ホンダ系チーム、決勝レースコメント(7/05)
Pierre Gasly (C)Scuderia Toro Rosso
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開幕戦オーストリアGPの決勝は、Aston Martin Red Bull Racing、 Scuderia AlphaTauri Hondaともに厳しい展開となり、AlphaTauriのピエール・ガスリーのみがポイント獲得という結果に終わりました。
前日の予選における裁定が変更となり、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に3グリッド降格ペナルティーが科され、Red Bullの両ドライバーはスタートポジションが上昇。
マックス・フェルスタッペンがミディアムタイヤで2番グリッド、アレクサンダー・アルボンがソフトタイヤで4番グリッドに。AlphaTauriは、ガスリー、ダニール・クビアトともにミディアムタイヤを選択し、それぞれ12番手と13番手からのスタートとなりました。
フェルスタッペンは、上位10台の中で唯一ミディアムタイヤというアドバンテージを活かすべく、2番手をキープしながら順調に周回を重ねていきます。
しかし、11周目に電気系のトラブルが発生し、スローダウン。ピットへマシンを戻したものの、ここでリタイアとなりました。
フェルスタッペンの直後を走行していたアルボンは、キャリア初の表彰台を目指して3番手を堅守していました。
50周目にジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)のマシンがエンジントラブルによってリタイアし、セーフティカー導入となると、Red Bull は、アルボンのタイヤをソフトに交換して追い上げる戦略を採用。
4番手でコースへ復帰すると、すぐさま前方のセルジオ・ペレス(レーシングポイント)をオーバーテイクし、3番手のポジションを回復。
その後再びセーフティカー走行となりました。
再度のリスタートが切られると、アルボンは素晴らしいペースを見せて2番手のハミルトンへオーバーテイクを仕掛けます。
アウト側から前に出たアルボンでしたが、ハミルトンに接触されてスピンを喫してポイント圏外へと後退を強いられます。
この後、ハミルトンには5秒ペナルティーが科されましたが、アルボンにはPUの電気系と思われるトラブルが発生し、Red Bullは2台ともリタイアという結果になりました。
ガスリーとクビアトは粘り強くポイント圏内を走行していましたが、クビアトが残り1周になろうかというところでタイヤにパンクを喫し、この日9台目のリタイアとなります。
ガスリーはチェッカーフラッグまで走りきり、ペレスの直後、7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得しました。
次戦は1週間後、同じレッドブル・リンクで開催されます。
今回発生した問題をチームとともに分析し、巻き返しを図ります。
【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(決勝 リタイヤ)
「まだ何が起こったのかよく分かっていないので、分析が必要ですが、望んだ形でのシーズン開幕にはなりませんでした。
昨年とは違ってスタートがうまくいきましたし、序盤でバルテリ(ボッタス)の速さを目にして、優勝争いは大きなチャレンジだと思っていましたが、表彰台は手堅いと感じていましたし、3位は開幕の結果としては悪くなかったと思います。
ただ、こうしたことが起こるのもレースですし、結果は変えられません。
みんな懸命に取り組んでくれただけに残念ですが、来週のレースに向けて切り替えていきます。
次はいい結果にしたいです」
【アレクサンダー・アルボン(レッドブル)】(決勝 リタイヤ)
「まだ時間が経っていないので、発言には気を付けなければと思いますが、とてもフラストレーションの溜まる出来事でした。
僕らは勝利を手にすることができたと思います。
戦略は最高で、ピットストップでもチームは素晴らしく、さらにセーフティカーのタイミングで運もありましたし、マシンの感触もよかったです。
ハードタイヤではそれほどよくなかったのですが、メルセデスの2台はリスタート時にタイヤが冷え切っているのが分かっていましたし、セーフティカー終了後の数周でパスしようと考えていました。
ルイス(ハミルトン)に対して完璧な動きで仕掛けられて、次の周でボッタスをどう攻略するかを考えようとしていたときでした。
コーナーを抜けようかという遅いタイミングでルイスが接触してきたことに驚きました。僕は外側ギリギリに位置取っていましたが、それだけスペースを与えても、彼がクラッシュしたがらない限りは前に出られると思っていました。
今回は僕が仕掛けて、彼がディフェンスの立場でした。
ブラジルのときよりも傷が深いとは言いませんが、あのときは50/50(フィフティ・フィフティ)かもしれないと言える一方で、今回はそうではありません。
次のレースに向けてもう切り替えているところですが、今日のようなチャンスを得るためには運も必要になってきます。
どうなるか見ていきましょう」
【ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)】(決勝 12位)
「今日のレースはオコン選手と接触するまではペースもタイヤマネジメントも悪くなく、非常にうまく進んでいました。
接触の後、フロントウイングとサスペンションを破損し、タイヤもパンクしてしまったので、そこでレースが終わってしまいました。
これがなければ1ポイントを獲得し、すごくいいレースにできただろうと思っているので、非常に残念です」
【ピエール・ガスリー(トロ・ロッソ)】(決勝 7位)
「長い休みを終えてレースに戻ってきたことは喜ばしいですし、とてもエキサイティングな展開でシーズンの幕が開きました。
もし誰かに『日曜日は7位になれるよ』と言われたら手放しで喜んでいましたし、レースウイークは厳しいスタートだったことを考えると、今日の結果はとてもうれしいです。
ルノー、マクラーレン、レーシングポイントがとても強かったので、今日のレースは大変だと思っていましたが、いい戦いができて、トラブルなしで終えることができました。
僕らにとって、非常にいい結果だったと思います!」
【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】
「2020年の開幕戦が終了しました。Honda勢は3台リタイアということで非常に残念なレースとなり、レースを走り切ったScuderia AlphaTauriのガスリー選手が7位入賞できたことのみが、唯一ポジティブな結果になりました。
Aston Martin Red Bull Racingのフェルスタッペン選手は2番グリッドからいいスタートを見せましたが、レース早々に電気系のトラブルにより残念ながらリタイアとなりました。
アルボン選手も終盤に2番手にポジションを上げたところで接触しコースアウト、幸いにもコースに復帰しポイント圏内を目指して戦っていましたが、残り4周でPUの電気系と思われる問題によりマシンを止めました。
2台ともに、詳細な原因をチームとともに確認しています。
AlphaTauriのクビアト選手も、残念ながらマシントラブルによりリタイアに終わってしまいました。
3台リタイアという非常に厳しい結果となりましたが、本日発生したトラブルをすべて解析し、対策を打った上で、来週末に行われるレースに臨みます」
提供:本田技研工業(株)
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