

アロンソはレース終盤、猛烈な追い上げで上位に迫っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)を戦闘力で劣るマシンで約10周に渡って巧みに押さえてみせ、その元チャンピオンらしい卓越したテクニックはこのレースの『ドライバー・オブ・ザ・デー』に選出されたことで証明されている。

これについてロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターは、「ボタスがブチ壊したこのレースを、アロンソはハミルトンとの壮絶なバトルで再び輝かしいものにした。
彼のフェアな走りはなんら非難されることもないし、間違いなくF1チャンピオンどうしの技術の高さを証明してみせた。
私は彼がドライバー・オブ・ザ・デーに選出されたことをうれしく思っているよ」と讃えた。

このレースではベッテル(アストンマーティン)も活躍、やはり元チャンピオンとしての存在感を示した。

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2021/08/05

アルファロメオ、「ピットシグナル機器のトラブル」と釈明

Pitstop Scene (C)Alfaromeo Racing
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アルファロメオ・レーシングは、ハンガリーGP決勝レースで起きたキミ・ライコネンのマシンの『アンセーフリリース』について、原因は「ピットシグナル機器のトラブル」だったと釈明した。

それによれば結果的に赤旗中断となったオープニングラップの混乱で、ほぼ全車が一斉にピットインするという異常な事態に機器が対応しきれず誤った発進信号を発してしまったとのこと。

このアクシデントでぶつけられたマゼピン(ハース)はリタイヤに。
ぶつけたライコネンにはレーススチュワードから10秒のタイムペナルティが科せられている。

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フェラーリ、「事故でエンジンも使用不能」と憤り

Charles Leclerc (C)Ferrari S.p.A 拡大します フェラーリ・チームはハンガリーGで起きた多重事故の結果、ルクレールのPU(パワーユニット)の損傷が大きく、再使用が不能であることを明らかにした。
これにより新たなパワーユニット投入を余儀なくされるルクレールは、シーズン終盤に手痛いグリッド降格ペナルティを喫する可能性が高くなった。

 

このアクシデントはウェットコンディションだったオープニングラップで、コントロールを失ったストロール(アストンマーティン)がルクレールのマシンに接触、大破させたもの。
アクシデントの責任を問われストロールには次戦5グリッド降格のペナルティと2点のペナルティ・ポイントが科せられたが、大損害を喫したフェラーリ陣営の憤懣はやるかたない。

 

なおルクレールと同様、ボタス(メルセデス)に「撃墜」されたフェルスタッペン(レッドブル)もチャンピオンシップ争いで大きなダメージを負った。

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ボタス(メルセデス)、自身の評価にも事故は大きなマイナス

Valterri Bottas (C)Mercedes Motorsports
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王者メルセデスAMGチームはルイス・ハミルトンとの契約を2023年まで延長したことを正式発表しているが、その一方でボタスのポジションについてはまだ明確にされていない。
しかしこれについて、ハンガリーGP後に当地ハンガロリンクで行われたピレリの来季用18インチ径タイヤのテストにメルセデスがジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)を起用したことで、来季ドライバーが変更されるとの見方に拍車が掛かっているようだ。

この人選自体はハンガリーGP前から決まっていたものとされるが、そのハンガリーGP決勝レースでボタスが多重事故を引き起こす「大失態」を演じたことで、メルセデスからの放出が確定的になったというものだ。

その場合、ボタスは古巣ウィリアムズに戻るという説や、アルファロメオに移籍という説も流れているが、いずれにしても今回の事故はボタス自身にも大きなダメージを与えたことは間違いないようだ。

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2021/08/04

初勝利オコン(アルピーヌ)、「中団グループのほうが厳しい」

Esteban Ocon (C)Alpine F1 Team
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2016年、当時のマノー・レーシングからまだ19歳の時にデビューして以来、5年を要してついにF1初勝利を手にしたアルピーヌF1のエステバン・オコン(24歳:フランス)だが、「優勝するより普段の中団グループのバトルのほうがよほど厳しい」と、周囲を笑わせた。

「レースで優勝というのはもう6年も前になるかな、GP3以来のことになるけれど、決して僕のドライビングが錆び付いていた訳じゃない。
ただそうした舞台に恵まれなかっただけ。
トップの座を守って走るのは意外にイージーで、難しいものじゃなかった。
いつも置かれている中団グループでの争いのほうがよほどハードだよ」と、オコン。

ただ実際には最後まで迫ったベッテル(アストンマーティン)の追撃や、ハミルトン(メルセデス)の猛烈な追い上げはオコンのポジションを脅かすのに十分なものだったに違いない。

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ウィリアムズ、ダニエル・ティクトゥムとの契約解除

Daniel Ticktum (C)RedBull Racing
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ウィリアムズ・レーシングは、同チームの開発ドライバーであるダニエル・ティクトゥム(22歳:イギリス)との契約を解除したことを明らかにした。

それによればティクトゥムは、先日行われたオンラインゲームに参加した際、チームの運営体制や戦闘力について批判ともとれる「暴言」を口にしていたということでこれが原因になったとみられている。

2017年と2018年、連続してF3の国際イベントであるマカオGPを制したティクトゥムはレッドブル・レーシングでF1テストにも起用された。
昨季はF2シリーズに参戦し、優勝1回、3度の表彰台を獲得してランキング11位になっている。
今季も同シリーズに参戦する(現在ランキング4位)と共にウィリアムズ・レーシングでシミュレーターなどによる開発の仕事をこなしていた。

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初優勝オコン(アルピーヌ)、停止位置誤って戒告処分

Image (C)Mercedes Motorsports
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ハンガリーGPでみごとF1初優勝を遂げたアルピーヌF1のエステバン・オコン(24歳:フランス)だが、初めての体験故か、ゴール後の停止位置を間違えてレーススチュワードから戒告処分を受けるという不名誉を負ってしまった。

それによれば上位3位までに入ったドライバーはピットレーン出口近くにあるボードで指し示された所定の位置にマシンを止めなければならないことになっている。
しかしウィニングランを終えたオコンはピットレーンに入ることなく、メインストレートの本コース上に止めてしまったもの。
当人は「うっかりしてピットレーン入口を過ぎてしまった」と、釈明しているが、自身は昨年のサクヒールGPでも2位の経験があり、あながち「慣れないことだから」とも言えないようだ。

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2021/08/03

ハンガリーGPの最速ピットストップは再びレッドブル

Redbull/Pitstop (C)Redbull Racing
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日曜日に行われたハンガリーGP決勝レースで最速のピットストップタイム(DHLファステスト・ピットストップ・アワード)を記録したのは、再び常連レッドブル・レーシングのクルーだった。

最速タイムはマックス・フェルスタッペンへのピットストップで、なんと1.88秒というもの。
これはやはりフェルスタッペン(レッドブル)が記録した今季開幕戦バーレーンGPの際の1.93秒をも凌ぐタイムで、今季最速となった。
ちなみに2番手はライコネン(アルファロメオ)の2.18秒。

このレースの『ドライバー・オブ・ザ・デー』は、レース終盤猛烈な追い上げをみせたハミルトン(メルセデス)を約10周ものあいだ巧みに抑え、チームメイトの初優勝にも貢献したアルピーヌF1のフェルナンド・アロンソが選出された。
また『ファステストラップ・アワード』を獲得したのは、残り2周レッドブル・グループのチーム戦略によりハミルトン(メルセデス)の1ポイント獲得を阻止したピエール・ガスリー(アルファタウリ)のものとなった。

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アストンマーティン、ベッテルの失格処分に上訴表明

Sebastian Vettel (C)Aston Martin F1 Team
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アストンマーティンF1は、ハンガリーGPの決勝レース後にレーススチュワードが下した同チームのセバスチャン・ベッテル失格処分について、正式に上訴する意向をFIA(国際自動車連盟)に通知したことがわかった。

レーススチュワードによれば、このレースを2位でフィニッシュしたベッテルは、しかしF1の燃料規定で定められた1リットルの燃料サンプル採取することができず、約0.3リットルの燃料しか提出できなかったため、レース結果から除外(失格)とされたもの。

しかしチームの説明ではレース後のマシンには約1.74リットルの燃料が残っていた筈で、サンプルの1リットル採取に問題はなかったと主張。
データなど証拠を揃えて正式に処分撤回を申し入れるとしている。

もし失格が確定すればベッテルは2位18ポントを失うことになるが、これにより最大のメリットを享受するのが3位ハミルトン(メルセデス)のプラス3点で、わずか1点増すだけの10位フェルスタッペン(レッドブル)と比べ、ここでも再び強運ぶりを見せつけることになる。

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初優勝オコン(アルピーヌ)、「アロンソに感謝」

Esteban Ocon (C)Alpine F1 Team
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ハンガリーGPでみごと自身初優勝、さらに新生アルピーヌF1にも初となる勝利をもたらしたエステバン・オコン(24歳)は、その陰にチームメイトであるアロンソのサポートがあったことを強調した。

「最初から最後まで信じられないような展開のレースだった。
オープニングラップで赤旗中断になったこともそうだし、レース終盤にはベッテルの前に留めるなどチームが優れた戦略で勝利に導いてくれたこともあるけれど、アロンソのサポートは重要な助けになった。
それがなければ初勝利はできなかっただろう。
彼には心から感謝しているよ」と、フランス人。

確かにレース終盤、ハミルトン(メルセデス)による追撃をアロンソが巧みなドライビングで阻止したことがオコン初勝利に貢献したことは間違いないところだ。

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2021/08/02

オコン、インターミディエイト – ミディアム – ハードと繋ぐ戦略で初優勝 (ピレリ)

エステバン・オコン (C)Pirelli Motorspotr
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2021 ハンガリーグランプリ 決勝
2021年8月1日、ブダペスト

キーポイント
• アルピーヌのエステバン・オコンが、劇的なハンガリーグランプリを制し、Formula 1 初優勝を飾りました。ウェットコンディションの下、アルファロメオのアントニオ・ジョヴィナッツィ以外の全ドライバーが、Cinturatoグリーン・インターミディエイトを装着してスタートしました。第一コーナーでの多重事故により、レースは赤旗中断となりました。この中断中、各チームはタイヤ交換とマシンの補修を行うことができました。
• リスタート時のトップグリッドに位置したメルセデスのルイス・ハミルトンのみが、インターミディエイトでグリッドからスタートし、他のドライバーはミディアムタイヤへ交換してピットレーンからスタートしました。ハミルトンは、リスタート後の1周目にミディアムへ交換するピットストップを行い、最後尾まで後退したものの、その後、ハード – ミディアムと繋いで猛追し、最終的には3位でフィニッシュしました。
• オコンは、2回目のフォーメーションラップ後、C3コンパウンドのP Zeroイエロー・ミディアムタイヤで効果的なスタートを切り、37周目にC2コンパウンドのP Zeroホワイト・ハードタイヤへ交換しました。オコンと同様の戦略で僅差の2位を獲得したアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、オコンより1周早い36周目にピットストップを行いました。
• 記録的な高い気温の金曜日、引き続き暑いコンディションの昨日を経て、今日のスタート時は、雨混じりの気温28℃、路面温度32℃のコンディションでした。その後、路面温度は40℃まで上昇しました。

各コンパウンドのパフォーマンス
• ハード C2: 大半のドライバーがレースの後半で使用し、ハードでの50周近いスティントも見られました。
• ミディアムC3: 最初にミディアムを使用したドライバーは、フォーメーションラップ後にタイヤ交換を行ったジョヴィナッツィでした。リスタート後、全ドライバーがミディアムを使用しました。ハミルトンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ファイナルスティントでもミディアムを使用しました。アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、36周の長いスティントをミディアムで走行しました。
• ソフト C4: アルファロメオのキミ・ライコネンとアルファタウリのピエール・ガスリーのみが、ファイナルスティントでソフトタイヤを使用しました。ガスリーは、ファイナルスティントでファステストラップポイントを獲得しました。不安定な天候が、耐グレイニング性能の高い、硬めのコンパウンド使用を促進しました。

ピレリ F1およびカーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「スタート前においてもレースの予測は難しい状況でした。今日のコンディションの参考になる材料を誰も持ち合わせていなかったことから、レースは全くの未知の領域で始まりました。スタート時の路面状況ではインターミディエイトの選択が適切でした。しかし、赤旗中断中に急速に路面が乾いたことによって、リスタート後はドライレースのコンディションとなりました。リスタート後を”実質的な“レースとすると、ミディアム – ハードの1ストッパーが見られた一方、ハミルトンやフェルスタッペンのように、異例のレース状況によって後退を強いられたドライバーたちは、2ストップのスプリント戦略を採りました。初優勝を飾ったエステバン・オコンとアルピーヌを祝福します」

ピレリジャパンプレスリリース

 

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ホンダ系チーム、決勝レースコメント(8/01)

Pierre Gasly (C)Scuderia Alphatauri
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ハンガリーGPの決勝は、スタート直後の1コーナーで起きたクラッシュによってRed Bull Racing Hondaにとっては厳しい展開になったものの、Scuderia AlphaTauri Hondaが2台揃ってトップ7入りを果たしました。

レース開始の約30分前に雨が降り出し、全車がインターミディエイトタイヤを装着してのスタートとなりました。
2列目のマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスは、ともに素晴らしいスタートを決めて、ターン1で2番手と3番手に浮上。
しかし、出遅れたバルテリ・ボッタス(メルセデス)がランド・ノリス(マクラーレン)の後部に追突し、押し出されたノリスがフェルスタッペンに衝突。
さらに、ボッタスはペレスに追突し、ペレスはリタイアに追い込まれます。

フェルスタッペンも大きなダメージを受け、ピットへ戻って修復作業を行いますが、これによって順位を大きく落とします。
その後、複数のマシンから落ちたデブリを清掃するため、レースは赤旗中断となりました。

ピエール・ガスリーも、このインシデントを避けるためにコースを大きく外れてポジションダウン。
一方、16番手スタートの角田裕毅は、混乱を上手く避けて5番手までポジションを上げました。

赤旗中断の時間を利用して、Red Bull Racingは懸命の修復作業を行いますが、多くの空力パーツがなく、見た目にもダメージが残ることがはっきりと分かる状態でレース再開となりました。

レースはスタンディングスタートで再開されましたが、路面が急速に乾いていたことから、ルイス・ハミルトン(メルセデス)を除く全車がフォーメーションラップを終えるとピットへ向かい、ミディアムタイヤに交換。
ハミルトンはリスタート後にピットインしたために最後尾となり、角田が4番手、フェルスタッペンとガスリーが11-12番手となりました。

オーバーテイクが難しいコースの特性に加え、ダメージの残るマシンを駆るフェルスタッペンでしたが、前を行くミック・シューマッハ(ハース)を交わしてポジションを上げます。
その後方のガスリーは、迫ってくるハミルトンを抑えつつ、シューマッハをオーバーテイクしてポジションを上げる素晴らしい走りを見せました。

20周目、ハミルトンのピットインに対応すべく、Red Bullもフェルスタッペンをピットへ入れてハードタイヤに交換。
しかし、ダメージの影響もあって先行を許してしまいます。
角田は前を行くニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)を交わすために、22周目にピットインしてアンダーカットを成功させましたが、さらに上位のマシンには差を広げられる展開となりました。

ガスリーは30周目にピットインして8番手でレースに復帰しましたが、フェルスタッペンはポイント圏外から浮上できずに停滞します。
Red Bullは40周目に2度目のピットインを行い、フレッシュなタイヤでの追い上げを目指します。

ガスリーはピットストップ後のペースもよく、ターン1でラティフィをオーバーテイク。
7番手まで順位を回復すると、角田の背後に迫り、チームはよりフレッシュなタイヤのガスリーを先行させます。

50周目に、フェルスタッペンはキミ・ライコネン(アルファロメオ)をオーバーテイクして11番手にポジションアップ。
さらに、残り10周となったところで、ダニエル・リカルド(マクラーレン)も交わし、ポイント圏内に復帰。10位でフィニッシュして1ポイントを持ち帰りました。

レース終盤、7番手走行中の角田がターン2でスピンを喫しますが、順位に変動はなくコース復帰を果たします。
これで角田との差が大きくなったガスリーは、69周目にピットインしてソフトタイヤに交換。
ファイナルラップでファステストラップを記録し、1ポイントを追加しました。
Scuderia AlphaTauriは6-7位でチェッカーフラッグを受けました。

ハンガリーGPを終えて、F1は3週間のサマーブレイクに突入。
後半戦は12戦が予定されており、8月28日(日)決勝のベルギーGPからの3連戦でシーズンが再開します。

※レース後の裁定により2位に入ったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が失格となったため、順位が繰り上がりました。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「今日のハンガリーGP決勝は、Red Bull Racing Hondaにとって、先日のイギリスGPに続き他車とのクラッシュが原因で非常にフラストレーションが溜まる結果となりました。
スタート直後の1コーナーで発生した多重クラッシュに巻き込まれたペレス選手のマシンはダメージが余りに大きくそのままリタイア、フェルスタッペン選手も車体に大きなダメージを負いました。
赤旗中断の間にメカニックが懸命な修復作業を行い、フェルスタッペン選手が傷ついたマシンで懸命にプッシュして10位に入賞し、チームにとって大切な1ポイントを獲得できたことが唯一の救いです。

Scuderia AlphaTauri Hondaの2台は、上手くクラッシュによる混乱を回避すると、その後のレースを粘り強く走り、ガスリー選手が6位、角田選手が自身2度目となる7位に入賞しました。
コンストラクターズチャンピオンシップでのポジションは落としてしまったものの、後半戦も激戦が予想される中で、中段グループを争うチームにとって貴重なポイントを2人のドライバーともに持ち帰ることができました。

ここからF1はサマーブレイクを挟み、8月の末からの後半戦に向かいます。
前半戦をいい形で締めくくることができなかったことは残念ですが、しっかりと前半戦の反省を行い、また心身のリフレッシュをしてブレイク明けの闘いに備えたいと思います。
最後に、初優勝を果たしたオコン選手、またチームとしての初優勝を獲得したアルピーヌに祝福の言葉を贈りたいと思います」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝10位)

「今日のレースは自分たちのコントロール外でしたし、2週連続でこのような形になるなんて信じられません。
メカニックは僕がレースに戻れるように全力を尽くしてくれましたが、マシンにはクラッシュによるダメージが多くの残っていて、ダウンフォースを失ってオーバーステア、アンダーステアが各所で起こり、ドライブするのは非常に難しかったです。
1ポイントしか獲得できなかったことは残念ですが、一方でクラッシュしたのにレースを続けられたことはかなりの幸運でしたから、ポイント獲得を果たせたことに驚いていますが、これが大切です。
ここからサマーブレイクに入りますが、プッシュし続けなければなりません。
僕らは決して諦めることなく、自分たちのレースに集中していきます。
とても不運な2レースでしたが、何かを失ったわけではなく、まだまだシーズンは続いていきます。
最後に、エステバンを祝福したいと思います。
彼がとても喜んでいる姿を見られました。これから多くの勝利を挙げていくと思います」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(決勝 リタイヤ)

「何と言っていいのか分かりませんが、ターン1であのような形で追突されるのは信じられませんし、僕らチームにとっては大打撃でした。
いいスタートを決めて3番手に上がり、コンディションも有利に働くと思っていたので残念ですが、できることは何もありませんでした。
マシンの中からは、自分の後方で何が起きていたのか正確に分からなかったので、リプレイを見直したところ、自分が大きな衝突を受けていたことを知りました。
ボッタスは大きなミスを犯し、ターン1へのブレーキングが遅すぎて多くのマシンを道連れにしました。
その中には、僕と、大ダメージを負ったマックスのマシンも含まれます。
彼は自分のミスだと分かっていたので、僕のところに謝罪に来ました。
故意ではないですし、レースではこういうことも起こるものですが、大きなダメージを受けたことで僕らのレースが終わり、ポイント獲得の機会が失われたという結果が変わることはありません」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】(決勝 7位)

「1周目を終えて5番手にポジションを上げられたことには満足しています。
今週末はずっとマシンに苦しんでいましたが、レースでのペースは問題なく、チームに貴重なポイントを持ち帰ることができました。
僕にとっては、レースが始まるまではとても厳しい週末だったので、サマーブレイクでリセットするとともに、スパに向けて何が必要か確認していきます。
後半戦では、安定してポイント獲得を果たしていければと思います」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝 6位)

「正直に言って、今日のレースをどう考えればいいのかよく分かりません。
5番手からスタートし、そこが今日の望みうるベストの順位だと思いますが、1コーナーでのインシデントに引っかかり、大きく順位を落としてからの6位入賞です。
様々な波乱のあったレースで、このポジションでフィニッシュできたのはいいことですが、もっと上位に行けたことも事実だと思います。
予選ではトップチームに次ぐ“ベスト・オブ・ザ・レスト”の位置につけて、マシンには満足していたので、今週末は多くのポジティブな点がありましたが、チャンピオンシップを考えると、(中団のライバルに比べて)多くのポイントを失ってしまったことは残念です。
ただ、今日の状況から考えると、できうる限りの結果は残せたと思います。
エステバン(オコン/アルピーヌ)には心から祝福を送ります。
彼らは戦略面で正しい判断をしたことで素晴らしい勝利を挙げました」

提供:本田技研工業(株)

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2位のベッテル(アストンマーティン)、燃料規定違反で失格

FIA
ハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)は、決勝レース終了採取採取されるべき燃料サンプルの提出がなかったとして2位でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティンF1)の失格を明らかにした。

ベッテルはゴール後のクールダウンラップ途中で停止、規定により燃料サンプル1リットルを採取しようとしたが、残量が少なく0.3リットルほどしかできなかったもの。
テクニカル・オフィサーの報告を受け、レーススチュワードはレギュレーションに基づき失格を決めた。
これにより3位のハミルトン(メルセデス)以下、一つずつレース結果が繰り上がることとなった。
なおアストンマーティンF1はこの件についてFIA(国際自動車連盟)に上訴する構えをみせている。

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多重事故の責任でストロール(アストンマーティン)にもペナルティ

FIA
ハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)はまた、1日(日)行われた決勝レースのオープニングラップで起きたもう一件の事故について、アストンマーティンF1のランス・ストロールに責任があるとしてボタスと同じく次戦5グリッド降格のペナルティを科したことを明らかにした。

それによれば、ルクレール(フェラーリ)がリタイヤに追い込まれた事故は、当時路面が非常に滑りやすかったことを考慮しても、ストロールの責任が大きいとした。

なおストロールにはさらに2点のペナルティ・ポイントが科された。
ペナルティ・ポイントは連続する12か月で累積12点に達した場合、当該ドライバーのスーパーライセンスが次戦まで停止されるため次のレースに出場できないことになるが、ストロールはこれで通算6点となった。

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多重事故の責任でボタス(メルセデス)にペナルティ

FIA
ハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)は、1日(日)行われた決勝レースのオープニングラップで起きた多重事故について、メルセデスAMGチームのバルテリ・ボタスに責任があるとして次戦5グリッド降格のペナルティを科したことを明らかにした。

それによれば、事故はボタスがノリス(マクラーレン)に追突したことから起き、自身を始めノリスやペレス(レッドブル)らをリタイヤに追い込み、さらに多くのクルマにダメージを負わせたことは、当時路面が非常に滑りやすかったことを考慮しても、ボタスの責任は大きいとした。

なおボタスにはさらに2点のペナルティ・ポイントが科された。
ペナルティ・ポイントは連続する12か月で累積12点に達した場合、当該ドライバーのスーパーライセンスが次戦まで停止されるため次のレースに出場できないことになるが、ボタスはこれで通算4点となった。

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大波乱のハンガリーGPはオコン(アルピーヌ)が初優勝

Esteban Ocon (C)Alpine F1 Team
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8月01(日)15時(日本時間:22時)から今季F1第11戦アハンガリーGPの決勝レースがハンガロリンクを舞台に全70周で行われた。
スタート時の天候は曇り、気温は27度、路面温度38度、雨は降ったもののすでに路面はドライコンディションとなっているがスタート前のセレモニー中に再び雨粒が落ちて来る状況。
前日の予選結果により、メルセデスAMG勢は2台共にミディアムタイヤ・スタート、一方レッドブル勢は共にソフトタイヤでのスタートになる。
しかしフォーメーションラップ直前、全車インターミディエイトの装着となった。
スタート直前、ジョビナッツィ(アルファロメオ)がピットイン。
オープニングラップ、ハミルトンの後ろで多重接触。
ボタス、ルクレールらがストップ、イエローコーションに。
ボタスがノリスに追突、さらにレッドブル勢を押しやったようだ。
2周目、赤旗中断に。
この時点でハミルトン、オコン、ベッテル、サインツ、角田裕毅、ラティフィ、アロンソ、ラッセル、ライコネン、シューマッハ、ガスリー、リカルド、フェルスタッペン、マゼピン、ノリス、ジョビナッツィの順。
すでにボタス、ルクレール、ストロール、ペレスがストップしている。

約30分ほどの中断を経てスタンディングスタートで再スタート。
すでに晴れ間がみえていて、ハミルトン以外慌ただしくドライへのタイヤ交換にピットイン。
ハミルトンだけが翌周にピットイン、最後尾になる。
レースはオコンがリード、ベッテル、ラティフィ、角田、サインツ、アロンソ、ラッセルの順。
アルファロメオ・レーシングのライコネン&ジョビナッツィは揃って危険リリースにより10秒のタイムペナルティが科せられる。

70周の長いレースを終え最初にチェッカーフラッグをかいくぐったのは再スタート時からトップに立ったアルピーヌF1のエステバン・オコン(24歳:フランス)。
もちろん初優勝で、これまでは昨年のサクヒールGPでの2位が最高だった。
2位は最後までオコンを脅かし続けたアストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテル。
3位は最後尾から猛烈な追い上げをみせたハミルトン(メルセデス)。
4位サインツ(フェラーリ)、5位アロンソ(アルピーヌ)、6位ガスリー(アルファタウリ)、ガスリーはファステストラップも記録している。
7位久々の入賞となった角田裕毅(アルファタウリ)、8位ラティフィ、9位ラッセルのウィリアムズ・コンビでうれしい今季初ポイント獲得を果たした。
10位満身創痍のマシンで走り切ったフェルスタッペン(レッドブル)でここまでが入賞。
以下、11位ライコネン(アルファロメオ)、12位リカルド(マクラーレン)、13位シューマッハ(ハース)、14位ジョビナッツィ(アルファロメオ)までが完走。
リタイヤはマゼピン(ハース)、ノリス(マクラーレン)、ペレス(レッドブル)、ストロール(アストンマーティン)、ルクレール(フェラーリ)、そしてボタス(メルセデス)と多きに渡った。
F1はしばしの夏休みに入り、次戦はスパフランコルシャン・サーキットで行われるベルギーGP(8月29日決勝)になる。

ハンガリーGP決勝レースの結果はこちら
ハンガリーGPの画像はこちら

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2021/08/01

シューマッハ(ハース)、最後尾スタート認められる

FIA
ハンガリーGPのレーススチュワードは、ハースF1チームから提出されていた同チームのミック・シューマッハの決勝レース出走について、これを認めることを明らかにした。

公式予選に先駈けて行われたフリー走行3回目セッションでクラッシュしたシューマッハは、修復が間に合わず予選通過タイム(ポールタイムの107%)を記録できなかった。
しかしフリー走行初日にシューマッハは有効なタイムを記録していたため、決勝レースへの出走が認められたもの。

なおシューマッハのマシンはクラッシュのせいでギヤボックスを交換したため5グリッド降格のペナルティを受けるが、元々最後尾のためグリッドに実質的な影響はない。

ハンガリーGPの予選結果はこちら

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ホンダ系チーム、公式予選コメント(7/31)

Max Verstappen (C)Honda Racing
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ハンガリーGPの予選は、Hondaパワーユニット勢3台がトップ5入りを果たしました。

前日に続き気温が高い中で、タイヤの温度管理が厳しいコンディションとなる中、Scuderia AlphaTauri Hondaの角田裕毅がQ1で16番手に。
初日のクラッシュの影響で走行時間が不足したこともあり、Q2進出を逃しました。

Q2でも気温は高いままとなり、Red Bull Racing Hondaは1度目のアタックでミディアムタイヤでの突破を試みるも、2回目のアタックでソフトタイヤでタイムを更新。
マックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークし、ピエール・ガスリーが3番手、セルジオ・ペレスが4番手に続きます。
3台ともソフトタイヤでの突破となったため、明日のレースもこのタイヤでスタートします。

Q3では、さらに路面状況が変化し、それまでよりもわずかにタイムが出ない状況でしたが、1回目のアタックでフェルスタッペンが3番手、ペレスが4番手につけます。
最終アタックでは、Red Bull Racingの2台がメルセデス勢の後方となってコースインしましたが、フェルスタッペンはタイムを更新できずに3番手のまま。ペレスは時間内にアタックへ入れず、そのまま4番手となりました。

ガスリーは最終アタックでタイムを更新し、ペレスからわずか0.062秒差の5番手に。
今季4度目の予選トップ5入りを果たしました。

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「今日のハンガリーGP予選は、昨日に比べ外気温は若干下がったものの30℃近く、また路面温度は60℃という環境下で行われました。
その中で、Red Bull Racing Hondaのフェルスタッペン選手が3番手、ペレス選手が4番手と2列目のグリッドを獲得しましたが、フロントローに並んだライバルのメルセデス2台の後ろのからのスタートとなったことは、明日のレースに向けて厳しい結果だと感じています。

Scuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は昨日からの好調を維持して5番手と、以前のペースを取り戻し、前戦からの挽回を見せてくれました。
角田選手については上手くマシンがまとまらず、残念ながら16番手という結果になりましたが、粘り強く明日はポジションアップを目指してほしいと思います。

ハンガロリンクは一周の距離が短いこともあり、明日のレースは70周と多くの周回を重ねます。
長いレースの中で各車ポジションアップを図れるよう、ここからも準備を進めていきます」

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(予選 3位)

「レースウイーク全体で少し後れを取っていましたが、それが予選でも同様になってしまいました。
Q3でのラップはQ2よりも下がりましたが、何らかの原因で同じだけのグリップが得られませんでした。
それが路面なのかタイヤに関連するものなのか分かりませんが、プッシュするには少しバランスが悪くなり、次々とコーナーを迎えるコースなので、一か所で感覚がよくないと、その次も同様になってしまいます。

最後のアタックではタイムを落としてしまいましたが、もう少し速いアウトラップができればバランスはもっとよかった筈ではあるものの、それでポールポジションが獲れたとは思っていません。
3番手というのは望んでいた結果ではなく、満足はできませんが、隣からスタートするチェコ(ペレス)とともにまだ諦めていないので、レースで何ができるか確認していきます。
明日はとても暑くなるはずなので、ソフトタイヤでのスタートというのもいい戦略になると思います。
ソフトはミディアムほど持ちませんが、スタートでは役に立つ筈です。
このコースではスタートがとても重要なので、最高の結果を持ち帰るためにも、いい形で戦えるようにしていきます」

【セルジオ・ペレス(レッドブル)】(予選 4位)

「予選を通じて、マシンの感触が確かによくなっていきました。
可能性を感じていたので、最後のアタックができなかったことは本当に残念です。
十分な余裕があると考えていましたが、残念ながらそうならずにアタックができませんでした。
今日はメルセデス勢が非常に強力だと分かっていましたが、明日は彼らに大きなプレッシャーをかけられればと思います。
僕らは異なる戦略を採りますし、スタートも楽しみです。
このコースでは1つか2つのコーナーで上手くいけば、大きくラップタイムを向上させられます。
理想のシナリオは、僕らが前に出てポジションを維持することですが、長いレースなので何が起きるか分かりません」

【角田 裕毅(アルファタウリ)】(予選16位)

「今週末はずっとマシンバランスに苦しんでいて、難しい状況です。
FP3では走行時間を最大限確保して昨日失った時間を挽回しようとしました。
そこでペースを徐々に上げて、一周をまとめきるいいラップもできたと感じています。
予選には自信を持って臨みましたし、グリップは少し不足していると感じたものの、ラップ自体は悪くなかったと思います。
チームメートと大きな差がどこでできているのか理解できていないので、今夜はエンジニアと話してレースに向けてデータを確認する必要があります。
過去にも走行経験がある好きなサーキットなので、そこでもっと上位からスタートできないことはフラストレーションが溜まります」

【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(予選 5位)

「今日はものすごくうれしいです。
メルセデス、Red Bullに続く位置につけられたことは、なかなかいい気分です。
フェラーリは強そうに見えたので、彼らより上位になれて驚きましたが、だからこそ自分たちのパフォーマンスに満足しています。
レースペースでは僕らを上回るマシンがいることも分かっているので、レースは簡単にはいかないと思います。
ただ、ここではグリッドポジションがとても重要ですし、明日はできるだけ上位を目指して全力で戦います。
シャルル(ルクレール/フェラーリ)やランド(ノリス)とのバトルが本当に楽しみです。
ここはオーバーテイクが難しいので、うまくディフェンスを続けて5位を守れるようにしていきたいと思います」

提供:本田技研工業(株)

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危険ピットリリースでアルファロメオに罰金

FIA
ハンガリーGPのレーススチュワード(審査委員)は、31日(土)行われたフリー走行3回目セッション中、アントニオ・ジョビナッツィのマシンに危険なピットリリースがあったとしてアルファロメオ・レーシングに5千ユーロ(約65万円)の罰金を科したことを明らかにした。

それによればジョビナッツィは、ピットレーンをストロール(アストンマーティン)のマシンが走行しているにも関わらず、ガレージからコースインして危うく大きなアクシデントになりかねない接触を引き起こしたというもの。

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マゼピン(ハース)、「シューマッハとの仲は問題ない」

Nikita Mazepin (C)Haas F1 Team
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共に2021年のルーキードライバーであるニキータ・マゼピンとミック・シューマッハは、同じハースF1チームからのF1デビューを果たしたチームメイト同志だが、このところ二人は不仲説で持ちきりだ。

これについてマゼピンは、「僕とシューマッハは同じ目的で協力し合うチームメイトで二人の関係に何も問題はないね。
悪い噂を振りまく人たちは、いずれも外部の無責任な連中であることがわかったよ。
真相なんて何もわからない癖に、悪意を持って虚言を並べ立てるんだ」と、力説。

それでも現実には、ロシアの富豪である父親ドミトリー・マゼピン氏の影響で来季のハースF1残留が確実視されるニキータのせいで、シューマッハのほうはアルファロメオ・レーシングへの移籍が余儀なくされているとの噂が持ちきりだ。

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