ホンダ系チーム、決勝レースコメント(11/29)
Podium Scene (C)Redbull Racing
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第15戦バーレーンGPの決勝は、Aston Martin Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンが2位・3位でそろって表彰台に登壇。
Scuderia AlphaTauri Hondaのピエール・ガスリーも6位入賞を果たし、Hondaパワーユニット勢は3台がポイントを獲得しました。
オープニングラップでロマン・グロージャンはダニール・クビアトの前を横切る形でコースアウトし、高速でコース外のバリアに衝突。
マシンは真っ二つに割れ、大きな炎が上がりましたが、幸いにもグロージャンは自力で脱出し、深刻な事態は免れました。
これにより赤旗が掲示され、レースは1時間以上中断となります。
レースはスタンディングスタートで再開されましたが、そのグリッドは2番手にフェルスタッペン、5番手にアルボン、9番手にガスリー、15番手にクビアトとなりました。
Red Bull Racingは2人ともスタート時に履いていたミディアムタイヤで再開に臨み、首位のルイス・ハミルトン(メルセデス)を追いました。
クビアトは、再開後のレースでも、ターン8でイン側に切り込んできたランス・ストロール(レーシングポイント)と交錯し、ストロールのマシンは横転してストップ。
これによりセーフティカーが出動し、クビアトには10秒のタイム加算ペナルティーの裁定。ピットイン時に消化し、大幅にポジションを落とす結果となりました。
ミディアムタイヤでスタートしたガスリーは、赤旗中断の間にタイヤ交換を行い、ハードに変更して再開後のレースに臨みました。
また、フェルスタッペンは、1度目のピットストップを終えたあと、ハミルトンよりも先にピットインをして新品タイヤに交換する戦略を採ります。
しかし、2度目のピットストップでは作業時間が多くかかってしまったこともあり、ハミルトンの約3秒後方でレースに復帰します。
アルボンは、リスタート後にバルテリ・ボッタス(メルセデス)の前方で4番手につけると、前を行くセルジオ・ペレス(レーシングポイント)へプレッシャーをかけながらレースを進めます。
ミディアムタイヤで2スティントを走行した後、ハードタイヤへの交換を行うも、なかなか差を詰めることができませんでしたが、残り3周となったところでペレスのMGU-Kにトラブルが発生してリタイア。
これで3位を手に入れたアルボンは、自身2度目の表彰台登壇を果たしました。
また、Honda PUとしてのダブル表彰台は、昨年のブラジルGP以降で通算3度目となります。
アルボンが2ストップ、フェルスタッペンは3ストップとなる一方で、ガスリーは1ストップ戦略を採用。
ハードタイヤを持たせながら粘り強く走りますが、終盤で5番手から7番手までポジションダウン。
しかし、ペレスのリタイアによって順位を1つ上げ、6位でフィニッシュしました。
クビアトは、10秒のペナルティーにもかかわらず、11番手まで追い上げましたが、前を行くシャルル・ルクレール(フェラーリ)に迫っていたところで、ペレスのリタイアによるセーフティカーが出動。
そのままレース終了となり、11位でチェッカーフラッグを受けました。
次戦は1週間後、再びバーレーン・インターナショナル・サーキットが舞台となりますが、コースレイアウトが外周ルートを使用する形に大きく変更され、サクヒールGPとして開催されます。
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 2位)
「もちろんレースの初めで今日のような大きな炎を見るのはとてもショッキングです。
ああいった炎が出るということは悪いことが起こっているということなので、ロマン(グロージャン)が自力で脱出できたことや、治療で治るケガだったことにみんなが胸をなでおろしましました。
彼の少しでも早い回復を祈っています。
ああいった事故はなるべく見たくないものですが、ドライバースーツの安全性は素晴らしいですし、ヘイローがガードレールを彼の頭の上に押し上げたことで、本当に今日は彼の命を救ったと思います。
レースではルイス(ハミルトン)についていくためににできることをすべてしたので、あれ以上できることはあまりなかったのですが、残念ながら僕たちにはスピードが足りていませんでした。
もう少しプレッシャーをかけられたかもしれませんが、マシンのペースを考えれば結局は2位が今日のベストな結果だったと思います。
ダブル表彰台はチームにとって素晴らしいことですし、アレックスのことを思うとうれしく感じます。
ここではマシンの動きはいいようなので来週レイアウトが変わってどうなるか楽しみですが、できればもう少しペースを上げて、できる限りのリザルトを得られればと思っています」
【アレクサンダー・アルボン(レッドブル)】(決勝 3位)
「今日の結果は運の要素があったことは否定しませんし、セルジオはいいレースをしていました。
ただ、僕らも何かが起こったときに、チャンスをつかみ取ることができる位置にいたからこその結果なので、とてもうれしいです。
チームはセルジオのエンジンに問題が起こっているかもしれないと伝えてくれたとき、彼のマシンからオイルが漏れているかもしれないと考えました。
そこで彼の真後ろにはつきたくないと思い、ラインを外して走り、それがうまくいきました。
金曜日のマシンダメージから、チームのみんなは素晴らしい仕事ぶりで土曜に向けてマシンを準備してくれたので、こうしてそれに報いることができてよかったです。
このレースウィークでは、ペースがずっとよかったので、それが結果に結びついてうれしいです。
結果には表れていませんでしたが、ここ数戦で徐々に向上していたと思いますし、今週末さらに前進できたことに満足しています。
来週は異なるレイアウトですが、特性は似ているので、この再現ができればと思っています。パドックの全員がそうだったように、僕もロマンがあのアクシデントの後で、自力でマシンから出たのを見てほっとしました。
あの場面を見返すとショッキングですし、安全分野の担当チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思います」
【ダニール・クビアト(アルファタウリ)】(決勝11位)
「11位で終えるというのはとてもフラストレーションが溜まります。
オープニングラップでは、ロマンの動きに最初は少し怒りを感じましたが、炎が上がり、クラッシュのひどさを目の当たりにして、とても心配になりましたし、無事を願っていました。
幸いなことに深刻な状態にならなくてよかったです。
その後、2度目のレーススタートでは、ストロールとのインシデントが起こりました。
僕は彼の内側にいたのに、彼はまるで僕がいないかのようにターンインしてきたと感じました。
自分のマシンを完全に縁石の内側に入れましたが、あれ以上できることはありませんでした。
したがって、この僕へのペナルティーというスチュワードの見解には同意できません。この裁定で僕のレースは台無しになってしまったので、残念です。
憤りを感じますが、残念ながら結果は覆りません」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝 6位)
「今日なによりも大切なのは、ロマンがあの恐ろしいクラッシュから自力で脱出する姿を見られたことです。
ショッキングなシーンでしたが、彼が無事だったことを心からうれしく思いましたし、彼が回復して、早く復帰してくれることを願っています。
パフォーマンス面では、自分たちの仕事ぶりに大満足です。
ギャンブルとも言えるリスキーな戦略を採りましたが、それが功を奏しました。
自分のキャリアでも一番タフなレースだったかもしれません。
コクピットの中で多くのハードワークをして、なるべくタイヤを傷めないようにマネージしながらプッシュして、可能な限り多くの周回を走ろうと取り組みました。
本当に難しいことをやってのけなければいけませんでしたが、僕らにとっては今年のベストレースの一つと言える結果を得ることができました。
最大の結果を残し、またポイントを獲得できたことがうれしいです」
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「本日のレースは、スタート直後の大きな事故でいきなり長い赤旗中断となりましたが、Aston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手が2位、アルボン選手が3位表彰台と、我々にとって中東3連戦の初戦はポジティブな結果となりました。
2人のドライバーともにレースを通して堅実なドライブでダブルポディウム、加えてフェルスタッペン選手がファステストラップを獲得してくれことをとてもうれしく思っています。
Scuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は全マシンの中で唯一の1ストップ作戦を取りましたが、こちらも粘り強くタイヤをマネージしながら6位と、いい結果でレースを終えてくれました。
クビアト選手については再開直後の接触によりペナルティーを受け、11位と惜しくも入賞を逃しました。
来週は、今週と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで、レイアウトを変えてのレースが行われます。
今回のいい結果を次戦、そして最終戦のアブダビGPにつなげ、さらによい戦いができるように準備を進めていきます。
最後に、スタート直後のクラッシュでハースのグロージャン選手に幸いにも深刻なケガがなかったことにとてもホッとしています。
昨今では稀に見る大きな事故でしたが、現代のF1マシンの安全性の高さを証明することとなったと感じており、FIAやチームの安全に対する取り組みに、改めて敬意を表したいと思います」
提供:本田技研工業(株)
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