ペレス、3種類のコンパウンドを使用して劇的なレースを制す (ピレリ)
2020 サヒールグランプリ 決勝
2020年12月6日、サヒール
キーポイント
・レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスが、全 3 種類のコンパウンドを使用して劇的な
展開となったサヒールグランプリを制し、F1 初優勝を飾りました。1 周目にレッド・ソフトからイエロー・ミディアムへ交換したペレスは、ファイナルスティントをホワイト・ハードで走行しました。
・メルセデスは、セーフティーカー導入周回中、1 位と 2 位を走行していた両台のピット作業ミスによる影響を受けました。ジョージ・ラッセルは、誤ったフロントタイヤに交換されたため、再度ピットインせざるを得なくなりました。バルテリ・ボッタスは、長いピットストップ時間の中、装着していたハードタイヤを再度装着することになりました。また、ラッセルは、残り 9 周時点で左リアタイヤのパンクに見舞われ、4 回目のピットストップを強いられました。
・スタート直後のセーフティーカー導入は、燃料満タン状態において、レースの重要な要素であるペースを低下させる効果を生みました。また、このセーフティーカー導入周回は、ピットストップウィンドウを延長し、ソフトタイヤを装着していたドライバーに有利に作用しました。1 周目の事故に巻き込まれたペレスは、1 回目のセーフティーカー導入周回中に、ただ一人ピットストップを行いました。一方、チームメイトのランス・ストロールは、ソフトタイヤで 42 周のオープニングスティントを走行しました。
・スタート時の路面温度 23℃のコンディション下、突風が砂漠の砂をトラックに運び、グリップに影響を及ぼしました。
・1 ストップから 3 ストップまで、広範囲に渡る戦略が見られました。ルノーのエステバン・オコンとレーシング・ポイントのランス・ストロールの 2 名のみが 1 ストップ戦略を実行しました。
各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C2 : 1 ストッパーにとって重要な要素となりました。メルセデスも当初は 1 ストップ戦略を狙っていました。オコンが実行したミディアムからハードへ繋ぐ 1 ストップ戦略に代表されるように、ハードタイヤはロングスティントを走行可能な耐久性を示しました。
・ミディアム C3 : 約半数のドライバーが、スタート時にミディアムを装着しました。また、ストロールは、長いファイナルスティントをミディアムで走行しました。チームメイトのペレスは、ミディアムで 46 周の第 2 スティントを走行しました。
・ソフト C4 : 一時 2 位を走行したマクラーレンのカルロス・サインツに代表されるように、ソフトタイヤはオープニングスティントで有効に機能しました。ラッセルは、ソフトタイヤで短いファイナルスティントを走行しました。また、トップ 10 グリッド以外の数名のドライバーがスタート時にソフトタイヤを装着しました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「3 回目のセーフティーカー導入周回が、62 周目までのレースの様相を一変させました。ピットレーンでの混乱が、その時点でワンツーを走行していたメルセデスに影響を及ぼしました。冷涼なコンディションが全てのコンパウンド、特に C4 ソフトタイヤのデグラデーションを抑制したものと思います。その結果、オープニングスティントを延長する効果が生み出され、特にミディアムタイヤでスタートしたドライバーたちの 1 ストップ戦略が可能になりました。しかし、2 ストッパーも非常に効果的でした。1 セットずつのミディアムとハードしか残っていなかったセルジオ・ペレスは、1 回目のピットストップ後は後方に沈みながらも、全 3 種類のコンパウンドを活かして劇的な優勝を手にしました。複数回のセーフティーカー導入が戦略に大きな影響を及ぼし、終盤には、シーズン中最短のトラックで見応えある 20 周のスプリントレースが展開されました。
F2 のタイトルを獲得し、F2 チャンピオンが F1 に挑戦するチャンスを得る伝統を実践したミック・シューマッハを祝福します。タイヤマネジメントを含め、F2 が F1 ドライバーを養成する優れたカテゴリーであることが証明されました。これまでに、スリリングでハードな闘いが幾度も見られ、今日もその例外ではありませんでした。また、レース後、メディアが選ぶ F2 年間最優秀ドライバーを獲得した角田裕毅の表彰と、来シーズンの F2 挑戦に向けて 30 万ユーロの奨学金を F3 チャンピオンのオスカー・ピアストリに授与できたことを嬉しく思います」
ピレリジャパンプレスリリース
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