ホンダ系チーム、決勝レースコメント(11/15)
Max Verstappen (C)Redbull Racing
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イスタンブール・パークで行われた第14戦トルコGPの決勝は、路面コンディションの変化によって目まぐるしく展開が変わる中、Aston Martin Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンがポイント圏内でレースをフィニッシュしました。
フェルスタッペンが2番グリッド、アルボンが4番グリッドからスタートとなる一方で、予選でのイエローフラッグ無視などによって中団以降のグリッドが大きく変動しました。
Scuderia AlphaTauri Hondaのダニール・クビアトが予選順位から1つ繰り上がって16番手、ピエール・ガスリーはパワーユニット(PU)交換に関連するペナルティーにより、最後尾からのスタートとなりました。
スタート1時間前に雨が降ったことから、完全なウエットコンディションとなり、グリッド上の全車がウエットタイヤを選択。
路面のグリップがかなり低い状況の中、スタンディングスタートでレースの幕開けとなりました。
シグナルが消えてスタートが切られる中、Red Bull Racingのフェルスタッペンとアルボンは加速できずに大幅なポジションダウンを喫します。
しかし、そこから巻き返しを図り、4番手と5番手まで順位を取り戻しました。
一方のScuderia AlphaTauri勢は好スタートを切り、クビアトが12番手、ガスリーが13番手とトップ10を視野に入れる位置でレースを進めます。
路面の状況が改善していく中、序盤のポイントは浅溝のインターミディエイトタイヤに交換するタイミングでした。
フェルスタッペンとアルボンはウエットタイヤでも十分な速さを見せ、上位を走行していたランス・ストロール、セルジオ・ペレス(ともにレーシングポイント)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がピットインして前が開けると、ファステストラップを更新しながらペースを上げていきます。
一方のScuderia AlphaTauri勢は、クビアトが8周目にインターミディエイトタイヤに交換。
その2周後にガスリーもタイヤ交換を行います。両者ともにトップ10圏内を目指しますが、ピットインせずにとどまっていたケビン・マグヌッセン(ハース)に前をふさがれる形となって、ペースを上げられないままレースが進んでいきます。
フェルスタッペンは11周目にタイヤを交換し、ペレスとベッテルの間の4番手でコースへ復帰。
アルボンは12周目にピットインし、ベッテルとルイス・ハミルトン(メルセデス)の6番手でレースへ戻ります。
その直後、バーチャルセーフティカー(VSC)が導入されますが、アルボンはタイヤをうまく作動させ続け、VSCが明けるとターン12でハミルトンをオーバーテイク。
さらにその勢いのままベッテルもパスして、4番手に浮上します。
コース上で最速のペースを見せていたフェルスタッペンでしたが、2番手を目指して前方のペレスをパスしようと仕掛けたところでスピンを喫し、再度のタイヤ交換を余儀なくされます。
これにより、フェルスタッペンはアルボン、ベッテル、ハミルトンの後方までポジションダウンし、カルロス・サインツ(マクラーレン)の後方8番手でコースへ戻ります。
アルボンが快調なラップを刻む一方で、フェルスタッペンはこのトラフィックに引っかかる形となってペースが上がりません。
アルボンは前を行く2台を追い詰めますが、この頃には路面がだいぶ乾き、タイヤの消耗が激しくなっていたことから、多くのドライバーが再びピットインして新たなインターミディエイトタイヤを装着。
ガスリーも33周目でタイヤを交換しましたが、クビアトは1ストップ作戦を遂行すべくステイアウトを選択します。
同じくステイアウトしていたアルボンですが、タイヤの消耗は激しく、ターン4でスピン。
34周目で新たなインターミディエイトタイヤに交換すると、コース復帰後にストロールをパスして5番手までポジションを上げます。
しかし、ペースで勝るサインツにパスを許し、6番手でレース後半を戦うことになります。
フェルスタッペンは他車のピットインもあり、3番手までポジションを上げましたが、タイヤの摩耗によってピットイン。
アルボンの後方7番手でレースへ復帰します。
前方を行くフェラーリ勢を追いかけますが、乾いていく路面コンディションに苦戦してペースを上げられず、さらにはフェルスタッペンが再びスピンを喫します。
フェルスタッペンはそこから巻き返し、残り7周のところでアルボンの前に出ると、両者ともにそのままフィニッシュ。6位と7位で計14ポイントを獲得しました。
Scuderia AlphaTauri勢は、クビアトが1ストップ、ガスリーが2ストップと戦略を分けましたが、序盤でマグヌッセンの前に出られなかったマシンは軒並みポイント圏外に留まっており、クビアトとガスリーも同様に上位進出は果たせず、12位と13位でレースを終えました。
次戦は2週間後、11月29日(日)に決勝が行われるバーレーンGP。今季初めて欧州以外での開催となります。
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 6位)
「正直に言うと、今日はとても難しいレースでした。
グリッドの偶数列はグリップが低く、スタートがうまくいかずに4番手までポジションを落としました。
3番手までポジションを戻すと、コントロールの難しい中でチェコ(ペレス選手)についていこうとしましたが、コーナー出口の縁石の外にあるグリーンゾーンまで出てしまい、大きなスピンを喫しました。
ウォールにはぶつからないようにしましたが、タイヤにフラットスポットができたことでピットインせざるを得ませんでした。
新しいタイヤに交換して、前に追いつくまではできましたが、パスすることができませんでした。
コース上には1つの走行ラインしかなく、そのラインですらもとても滑りやすいという状況で、前のマシンと同じラインしか走れないというのはとてもフラストレーションが溜まりました。
また、路面も完全に乾ききってはいなかったので、スリックタイヤに交換することもできず、消耗の早いインターミディエイトで走り続けなければなりませんでした。
あとは前方のマシンについていくレースになり、グリップのない中で生き残ろうとトライしていきました。
いい一日にはなりませんでしたし、自分たちが意図したようなレースでもありませんでした」
【アレクサンダー・アルボン(レッドブル)】(決勝 7位)
「今日はすべてが計画通りにいって勝利が目指せたと思うので、7位という結果には複雑な気分です。
レースウイークを通じて僕らの競争力は高かったので、今日の結果はつらいです。
僕らは2台ともスタートがよくなかったのですが、ポジションを上げていき、インターミディエイトに交換したときは素晴らしいグリップがあってとても速かったです。
しかし、ペースはとてもよかったものの、2セット目のインターミディエイトに交換してからはグリップがなくなってペースを失い、少し困惑しました。
理解しがたい状況ですが、冷静になり、なぜこのようなレースになったのかを分析しなければなりません。
今週末はマシンの進化を確認できましたし、トライしたこともとてもうまくいったので、その部分には満足しています。
ガレージのみんながすごく助けてくれたので、次のバーレーンでまたそれを再現するのが待ちきれません」
【ダニール・クビアト(アルファタウリ)】(決勝12位)
「今日は語るべきことはあまりないレースになりました。
自分のレースに徹して12位となりましたが、これ以上にできることはあまりありませんでした。
僕らはポイントが獲得できず、レース中ずっと戦っていたのに成果が得られなかったことには、フラストレーションが溜まります。
とても難しいレースでしたが、幸いにも一度のスピンのみであまりミスをしませんでした。
ドライバーにとってはこうしたコンディションで無事に完走できて気分がいいものですし、集中力を養うためのいいトレーニングになりました。
全体的に振り返ると、今週末ウエットでの僕らのペースはあまりよくなく、マシンを作動領域に入れるのに苦しんでいました。
何がよくなかったのかを見極め、そこから学んでいきます」
【ピエール・ガスリー(アルファタウリ)】(決勝13位)
「レースウイークを通じて僕らはあまりよくありませんでした。
昨日はウエットタイヤではパフォーマンスを発揮できず、今日も同じようにかなり苦戦することは分かっていました。
金曜日のドライコンディションではすべてがよかったのでやや困惑しましたが、ウエットやインターミディエイトになるととても遅くなってしまい、FP3や予選でもタイヤを適切に作動させられずに苦戦しました。
さらに、今日はペナルティーも受けました。
次に同じコンディションとなった場合に備えて、今回なにが悪くて、もっとうまくやるには何が機能しなかったのかを理解する必要があります。
すでにいくつか答えは見えていますが、僕らはもっといい仕事をすべきでしたし、とてもがっかりしています。
この週末は終わったわけですから、この先のレースに目を向けていきます」
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「今日のトルコGP決勝は、スタート前に降った雨のためウエットコンディションでのレースとなりました。
レース時には止んだものの、低い外気温であったこともあり、終了までドライにはならず、徐々に路面の状況が変わる中でタイヤマネージメントなど難しいレースになりました。
プラクティス、また予選での感触がよかったAston Martin Red Bull Racingですが、フェルスタッペン選手が6位、アルボン選手が7位と残念なポジションでの終了となりました。
Scuderia AlphaTauri Hondaの2台は、濡れた路面で走行ラインを外してのオーバーテイクが難しい状況などからポジションアップに苦しみ、ポイント圏外でのフィニッシュとなりました。
今シーズンは中東での3連戦を残すのみとなりました。
いい形でシーズンを終えられるよう、ここから準備をしていきます。
最後に、難しいコンディションで予選6番手から見事なレース運びで優勝を飾り、7回目のチャンピオンシップ獲得を決めたハミルトン選手に、Hondaを代表して祝福の言葉を贈ります」
提供:本田技研工業(株)
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