ホンダ系チーム、決勝レースコメント(12/13)
Max Verstappen (C)Redbull Racing
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最終戦アブダビGPの決勝で、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで完勝を収め、Hondaパワーユニット勢は3台が入賞を果たしてシーズンを締めくくりました。
フェルスタッペンは、ポールポジションからスムーズなスタートを見せると、オープニングラップで後続をDRS圏外まで突き放してリードを確保します。
5番手からスタートしたアレクサンダー・アルボンは、6周目に前を行くランド・ノリス(マクラーレン)をパスして、4番手に浮上。
2~3番手のメルセデス勢をAston Martin Red Bull Racingの2台が挟む形でレースを進めます。
Scuderia AlphaTauri Hondaの2台は、ダニール・クビアトがスタートポジションの7番手を守り、ピエール・ガスリーは1つポジションを落として10番手で1周目を終えます。
しかし、その後ペースを上げたガスリーは、クビアトとポジションを入れ替えて8・9番手で序盤を進めました。
11周目、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)がメカニカルトラブルでコース上にストップし、バーチャルセーフティカー導入からセーフティカー出動となります。
フィニッシュまでハードタイヤで走りきれる周回数であったことから、Hondaパワーユニット勢は4台全車がこのタイミングでピットインし、タイヤ交換を行います。
この際、大半のライバルも一斉にピットインし、同様にタイヤ交換を行いました。
フェルスタッペンはピットアウト後もリードを拡大し続け、レース最終盤までファステストラップを保持したままチェッカーフラッグを受けます。
ファステストラップこそ逃したものの、ポールポジション、優勝、全ラップリードを記録し、シーズン最終戦を完勝で終えました。
チームメイトのアルボンはタイヤをうまくマネージメントしながら、終始4番手でレースを進めると、終盤にはメルセデス勢との差を詰めていきます。
最後は3位のルイス・ハミルトンに約1.5秒差まで迫ったものの一歩届かず、4位でフィニッシュしました。
レース序盤でピットストップを行ったガスリーは、ステイアウトしたマシンの後方にポジションを下げ、トラフィックの中でのレースを強いられます。
しかし、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランス・ストロール(レーシングポイント)をターン11で立て続けにオーバーテイクすると、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)もパスして8位でフィニッシュ。
4ポイントを獲得しました。
クビアトも同様に後方へと順位を落とすも、追い上げてポイントまであと一歩の11位で完走を果たしました。
2020年シーズンを終え、Hondaパワーユニットとしては2019年と同じ3勝をマーク。
昨年の勝利はすべてフェルスタッペンによるものでしたが、今季はRed Bull Racingが2勝、Scuderia AlphaTauriが1勝を挙げ、これらを含む表彰台登壇は14回に上りました。
Red Bull Racingは2016年以来4年ぶりのコンストラクターズランキング2位を獲得し、Scuderia AlphaTauriはToro Rossoとして参戦開始した2006年以来最大となるコンストラクターズポイントを獲得しました。
また、Hondaとしては4人のドライバーともにPUの使用をレギュレーション通りの年間3基以内に収めました。
結果、一度もPU交換に関するペナルティを受けることなく、PUマニュファクチャラーの中では唯一のノーペナルティーでシーズンを終えました。
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 1位)
「レースウイーク前はここまでの成果を予想していなかったので、この2日間はとても楽しめました。
ポールポジションはうれしかったですし、こんな完勝でシーズンを締めくくれるのも僕らにとってはいいことです。
タイヤマネージメントがよかったですし、マシンバランスがとてもよくてドライビングが楽しかったです。
今日はタフな戦いを予想していましたが、すべてがうまくいったと思いますし、プレッシャーを感じる場面が全くなく、なかなかいい気分でした。
こういう形でシーズンを終えるのはもちろんうれしいです。
そして、来シーズンはスタートから競争力を発揮できればと思います。
チャンピオンシップ獲得を目指して戦いたいと思っていますし、そのためには序盤から強さがなければなりません。
そういう意味では、今日はいい位置にいると思います。
チーム、そしてHondaの全員が、一年を通じて本当に懸命に取り組み、マシンを向上させてくれました。
これからのオフシーズンに向けてとても励みになる結果ですし、今夜はみんなそれぞれ祝福気分に浸ってほしいと思います」
【アレクサンダー・アルボン(レッドブル)】(決勝 4位)
「今日の結果には満足していますし、あと数周レースが長ければルイス(ハミルトン)をパスして表彰台に立てたと思います。
今日はスティントの最初からタイヤをマネージメントしたのですが、レース終盤でみんなタイムが落ち始めても十分なタイヤライフが残っていたので、少し大事にいき過ぎたのかもしれません。
今週末はマシンの感触がとてもよく、F1に来てから一番だったかもしれません。
レース前には大きなプレッシャーを感じていましたが、自分のパフォーマンスに集中することのみが目標でしたし、自分にできる最高の仕事をしようと思っていたので、その中でこのような結果を残せたことを誇りに思います。
いろいろな外野の声をシャットアウトして成長を続け、自分の強さをみんなに証明できたのは、とてもいい気分です。
僕らはチームとして決してあきらめませんでした。
ファクトリーの全員から大きなサポートを受けてきましたし、エンジニアたちとマシンを向上させるために懸命に取り組んできました。
今は、家に帰って家族とくつろぐのが楽しみです」
【ダニール・クビアト(アルファタウリ)】(決勝11位)
「いい結果でシーズンを終えたいと思っていたので、今日はフラストレーションの溜まる展開でした。
(セバスチャン・)ベッテル選手の後方に連なるDRSトレイン状態の中で大きくタイムロスしてしまいました。
今日のレースのカギは最初のスティントにあり、ソフトタイヤのデグラデーションがリアに出ると想定していたのに、フロントタイヤが終わってアンダーステアが出てしまい、停滞してしまいました。
バーチャルセーフティカーで後方の順位になってしまいましたが、その前に結果を左右する位置にいたマシンの後ろへポジションを落としてしまっていました。
ペースはあったので、ポイント圏外でフィニッシュするのは残念ですが、第1スティントから挽回するのは厳しかったです。
シーズン全体はとてもよく、いい結果を出せたレースもありましたし、もっとポイントを獲得できたはずのレースもありました。
ただ、どういうわけか、僕にそのチャンスは訪れませんでした。
こういう結果になるときもありますが、激戦のシーズンをともに戦ってくれたチームのみんなに感謝したいと思います」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝 8位)
「今日の8位フィニッシュはとてもうれしいです。
激しいレースになり、かなりの数のバトルで、オーバーテイクも多くありました。
全体的には、楽なレースウイークではなく、マシンの感触もよくなかったのですが、レースではなんとかいい形にすることができました。
シーズン最後の戦いでチームへさらなるポイントを持ち帰れて本当にうれしいです。
今季のチームみんなに心から感謝を伝えたいです。
全員と仕事ができたことが本当にうれしかったですし、全領域で大きな進歩を果たし、中団でしっかりと戦えるようになったと思います。
今は、少しだけ僕らの初勝利や今季の成果を喜ぶ時間を過ごします。
そして、来年に向けて、さらに強くなって戻れるようにバッテリーをフル充電したら、さらに力強いパフォーマンスができるように取り組んでいきます」
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「今日のシーズン最終戦、アブダビGP決勝は、Aston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウインを飾り、Hondaとしてシーズン3勝目を挙げることができました。
フェルスタッペン選手は終始トップを譲らない力強い走りで、ライバルを寄せ付けずチェッカーフラッグを受け、最終戦を勝利で締めくくってくれました。
チームメートのアルボン選手は、終盤前の車に迫る走りを見せたものの残念ながら4位、Scuderia AlphaTauriのガスリー選手は見事なオーバーテイクをいくつも見せて8位、クビアト選手はピットストップでポジションを大きく落としたことが響き、惜しくも入賞には一歩届かず11位という結果でしたが、Hondaとしていい形でシーズンを締めくくることができました。
コロナ禍の中、短期間かつ過密日程で戦うことになったシーズン全体を振り返ってみると、Aston Martin Red Bull Racingと一緒にチャンピオンシップ獲得を目標としてシーズンインを迎えたものの、結果としてはチャンピオンのメルセデスに大きく離されるという悔しい一年になりました。
パッケージとしてさらなる進化を果たさなくてはいけないことを痛感している一方で、今日の勝利以外にも、F1の70周年記念レースでの勝利や、Scuderia AlphaTauriとの50戦記念レースでガスリー選手が初勝利を挙げるなど、記憶に残るレースができたと思っています。
また、シーズン3基の使用が許されているPUレギュレーションに沿う形で、Honda PUを搭載する4台すべてがPU交換によるペナルティーなしでシーズンを終えられたことは、過去に学び信頼性の向上を図れた結果だと思っています。
コロナ禍によりさまざまなイレギュラーに対応し、厳しいシーズンを戦い抜いてくれたHonda、Red Bull、AlphaTauriのすべてのメンバーに、感謝の言葉を贈りたいと思います。
そして、それを支えた家族、さらにはその活動を支えてくれた方々にも感謝いたします。
すでに発表されているように、来年はHondaにとってF1に参戦する最後の一年になります。
チャンピオンシップ獲得を目指し、ファクトリーではさらなるパフォーマンスアップに向けて、チームとともに開発を懸命に続けていきます。
ここから短いオフシーズンに入りますが、さらに強くなって戻ってきたいと思います。
みなさま、今シーズンも応援をいただき本当にありがとうございました。
そして、来年もご声援をよろしくお願いいたします」
提供:本田技研工業(株)
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