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2020年5月

2020/05/31

オーストリア政府、7月5日・12日のW開催を承認の報

Redbull Ring (C)Redbull Racing
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新型コロナウイルスの影響で遅れた今シーズンの初戦と目されたオーストリアGPが、政府の承認が下りたと地元メディアらが報じている。
ドイツの専門誌『スピード・ウィーク』によれば承認は当初予定の7月5日(日)だけでなく次週12日(日)の連続開催を含めたW開催であるとのこと。
事実であれば、政府が承認した今年のグランプリはこれか初。
実質的に2020年シーズンの幕開けということになる。

また一部報道によればイベントは完全な『無観客』ではなく500人限定でサーキットへの入場が許可されたというものもあるが確認されていない。

現段階で期待されているF1スケジュールは以下の通り。

7月05日:オーストリアGP(レッドブルリンク)
7月12日:オーストリアGP(レッドブルリンク)
7月19日:ハンガリーGP(ハンガロリンク)
8月02日:イギリスGP(シルバーストーン)
8月09日:イギリスGP(シルバーストーン)
8月16日:スペインGP(バルセロナ)
8月30日:ベルギーGP(スパフランコルシャン)
9月06日:イタリアGP(モンツァ)

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ハミルトン、「世界スポーツ選手長者番付」で13位に

Lewis Hamilton
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アメリカの経済誌『フォーブス』が発表した「世界スポーツ選手長者番付100」(6月から翌5月までの集計)で、モータースポーツ界からはメルセデスAMGチームのルイス・ハミルトンが最高の13位にランクされていることがわかった。

ハミルトンはチームとの契約金4,200万ドルの他、個人的なスポンサー料等も合わせて計5,400万ドル(約58億3千万円)とされた。
モータースポーツ界の2番目は32位のベッテル(フェラーリ)で、計3,630万ドル(約39億2千万円)となっている。
ハミルトンは昨年も同じ13位、ベッテルは30位だった。

ちなみに全体のトップはテニスのロジャー・フェデラー選手(スイス)の1億630万ドル(約114億8,000万円)で、昨年ベスト3だったメッシ(アルゼンチン)、ロナウド(ポルトガル)、ネイマール(ブラジル)らサッカー選手を退けた。
なお日本人選手では、テニスの大坂なおみ選手が女子史上最高の3,740万ドル(約40億4,000万円)の29位が最高となった。

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ウィリアムズ『FW43』、早急にカラーリング変更へ

Williams Mercedes 『FW43』 (C)Williams F1
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深刻な不振劇から主要スポンサーである『ロキット』との契約まで終了したウィリアムズ・チームは、タイトル・スポンサーを失ったことで2020年仕様マシン『FW43』のカラーリングも全面的に変更することとなった。
同チームのスポークスマンは、今季の初戦と目されるオーストリアGP(7月5日決勝)に向けそれまでには新しいカラーリングを正式にお披露目する方針を明らかにしている。

現在のカラーリングはウィリアムズ・チームの伝統であるホワイト・ベースにブルーのラインをあしらい、そこに冠スポンサー『ロキット』のコーポレイテッドカラーである赤が大きく描かれているが、おそらくこの辺りの変更がなされるものとみられる。

なお『ロキット』との具体的な契約終了の経緯について、同チームのクレア・ウィリアムズ副代表は「双方共に義務違反等の事実はない」と強調したものの、詳細については明らかにすることはなかった。

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2020/05/30

ウィリアムズ、冠スポンサー終了 チーム売却も覚悟

Williams Mercedes 『FW43』 (C)Williams F1
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ウィリアムズ・チームはタイトル・スポンサーだった『ロキット』との契約終了を発表した。
他チーム同様、今シーズンは新型コロナウイルスの影響で財政難に陥っている同チームだが、昨シーズンも歴史的な苦境を過ごしただけに状況は深刻なもののようだ。

F1チームの母体であるWGPH(ウィリアムズ・グランプリ・ホールディングス)はこれまでも関連企業の売却や人員削減など対策を講じてきたが、今後は株式の売却という策も例外ではないという。
同社の取締役会は、戦略的な見直しと正式な売却プロセスを支援するため新たにアレン社らをファイナンシャル・アドバイザーに任命したことも発表。
もしも全体の半数以上の株式を手放すということになれば、プライベートチームとして歴史に残る活躍を残して来た同チームが最悪消滅ということにもなりかねない由々しき事態となった。

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ルノーF1チーム、2021年以降もワークス参戦継続を発表

Renault Team Motorhome (C)Renault Sport F1
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経営難に陥っているルノー社は、事業計画を大幅に見直し世界的規模で大量のリストラを行う方針を明らかにしたが、渦中のF1チームについては2021年以降もこれまで通りワークス参戦を継続することを確認した。

これは同社の暫定CEO(最高経営責任者)に指名されたクロチルド・デルボ氏がルノーの親会社であるフランス政府の意向として示したもの。
財政難は事実だが、先に決まったバジェットキャップ(予算制限)が背中を押したものと受け止められている。

なおリカルドが離脱したあと空席となっているシートにはF1復活を目論むフェルナンド・アロンソの復帰かバルテリ・ボタス(現メルセデス)の移籍などが囁かれている。

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メルセデス、2021年はハミルトン&ラッセルか

George Russell (C)Williams F1
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2021年、ベッテルのフェラーリ離脱に伴う移籍劇は、王者メルセデスAMGチームにもその影響が及んでいて、現在のハミルトン&ボタスという体制継続に疑問符が投げ掛けられている。
ハミルトンのチームメイトにベッテルの加入があるのではないかともみられているからだ。
これを受け、すでにボタスはリカルドのマクラーレン移籍で空いたルノー・チームに打診しているとも伝えられている。

しかしこのベッテルのメルセデス加入説に、当のメルセデスAMGチームのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターが否定的な見解を示している。

「噂話としては面白い設定だが、残念ながら実現性は低いだろうね。
二人のチャンピオンは必要ない。
われわれは現在のドライバー・ラインナップに満足しているが、来年もそうなるかは私にもわからない。
あるいは大いに若返る可能性もあるんじゃないか」と、ボタス放出を示唆。

そのウォルフ氏の念頭にあるのは元々メルセデスのジュニア育成ドライバーで現在はウィリアムズ・チームで走るジョージ・ラッセル(22歳:イギリス)があるとみられている。
2018年にF2でタイトル獲得を果たしたラッセルは昨年ウィリアムズ・チームでF1デビュー。
優勝経験もあるチームメイトのクビサに対して予選では全戦で圧倒してその実力をみせた。

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2020/05/29

FIA、2021年以降のF1レギュレーション変更を承認

FIA
FIA(国際自動車連盟)は今週電子投票によるWMSC(世界モータースポーツ評議会)を開き、かねて協議が進められてきた2021年以降のF1レギュレーションや財務関連の取り決めについて原案通り承認したことを明らかにした。

新しいレギュレーションでは2020年から2021年に掛けての基本的なコンポーネンツの開発を事実上凍結。
一定内の開発については認められるものもあるが、トークン(開発プログラムの単位)システムによる制限が掛けられる。
また前年のコンストラクターズ・ランキングにより、エアロダイナミックスなどの開発に許される時間にも制限が設けられることになり、上位チームほど時間は削減される。
その他、先に報じられたバジェットキャップ(予算制限)やグランプリウィークに使用できるタイヤ本数、今シーズンの流れを受けて無観客レースに関する規定等も新たに追加された。

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オランダGP、今季の開催を断念

Zandvoort Circuit
35年ぶりの復活が期待されていたオランダGP(ザンドフールト)は、当初の5月3日の開催が延期、その後もなんとしか開催の道を探っていたものの、最終的に今シーズンの開催を断念したことがわかった。

これについて同イベントの主催者で、自身もシャドー等の元F1ドライバーであるヤン・ラマース氏は、「オランダ政府は大規模イベント緊急事態宣言は氏の方針を崩して折らず、年内の開催は不可能と判断した」と、説明。
それでも「私は35年間も待ってきたのでもう1年の辛抱はできる」と付け加えた。

来季あらためてオランダGP復活開催を計画していて、今年のイベントのため購入したチケットは来季のレースでも有効になるとのことだ。

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エディ・ジョーダン氏、「メーカーのF1撤退」を警告

Eddie Jordan
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元F1ジョーダン・チームのオーナーだったエディ・ジョーダン氏(72歳:アイルランド)が、F1からの自動車メーカーによる撤退をドイツのスポーツチャンネル『スポルト1』で予言、来たるべき困難に警告を発した。

「新型コロナウイルスによる影響は、F1を含めこの世界の価値観をも変えてしまった。
今のこの状況で、自動車メーカーはF1に存在意義を見出さないことだろう。
この分野には地球規模での環境問題という課題もある。
私が思うに、メルセデスもルノーも、またホンダもここ数年のうちにF1から去って行くことを覚悟しなければならない。
歴史的にみても、自動車メーカーというのはそういうもの。
そこには会社上層部の判断がすべてであって、チームの力などというのは無力なものだ。
将来的にF1を支えるのはフェラーリやレッドブル、そしてマクラーレンということになるだろう」と、予言。

同氏によれば、さらに原油価格の低下がペトロナスなどF1に関与する石油会社にも影響を及ぼすだろうことを警告した。

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2020/05/28

ラッセル(ウィリアムズ)、開幕前のテストを希望

George Russell (C)Mercedes Motorsport
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開幕が大幅に遅れている2020年シーズンのF1だが、7月5日(日)のオーストリアGPでいよいよ幕開けという状況が現実のものになりつつある。
これを受け、ウィリアムズ・チームの新人ジョージ・ラッセル(22歳:イギリス)は開幕前のテストの機会を希望した。

これはイギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で次のように語ったもの。
「聞くところによると2020年のF1は公式テストもなく、いきなりレッドブルリンクでのフリー走行でスタートするらしい。
でもドライバーとして正直なところを言わせてもらえば、その前にマシンに乗る機会を与えて欲しいな。
だってもう4か月もF1から離れているんだからね、感覚を忘れてしまっているよ。
それなのにいきなりF1のスピードを身体に強いるというのはかなり酷なものだ」

とはいえ、現実にはカートでレーシング感覚を取り戻すくらいしか方法はないようだ。

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ロシアの富豪がルノー・チーム買収に名乗り

Nikita Mazepin (C)Mercedes Motorsport
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親会社であるルノー社の業績不振からワークスチームとしてのF1参戦が危ういともされるルノー・チームに、買収の話が持ち上がっていることがわかった。
これは、イタリアの専門紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じたもの。

それによれば買収に名前が挙がっているのはロシアの大富豪であるドミトリー・マゼピン氏。
世界最大の肥料会社である『ウラルカリ社』の会長として知られるドミトリー氏は、またF2ドライバーであるニキータ・マゼピン(21歳:ロシア)の父親であることでも知られ、以前にはウィリアムズ・チームの買収でも名前が挙がったことがある。

そこで、今回の場合もレーシング・ポイントのランス・ストロールの場合と同じく子息をF1に抜擢すべく買収に動いているものと理解されているが、ただ大きな違いはメルセデスAMGチームでテストドライバーも務めたマゼピンがまだF1参戦に必要なスーパーライセンスを獲得していないということにある。

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マクラーレン・チーム代表、「リカルド優遇のつもりはない」

Daniel Ricciardo (C)Redbull Racing
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今季で離脱が決まったサインツの後任に、ベテランのリカルド(30歳:オーストラリア)加入を正式発表したマクラーレン・チームだが、特別扱いするつもりはないことを明言した。

これは同チームのアンドレアス・ザイドル代表がイギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で明らかにしたもの。
その中でこのドイツ出身の指揮官は次のように語っている。

「30歳で9シーズンもの経験があるリカルドは、まだ20歳で経験1年の若者と組むことになるが、われわれはリカルドとノリス二人の対応に差を付けるつもりはない。
つまり、二人のドライバーは互いに対等な立場ということになる。
ただこれはサインツとノリスという共に若手ドライバー二人を擁した現在のものとは意味合いが違ってくることだろう。
なにせ、リカルドは7回という優勝経験があるのだからね。
われわれはそのリカルドの経験を活かしながらも二人を同条件で競わせてチームを活性化させていくつもりだ」

折りしも1200名という大量リストラが表面化したマクラーレンで、これまでポルシェという大所帯で指揮を執ってきた同代表にとって、新たな立場での繊細な能力が問われるのは間違いないところだ。

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2020/05/27

F1、無観客レースの場合はスタッフ80名までに

Pitstop Scene (C)Haas F1 Team
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多くの国で新型コロナウイルスの影響がピークを超したとして制限緩和が進む中、F1についてはまだ正式な開催が示されていない。
これを受け、F1は仮に無観客レースになった場合のスタッフ人員削減案を提示してアピールする構えだ。

それによれば1チームあたりのスタッフは総計80名まで。
これはマシン1台にピット作業等で直接関わるスタッフが30名までで、2台合わせて60名。
これ以外に警備のためのガードマンや、スポンサー・スタッフ向けのホスピタリティなど20名の総計80名というものだ。

現行のスタッフ数はチーム毎に異なることもあり明確でないが、およそ200名はいると推測されていることからかなりの減少率となる。
なおこれはまだ決定に至ったものではない。

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イギリスGP開催に向け朗報か

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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予定の開催が不可能とされた7月15日(日)のイギリスGPだが、ここに来て前向きなニュースが伝えられた。
イギリスGPは、英国政府が新型コロナウイルス第2波の阻止を図るため、外国からの入国者に対し新たに2週間(14日間)の検疫(隔離)を義務付けたことで開催が絶望的になっているもの。

これについてイギリスの日刊紙『タイムズ』は、政府がF1関係者を隔離規則から除外することで検討を始めたと報じたもの。
同紙によればF1はイギリスGPを除外すべくボリス・ジョンソン首相に直接働き掛けを行っていたという。
うまくいけば次の閣議で除外扱いが認められる可能性が高まったとみられている。

なおその一方で、もしもイギリスGPの除外が認められなかった場合に備え、開催スケジュールの変更も合わせて準備を進めるとしている。

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ルクレール、「フェラーリ・ナンバー1じゃない」

Charles Leclerc (C)Sauber Motorsport
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エースであるベッテルが今季限りでチームを離れることになり、逆に長期契約で残留が決まったシャルル・ルクレールは跳ね馬チームのナンバーワンになったとみる向きもあるが、本人はこれを否定している。

「僕がこのチームで残留したからといって、それで僕がナンバーワンになるということじゃないよ。
サインツは実際素晴らしいドライバーだし、いくつものチームで経験を積んでいる。
僕は彼からいろいろなことを学びたいと思っているし、実際にそうなることだろう
でも僕たちは互いに対等で、お互いに尊重すべき立場ということなんだ」

ルクレールはまだザウバーとフェラーリの2シーズンだけだが、同じ20歳の時にトロ・ロッソからF1デビューを果たしたサインツはその後ルノー、マクラーレンと中規模チームですでにトータル5年の経験を積んでいる。

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2020/05/26

ベッテルの移籍先にアストンマーティン浮上

Aston Martin/Redbull (C)RedBull Racing
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2020年限りで現在のフェラーリ・チームらの離脱が決まったセバスチャン・ベッテルだが、2021年以降の去就についてはいまだ明確でない。
引退でないとすれば巷で有力とされているのがメルセデスAMGチームへの移籍というものだが、現実にはこれもハードルが高いとみられる。
またハミルトンとベッテルとのコンビネーションに疑問の声を挙げる向きもある。

そうした中浮上したのが新生アストンマーティンへの移籍話だ。
カナダの大富豪であるローレンス・ストロール氏がコントロールすることになった同チームは2021年シーズンからワークス体制となることが決まっている。
また同チームもメルセデス製パワーユニットを搭載していて本家チームで起用できない場合のフォローにもなりそうだ。
ただ噂のようにメルセデスAMGチームがワークス参戦を取りやめた場合にはまた話は異なって来るだろう。

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イギリスGP、開催日程の変更を模索

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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英国政府が、新型コロナウイルス第2波の阻止を図るため、外国からの入国者に対し新たに2週間(14日間)の検疫(隔離)を義務付けたことで、7月15日に予定されているイギリスGPの開催が絶望的になっている。

これについてF1は、イギリスGPの開催日程を現在の実質第2戦から逆にヨーロッパ・ラウンドの最後に移すことで打開を図っていることを明らかにした。
ここで数か月の時間的猶予を作ることにより、イギリス国内の事態が現在より好転していることに期待を掛けるものだ。

一方でそうした場合、すでに代替開催に名乗りを挙げたホッケンハイムやハンガロリンクなどではいずれも微妙な雰囲気になっている。

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ピエロ・フェラーリ氏、インディ参戦計画を後押し

Piero Lardi Ferrari (C)Ferrari S.p.A
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フェラーリF1チームのマッティア・ビノット代表が先に明らかにしたインディカー・シリーズ参戦案だが、フェラーリの創始者の子息で現在同社の副会長を務めるピエロ・フェラーリ氏(75歳:イタリア)がこの計画に賛意を示したことにより現実味が増してきた。

既報のようにF1はバジェットキャップ(予算制限)として大幅なコスト削減案に同意したが、フェラーリ・チームはこれにより大幅な余剰人員を抱えることになるため新たな活動計画の一端としてインディカー・シリーズ挑戦を挙げたもの。

これについてピエロ氏は次のように専門紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』で語っている。
「フェラーリはまず社会的責任を負った企業であるということ。
そのためには従業員の雇用を護る必要があるということだ。
したがって新たにインディカー・シリーズに挑戦するというのは理に適ったものといえる。
実はフェラーリはかつてアルベルト・アスカリと共にインディ500に参戦したこともある。
だからもし父(エンツォ)が存命していたら、きっとこの計画に賛同するに違いない」

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2020/05/25

ボタス(メルセデス)、レッドブルにも打診図る

Valterri Bottas (C)Williams F1
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2020年限りでメルセデスAMGチームとの契約が満了、来シーズンについても残留が濃厚とみられていたバルテリ・ボタス(30歳:フィンランド)の身辺が騒がしくなっている。
というのも、セバスチャン・ベッテルのフェラーリ離脱により2021年のF1ドライバー市場に大きな変動が巻き起こっているからだ。

ベッテルの後任にはすでにサインツ(マクラーレン)が移籍、空いたマクラーレンのシートにはルノーからリカルドが移籍するところまでは決まったものの、その後は停滞したままになった。
これによりベッテルのメルセデス移籍説も発生したことから平穏の筈だったメルセデスAMGチームも慌ただしくなっている。
というのもハミルトン残留の可能性は高いと見られ、その場合にはボタスの残留が危うくなる。
そこでボタスはすでにルノー・チームにコンタクトを取ったことが報じられたが、さらにレッドブルにも同様に打診していることが伝えられたもの。
なおこれについてレッドブル側の反応はまだわかっていない。

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ルノー・チームの命運、今週末にも決定か

Renault 『RS11』&『R25』 (C)Renault F1 UK
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ワークス参戦ながら、その体制は他の自動車メーカーと比べ小規模で不安定なところが目立つルノー・チームでは、今週末にもチームの将来について何らかの重大発表があるかも知れない。
これはフランスの『ラジオ・ヨーロッパ1』が、チームの母体であるルノー社の今後について同社の大株主であるフランス政府のブルーノルメア経済相から発表があると伝えたためだ。

ルノー社が計上した巨額の赤字について、政府は大胆な対策を講じるとみられていて、一部には巨額の経費が掛かるF1活動は打ち切られるのではないか、とみる声もある。
その背景には、リカルドがいち早くマクラーレン・チームに転出したにもかかわらず、その後任が決まらないことも拍車を掛けているようだ。

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オースティンのアメリカGP開催が不透明に

Circuit of the Americas (C)Pirelli Motorsport
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今年10月に予定されていたサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのアメリカGP(US-GP)の開催が不透明になってきた。
これは、同サーキットがあるテキサス州オースティンの公衆衛生局が、大規模イベントの開催を禁止、F1グランプリもこれに該当するとしたことからだ。

今年のアメリカGPは第19戦として10月25日(日)に決勝レースが予定されている。
オースティンは現在ステージ3とされていて、現状では「感染リスクが低い人間10人以下の集まり」までしか許可されていないとのこと。
イベントまではまだ時間的猶予はあるものの、いまのところ急速に改善される見通しは立っていないという。

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2020/05/24

ハンガリーGP、イギリスGPの代替に急浮上

Hungaroring (C)Pirelli Motorsport
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開幕初戦のオーストリアGPに続くイベントとして予定されていたイギリスGPは、英国政府が打ち出した2週間(14日間)の検疫(隔離)を義務付ける方針からの除外が受けられず、開催が絶望的となっている。

そこで急浮上しているのがハンガロリンク(ブダペスト)で行われるハンガリーGPだ。
新しいスケジュールとして検討されているのが、7月5日(日)と12日(日)にオーストリアGP(レッドブルリンク)2戦。
続いて19日(日)にはハンガリーに場所を移してハンガリーGPを行うというもの。
オーストリアとハンガリーとはわずか400キロほどの距離で、移動は特に問題ないものとみられている。

本来であればハンガリーGPは8月2日(日)に第13戦として予定されていた。
さらに、翌週の26日(日)にもハンガリーに留まりこちらも2連戦になる可能性もあるという。
昨年までは仕事がハードということで避けられてきた連戦も、今年ばかりは事情が異なるようだ。

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F1チーム、バジェットキャップ(予算制限)で合意

Image (C)Ex.Sahara Force India F1
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例年繰り返されてきたコスト削減の声に加え、今シーズン襲っている新型コロナウイルスの影響もあり画期的な大幅なバジェットキャップ(予算制限)案がF1チーム間で合意されたことが英国メディアの報道でわかった。

それによれば、すでに1億7500万ドル(約187億円)とされていた2021年の上限額は1億4500万ドル(約155億円)まで減額、さらに2022年には1億4000万ドル(約150億円)、2023年から2025年には1億3500万ドル(約144億円)まで段階的に減じられるという。
これは2021年に想定された22戦よりレース数が増えた場合には、1戦あたり100万ドル(約1億700万円)増額される。
減戦の場合はこの逆に減額となる。

なお合意案では他にも、チームが使用できる風洞とCFDの時間を制限。
来年から上位チームの空力開発をより厳しく制限するため、今年タイトルを獲得したチームは基準値の90パーセント、引き続き2位以下は選手権の順位に従ってその数値が2.5パーセントずつ増えていき、最下位のチームは112.5パーセントの開発が許可されることになった。
2022年以降は、1位に許されるのは基準値の70パーセントとなり、順位がひとつ落ちるにごとに5パーセント増やされ、最下位のチームは115パーセントが許される。
なお新規参入チームは、最下位チームと同じ作業量を行うことが認められるという。

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H.マルコ博士、「来週にはオーストリアGP開催可否が確定」

Helmut Marko (C)RedBull Racing
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F1関係者が開催に期待を寄せているのが今シーズン初戦になると目されるオーストリアGP(7月5日決勝)だが、中でもとりわけ吉報を心待ちにしているのが開催地レッドブルリンクのオーナーでもあるレッドブル・グループだろう。
その中でも人事など多岐に渡って重要な働きをしているのがレーシング・アドバイザーのヘルムート・マルコ博士だ。

そのマルコ氏はオーストリアGP開催の見通しについて、次のように地元オーストリアの『エステルライヒ紙』に語っている。

「オーストリアGP開催についてはすでに正式に申請済みで、政府からの回答を待っているところだ。
多少の調整が加えられる部分はあるかも知れないが、その内容には自信を持っている。
おそらく来週中には確定するのではないか。
われわれはグッドニュースを前提に万全な準備を整えているところだよ」と、朗報に期待を寄せた。

F1は遅れた開幕の7月から延長した12月までに最大19戦というハードスケジュールを組んでいるとされるが、そのすべては初戦であるオーストリアGPの成否に期待が掛かっている。

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2020/05/23

イギリスGP、「隔離義務」の例外措置に期待

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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英国政府が新型コロナウイルス第2波の阻止を図るため、外国からの入国者に対し新たに2週間(14日間)の検疫(隔離)を義務付ける方針を明らかにしたが、これが7月15日に予定されているイギリスGPの障害になると懸念されている。
政府はこれについて例外となるケースを明らかにしたものの、そこに期待されたF1などスポーツ関係者の項目はなかったとのことだ。

これについてF1の広報担当者は、「モータースポーツにおけるF1イギリスGPの重要性を英国政府は理解している筈。
国際交流という点でもF1の象徴としてイギリスGPの開催は欠かせない」と、説明した。

同氏はまたイギリスGPは前戦となるオーストリアGPから関係者をそのまま専用のチャーター機で他と接触することなく移動させるため、感染の懸念はないと訴えているが、いまのところ政府からの回答はないという。
イギリスGPは現代F1黎明期である1950年から開催が一度も途切れたことのないことで知られる最重要イベントの一つだ。

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フェラーリ、マラネロのファクトリー操業再開

Ferrari 『SF1000』 (C)Ferrari S.p.A
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今週、フェラーリが北イタリア・マラネロにあるファクトリーの操業を再開したことを明らかにした。
新型コロナウイルスの影響で同社がファクトリーを閉鎖したのは3月半ばのことで、封鎖は実に2か月以上もの長期に渡ったことになる。

シーズン開幕直前に活動停止となったF1チームも同様で、地元イタリアの専門紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』はチームがやるべき最初の仕事は今季マシン『SF1000』に大幅に手を加え、戦闘力あるものにすることと指摘した。
その上でアルバートパーク特設コースのオーストラリアGP仕様だったものをオーストリアGPのレッドブルリンク仕様のものに変更する必要も訴えた。

関係者によれば『SF1000』はエアロダイナミックスの変更で外観もメルセデスやレッドブルのものに似てくると予想している。

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サインツ父、「重要なのはアロンソ自身のやる気」

Renault Team motorhome (C)Renault F1 UK
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ベッテルの突然のフェラーリ・チーム離脱から始まった移籍劇は、いまのところリカルドが去ったルノー・チームのシートが空席となった状態で留まっている。
このシート最有力候補として、目下F1浪人中であるアロンソ(前マクラーレン)の名前が最有力として挙げられているようだ。

これについて同郷の先輩である元WRC(世界ラリー選手権)チャンピオンのカルロス・サインツ氏(シニア)は次のように英スポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で語っている。

「アロンソがまだF1に未練を持っているのは確かだろう。
その彼にとってルノー・チームからの参戦というのは過去の経緯もあり魅力的なものに違いない。
ただルノーにもいろいろ問題はある。
リカルドが1年走っただけで離脱を決めたのはそうした何か理由があるからだろう。
ただ大切なのは本人の気持ちであって、私は彼が下すであろう結論を尊重したい」

ルノー・チームにとっては高額に過ぎる年棒について、一部リバティ・メディアが肩代わりするという噂もあるが、それ以前にチームの活動継続自体を憂慮する向きもある。

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2020/05/22

ルノー・チーム、ボタス(メルセデス)と接触の報

Valterri Bottas (C)Mercedes Motorsport
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2021年のシートについて、ルノー・チームが現メルセデスAMGチームであるバルテリ・ボタス(30歳:フィンランド)と接触を持ったとの報道が流れて注目を集めている。

これはドイツのサイト『モータースポーツ・トータル・コム』が伝えたもので、それによればダニエル・リカルドのマクラーレン移籍に伴い、現在空席となっているルノー・チームの2021年のシートについて、シリル・アビテブール/マネージング・ディレクターがボタスのパーソナル・マネージャーに内密に打診をしたというもの。

チャンピオン・チームであるメルセデスAMGはハミルトン&ボタスいずれも2020年で現在の契約が終了するものの二人とも契約更新して残留する可能性が高いとみられていた。
しかしここに来てベッテル(フェラーリ)の来年の去就が明確でないことからこのチームにも波風が押し寄せてきたようだ。

同チームのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターは「来年の契約を急いではいない」と泰然としているが、パドック雀は賑やかになりつつある。

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モナコGP、来年のレース開催日程を公表

Monaco GP (C)Scuderia Toro Rosso
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まだ今シーズンのグランプリが1戦も開かれていない中、来年行われるモナコGPの開催日程が早くも公表された。

これは伝統の同グランプリの主催者であるACM(オートモビル・クラブ・ド・モナコ)が明らかにしたもの。
その裏にはF1でモナコGPだけが持つ独特の権能という背景があるためだ。
世界三大レースの一つでもあるこのグランプリだけが木曜日にフリー走行初日をスタートさせて金曜日をオフにするという独自スケジュールなのもそのせいといえる。

それによれば2021年のモナコGPは5月20日(木)から23日(日)まで。
またサポートレースとして『フォーミュラE・レース』と、モナコならではの『ヒストリックカー・レース』が行われることも合わせて告知された。
なお今年のモナコGPについてはいち早く開催中止が確定している。

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C.ホーナー代表(レッドブル)、「ベッテル復帰」否定

S.Vettel & C.Horner (C)Redbull Racing
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今季限りでのフェラーリ・チーム離脱が明らかとなったセバスチャン・ベッテルだが、かつて4回のタイトル獲得を果たしたレッドブル・レーシングは、同選手復帰の可能性についてこれを明確に否定している。

これは同チームのクリスチャン・ホーナー代表が次のようにイギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で明らかにしたもの。
「ベッテルは間違いなく能力あるドライバーだが、いまウチで獲得するかといえばそれは別問題だ。
というのも彼がいた当時と現在とではチーム事情がまるで異なるからだ。
いまレッドブルにはフェルスタッペンという若きリーダーがいる。
いいかい、同じチームに二人のリーダーは必要ないんだ。
二人のドライバーがいずれも引っ張っていくタイプでは、チームはバラバラになってしまうよ。
そんなケースはF1でこれまで嫌ほど見せつけられてきたからね。
だから残念ながらベッテルの獲得はウチにプラスにはならないんだ」

そんなベッテルに残された望みはメルセデスAMGチームの決断か。

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2020/05/21

イギリスGP黄信号で、ドイツGP復活に追い風

Hockenheimring (C)Pirelli Motorsport
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既報のように2連戦も期待されたイギリスGPの開催が政府の隔離義務方針により危うくなったことで、急速に高まってきたのがホッケンハイムリンクでのドイツGPのようだ。

2019年まで開催された同グランプリは、王者メルセデスの地元であるにも関わらず昨季限りで消滅が決まっている。
しかし地元ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』によれば、イギリスGPの開催が不可能となった場合、代替開催候補の筆頭がドイツGPの復活になるのだという。

当事者であるホッケンハイムのマネージャーはすでにF1当局と交渉を再開したことを認めており、異例の復活開催に前向き姿勢。
もはしF1が行えない場合には他のイベントを開催する計画もあるということで早期の結論を求めているとのことだ。

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英国の隔離義務がイギリスGP開催の障害に

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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英国政府は、新型コロナウイルス第2波の阻止を図るため、外国からの入国者に対し新たに2週間(14日間)の検疫(隔離)を義務付ける方針を明らかにした。
しかしこれが7月15日に予定されているイギリスGPの障害になるということで関係者は頭を痛めているという。

同グランプリはすでに感染拡大防止のため無観客レースとすることや関係者・スタッフの人員に制限を設けるなど対策を示しているが、上記の隔離義務が実施されればグランプリ開催は事実上不可能になると懸念を示したもの。

開催地であるシルバーストーン・サーキットの保有者であるBRDC(ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ)ではなんとか例外措置とされるべく当局に打診しているとのことだが、現在F1全10チーム中7チームがイギリス国内を拠点としているにも関わらずイギリスGPの開催が出来ない場合、これによるイメージダウンは計り知れないものになるだろう。

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F.トスト代表(アルファタウリ)、ベッテルの能力にエール

Sebastian Vettel (C)Redbull Racing
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今季限りでのフェラーリ・チーム離脱は決まったものの、来シーズン以降の去就についてまだ確認が取れていないセバスチャン・ベッテルについて、『F1引退説』がこの元F1チャンピオンを追い込んでいる。

これについてベッテルの事実上のF1デビューの師であるアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)のフランツ・トスト代表は、F1公式サイトで次のようにエールを贈っている。

「ベッテルが比類まれな才能を持っていることはF1デビュー前から明らかなものだった。
彼がフェラーリを去ることになったのは残念なことだが、物事が終わったということはまた新たなことの始まりということ。
どこのどんなマシンに巡り会うか、それに掛かるが、彼がまだタイトル争いをする走りをできるのは間違いないこと。
彼にいま必要なのは期待に応えるマシンに巡り会えることができるかどうかということに尽きる。
32歳というのは決してまだ老け込む年令ではないよ」

当時の史上最年少である19歳でF1デビューを果たしたベッテルはその後トロ・ロッソからレッドブル・レーシングへと抜擢され4回のチャンピオンに輝いた。

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2020/05/20

主流になりつつあるアロンソのルノー復帰説

Fernando Alonso (C)Renault F1 UK
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ダニエル・リカルドのマクラーレン移籍により空いたルノー・チームのシートに、目下F1浪人であるフェルナンド・アロンソが就くとの説がスペイン・メディアによって報じられたが、ルノーの母国フランスでも同様の報道が広まっている。
今回報じたのはフランスのレース専門誌『オート・エブド』で、それによれば2021年の契約についてすでに仮契約を終えたとしている。
またかつての上司であるフラビオ・ブリアトーレ氏も復帰説に太鼓判を押している。

一方で、今年まもなく39歳になるというアロンソの年令について疑問の声を投げ掛ける向きもない訳ではない。
いくら元チャンピオンとはいえ14年も前のこと、すでにF1グランプリの現場から離れて数年が経っているアロンソにとって、早くてもルノーがタイトル獲得までに必要な数年間が耐えられるかというものだ。
ただもちろん当人はこれには自信をみせている。

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モビリティランド、予定通り日本GP開催に前向き姿勢

Suzuka Circuit (C)Pirelli Motorsport
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鈴鹿サーキットでの日本GPの予定通り開催に主催者が前向き姿勢をみせていることがわかった。
これは同サーキットを運営するモビリティランドのスポークスマンが『モータースポーツ・ドットコム』に語ったというもの。

それによれば10月11日(日)に第18戦としてカレンダーに掲載された日本GPは、いま多くのグランプリで噂されるような無観客ではなく通常の観戦形態での開催で予定期日に行われる筈とのこと。

いまの時点では2020年のF1は7月5日(日)のオーストリアGPから開始、一部ヨーロッパでのレースを繰り返したあとアジア・ラウンドとしてロシア、中国らと共に開催、続けてアメリカ、メキシコ、ブラジルなどアメリカ・ラウンドを消化したあと最終戦はやはりアブダビGPに。
カレンダー終了は12月13日まで繰り下げられる案が浮上している。

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モンテツェモロ氏、FIA会長候補の噂を否定

Luca di Montezemolo (C)Ferrari S.p.A
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先にイタリア国内で報じられた元フィアット/フェラーリ・グループ総帥ルカ・モンテツェモロ氏(72歳:イタリア)がFIA(国際自動車連盟)の次期会長候補に浮上というニュースだが、本人はこれを否定していることがわかった。

FIAの会長はフェラーリ・チームの監督だったジャン・トッド氏が2009年から務めているが、すでに3期目12年となることから2021年で勇退するものとみられていて、その後任最有力としてモンテツェモロ氏の名前が挙げられていたもの。
しかし同氏は、「その記事は私も見たが、驚いたことに本人自身が初めて知るものばかりだったよ。
残念ながら私の人生の目標の中に、FIA会長というのは見あたらないんだがね」と、やんわり否定。

他には元B.A.R・ホンダ・チームを率いたデビッド・リチャーズ氏らの名前も囁かれているが、ここに来て「新型コロナウイルスによる非常事態で会長選挙1年延期」という話も聞かれ始めて来た。

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2020/05/19

アロンソのルノー復帰に『密約説』

Fernando Alonso (C)Renault F1 UK
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F1はサインツ(マクラーレン)のフェラーリ移籍により空いたシートに現ルノーのリカルドが就くことが決まったが、これにより空席となったルノーの席はまだ明確でない。
噂ではF1浪人となっているアロンソの名前がすでに挙げられているが、これについてある『密約説』が報じられている。

これはアロンソの母国スペイン・マドリードに拠点を置く日刊スポーツ紙『マルカ』が伝えたもの。
それによればあまりに高額とされるアロンソの年棒について、その一部をリバティ・メディアが負担する密約が交わされているというもの。
ビッグネームであるアロンソがF1に復帰すれば興行的にもメリットがあると判断しているようだが、事実であればまた波紋を呼ぶのは間違いないようだ。

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ピレリタイヤ、「標準タイヤ制」の導入を働き掛け

Pirelli Tyre (C)Pirelli Motorsport
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現在F1ではそれぞれのレース毎に各ドライバーの申告による「選択タイヤ制」を採っているが、今シーズンはこれを廃止すべくピレリタイヤがF1に働き掛けを開始していることがわかった。

これは遠征の場合は各レースの開催14週間前に、またヨーロッパ・ラウンドの場合には開催8週間前にそれぞれのドライバー毎に使用するタイヤを申告することでタイヤの生産・輸送の準備を円滑にするというもの。
しかし今シーズンは新型コロナウイルスの影響で、開幕したとしてもスケジュールが極めてタイトになることが予想されるため、上記のように「標準タイヤ制」の導入を働き掛けているものとのこと。

通常こうした変更は事前の全チームの同意が必要とされるが、今年は緊急事態として特別に処理されることになっているため実現の可能性が高いとみられる。

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マクラーレン代表、「リカルドはチャンピオン候補」

McLaren 『MCL35』 (C)McLaren Group
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フェラーリにカルロス・サインツを送り出す前、すでにいち早くその後任に現ルノーのエースドライバーであるダニエル・リカルド(30歳:オーストラリア)を据えたマクラーレン・チームのアンドレアス・ザイドル代表は、そのポテンシャルを高く評価した。

「リカルドのことは、実は以前から追っていたんだ。
まるで彼のファンのように、ね。
しかし惜しいところで思惑は一致せず、彼と契約するところまでは至らなかった。
サインツもノリスも間違いなく良いドライバーだが、まだ優勝経験はない。
その点リカルドはすでに7回もの優勝に輝いたベテランだ。
彼がわれわれのチームで果たす役割は実に大きいものとなるに違いない。
2021年のわがチームのドライバー・ラインナップは理想的なものとなったよ。
チャンピオンだって夢じゃない。
これによりわれわれは急速に復活への道を歩むことになるだろう」

マクラーレン・チームの最後の優勝は、実に8年前の最終戦ブラジルGP(ジェンソン・バトン)まで遡る。

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2020/05/18

トト・ウォルフ氏(メルセデス)、ベッテル加入も除外せず

Sebastian Vettel (C)Redbull Racing
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今季限りでのフェラーリ・チームからの離脱が確定したセバスチャン・ベッテルの去就について、大勢はF1引退との声が主流となっているようだ。
フェラーリ加入を決めたカルロス・サインツの後任について、マクラーレン・チームのアンドレアス・ザイドル代表は最初からベッテルの獲得は考えてもいなかったと明言。
すでに旬を過ぎた、との陰口まで聞かれる有り様だ。

そんな中、かつて4回のタイトル獲得を共にしたレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表はベッテルのメルセデスAMGチーム加入を警戒していることを認めた。
同代表は「彼がまだF1で走ろうとするなら、それはタイトル獲得の可能性があるチームで、メルセデスはまさにその筆頭ではないか」としている。

そして驚くことにある意味当事者である筈のトト・ウォルフ氏(メルセデス)もこれを容認する発言をしているのだ。
「彼は間違いなくドイツの英雄だ。
また同時にメルセデスはドイツが誇る自動車メーカーである。
そのメルセデスがF1にドイツ人ドライバーをキープしたいと考えてもおかしくはないだろう」と、ウォルフ氏。

同陣営では来季もハミルトン&ボタスという顔ぶれでいくことがほぼ確定とみられているが、しかしまだ最終結着は付いていない。

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リカルド、マクラーレンでの年棒は半減か

Daniel Ricciardo (C)Renault Sport F1
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昨シーズン、2年契約でルノー・チームに移籍したダニエル・リカルド(30歳:オーストラリア)は、フェラーリ移籍が決まったカルロス・サインツの後任として2021年よりマクラーレン・チームに移籍することが発表されたが、その高額と言われた年棒は大幅にダウンしたようだ。

これはイギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』が報じたもので、ルノー時代と比べ半減しているとのことだ。
それによればルノーとは年間7800万ドル(約83億4600万円)の2年契約だったのに対し、マクラーレンでは同じ2年契約ながら3100万ポンド(約40億円)まで減じられたとのこと。
事実であればまさに半分以下ということになる。

これについて同紙は「リカルドが金銭的な条件より、最強のメルセデス製パワーを得るマクラーレンの可能性に賭けた」との見方を示している。
ただそれでも現在のF1を取り巻く状況はマクラーレンのようなビッグチームにおいても財政的に厳しいと報じている。

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シンガポールGP、今季の開催について当局に打診

Image (C)Pirelli Motorsport
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開幕からすでに10戦が中止ないし延期という異常事態になっているF1では、その遅れを挽回すべくシーズン後半のイベントについても様々な動きがあるようだ。

その中でチームの本拠地であるヨーロッパからの移動距離が長いシンガポールやロシア、日本らは問題点が多いと見込まれていて、同様に移動距離は長いものの、F1は南北アメリカのイベントのほうを優先するのではないかとみられている。

さらにシンガポールGPの場合は市街地特設コースを使っているためスケジュールの調整が難しい上に感染防止の無観客という意味でも困難が多いとされている。
同グランプリの主催者は、開催のためには最低3か月の準備期間が必要とし、決定を急ぐようF1当局に打診しているとのことだ。
2008年に初開催のシンガポールGPは公道を使った大掛かりなナイトレースということもあり、国を挙げての準備が不可欠となっている。

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2020/05/17

ルノーとマクラーレン、送り出しに対比みせる

Renault Team Motorhome (C)Renault Sport F1
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マクラーレン・チームはフェラーリにカルロス・サインツを、またルノー・チームはそのマクラーレンにダニエル・リカルドをそれぞれ送り出す形で結着した『ベッテル・ショック』だったが、両チームの姿勢は著しい対比をみせるものとなった。

マクラーレン・チームのアンドレアス・ザイドル代表は「これはサインツにとって大きなチャンス」として交渉を容認、決定後はチームを挙げて共にこのニュースを喜んだ。
サインツはすでに2年間の残留が確定していたとされるが、これを制限なしで解除したという。
WRC(世界ラリー選手権)の元チャンピオンでモータースポーツ界に影響力を持つ父親のカルロス・サインツ・シニアとの関係も良好のままだ。

一方、リカルドのほうは2019年の戦績がいずれにとっても期待外れだったこともあり、両者の思惑は完全にずれたものとなったようだ。
ルノー・チームはリリースでわざわざリカルドとの残留交渉が決裂していたことをリークする始末。
混乱していたことは、いまだにリカルドの後任が決まっていないことでも窺い知れる。
いまのところF1復帰を目指すフェルナンド・アロンソの返り咲きが有力とされるが、それ以前にチーム自体の存続を心配する声まで聞かれている。

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ザウバー・チーム、『設立50周年』を迎える

Sauber Junior Drivers (C)Sauber Motorsport AG
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プライベートチームの雄であるザウバー・モータースポーツが、1970年5月の設立以来、今年でちょうど50周年の節目を迎えた。

自身もアマチュアのレースドライバーだったペーター・ザウバー氏がスイスのヒンヴィルにファクトリーを設立、メルセデス製パワーを搭載したコンストラクターズとして『C1』を開発、当初はスポーツカーレースに参戦した。
ミハエル・シューマッハやカール・ベンドリンガー、ハインツ・ハラルド・フレンツェンら有能な若手ドライバーを輩出した。

1993年からは念願だったF1に参戦。
一時はBMWと組んだりして活躍した時期もあったが自身のチームとしての優勝は残念ながらない。
現在F1にはアルファロメオ・レーシングの名称を掲げて参戦を続けている。

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オーストリアGP、まもなく政府判断下される見込み

Redbull Ring (C)Redbull Racing
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新型コロナウイルスの影響で振り回された2020年シーズンのF1だが、目下のところ開幕初戦に予定されているのがレッドブルリンクでのオーストリアGPだ。
当初カレンダーでは第11戦として7月5日(日)決勝レースとなっていたが、この開催可否について地元最大の『APA通信』は近くオーストリア政府の判断が下されると報じている。

それによればすでにサーキットの保有者でグランプリの主催者でもあるレッドブルから正式なレース計画書が政府に送付されているとのこと。
レッドブル・グループのヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーは「計画書はとりわけ安全面に留意して作られた。必ずや担当厚生大臣の満足が得られることだろう」と自信をみせた。

伝えられるところではレッドブルリンクで異例の連続2戦を消化したあと、シルバーストーンに移動し伝統のイギリスGPを迎える予定になっているとのことだ。

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2020/05/16

シルバーストーン、無観客レースでの開催で合意

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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イギリスGPの開催地でイベントの主催地でもあるシルバーストーン・サーキットは、今年のレースを無観客で行うことで合意したと発表した。

伝えられるところでは、通常はサーキット側がリバティ・メディアに対し開催権料を支払うが、今回は特別にリバティ・メディア側からサーキットに対し開催料が支払らわれるとのこと。
ただこれは例外的処置であると強調されている。

なおイギリスGPは当初の通り7月19日(日)にスケジュールが組まれているが、同サーキットでは今シーズン2回のレースが行われる予定という。

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厳しいベッテルF1残留の道

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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ベッテルのフェラーリ・チーム離脱のニュースが伝えられてから慌ただしく事態は動き、サインツ(マクラーレン)の後任にはリカルド(ルノー)が、そのリカルドの後任にはアロンソが急浮上するなどしてピースは再び埋まりつつある。

結果、ベッテルの行き先となりうる上位チームについて、強いて揚げるならばメルセデスAMGチームの名前が挙げられているが、こちらもハミルトン残留の可能性が高まっていて実現は難しくなっている。

こうしたこともあり、ベッテルは結局F1引退の道を選ばざるを得ないのではないか、との見方が強まってきた。
4回のタイトル獲得は史上4位タイ、優勝回数53回は史上3位で、いずれも現役としてはハミルトンに次ぐものとなっている。

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ルノー、「リカルドとは交渉決裂していた」

Daniel Ricciardo (C)Renault Sport F1
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フェラーリ入りが決まったサインツの移籍と時を同じくして入れ替わりにマクラーレンにへの移籍が発表されたダニエル・リカルドだが、ルノー・チームとはすでに残留交渉が決裂していたことがわかった。

2019年にルノーへと電撃移籍したリカルドは、今シーズン末で切れる契約を一般にはすでに延長したとみられていた。
しかし今回、ルノー・チームは公式リリースでこれを否定したもの。
同チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクターは、「現在のこのF1を取り巻く異常な事態の中、われわれはより結束して当たろうと考えていたが、残念ながらリカルドと思いを一つにすることは叶わなかった」と、説明している。

期待された2019年シーズン、一度の表彰台も得られなかったことでリカルドのルノーにおけるモチベーションは早くも切れてしまったようだ。

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2020/05/15

フェラーリ、「F1コスト削減強行ならインディカー参戦も」

Indycar Image (C)Honda Racing
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ベッテルの離脱に加えサインツを獲得してF1で注目を集めたフェラーリ・チームだが、今度はさらにインディカー・シリーズ参戦という新たな話題で関心を呼びそうだ。
これは同チームのマッティア・ビノット代表が地元イタリアのテレビ局『スカイ・イタリア』で明らかにしたもの。
それによればこれにはF1がいま進めているコスト削減が関係しているとのこと。

「かねてコスト削減を進めているF1は、現在コストキャップの上限を年間1億7500万ドル(約187億円)までの低下で合意されているが、今回の新型コロナウイルスの影響によるF1の財政悪化でさらに大きく削減しようとしている。
われわれには企業として従業員の雇用を維持する社会的責務があるが、しかしそれほど縮小となればファクトリーの人員を維持できなくなってしまう。
従って余剰人員対策として考えているのがインディカー・シリーズへの参戦だ。
幸い、アンドレッティ(F1王座にも輝いたマリオ氏)からは熱心に誘われていたしね」と、前向き姿勢。

インディカー・シリーズの主戦場である米国はフェラーリにとっても重要な市場であるが、ただインディカーはF1に比べ制約が多いのが少々難点か。

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残ったルノーのシートにはアロンソ復帰が浮上

Fernando Alonso (C)Renault F1 UK
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ベッテルのフェラーリ離脱に伴い、マクラーレンのサインツがフェラーリへ、マクラーレンのシートにはルノーのリカルドが移動することとなり、結果空いたのがルノーのシートということになった。
これについてまだ発表はないものの、かつて在籍したフェルナンド・アロンソ(38歳:スペイン)が復帰するとの見方がドイツの『ビルド紙』によって報じられている。

アロンソは2002年から2006年にルノーからF1に参戦して2回のタイトルを獲得した後マクラーレンに移籍、2008年から2年間再びルノーに復帰してF1を戦っている。
実現すれば2009年以来の古巣復帰ということになる。

マクラーレンやフェラーリでの後味が良くないのに比べ、ルノーとの関係は悪くないとみられるが、事実であれば『3度目の正直』は年令的にもアロンソにとって最後のチャンスということになるだろう。

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マクラーレン、リカルド(ルノー)の加入を正式発表

McLaren 『MCL35』 (C)McLaren Group
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14日(木)、マクラーレン・チームは現ルノー・チームのダニエル・リカルド(30歳:オーストラリア)の加入を正式発表した。
これはフェラーリ・チームの発表に先駈けたもので、まだカルロス・サインツ(マクラーレンからフェラーリ)の去就が明らかにされる前のことだった。

これにより2021年のマクラーレン・チームはダニエル・リカルドとランド・ノリス(20歳:イギリス)という新旧合わせたドライバー・ラインナップということになる。

リカルドは2019年のレッドブル・レーシング離脱の際にも一時マクラーレンの名前が挙がったが、当時は同チームのパフォーマンス不足を理由に応じなかったという。
そのマクラーレンは2021年、チャンピオン・エンジンであるメルセデス製パワーユニットを搭載して戦うことがすでに決まっている。

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契約金額の差でリカルドよりサインツ有利

Daniel Ricciardo (C)Redbull Racing
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2015年から5年に渡って在籍したフェラーリ・チームを去ることが決まったベッテルの後任には、現マクラーレンのカルロス・サインツが決まった。
ただ実績からいえばより有利とみられたのは現ルノーのダニエル・リカルドのほうだった。

これについてイタリア・メディアは契約金額の差が両者の明暗を分けたとしている。
それによればサソインツはまだ25歳の若さにもかかわらずF1経験は5年と豊富、
まだ優勝こそないもののトロ・ロッソ、ルノー、マクラーレンと渡り歩きその才能はパドックでも高い評価を受けている。

一方、リカルドはさらに経験・実績共に文句ないとはいうものの契約金額がサインツとは比べものにならないほど高額とされる。
さしものフェラーリ・チームも昨今のコスト削減の潮流は避けて通れない課題のようだ。

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フェラーリ、ベッテルの後任にサインツ起用を発表

14日(木)、フェラーリ・チームは2020年末で離脱が決まったセバスチャン・ベッテルの後任に、現マクラーレン・チームのカルロス・サインツ(25歳:スペイン)を起用することを正式発表した。

なおマクラーレンのカルロス・サインツの後任には、ルノーからダニエル・リカルドが移籍することが決まっている。

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2020/05/14

マルコ博士(レッドブル)、「ベッテルの復帰はない」

S.Vettel & H.Marko (C)RedBull Racing
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フェラーリからの電撃離脱により、来シーズンのセバスチャン・ベッテルの去就に注目が集まっている中、かつて4回のタイトル獲得を果たした古巣からはつれない反応が示された。

これはレッドブル・グループでドライバー起用に影響力を持つヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーがドイツの自動車情報誌『アウト・ビルト』に語ったもの。

「ベッサテルが来年もまた走るとすれば、それは当然のことながらタイトル獲得を実現させるためだろう。
となれば、移籍の可能性があるチームは自ずと限られてくる。
(註:ルノーやマクラーレンではないということになる)
一方、彼の2021年についてわれわれは何も関与していない。
つまりそれはレッドブル・レーシングへの復帰は考えていないということだ」

勝てるのが3チームであるとすれば、残るベッテルの選択はメルセデス移籍もしくは引退ということか。

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自らリークで意地見せたベッテル(フェラーリ)

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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F1が活動停止の中、突然の発表で世界を驚かせたセバスチャン・ベッテルのフェラーリ離脱ニュースだが、発表のきっかけはベッテル自身によるリークであることがわかった。

ベッテルによれば合意点を見出せなかったのは契約期間や金額ではなく、共にタイトル獲得を目指すという根本のモチベーションで一致がみられなかったためという。
破談が確実となったことで、ベッテルはフェラーリ側の発表に先駈けて自身から決裂のニュースを月曜日の夜にリーク、これを受けてフェラーリは止むなく火曜日の朝に正式発表せざるを得なくなったものという。
放出という印象を嫌ったベッテルが最後にみせて意地だったのかも知れない。

2021年のベッテルの去就はまだ明らかでないが、現マクラーレンのサインツの名前が浮上したことで入れ替わる形でマクラーレン入りの可能性も高まってきた。

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5チームがリバティ・メディアから資金救済受ける

Liberty Media F1
新型コロナウイルスの影響で大幅に開幕が遅れている今シーズン、すでに5チームがF1の運営者であるリバティ・メディアから資金的な救済を受けていることがわかった。
これは、シーズン開幕が遅れていることで予定した収益が入らず、特に中小チームの間で資金繰りが困難になっていることを勘案したものだ。

ドイツの専門誌『アウト・ビルド・モータースポルト』によって報じられたチームはランキング順にルノー、アルファタウリ(旧トロ・ロッソ)、レーシング・ポイント、アルファロメオそしてハースの5チーム。
この中にワークスチームであるルノーが入っていること、また逆にかねて資金難が報じられてきたウィリアムズの名前がないことはある意味驚きでもある。

報道によればこれは、残りのメルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレンそしてウィリアムズの5チームが、歴史的にF1の『名門チーム』として別途特別な分配金を受けているからとされる。
ここにも外部からは理解し難いコンコルド協定による不透明なF1の世界が感じ取れるようだ。

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2020/05/13

ハミルトン拒否、ベッテルの後任はサインツ有力か

Carlos Sainz Jr. (C)Redbull Racing
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ベッテルのフェラーリ・チーム離脱でF1ファンの関心はその後任が誰になるのか、というところに集まっているが、かねて噂に挙がっていたルイス・ハミルトン(メルセデス)は同チームからの打診に対してこれを拒否したと報じられた。

ハミルトンはまだ2021年の契約を交わしていない少数ドライバーの一人だが、メルセデスは今後もF1活動を継続するとみられていて、ハミルトンは残留を前提として交渉にあたっているとみられる。

一方、有力候補として急浮上しているのが現マクラーレンのカルロス・サインツ(25歳:スペイン)だ。
サインツのマクラーレンとの契約は今シーズン末までで、残留が有力とされていたが、フェラーリのシートとなると話は異なってくることだろう。
これについてイタリア・メデイアは、すでに交渉は煮詰まっていて早ければ数日内にも正式発表になるとヒートアップしている。

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新型肺炎の影響はコンコルド協定の改定交渉にも

GP Scene (C)Mercedes Motorsports
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新型コロナウイルスの影響は、F1開催スケジュールをも揺るがしているが、これがチーム運営の要となる新コンコルド協定の改定交渉にも及んでいることがわかった。

コンコルド協定はかつてバーニー・エクレストン氏がFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)を率いていた時代からチームと結ばれていたもので、F1の運営方法や分配金など商業的な権利を定めた重要なもの。

しかし現在のF1責任者であるチェイス・キャリー/CEOによれば、現行のコンコルド協定は今年限りで期限となるためかねて交渉が続けられてきたものの、今年の混乱で成立の見通しが立っていないとのことだ。
このままだとコンコルド協定は失効しかねないが、同CEO(最高経営責任者)は今の状況では交渉を一時棚上げとし、2020年のF1開催カレンダー調整のほうを優先せざるを得ないとしている。

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フェラーリ、ベッテルの今季限り離脱を正式発表

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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かねて来季以降の契約について交渉を続けてきたフェラーリ・チームだが、12日(火)交渉の打ち切りを発表、これによりセバスチャン・ベッテルは今季限りで跳ね馬チームから離脱することが決まった。

2015年、アロンソの後任という形でフェラーリ・チーム加入を果たしたベッテルは、依頼6シーズンに渡って在籍したが、これまでついにタイトル獲得は叶わず、来季契約では新顔であるシャルル・ルクレールの後塵を拝する屈辱的な契約呈示を受けていたもの。

来季の去就についてはまだ明らかにされていない。

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2020/05/12

ウィリアムズ、サイモン・ロバーツ氏をM/Dに

Williams Factory (C)Williams F1
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ウィリアムズ・チームは元フォース・インディア等で活躍したサイモン・ロバーツ氏を新しいマネージング・ディレクターに起用することを正式発表した。

ロバーツ氏はパーキンス・エンジンでキャリアをスタート、その後BMW、アストンマーティンを経たあと2003年にマクラーレンでオペレーション・ディレクターとしてF1に携わった。
2009年からはフォース・インディア・チームにCOO(最高執行責任者)として出向、2010年にマクラーレンに復帰、2017年までエンジニアリング担当の役員として在籍した。

ウィリアムズ・チームで同氏はF1チーム全体を統括し、マシン設計からファクトリーや現場チームの管理など全体的な責任を負うことになる。
6月1日から新たな任務に就く予定。

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プロスト氏(ルノー)もリカルドの確保に懸念示す

Alain Prost (C)Renault Sport F1
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期待された2019年シーズンを不振に終えたばかりでなく、挽回すべく臨んだ2020年シーズンは新型コロナウイルスの影響でまだ1戦もできない現況に、ルノー・チームはエースであるダニエル・リカルドのキープに苦慮しているようだ。

これについてはすでに同チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクターが懸念をみせていたが、今度は同陣営でエクゼクティブ・ディレクターを務めるアラン・プロスト氏(65歳:フランス)も同様の心配をしていることを『キャナル・プリュス・テレビ』で明かしたもの。
その中でこの元4回のF1チャンピオンは、「今シーズンの混乱はドライバー契約だけでなくF1におけるすべての交渉の足を引っ張っている」と、嘆いた。

ルノーとリカルドとの契約は今シーズン末までの2年間とされ、早ければもう来季に向かって水面下での更改交渉が行われる時期だが、ルノーに限らずどのチームも今年は「ドライバー市場は膠着したままで動きようがない」とお手上げ状態を訴えている。

すでに7勝、ルノーでも優勝争いが期待されたリカルドだったが、昨年は一度の表彰台すらなく不本意のままシーズンを終えた。

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2020/05/11

英政府、入国者に14日間の自主隔離要求か

Image (C)Pirelli Motorsport
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イギリスの航空団体『エアラインズUK』によれば、イギリス政府は新型コロナウイルスの影響でアイルランドを除く外国からの入国者について『14日間の自主隔離』を指示することを連絡したとのこと。
実施は5月末からとのことで、実施されれば7月19日(日)のイギリスGPも該当することになり、F1関係者は頭を痛めている。

というのも、F1チームの多くはイギリス国内に拠点があるとはいえ、伝えられるところではイギリスGPは前々週に予定されるオーストリアGPを2週連続開催とする方向のため実質F1関係者はイギリスに入国できない可能性が高いためだ。

ここに来て1950年以来欠かしたことのない伝統のイギリスGPの開催は危ういものになっている。

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アロンソのF1復帰の道、より困難に

Fernando Alonso (C)McLaren Group
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前マクラーレン・チームのフェルナンド・アロンソ(38歳:スペイン)が諦めていないと認めるF1復帰の道だが、ここでも新型コロナウイルスの影響により困難なことになっているようだ。

ドライバーにとっての勲章とされる『世界三大レース』制覇に、あとインディ500レースだけとしているアロンソにとって今シーズンの喫緊の目標は同レースの優勝にあるのは言うまでもない。
そのため再びマクラーレンが造った『アロー・マクラーレンSP』からスポット参戦することがすでに決まっている。

それでもアロンソが2021年シーズンのF1復帰を模索していたことは衆知の事実。
しかしF1レギュレーションの大幅改訂が1年先送りになったことでドライバー市場が滞り、アロンソにとってF1シートを見つける可能性は低いものとなた。
さらに今般の新型コロナウイルス騒動は、アロンソの計画をも大きく阻害する状況になってしまっている。

一方、トヨタWECチームですでに2回のルマン24時間レース制覇を果たしたアロンソが、通算3度目の優勝を狙う可能性もある。
『世界三大レース』制覇を果たしてもアロンソが初ではないが、ルマン3勝を加えると史上初の快挙ということになる。

なお今年のインディ500レースは8月23日(日)への延期が決まっている。

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2020/05/10

F1ドライバー団体、オーストリアGP開幕案を支持

Alexander Wurz (C)Williams F1
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現在のところ今年のF1は当初スケジュールで第11戦となっていたオーストリアGP(7月5日決勝)からスタートする案が有力となっているが、これをF1ドライバーの集まりであるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)も支持していることがわかった。

これはイギリスに本拠を置く同団体の代表であるアレクサンドル・ブルツ会長が明らかにしたもの。
自身もベネトンやウィリアムズ・チームのF1ドライバーだった同会長は、「今後新型コロナウイルスの第2波が襲来するというような事態にならない限り、GPDAとしてオーストリアGPでの開幕に同意する」とした。

それによればレッドブルリンクがあるシュピールベルクは都会の喧噪とは離れていて、感染の懸念が少ないことが利点とし、今後イベント内の検疫や医療体制の確立などを注視していくという。
ちなみにブルツ会長自身、オーストリア・ニーダーエスターライヒ州の出身者である。

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チェイス・キャリー/CEO(F1)、「意表突く開催地の可能性も」

C.Carey/CEO & M.Verstappen (C)Liberty Media Group
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新型コロナウイルスの影響で大幅なスケジュール変更を強いられる2020年シーズンの改定カレンダーについて、チェイス・キャリー/CEOは意表突く開催地の可能性があることを記者会見で示唆して注目を集めている。

「われわれはいま開幕後のレースカレンダーについて、各プロモーターらと連日精力的な協議を重ねている。
そのポイントは一日も早く開催地を特定すること、そしてそれを実現するためのロジスティックを構成することだ。
全体のレース数はまだ決まっていないが、15戦から最大18戦を開催すべく努力してるいところ。
その中にはすでに報道されているように同じサーキットで2回のグランプリというのも考えられるし、あるいは驚くような当初カレンダーになかった所という可能性もある」と、発言。

その候補地として、ホッケンハイム(ドイツ)やイモラ(イタリア)あるいはセパン(マレーシア)などが噂に挙がっているようだ。

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2020/05/09

ルノー・チーム首脳、「リカルド離脱の想定も必要」

Cyril Abiteboul (C)Renault Sport F1
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5シーズンに渡ったレッドブル・レーシングを突然離脱、2019年はルノー・チームでエースとして走ったダニエル・リカルド(30歳:オーストラリア)だが、結局表彰台にも上がれず4位が最高位という不本意なものとなった。
これについて同チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクターは「リカルドの離脱も覚悟」との決意を地元フランスの『オート・エブド』に明らかにした。

「コンストラクターズで5位に甘んじたというのは、もちろんわれわれとしても不本意なものだ。
リカルドとの契約は今シーズン末までなので今年はなんとしても挽回し、リカルドを引き留めなければならない。
優勝争いに加われないなんていうのは彼の本意ではない筈だからね。
しかしF1はいま新型コロナウイルスの影響でこの有り様だ。
残念ながらこのままではわれわれはリカルドの離脱も覚悟しておかなければならない」と、憂慮。

ただ高額な契約金と噂されるリカルドのキープについて、ルノーの上層部は熱心でないとみられている。

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新規参入中国チーム、計画さらに遅れ

>F1 Image (C)Redbull Racing
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当初、新レギュレーションが導入される予定だった2021年を目途にF1へ新規参入を図っているとされた中国の新チームだが、計画はさらに実現が遅れそうだ。

これは中国系のコンソーシアムを母体としてイギリスに本拠を置いて新規参入の計画を明らかにしていた『パンテーラ・チーム・アジアF1』というチーム。
しかし新レギュレーションの導入が2022年に1年先送りされたことで同チームの参入計画も自動的に延期になった。

さらに今シーズンF1をも襲っている新型コロナウイルスの影響で、チーム自体の計画の進展に見通しが立ってないのだという。
パワーユニットもまだ未定という新チームが希望通りF1のグリッドにマシンを着けることができるかはいまのところ不明だ。

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2020/05/08

F1、1-3月期で84%の減収が明らかに

Image (C)Ferrari S.p.A
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いまだ一つのグランプリも開催できていない2020年シーズン、F1は1月から3月までの第一四半期の収入が84%もの減収になったことが明らかにされた。

これはF1を運営するリバティ・メディアが発表したもの。
それによれば、昨年の1-3月期に約2億4600万ドル(約261億円)だった収入が、今年の同時期にはわずか3900万ドル(約41億3400万円)まで低下したという。

この1-3月期に中止ないし延期となったグランプリはわずか2戦に留まるが、次の4-6月期にはすでに全7戦のグランプリが中止ないし延期が確実となっていて、さらなる大幅な減収が避けられない見通しだ。

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ルカ・モンテツェモロ氏、次期FIA会長候補に浮上

Luca di Montezemolo (C)Ferrari S.p.A
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フェラーリの元会長でF1にも深い関わりを持ったルカ・モンテツェモロ氏(72歳:イタリア)が、FIA(国際自動車連盟)の次期会長候補に名前が挙げられている。

イタリアの実業家である同氏は、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリ氏の薫陶を受け入社。
持ち前のリーダーシップで生産車部門だけでなくF1チームをも不振からの脱却をも果たし黄金時代を築いた。
その後フィアット/フェラーリ・グループの総帥を務めたあとイタリアのフラッグキャリアであるアリタリア航空の再建にも取り組んだことで知られる。

いっぽうFIAの会長は現在やはりフェラーリ・チームの監督だったジャン・トッド氏が2009年から務めているが、すでに3期目12年となることから2021年で勇退するものとみられている。
目下、その後任最有力とみられているのがモンテツェモロ氏ということになる。

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2020/05/07

フェラーリ期間2年の新契約をベッテルに呈示か

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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今シーズン末で現行の契約が満了するとされるセバスチャン・ベッテルに対し、フェラーリ・チームは年額1,300万ドル(約14億円)の単年契約を呈示、これをベッテル側が受け入れていないことが報じられたが、ここに来て新たな動きがみられたようだ。

これはイタリアの専門紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じたもので、それによれば、フェラーリからは契約期間を2年に拡大、ただ年棒のほうは年間1,200万ドルに削減するという新たな呈示がなされたというもの。
ベッテルは最初の呈示に対し、金額にはこだわらないものの期間は2年を強調していただけに受け入れ可能になったのではないかとみられている。
ただチームメイトであるシャルル・ルクレールのほうは5年契約ということを考えるとチーム内の立場はやはり微妙になることが考えられる状況だ。

なおこの交渉が破談になった場合、ベッテルの後任にはリカルド(ルノー)やサインツ(マクラーレン)らの名前が挙げられていたが、こちらへの影響も注目される。

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他カテゴリーから「F1は急ぎすぎ」の声も

Formula-E Image (C)Formula E
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これまで実に開幕からの10戦すべてのグランプリが中止ないし延期となっている2020年のF1だが、現在のところ7月5日のオーストリアGPからシーズンを始めるべく準備が進められている。
ただこれについて他のカテゴリーからは「急ぎすぎ」との声も聞かれているようだ。

ポルシェ・レーシングチームの首脳で、フォーミュラEの責任者であるフリッツ・エンツィンガー氏はオーストリア最大の新聞社『クリエール』に次のように語っている。

「F1が7月早々にも開幕させたいとしているのは早計に過ぎると思うね。
スポーツイベントにおいては競技者だけでなく運営に携わる者すべてに健康と安全が求められる。
それは単に無観客レースにすれば大丈夫という問題ではないんだ。
7月の時点で新型コロナウイルス騒動がどうなっているかは誰にもわからないが、少なくともわれわれはもっと慎重だ。
われわれだって7月に始められるなら幸せなことだが、ここで無理をするのは長い視野でみれば得策ではないだろう」

ただF1とフォーミュラEとでは、開催できない場合の影響が桁違いであるのは言うまでもない。

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2020/05/06

ウィリアムズ・チームに新スポンサー

Precision Hydration (C)Williams F1

財政難が伝えられるウィリアムズ・チームだが、新スポンサーの獲得に成功したことを明らかにした。

新しくスポンサー契約を結んだのは『プレシジョン・ハイドレーション』というスポーツ・ドリンクなどを開発する専門の科学メーカー。
今回の契約により、同社はドライバーやピットクルーらの発汗などを科学的に分析してナトリウムなどを計算、最適なエネルギー・ドリンクを供給するということだ。

同チームのティム・ハント/マーケティング・ディレクターは「このパートナーシップはF1チームとしてのパフォーマンス全体を上げると共にドライバーやスタッフの健康面における安全性をも向上させる力がある」と、歓迎するコメントを明らかにした。

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石油会社の窮状もF1にマイナス材料

Petronas (C)Mercedes Motorsport
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新型コロナウイルスによるモータースポーツ界への影響はチーム活動への直接的なものだけでなく、エンジンを供給する自動車メーカーをも巻き込む心配があるが、ここに来てさらに石油会社についても懸念が広がっている。

現代のF1パワーユニットはハードだけでなく燃料や潤滑油なども一体となって設計開発が進められていて、同時に石油会社の代理戦争でもある。
しかし減産協定の決裂により原油価格が低迷してきたうえ、今回のコロナウイルス・ショックの影響で大手石油会社の経営にも深刻なダメージが広がりつつある。

この先、例えばペトロナスがF1から手を引けばメルセデスのF1参戦の足を引っ張ることになり、同社のワークス参戦撤退との噂を現実のものにする可能性が懸念される。
なお現在のF1勢力図では、他にもフェラーリはシェル、ルノーはBPカストロール、ホンダはエクソンモービルというパートナー関係が出来上がっている。

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2020/05/05

「謙虚な姿勢必要」と、ジャン・トッドFIA会長

Jean Todt (C)RedBull Racing
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いまモータースポーツ界を遅う前例のない危機に、FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は「謙虚な姿勢が肝要」と訴えた。

これはFIAの機関誌『オート』で語ったもの、その中でこの元フェラーリ・チーム代表は、「現在のこの未曾有の危機は言うまでもなく新型コロナウイルスがもたらせたものだが、責任を他に委ねることがあってはならない。
世界的な景気後退の波にあって、われわれには謙虚な姿勢が求められているのだ。
この不景気で、自動車メーカーは再びコスト削減を唱えてF1から去るかも知れない。
それでもわれわれはこれを受け止める覚悟が必要なのだ」と、主張した。

これはかつて『リーマンショック』の際、トヨタやホンダ、BMWらが相次いでF1から撤退したことが念頭にあるもの。
まだ自動車メーカー撤退の具体的な兆候はないとしたものの、悪夢を自身が経験してきた者として、トッド会長は最悪の事態に備える必要を訴えた。

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ホーナー代表(レッドブル)、「F1危機救うのはカスタマーカー案」

Christian Horner (C)RedBull Racing
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F1を襲う新型コロナウイルスの危機についてレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表が言及、持論である『カスタマーカー』の効用について『モータースポーツ.com』で力説した。

「このF1危機は並大抵なことじやない。
これを乗り越えるには、何かこれまでにない根本的な対策が必要なんだ。
とりわけ小規模チームの財政難を救うには、何より費用の掛かるマシン開発費を抑えなければならない。
そのためにはやはりカスタマーカーだよ。
この案なら莫大な開発費が抑えられ、その分活動のほうに資金を回せるというものだ。
たとえ数年間の限定的な導入でもその効果は期待できる筈。
いまこそF1に大胆な判断が求められているんだ」

財政難に陥ったチームもカスタマーカー導入の間にコストを削減し、危機を乗り切ったあとに再び本来のコンストラクター戦に戻ろうというものだ。

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2020/05/04

エディ・ジョーダン氏、『ホンダのF1撤退』予想

佐藤琢磨/DHL (C)Ex.Jordan GP
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F1への辛口評論で知られるエディ・ジョーダン氏(72歳:アイルランド)が、現在レッドブル・レーシングとアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)2チームにエンジン供給するホンダについて言及、「ここ2年以内にF1から撤退する」との見解を示した。

これは同氏が『F1インサイダー』で語ったもの。
「新型コロナウイルスの影響はモータースポーツ界に計り知れない爪跡を残している。
これは単にF1チームへのものだけでなく、パワーユニットを供給する自動車メーカーにとっても同様だ。
私はホンダはここ2年以内にF1から撤退すると考えている。
実際、ホンダとレッドブルとの供給契約は2021年までしか結ばれていない訳だしね。
他の自動車メーカーだって決して安泰ではない。
長期的にみれば、F1に残り続けるのはフェラーリだけになるかも知れないよ。
彼らにとってのF1だけは他のチームとは意味が異なるものだからね」

ジョーダン氏は今後のF1はフェラーリ、レッドブルそしてマクラーレンらによって戦われると予想しているが、かつて佐藤琢磨らも在籍した自身のチーム『ジョーダン・グランプリ』を率いた経験を持つご意見番の言葉だけに説得力がありそうだ。

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レッドブル、オランダ国内をF1で走破シーン披露

Image (C)RedBull Racing
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今年ザンドフールト・サーキットで35年ぶりに行われる筈だったオランダGPは、他の多くのグランプリ同様、新型コロナウイルスの影響で開催できずにいるが、レッドブルでは本来ならF1マシンが通過する筈だったルートをレッドブルのF1マシンが辿る動画と複数の画像を披露した。

ルートはロッテルダム港から開催地であるザンドフールトまで各観光地などをめぐるものとなっている。

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「再開されても勢力図変わらない」と、マグヌッセン

Kevin Magnussen (C)Haas F1 Team
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ハースF1チームのレースドライバー、ケビン・マグヌッセン(27歳:デンマーク)がグランプリ再開後の状況について、母国デンマーク・コペンハーゲンのタブロイド紙『BT』で自身の見通しを明らかにした。

「F1活動が再開された場合、現場に入る人数が制限されるらしいけれど、それでチーム間格差が縮まるなんというのは幻想に過ぎないよ。
今はファクトリーがみんな閉鎖されているから静かだけれど、解除になればまた忙しい日々がやってくる。
そこの規模はビッグチームと弱小チームとでは雲泥の差があるんだ。
多くの人材、それはそのまままた格差の拡大に繋がっていく。
小さなチームはまたいつまで経っても小さなチームのままなんだ」と、苦労を重ねた2世ドライバー。

そのハースF1、そして名門のウィリアムズ・チームには今回の新型コロナウイルスの影響で深刻な財政難が懸念されている。

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2020/05/03

伝統のイタリアGP、「今季開催中止」報道に反論

Tifosi (C)Ferrari S.p.A
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イギリスと並んで1950年からの連続開催が続く伝統のイタリアGPだが、今年のスケジュール(9月6日決勝)から除外されるとのニュースが流れ、猛烈に反論している。
これは、F1を運営するリバティ・メディアが作成したとされる改訂カレンダーにイタリアGPがないという情報に基づくもの。

イタリアGP主催者であるACI(Automibile Club d'Italie:イタリア自動車クラブ)のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は、次のようにイギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』に語った。

「イタリアGPが中止になるなんていうのはまったくのフェイクニュースだ。
われわれは全然聞いていない。
あるいは現在の状況から『延期』ないし『無観客レース』になることはあるかも知れないが、開催そのものがなくなることなど考えてもいない。
できればウイルス騒動が劇的に終息するという奇跡を期待しているがね」と、会長。

何よりも開催を信じているのは毎年スタンドを真紅に染めるティフォシだろう。

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レーシング・ポイントの工場にFIAが立入調査

Racing Point Mercedes『RP20』 (C)Racing Point F1
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新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れている2020年シーズンのF1だが、そんな中FIA(国際自動車連盟)の技術調査団の立入調査がレーシング・ポイントのファクトリーに入ったことがわかった。

これは、同チームの2020年新型車『RP20』がメルセデスAMGチームの2019年チャンピオン・マシン『W10』に酷似していることによる。
ライバル・チームからは『ピンク・メルセデス』の異名をつけられ失笑を買ったほどだ。
それだけであればともかく、バルセロナで行われたシーズン前テストで際立つ速さをみせたことから批判する声が高まっていたもの。
ルノーなど一部チームの中には正式抗議の動きもあり、FIAはこれに先んじてデータ収集を行った形。

しかしこれについて同チームのアンドリュー・グリーン/テクニカル・ディレクターは、「彼らは細部に渡って設計データの照合を行っていたが、何も問題はなかった。
似ているのと同じというのは異なることだからね。
騒ぐチームの意図がわからないよ」と、涼しい顔だ。

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ロス・ブラウン氏、「オーストリアで2戦は合理的」

Redbull Motorhome (C)RedBull Racing
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2020年のF1は新型コロナウイルスの影響で大幅なカレンダー変更を余儀なくされているが、現在のところ7月5日(日)のオーストリアGPで開幕、さらに翌週も同じレッドブルリンクでもう1戦連続で行ったあと、次戦イギリスGPに向かうことになっている。
この変則開催についてF1を含むモータースポーツ・ディレクターであるロス・ブラウン氏は次のように説明している。

「今シーズンの逼迫した状況を考えるとき、一部のサーキットで2戦連続開催するというのは優れたアイデアだと思う。
これなら入国の手間は一度で済むし、機材や人員の移動に掛かる時間やコストも必要ない。
また大都市から離れていながら同じ場所に留まるということで感染の危険も低下することだろう。
だからレッドブルリンクでまず2戦というのは合理的な解決策といえる」と自讃。

ただ通常のヨーロッパ・ラウンドのように各チームがパドックにモーターホームを連ねるというお馴染みのシーンは見ることができないようだ。

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2020/05/02

レーシング・ポイント代表、ウォルフ氏の関与を否定

Otmar Szafnauer (C)Ex. Force India F1
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2019年シーズンからレーシング・ポイントに名称変更した旧フォース・インディア・チームだが、ランス・ストロールの父親でカナダの大富豪として知られるローレンス・ストロール氏の株式買収により今度はアストンマーティンに変更してワークス参戦することが確実となっている。

これに伴い、現在メルセデス・モータースポーツでエクゼクティブ・ディレクターのポジションにあるトト・ウォルフ氏がアストンマーティン・チームの代表に就くと噂された。
実際、これを裏付けるように同氏がアストンマーティンの一部株式を購入したと伝えられたものの、その後はまったく移籍話は進展をみせていない。

これについて(事実ならポジションを奪われる立場の)レーシング・ポイント・チーム代表にあるオットマー・サフナウアー氏は、「彼が新チームの運営に携わることはない」とイタリアのテレビ局『スカイ・イタリア』で噂を全面否定した。
それによれば株式購入は純粋にウォルフ氏の個人的な投資活動であって、チーム運営に懸かるものではないとのこと。
ただウォルフ氏の購入額は約50億円にも達するものと伝えられていて、バックに自動車メーカーらの影があるとの見方も依然消えていないようだ。

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ハンガリーGPも政府指針で困難な状況に

Hungaroring (C)Pirelli Motorsport
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目下のところ8月2日(日)にスケジュールが組まれてきた第13戦のハンガリーGPだが、こちらも極めて困難な状況に追い込まれてきた。

というのも、これまでは予定通りの日程での開催を目指してきたものの、政府から8月15日(土)まで500人以上のイベントは禁止との決定がなされたためだ。
F1の場合、関係者だけで通常1,200人もの人員が働いているということで、たとえ無観客レースにしたとしても、政府の指針とのギャップが想定以上に大きいためだ。

同グランプリの主催者は、「あるいは日程の変更に追い込まれるかも知れない。
少なくとも観客を入れての開催は不可能だ」と、悲観的。

7月5日(日)のオーストリアGPから開幕が期待される今年のF1だが、続くイギリスGPを含めいずれも無観客レースを余儀なくされている。

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ルクレール(フェラーリ)、モチベーション維持に苦心

Charles Leclerc (C)CHPG
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今シーズンのF1は先の見えない状況が続いていて、ドライバーもメンタルのコントロールに苦心しているようだ。
フェラーリ・チームのドライバーとして優勝2回を記録、契約も更新して今季さらなる飛躍を期していたシャルル・ルクレール(22歳:モナコ)もその例外ではない。

「早くまたグランプリが再開して欲しいと願っているけれど、実際にその日が来たら、モチベーションをピークに持って行くのが難しいだろうね。
そのためいまももちろん本番の日のためにトレーニングは欠かしていないんだ
それにきっとレース数は少ないだろうから、今年はリタイヤは許されないね」と心境を語った。

5月に予定されていたホームグランプリである今年のモナコGPは新型コロナウイルスの影響ですでに中止が決まっているが、ルクレールは現在モナコ赤十字社のボランティア活動に協力、物資や食事の配送運転手としてF1ドライバーの技量を100%活かしているとのことだ。

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2020/05/01

厚生大臣、「オーストリアGP認可は安全策次第」

Redbull Ring (C)Redbull Racing
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第10戦のフランスGPも中止になったことで、今シーズンのF1は第11戦のオーストリアGP(7月5日決勝)から幕開けとなる可能性がいっそう高まっている。
同グランプリの開催についてはサーキットを保有するレッドブルが熱心なだけでなく地元シュタイアーマルク州の知事の後押しもあって実現に向け拍車が掛かっている。

これを受け、新型コロナウイルスの対応に当たっているオーストリア政府の厚生大臣は、「オーストリアGPが開催できるかどうかは安全対策次第」であることを明らかにした。

「いま世界を襲っているこの深刻な状況を鑑みれば、F1のようなビッグイベントに厳しい条件が課せられるのは止むを得ないことだ。
われわれが懸念するのは何よりも人々への安全対策ということになる。
それは観客に対するものだけでなく、実際にグランプリに携わるすべての人間にもだ。
この安全策についてはいささかも譲ることはできくない。
幸いオーストリアの人間には社会に対して理解があるし、私自身もぜひとも認可させたいと願っているがね」

報道では7月5日(日)と翌週の12日(日)、異例の2戦連続無観客レースとして準備が進められているようだ。

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サインツ(マクラーレン)にフェラーリ移籍説浮上

Carlos Sainz (C)McLaren Group
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現マクラーレン・チームのカルロス・サインツ(25歳:スペイン)に2021年フェラーリ移籍の噂がイタリア国内で持ち上がっている。
同国のスポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』によれば、サインツが就くのはセバスチャン・ベッテルのシートで、ベッテルは逆にマクラーレンに入れ替わりで加入するというもの。

きっかけは言うまでもなくフェラーリがベッテルに突きつけた事実上の『降格契約』だ。
この跳ね馬チームは2015年から同チームにエースとして擁していたベッテルに対し大幅金額ダウンと単年契約を呈示、僚友のルクレールに示した長期契約との対比をみせた。
ベッテル自身は「金額には拘らない」としつつも最低2年の契約を主張して交渉中と伝えられているが、いまのところ進展のニュースは聞かれていない。

一方、若いサインツに対する期待は大きく、ルクレールとのコンビは若手ドライバーどうし互いに切磋琢磨させる好チャンスと捉えているようだ。
サインツはトロ・ロッソ、ルノー、そしてマクラーレンと年令の割にF1経験も豊富なうえ、ラリー界の大レジェンドの子息というフェラーリ好みのブランドも光る。

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メルセデス・チーム首脳、ハミルトンの臨戦姿勢を評価

Lewis Hamilton (C)McLaren Group
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メルセデスAMGチームですでに5回のタイトル獲得に輝くルイス・ハミルトン(35歳:イギリス)のレースに対する姿勢について、同チームの首脳からこれを高く評価する言葉が聞かれている。

これは元フェラーリやルノーに在籍、現在はメルセデスでテクニカル・ディレクターを務めるジェームス・アリソン氏(52歳:イギリス)がチームの公式チャンネルで語ったもの。

「ハミルトンのレースに取り組む姿勢はチームから高く評価されているよ。
彼の人生におけるプライオリティは明らかにレースにある。
そのためには自分を常に律してトレーニングを欠かさないし羽目を外したりすることもない。
人間的にも彼がコース上で他のドライバーとトラブルを起こすこともないし、ドライビングに非難を浴びたりすることもない。
年齢的にはもうグリッドで長老の部類に入る筈だが、その精神も肉体も若手そのものだ。
それが、彼がタイトルを維持し続ける要因であることに間違いない
まだ彼の時代は続くことだろう」と、絶賛した。

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