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2020年4月

2020/04/30

ホッケンハイム、今季のドイツGP復活開催を模索

Hockenheimring (C)Pirelli Motorsport
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現役チャンピオンであるハミルトン、そしてメルセデスAMGチームの母国でもあるドイツだが、残念ながら今年のカレンダーにその名前はない。
しかしここに来て2019年までの開催地であるホッケンハイムリンクが、混乱する今シーズンを救済するため復活開催に向け模索していることがドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』の報道で明らかとなった。

それによれば同サーキットはかつてのF1運営者であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)を通じ、リバティ・メディアに対して今シーズンのカレンダーに復活させるのにどれくらいの準備期間が必要か打診をしたとのこと。

ホッケンハイムリンクでは「契約など法律的な問題がクリアされれば、われわれがF1救済の一助として開催に乗り出すことにやぶさかでない」と、復活に前向きな姿勢を隠していない。
ただ今年の契約が破談となって間もないこともあり、わずかな期間で開催実現まで達することができるかは疑問だ。

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アゼルバイジャンGP主催者は無観客レースに否定的

Image (C)Pirelli Motorsport
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現状、2020年シーズンの幕開けとみられているオーストリアGPとこれに続くイギリスGPはいずれも無観客レースになる見込みとなっているが、すでに延期が決まったアゼルバイジャンGP(バクー)の主催者は観客なしのイベントに否定的な見解を示している。

これは同グランプリのプロモーターを務めるアリフ・ラヒモフ氏が主張するもの。
同氏は「われわれが考えるF1グランプリには観客の声援が欠かせない。
ドライバーにとってもこれは不可欠なものだ。」
だからなんとか早い時期に新型コロナウイルス騒動が収束に向かい、今年のF1スケジュールが再構築できる日が来るのを願っている」と、持論を展開。

ラヒモフ氏は2017年のアゼルバイジャンGP初開催当時から観客へのエンターテイメントを重視してきたことで知られる。

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ピレリタイヤは7月のシーズン開幕に反対姿勢か

Paul Hembery (C)Pirelli Motorsport
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2020年のF1は7月5日(日)にレッドブルリンクで予定されるオーストリアGPからの開幕が有力となっているが、F1タイヤを独占供給するピレリタイヤがこれに否定的な姿勢をみせていることがわかった。

これはF1担当の前任者だったポール・ヘンベリー/前モータースポーツ部門ディレクターが次のように発言したもの。
「正直なところ、新型コロナウイルスの影響はこれからどうなるか誰にもわかっていない。
7月には様相が好転しているなんて、いったい誰に言えるのか。
たとえ無観客レースにしたとしても、スタッフが危険にさらされることに変わりはない。
われわれは大事なメンバーをそんな目に遭わせることなどしたくない」と、7月開催に疑問符を投げ掛けた。

ただすでにF1の現場から離れたヘンベリー氏に語らせているのは、ピレリが揚げた様子見のアドバルーンであるのかも知れない。

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2020/04/29

F1、工場閉鎖期間をさらに延長へ

Factory Image (C)Ferrari S.p.A
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F1は、新型コロナウイルスの影響によるチームの工場閉鎖期間をさらに延長することを正式に決めた。

それによれば当初2週間(14日間)の工場閉鎖、その後3週間(21日)まで、さらに現在は5週間(35日)まで大幅に拡大されてきたものを、既報の通り今回さらに4週間延長し、計9週間(63日間)にするというもの。
ただエアロダイナミックスの開発は例外とされる。
また閉鎖開始から51日以降であれば、開発期間が長いイブのプロジェクトに対して、最大10名によるリモート作業が認められる。
早期に工場閉鎖へと追い込まれたフェラーリやアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)などイタリア系チームは逆に他チームに先んじて再開が許されることになる。

なお、ホンダなど4者のパワーユニット供給者の閉鎖期間は現在の5週間(35日)から7週間(49日)への拡大に留められた。

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アウディ、2020年限りでDTMから撤退へ

DTM Image (C)Mercedes Motorsport
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フォルクスワーゲン傘下で同じくドイツに本拠を置くアウディが、今シーズン限りで現在参戦するDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)から撤退することを明らかにした。
すでにシリーズの統括団体であるITRに通知したとのこと。

2000年にスタートした現在のDTMはメルセデスとアウディ、そしてオペルらの戦いで人気を博したが、2018年にメルセデスが撤退すると人気が低迷、今シーズンはアウデイとBMWだけのバトルになっていた。

多くのF1ドライバーも参戦したDTMの衰退に、ITRの代表ゲルハルト・ベルガー氏(60歳:オーストリア)は衝撃を受けていることを隠さないでいる。

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F1、前年成績により風洞実験時間に制限案

Wind Tunnel Image (C)Sauber Motorsport AG
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F1は、コンストラクターズ・ランキングの順によって風洞実験へ掛かる時間に差を付ける案を検討しているようだ。
ドイツの専門誌『アウトモーター・ウント・スポルト』が報じたもので、これにはチーム間格差を縮める狙いがあるとのこと。

それによれば、前年のコンストラクターズ・ランキングで上位に立ったチームには後方に埋もれたチームに比べて風洞実験に掛かる時間を段階的に減少させようとするもの。
風洞実験は現代のF1においてエアロダイナミックスを左右する超重要なもので、マシン開発の成否を握っているとされる。
これに差を付けることにより、チーム間戦力の均等化を図る狙いがあるということだ。

具体的には例えばランキング1位から3位のチームは70%、4位は75%、5位80%、9位以下は100%というふうに成績により開発時間に差を付ける案が検討されているという。
実現にはまだ障害があるが、3つのチームしか優勝の可能性がないというF1の現状を考えれば検討の余地はありそうだ。

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2020/04/28

イギリスGP、開催実現しても『無観客レース』に

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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2020年のF1ヨーロッパ・ラウンドでは第10戦のフランスGP中止が決まったことにより、ユーロトンネルで繋がれたお隣のイギリスGPにも開催できるかの懸念が高まっている。

そうした中、同グランプリの開催地であるシルバーストーン・サーキットが、すでに観戦チケットを購入したファンに対し「開催されたとしてもレースは無観客になる」と通知したことがわかった。

まだグランプリ自体開催されるのかどうか正式判断はされていないが、同サーキットでは引き続き開催に向けて準備は進めているものの、新型コロナウイルスへの感染懸念から観客を入れることは困難と判断、早期に対応したとのこと。
これによりイギリスGPの前に行われるオーストリアGP(7月5日決勝)も無観客になる可能性が高まった。

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第10戦フランスGPも開催を断念

Paul Ricard Circuit (C)Pirelli Motorsport
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現状で今シーズンの初戦に位置づけられていた第10戦のフランスGP(6月28日決勝:ポールリカール)だが、一向に収まらない新型コロナウイルスの影響で、やはり開催を断念することとなった。
延期ではなく中止とされたグランプリはこれでオーストラリアGP、モナコGPに次ぐ3例目ということになる。

なおこれにより新たな今季初戦はオーストリアGP(7月5日決勝)ということになった。
こちらは早期から予定通りの開催を念頭に準備が進められており、無観客レースになるとしてもフランスGPより開催の可能性は高いとみられている。

これまで中止ないし延期とされたイベントは以下の通り。

3月15日:オーストラリアGP(中止)
3月22日:バーレーンGP(延期)
4月03日:ベトナムGP(延期)
4月19日:中国GP(延期)
5月03日:オランダGP(延期)
5月10日:スペインGP(延期)
5月24日:モナコGP(中止)
6月07日:アゼルバイジャンGP(延期)
6月14日:カナダGP(延期)
6月28日:フランスGP(中止)

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名門マクラーレンでも緊急資金注入の事態に

McLaren Technology Center (C)McLaren Group
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2020年シーズンのモータースポーツ界を襲った新型コロナウイルスの影響はF1チームの運営にも暗い影を落としているが、プライベートチームの雄・マクラーレン・チームもその例外ではないようだ。

マクラーレン・チームは英国政府の政策によりすでに他チーム同様スタッフの多くを一時解雇とし、同時にザク・ブロウンら首脳やサインツ&ノリスなどのドライバーも給与カットとするなど緊縮財政を取っている。
しかしその母体となっているマクラーレン・グループ自体が本業である高級スポーツカーの販売がほぼ消滅するなどさらに深刻な財政難に陥っているとのこと。
そこでマクラーレンは株主から緊急の財政支援を受け、当座の運転資金の手当てに充てているのだという。

現在、他チームでも同様な財政難の窮地にあるとみられ、リバティ・メディアでは分配金を先払いするなど救済策に走っている。

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2020/04/27

オーストリアGP、連続開催と地元メディア報じる

Redbull Ring (C)Redbull Racing
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現状、2020年シーズン初戦になると目されているのは当初カレンダーで第11戦のオーストリアGPだが、先に伝えられた地元シュタイアーマルク州知事の積極姿勢に加え、地元メディアがさらに開催を後押しする報道を伝えている。

オーストリアのラジオ局によれば、今後よほどの事態急変がないという前提の上で、開幕戦は予定通り7月5日(日)のオーストリアGPで、さらに翌週の12日(日)にも同じレッドブルリンクを舞台として2週連続開催が確実とのこと。
ただし感染拡大を避けるため、いずれも観客を入れない『無観客レース』、取材メディアにも制限が掛けられたうえ、F1関係者も全部で2000人以下に抑えたうえで行われるという。
当地ではこのスケジュールに向けすでにサーキット関係者の健康チェックや施設の消毒などが進められているという。

なおさらにその翌週の19日はイギリスGPとなっていて、いずれも開催となればF1史上初の3週連続グランプリ開催ということになる。

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ジーン・ハース代表、コロナ禍後も参戦継続を示唆

Gene Haas (C)Haas Formula LLC
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オランダのタブロイド紙『エクストラ・ブラデット』が、注目されるハースF1チームの将来について今後もF1参戦を継続する方針を報じている。

2016年シーズンからフェラーリ製パワーユニットを搭載してF1参戦をスタートさせたハースF1チームは、F1には珍しいアメリカ系のチームと言うことで当初から期待された。
しかし2018年こそコンストラクターズ・ランキング5位に入ったものの昨シーズンは9位と低迷、同チームのオーナーであるジーン・ハース氏はF1に参戦する意義について疑問視する姿勢を隠さなかった。

そこに加えて今回の新型コロナウイルスの影響はチームにとって存続の意味さえ失いかねないものになったと懸念されていたもの。
これについて現場の責任者であるギュンター・シュタイナー代表は、「参戦は継続される」との個人的見解をメディアに語った。

「資金的には困難な状況にあるのは間違いない。
しかしオーナーはなんとか参戦が継続できるよう手を尽くしてくれている。
われわれは過去のことは忘れ、期待に応えるべく未来を見据え全力で努力しなければならない」と、自身も含め陣営を鼓舞した。

プライベートチームの中には他にも複数が困難な状況にあるとみられている。

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F1規則変更に『セーフガード条項』導入の動き

FIA
FIA(国際自動車連盟)のWMSC(世界モータースポーツ評議会)は、スムーズな規則変更に備えるため、これまで全チーム一致が必要とされていた分野に『セーフガード条項』を設け、事態への迅速な対応に突破口を開こうとしているようだ。

FIAによれば、セーフガード条項はそれぞれの選手権等において、規則修正のために全競技者一致の合意を得るという現在の必要条件に打ち勝つものであり、選手権に参戦する競技者のうちの多くの同意を得ることで、より短期間で規則を修正することを可能にしようというもの。
新型コロナウイルスの影響による今シーズンの状況はまさにこのセーフガード条項に該当するという考えだ。

F1がいま来季以降のコスト削減について導入しようとしているバジェットキャップ(予算制限)にフェラーリ・チームのみが反対しているため改定案が事実上宙に浮いていることが念頭にあるとみられる。
ただフェラーリには過去にFIAないしFOA(フォーミュラ・ワン・アドミニストレーション)と結ばれた強固な密約が存在するという噂があり、まだ最終的にどう結着するかは予断を許さない状況だ。

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2020/04/26

ノリス(マクラーレン)、インディカー・レースで実力みせる

Lando Norris (C)McLaren Group
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マクラーレン・チームのF1ドライバーであるランド・ノリス(20歳:イギリス)がインディカー・レースでいきなり優勝を飾ってその実力を見せつけた。
といっても、これは今シーズン各分野で行われているバーチャル・レースでのこと。

F1同様、新型コロナウイルスの影響で今シーズンレースができていないインディカー・シリーズは『iRacing』と共同でバーチャル・レースを展開。
今回第5戦のサーキット・オブ・ジ・アメリカズにノリスが初参戦、ポールポジションを獲得すると決勝レースでもベテランのウィル・パワーらを抑えてみごと初優勝を遂げてみせた。

なお同レースに参戦した佐藤琢磨はオープニングラップで大きく順位を落とし、結局30位に留まっている。

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『コパスカー』のデザイナー、死去

Ricardo Divila
元2回のF1チャンピオンであるエマーソン・フィティパルディ氏(73歳:ブラジル)のパートナーとして、F1マシン『コパスカー』をデザインしたことで知られるブラジル人リカルド・ディビラ氏が病気のため亡くなった。享年74歳。

1945年サンパウロに産まれたディビラ氏は60年近くに渡るモーターレーシング・エンジニアリングでのキャリアにおいて、長くエマーソン&ウィルソン・フィティパルディ兄弟と共にあり、フォーミュラ・マシンやスポーツカーを設計し続けた。

同兄弟によるF1参戦マシン『コパスカー・フィティパルディ』のシリーズ名『FD』はフィティパルディとディビラの姓を表したものということだ。
なおディビラ氏は2000年代、日本でも活躍、ニスモのルマン・マシンなども手掛けた。

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ルクレールはベッテルのフェラーリ残留を希望

Ferrari Duo (C)Ferrari S.p.A
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一時は前進したとのニュースも聞かれたセバスチャン・ベッテル(32歳:ドイツ)とフェラーリ・チームとの契約交渉だが、その後進展をみせず交渉は難航しているとみられている。
ベッテル自身は否定するものの、焦点は大幅減額の単年契約という部分にあるようだ。
これはチームメイトであるシャルル・ルクレールに対する大幅アップの5年契約と比べるとチャンピオンとして屈辱的なものだからだ。

ただこれについてルクレールのほうはベッテル残留を期待していることを隠さないでいる。
「もちろん僕は今の体制が続くことを期待しているよ。
ベッテルが残留してくれれば間違いなくうれしい。
他人は僕たちが何回かやり合ったことを挙げるけれど、それはあくまでもコース上でのことで僕たちの人間関係にまったく問題なんてないんだ。
今までも、そしてこれからも二人はうまくやれる自信があるよ」と、語っている。

もしベッテルが離脱した場合、後任としてダニエル・リカルド(ルノー)やカルロス・サインツ(マクラーレン)、さらにはアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)らの名前が挙げられていて、いずれも大幅な若返りが予想されると共にルクレールにとっては未知数の部分が増えて負担になりそうだ。

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2020/04/25

F1、ファクトリー閉鎖期間を63日まで拡大

Factory Image (C)Ferrari S.p.A 拡大します F1は新型コロナウイルスの影響で、当初2週間(14日間)の工場閉鎖、その後3週間(21日)まで、さらに現在は5週間(35日)まで大幅に拡大されてきた。
今回これをさらに4週間延長し、計9週間(63日間)にすることが確実になったという。
この間ファクトリーでの作業やテスト走行などすべての開発活動は禁止、またこれはF1チームだけでなく、ホンダなど4者のパワーユニット供給者にも適用される。
このため多くのチームでスタッフを一時解雇とするなど深刻な影響を受けている。

 

なおここまで開幕から第9戦カナダGPまで中止ないし延期とされているが、第10戦のフランスGPも開催は見込めていないことから開幕は早くともオーストリアGP(7月)までずれ込むとみられている。

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リバティ・メディア、一部チームに財政支援も

Liberty Media F1 F1は、新型コロナウイルスの影響で財政難に陥っている一部チームに、報酬を先払いすることで財政支援を行うことを明らかにした。

 

これはF1を運営するリバティ・メディアのグレッグ・マッフェイ/CEO(最高経営責任者)が認めたもので、それによれば今シーズンの新型コロナウイルスによる異常事態から、グランプリが再開されても最大4でチームがグリッドに着けない可能性があるとのこと。

 

「グランプリが再開された時点で、例え一つでもグリッドに空きがあるようなことがあってはならない。
安易に貴重な資金を消費することは厳に慎まなければならないが、今はまさにF1の非常事態だ。
われわれはF1の運営者として、チームという重要なパートナーを救済することにやぶさかでない」と、説明。

 

伝えられるところでは、とりあえず1チームあたり1700万ドル(約18億2千万円)を前払いしたという。
支払いを受けたチーム名や今後追加される具体的な支援内容については明らかにされていない。

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新F1コスト削減案、依然フェラーリは反対

 Image
新型コロナウイルスの影響で2021年から翌年まで延期された大幅ルール改定に合わせ、F1はバジェットキャップ(予算制限)をさらに強化しようとしている。
各チーム総額1億7500万ドル(約187億円)とされていた限度額はとりあえず1億5000万ドル(約160億円)まで減額することで合意が図られているが、大勢はこれよりさらに減額する必要があるというもの。

しかし、依然としてフェラーリはこれに頑強に抵抗、一時は「減額が強行されるならF1撤退」とまで報じられた。
さすがにこれについてはチームのスポークスマンが「行き過ぎた報道」として公式に否定したが、抵抗の姿勢は変わっていないようだ。

同チームのマッティア・ビノット代表は、「これ以上減額となるなら人員を含めて大幅な犠牲を払わなくてはならない。
フェラーリとしては設立以来のモーターレーシングのDNAを考え直す必要に迫られる」と強硬な構えを維持した。
なおこの上限額にはドライバーの給与、マーケティング費用、法務および財務費用、そしてFIAが認めた非F1活動等の費用は含まれない。

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2020/04/24

ハースF1、「レースしないのにエンジン代払えない」

Gunther Steiner (C)Haas F1 Team
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今シーズンのF1は新型コロナウイルスの影響でいまだに一つのレースもできず、いずれのチームも資金難に襲われている。
とりわけ他の自動車メーカーからエンジンの供給を受けているプライベートチームでは、巨額なエンジン代も大きな負担になっていいるようだ。

そうした一つ、ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表は次のようにドイツの専門誌『スピード・ウィーク』で語った。
「今シーズンの展開はいつもとまったく異なっているので、修正した契約が必要だ。
レースもしていないのに、エンジン代だけ払うなんて不合理だからね。
ただ今シーズンのチャンピオンシップがどうなるのかなんて誰にもわからない。
いつになったらレースができるのか見通しがつかない状況では話し合いなどできやしないというものだ。
少なくとも22戦の筈だったところ実際は10戦だったというのでは、全額支払う訳がない」

とはいえ、この場合の供給元フェラーリも台所事情が厳しいのは同様。
どこかに穏当な着地点を見つけなければならないようだ。

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ベッテル、「レース数減少しても選手権の価値は不変」

Sebastian Vettel (C)Redbull Racing
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当初史上最多となる全22戦が予定されていた2020年のF1選手権だが、新型コロナウイルスの影響でいまはレースが開催されたとしてもその数は見通しが立たない状況だ。
これについてフェラーリ・チームのセバスチャン・ベッテル(32歳:ドイツ)は次のような主張を『モータースポーツ.com』で展開している。

「今年、予定通りのグランプリをすべて消化するのはもう不可能なことだ。
例え再開できたとしたとしても、22戦の半分もできるかどうか。
こんなのこれまで誰も経験したことがないこと。
ただその場合でもチャンピオンシップとしての価値は損なわれることがないと断言するよ。
事情は異なるけれど、もっとずっとレース数が少なかった時代もあったのだしね。
7戦のうちの1戦でも、22戦のうちの1戦でも勝利の価値は同じことさ」

現代F1は年間全7戦でスタート、黎明期である1950年代には長く10戦にも届かない時代が続いていた。
今年の22戦は史上最多のレース数ということになる。

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C.ホーナー代表(レッドブル)、オフもホンダ・パワー全開

Christian Horner
F1はいま新型コロナウイルスの影響で前倒しの夏休み中。
さらに多くのチームが本拠を置くイギリスでは外出禁止令が出されるなどあってレッドブル・レーシングでも「強制休暇」を余儀なくされているが、こうした中、同チームのクリスチャン・ホーナー代表が自身のインスタグラムに休暇中のスナップショットンを投稿して話題を呼んでいる。

それは、昨季からホンダ製パワーユニットを搭載して戦っているF1チームと同様、ホーナー代表がプライベートの時間でもホンダ・パワーで戦っているというもの。

オックスフォードシャー州バンベリー郊外にある広大な農場に住む同代表にとって、草刈りは日々の「重要な仕事」だが、この作業のマシンとしてホンダの歩行型芝刈り機『HRC536』を愛用しているのだという。
5.5馬力『GXV160』エンジン搭載のこの型は日本でも定価が21万円するなかなかの高級機とのことだ。

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2020/04/23

期待のオランダGP、開催ほぼ断念へ

Zandvoort Circuit
まだ正式発表はないものの、延期とされていたオランダGPは今年の開催を断念した模様だ。

同グランプリは当初今季第5戦として5月3日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響でいったん延期に。
開催地であるザンドフールト・サーキットでは実に35年ぶりとなる復活開催に期待を掛けていたが、残り時間を考えるとオランダGPを今年のレースカレンダーに入れ込むのは困難と判断したようだ。
直接には、オランダ政府が今年9月まで同国内での大規模スポーツイベントの開催を禁止する通知を出したことがきっかけになったとみられ、同サーキットのスポークスマンは今シーズンの開催をほぼ断念する意向を示したもの。

F1では同国出身で今シーズンはタイトル争いも期待されるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の人気が沸騰、サーキット側も路面の大幅改修と共に最終コーナー部分に新たにバンクを設けるなど受け入れに意欲をみせていただけに関係者の落胆は大きい。

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アルファタウリ、フェラーリと一緒の移動案も

Alfatauri Honda 『AT01』 (C)Scuderia Alfa Tauri
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F1では多くのチームがイギリス国内に本拠を置く中、フェラーリとアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)の2チームは共にイタリアが本拠のチームとして知られる。
そしてそのイタリアも新型コロナウイルスの影響で出入国や移動に制限が掛けられていて、グランプリが再開された場合でも支障が懸念されている。

そこでアルファタウリのフランツ・トスト代表は、両チームが同一歩調を取るという妙案を明らかにした。
それによれば例えばいま今季の初戦と目されるオーストリアGP(ザルツブルグ)へのスタッフ移動や機材の運搬に、フェラーリとの共同で手配したチャーター機を使うというもの。

ちなみにアルファタウリは最少65人程度で活動ができるというが、フェラーリのほうは少なくともその2倍の人数が想定されるようだ。
またたとえ噂されているようにレースが無観客で行われるとしても、チーム側の準備に変わりはないとみられている。
オーストリアGPは7月5日決勝というスケジュールになっている。

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ライコネンもバーチャルレースに冷ややか

F1 Simuulator (C)Ferrari S.p.A
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ベッテル(フェラーリ)のように自前のシミュレーターまで購入して臨むドライバーがいるのに対し、類似品であってあくまでも本物ではないといま流行りのバーチャル・グランプリに冷ややかな視線を送る者もいる。
皮肉にもその一人が昨季までベッテルのチームメイトだったキミ・ライコネン(アルファロメオ)だ。
ライコネンは次のように自身の見解をイタリアの日刊紙『コリエーレ・デラ・セラ』に語っている。

「バーチャル・グランプリを自分でやろうとは思わないな。
どんなに精巧にできているとしても、ビデオゲームはあくまでもゲームに過ぎないからね。
本物のレースとは別物なんだ。
だから僕はあくまでも実際のグランプリが始まるのをを待つよ」と、元チャンピオン。

そのライコネンはファクトリーにある本物のF1シミュレーターでのトレーニングにもあまり関心をみせないとのことだ。

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2020/04/22

地元州知事もオーストリアGP開催を支持

Redbull Ring (C)Pirelli Motorsport
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現在の情勢で今年の初戦候補に挙げられているオーストリアGPについて、その開催地レッドブルリンクのあるシュタイアーマルク州の知事が開催に積極姿勢をみせている。

シュタイアーマルク州は国内第2の都市で歴史的世界遺産でもあるグラーツを州都とするが、一方自動車生産の盛んな工業地域としても知られている。
そのシュタイアーマルク州のヘルマン・シュッツェンホーファー知事は、論議されているオーストリアGPについて、次のように地元メディアに語っている。

「もちろんわれわれはオーストリアGPの開催を支持している。
いま世界中が困難な状況にあるからこそ、われわれがこれを打破する先駆者になりたいと思っているところだ。
入国や移動など、必要な措置については積極的にこれに協力したいと考えている。
再び情勢が悪化することがなければ、新型コロナウイルスの影響も克服できる筈だ」

ただグランプリが開催されるとしても、実際には無観客レースにするとか、スタッフの人員を制限するなどの可能性もある。

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「開催遅れはチームの死活問題」と、トスト代表

Franz Tost (C)Scuderia Toro Rosso
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依然として見通しの立たない今シーズンのF1について、プライベートチームから悲鳴が上がっている。
苦境を訴えるのはアルファタウリ・ホンダ(旧トロ・ロッソ)のフランツ・トスト代表だ。

それによれば、こうして一戦一戦がなくなる毎に同チームでは200万ユーロ(約2億3400万円)の損失が発生している計算になっているとのこと。
また今後グランプリが開催されたとしても当初のスケジュール通りの全21戦は到底望むべくもなく巨大な痛手が予想されると『モータースポーツ.com』に語っている。

同氏は「いま期待されているように7月にもシーズンを始められればなんとか持ち堪えることができるが、それ以上となるとチームの死活問題だ」と、訴えた。
また計算できないのが今後予想されるスポンサーの離脱。
F1はまさに歴史上例を見ない深刻な危機に襲われているようだ。

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ベッテル(フェラーリ)、「無観客ならやらないほうがまし」

Redbull Ring (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスの影響で混乱する2020年のF1は、現在初戦と目される第10戦のフランスGPもその開催が危ぶまれていることから、次のオーストリアGP(7月5日決勝)から始まる可能性が高いとみられているが、その場合でも観客らの感染を懸念しF1では例のない無観客レースが検討されているという。
開催地となるレッドブルリンクではこれも了としているというが、有力ドライバーの一人フェラーリ・チームのセバスチャン・ベッテルはこの案をあまり歓迎していないようだ。

「無観客なんていうのはほんとのレースじゃない。
テレビ放送などいろいろ事情はあるだろうし、無観客でもいいって言う人だっているかも知れないけれど、観客がゼロなんて。
サーキットだけでなくテレビを見ているほとんどの人だってガッカリなんだ。
そこまで無理してやるよりも、もう少し事態が好転するのを待ってからで十分だと思うけどね」と、ドイツの専門誌『アウトモーター・ウント・スポルト』に語っている。

ベッテルはまた「果たしてF1はこれまで通りのやり方でいいのか、いま試されている」との見解も示した。

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2020/04/21

来季のF1、シーズン前テストの取り止めを検討

Test Scene (C)Mercedes Motorsports
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毎年恒例になっているF1のシーズン前テストだが、来季2021年についてはこれを取り止めとする可能性が出て来た。
マクラーレン・チームのアンドレアス・ザイドル代表によれば、これはすでに一つの案としてチーム及びリバティ・メディアの間で検討に入っているとのこと。

F1はすでに今年設定されたF1のレースカレンダーをゼロから見直すことを明らかにしていて、場合によっては暦が2021年に入っても2020年シーズンのレースが組まれることも考えられている。
一方でコスト削減や準備時間のため2021年に予定されていたレギュレーション変更は先送りされたため、来季は基本的に今年のマシンのまま継続されることになっている。
そのため、例年とは違って大きくマシンが変更となる訳ではないので、特別にシーズン前のテスト時間を設ける必要はないというものだ。

今後決定される2020年のレースカレンダー次第では、最終戦が終わって日を置かずに新しいシーズンがスタートする可能性も考えられそうだ。

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TMG(トヨタ欧州拠点)、『TGR-E』に名称変更

 『TGR-E』
トヨタ自動車は、かつてトヨタF1チーム(Panasonic Toyota Racing)など欧州のモータースポーツ拠点だったTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)を再編、新たに『TGR-E』(TOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH)へと名称変更したことを正式発表した。

TMGは1979年、オベ・アンダーソンがAndersson Motorsport GmbHとしてドイツ・ケルンに設立したものが母体、1993年トヨタが完全子会社化し、社名をTMGに変更した。

近年は、設立以来取り組んできたモータースポーツ活動のみならず、その知見や経験を活かしてGRシリーズの市販車開発でもGRC(GAZOO Racing Company)の事業に携わっており、今回の社名変更は、そのようなGRCとの密接な関係性を反映したものとなる。

TGR-Eは、今後もGRCと連携し、WEC(世界耐久選手権)への参戦、WRC(世界ラリー選手権)におけるエンジンの供給、GR Supra GT4の開発などを通じ、トヨタの欧州におけるモータースポーツ活動のハブとして、引き続きドイツのケルンにある本社を拠点に活動していく。
加えて、モータースポーツ活動を通じて蓄積してきた知見やノウハウを市販車の開発にも活かし、「もっといいクルマづくり」に貢献していくとした。

またこれについてトヨタの豊田章男社長は、「ワークス参戦のモータースポーツにおいては“勝つこと”が絶対のミッションです。
ですから、TGR-Eは、勝つためのプロ集団でないといけません。
勝ち続けるためには、どんな状況にあっても “改善”をしていく、常にbetter、better、betterを繰り返す…これしかありません。
引き続き、勝つための“もっといいクルマづくり”をドイツ・ケルンの地で続けてまいります」と語っている。

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F1、7月のオーストリアGPから開幕3戦連続も

Redbull Ring (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスの影響で2020年のF1はすでに開幕からの9戦すべてが中止ないし延期に追い込まれているが、さらに現在開幕戦と目される第10戦のフランスGPも現在の状況からその開催が危ぶまれている。

そこで、本来第11戦に設定されていたオーストリアGP(7月5日決勝)が新たな開幕戦となる可能性が高くなってきた。
ただその場合でも、観客らの感染を懸念しF1では例のない無観客レースが検討されているという。
またそのさらに2週間後にはイギリスGPが予定されていて、F1全10チーム中7チームが本拠をここに置いていることもあり、スタッフ・機材の移動などロジスティクス(物流)の関係からシルバーストーンで連続2戦を行い、実に3週連続という前例のないグランプリ開催案も俎上に上がっているとのことだ。

実現にはチーム側の同意も必要だが、リバティ・メディアでは近いうちに結論を出すと前向き姿勢をみせている。

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2020/04/20

イタリア自動車協会会長、「早期の開催判断が必須」

Tifosi (C)Ferrari S.p.A
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今季第15戦としてスケジュールが組まれていたイタリアGPは9月6(日)が開催予定日ということもあって今のところは予定通りに開催として準備が進められているが、この先の展望について主催者は戦々恐々としているようだ。

これについてイタリアのACN(各国のモータースポーツ権能団体)であるACI(Automobile Club d'Italia:イタリア自動車協会)のアンジェロ・ダミアーニ会長は、次のようにスポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』に語っている。

「われわれが最も心配しているのがオーストラリアGPの再現だ。
もしも中止ということであるならば、早期に決断が必要だった。
イタリアGPでもギリギリまで開催の可否が決まらないということは決してあってはならない。
メルボルンのようにセッション開始直前に中止なんて、最悪の展開だ。
なぜなら、ここはティフォシの地・モンツァ、イタリアだから」

同会長は開催の最終決定を少なくともレース2か月前と期限を切った。

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ベッテル(フェラーリ)、自前のシミュレーター購入

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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今年、現役F1ドライバーも参加するなど盛り上がりをみせているF1バーチャル・グランプリだが、これまで関心をみせていなかったフェラーリ・チームのセバスチャン・ベッテルも新たに自前のシミュレーターを注文するなど参戦に意欲をみせていることがわかった。

ベッテルはこれまでこうしたeスポーツとは一線を画して来たが、フェルスタッペン(レッドブル)などライバルが参加、さらにチームメイトであるルクレール(フェラーリ)も参加したことが自身参戦する直接のきっかけになったようだ。

ベッテルは「単なるゲームだと思ったから今まであまり関心がなかったのは事実だよ。
少なくとも自分の貴重な時間を割いてまでやるものではなかった。
でもいろいろ話を聞いて、今年の状況なら参加しても意味はあるかなと思ったんだ。
それにルクレールと一緒ならチームのためにもなるかもってね」と、『モータースポーツ・コム』に語っている。

そのルクレールは自身のデビュー戦となったバーチャルのベトナムGPでいきなり優勝、eスポーツでもポテンシャルの高いところを示している。

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F1、2020年当初レースカレンダーを取り下げ

Image (C)Ferrari S.p.A
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F1は、これまで今年のイベントの基準としてきた2020年レースカレンダーの取り下げを表明、公式サイトからも削除したことを明らかにした。

これまでF1では開幕戦のオーストラリアGPから始まって、現在のところ第9戦のカナダGPまでが中止ないし延期、第10戦フランスGPを暫定の開幕戦としている。
その後のシーズン後半でできるだけ多くのグランプリを開催する計画を立てているものの、しかしこうしたヨーロッパ・ラウンドも開催に疑問符がついていることから、一度カレンダーそのものを完全に見直す方針としたようだ。

F1のスポークスマンは、「われわれはファンに2020年のF1選手権を少しでも多く提供すべく努力しているが、これを取り巻く事態はまだ流動的で期日を特定できないでいる。
しかし状況が好転すれば新しいカレンダーを組み、各プロモーターの協力を得て挑戦したていと考えている。
それにはもう少し時間が必要だ」と、釈明した。

インディカー・シリーズやWEC(世界耐久選手権)などはすでに新しく組み直した修正カレンダーを発表済みとなっている。

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2020/04/19

F1との対比みせるWECベルギー戦

Image (C)Pirelli Motorsport
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ベルギー政府が下した新型コロナウイルスの大規模イベント自粛令は、その期限を8月末まで延長されることに。
これにより8月30日に決勝予定のF1ベルギーGPは中止ないし延期になるとして悲観的な見方がF1関係者の間で一気に広まることとなった。

ところが同じ8月の15日にやはりスパフランコルシャンを舞台に6時間レースが予定されているWEC(世界耐久選手権)のほうは今のところスケジュール通りの開催を主張する対比をみせた。
これについてWECのスポークスマンは、「まだ最終結論ではないが、われわれは予定通りの開催を念頭に準備を進めている。
無観客ということも考えている。
ただ期日まで時間があるし、いろいろと不確定な要素が多過ぎて」と、嘆いた。

WECの修正カレンダーでは、スパ戦の次は同シリーズで最重要なルマン24時間レース(9月19-20日)となる。

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サインツ(マクラーレン)はバーチャルレースに懐疑的

 GRAN TURISMO SPORT
今シーズン、新型コロナウイルスの影響で予定したスケジュールが実施できていないこともあり、仮想空間におけるゲームいわゆるバーチャル・グランプリが熱心に行われている。

これはF1だけでなくインディカー・シリーズ、NASCARでも同様で、いずれも公式なものとしてF1ではルクレール(フェラーリ)など、インディカーでは佐藤琢磨(ホンダ)らも参戦して注目を集めているものとなっている。

しかしこれについて冷ややかな視線を送るドライバーも多い。
その一人がマクラーレン・チームのカルロス・サインツだ。
「最近のゲームがとてもよく出来ているのは認めるよ。
まるで本物のマシン、サーキットで走っているようなリアリティがあるからね。
でも所詮、これはゲームでしかない。
娯楽なら有用なものだけど、これがほんとうのレースの替わりになる筈がないんだ。
いくらシミュレーターで周回を重ねたってF1ドライバーにはなれないだろう。
そういうことさ」と、切り捨てた。

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ベッテル(フェラーリ)、「契約交渉」は大詰めか

Ferrari Duo (C)Ferrari S.p.A
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今年末までの契約でありながらまだ来季以降の去就がまとまっていないというフェラーリ・チームのセバスチャン・ベッテルだが、ここに来て交渉が進捗しているとの報道が伝えられた。
それによれば現在F1が早めの夏休みとして休止中の期間を活かし、チーヘムと断続的に話し合いを進めているのだとのこと。

伝えられるところではチーム側が示した素案では契約期間は1年、年棒も2018年からの現行契約に比べると大幅なダウンだとされている。
いま行われている交渉の内容は不明だが、長引いているところをみれば今年限りでF1引退という一部の見方は当たっていなさそうだ。
ただチームメイトであるルクレールのほうがすでに5年という新人らしからぬ契約で2024年末までの長期契約をオフの間に結んだことを考えるとベッテルの立場は微妙だ。

そのベッテルは現在スイスの自宅で待機中、子どもらと共に自主トレーニングを重ねる毎日という。
ベッテルは今年7月で33歳、ライコネンやハミルトンらより年下で老け込むにはまだ若すぎる。

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2020/04/18

噂のトト・ウォルフ氏、アストンマーティン社の株購入

L.Hamilton & T.Wolff (C)Mercedes Motorsports
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メルセデスAMGチームがF1撤退した場合、アストンマーティンが主体となる新チームの代表に就くのでは、との噂があったトト・ウォルフ氏(メルセデス)が、これを裏付けるようにアストンマーティン社の株を購入したことがわかった。
その金額は3,700万ポンド(約50億円)にもなるとのことで、噂に拍車を掛けている。

ところで財政危機と伝えられたそのアストンマーティンはローレンス・ストロール氏の投資により、レーシング・ポイントを母体としたF1ワークス参戦を発表したものの、ウォルフ氏の去就については言及がないままだ。

さらにウォルフ氏の事務所でも、これはあくまでも純粋な『投資』であって、メルセデスでの現在の職務継続に変更はないと否定している。

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ホンダF1首脳、「あくまでもまず会社の本業が優先」

Powered by Honda (C)Redbull Racing
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ホンダF1でマネージング・ディレクターを務める山本雅史氏がF1の現況について説明、「企業である以上、まず本業が優先される」との見解を示した。

「これまで5年間F1を見てきて、今年に一番期待していたのは事実。
開幕戦に合わせ、われわれの準備はいつになく整っていたと言える。
実際、今年はわれわれがチャンピオンシップを争う立場であるとファンの人たちに示すつもりだったからね。
それだけに今のこの状況は残念でならないが、それは止むを得ないこと。
われわれを取り巻く状況は日々変化しているが、一方で今回はリーマンショックの時以上だとも言われている。
ホンダとしてはまず本業のビジネスが最優先で、モータースポーツは会社あっての物種ということ。
自宅待機の今、われわれはあらゆる可能性に備えて準備している」

10年前のリーマンショックでは自動車業界にも激震が走り、当時ホンダはF1撤退を余儀なくされた苦い経験がある。

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イタリアでもF1技術で呼吸補助装置開発

CPAP Device (C)Ferrari S.p.A
イギリスではメルセデスらがすでに肺炎用の呼吸補助装置の生産稼働に入っているが、イタリアでも同様なプロジェクトが行われている。

これは同国に本拠を置くフェラーリ・チームがスタートさせたものでブリックスワースの工場を使い新型コロナウイルスのための人工呼吸補助装置と防護マスク用のバルブの緊急生産にあたるというもの。
フェラーリではとりあえず数百個を生産し、イタリア国内の各主要病院に配布するとしている。

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フェラーリ、問題作(?)『SF1000』にテコ入れの噂

Ferrari 『SF1000』 (C)Ferrari S.p.A
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F1はいま先取りした「夏休み」の影響で事実上の工場閉鎖に追い込まれているが、遅れて来る開幕に備え、フェラーリ・チームは今季マシン『SF1000』にテコ入れを施して備えるとのことだ。
これは地元イタリアのスポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じたもの。

それによればバルセロナでのシーズン前テストで露呈した『SF1000』のスピードのなさについて分析した結果、エアロダイナミックスに問題があると解明されたとのこと。
なお問題は他にもサスペンションやパワーユニット本体にもあるとしていてリストアップされた改善点は多岐に渡ったという。
一方で燃費については他のエンジンを凌駕していると評価もされている。

ただ今季は開幕戦オーストラリアGPのフリー走行直前にセッション中止となったため、ほんとうの評価はまだ誰にもわからないというのが実状だ。

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2020/04/17

エンジン変更のマクラーレン、FIAによる監視の下に

McLaren Technology Center (C)McLaren Group
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F1は2021年に予定されていた大幅レギュレーション変更を財政面の懸念から1年先送りして2022年からとし、2020年は全チームともこれに掛かる開発作業を凍結することとしている。
しかしマクラーレン・チームだけは2021年より現在のルノー製パワーユニットからメルセデス製のものに変更することがすでに決まっていたため、交換に関する作業のみを特別扱いで許可するとしている。

これを受け、その変更作業がマシン改良のために転用されることがないよう、FIA(国際自動車連盟)はマクラーレン・チームに対し特別な監視体制を取ることを明らかにした。
これについて同チームのアンドレアス・ザイドル代表は、「元よりわれわれはこの機会を不当に自分たちが有利になるような不正を働く意志はないが、公明正大に作業を完遂させるためこれを受け入れる」と、言明。

とはいえ限られた時間の中で翌1年間だけのために大掛かりな変更作業をも行うのはかなりの負担になりそうだ。

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ベルギーGP開催にも黄信号灯る

Image (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスの影響はF1のヨーロッパ・ラウンド各戦にも及び始めているが、8月30日に予定されるベルギーGPにも黄信号が灯されたことがわかった。

ベルギー政府のソフィー・ウィルメス首相によれば、このほど開かれた国家安全保障会議が8月31日まで国内すべての大規模イベントの開催を禁じる措置を延長したとのこと。
対象はフェスティバルのようなイベントとされているが、これにF1グランプリも含まれるものとみられているからだ。

現在のところ主催者やFIA(国際自動車連盟)等から中止ないし延期のアナウンスはないが、8月末のグランプリまで開催できないとなると、さらにF1は窮地に追い込まれることになりそうだ。

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マックス・モズレー元FIA会長、「判断の遅れが事態の悪化招く」

Max Mosley (C)RedBull Racing
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FIA(国際自動車連盟)の前会長であるマックス・モズレー氏(80歳:イギリス)が、F1を取り巻く今の現状について批判した。

「組織のトップに立つ者は、苦しい決断を下さなくてはならないことがある。
それがいまジャン・トッド(FIA会長)であったりチェイス・キャリー(リバティ・メディア/CEO)であったりする訳だ。
なんら結論を出すことなく時間を経過させることはいたずらに事態の悪化を招くだけ。
ところが彼らはいまだに決断していない。
誰が考えたって、7月に今年のグランプリを始められる訳はないだろう」と、辣腕弁護士でF2ドライバーでもあったモズレー氏。

その上で同氏は「F1はすでに今年の再開を諦め、来シーズンの準備に取り掛かるべき」と主張した。
ちなみにスキャンダルで失脚するモズレー氏自身が後任に据えたのがトッド現会長だった。

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2020/04/16

「F1は規模を見直す好機」と、エマニュエル・ピロ氏

Emanuele Pirro (C)Audi Motorsport
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1990年代にベネトンやダラーラから3シーズンに渡ってF1に参戦したイタリアのエマニュエル・ピロ氏(58歳)が混乱が続く今年のF1について言及、「F1グランプリの規模を見直す良いチャンス」とフランスの『レキップ』紙で訴えた。

それによれば長年指摘されているF1のコスト削減について、「そもそもグランプリを今のように3日間掛けて行う理由はない。
週末2日間に短縮は可能だし、1000人ものスタッフも減らすことはできる筈。
また他のカテゴリーをみれば、毎年新車を造り替えなければならない理由もない。
昔のようにシャシーを他のチームに提供することだって考えていい。
今年はそれらを見直す好機なんだ」と、自らの考えを示した。

F1を引退してすでに30年近くが経つピロ氏だが、ドライバー出身枠レーススチュワード(競技審査委員)としては最多の31回を誇る豊富な経験を持つ。
幻となった今年の開幕戦オーストラリアGPでも32回目となる就任が決まっていた。

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『プロジェクト・ピットレーン』、2万台を受注

CPAP Device (C)Mercedes Motorsport
イギリスに拠点を置く7つのF1チームが共同で設立した新型コロナウイルスの治療装置支援プロジェクトである『プロジェクト・ピットレーン』により、メルセデス等が開発した肺炎用の呼吸補助装置への注文が計2万台に拡大したことが報じられた。
それによれば注文はイギリス政府保健省からのものなどで計2万台、全国のMHS(国民保健サービス)病院に送付されるとのこと。

一方、レッドブルとルノーが中心になって開発した同様の補助装置については、機能が不十分だったとしてとりあえず採用は見送られたとのことだ。
事実であればここでもF1ランキング通りの技術力が示されたことになりそうだ。

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ルクレール(フェラーリ)、イタリア赤十字の活動支援

Croce Rossa Italliana
フェラーリ・チームの本拠であるイタリアは最も新型コロナウイルスの影響を受けている国のひとつだが、同チームのシャルル・ルクレールが『CRI』(イタリア赤十字社)を支援する活動をしていることがわかった。

それによればルクレールは、サッカー・セリエAのレジェンドであるクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)ら著名スポーツ選手と共にイタリア赤十字社のウイルス感染者を救援するための募金活動に参加しているのだという。

「こんな非常事態だから、何かしなければと思った。
僕ら一人一人の力はほんの小さなものかも知れないが、それが積み重なれば大きな力となる筈」とルクレール。
この活動ですでに集まった約13万ユーロ(約1500万円)により、最も支援を必要とする家庭にさっそく食糧チケットが配られたという。

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2020/04/15

「無観客でも開催」と、オーストリアGP

Redbull Ring (C)Pirelli Motorsport
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暫定の今季開幕戦とされていたフランスGPも政府の方針により開催が困難とみられてきたが、その次に予定されているオーストリアGP(7月3日決勝)は例え無観客となっても予定通りの日程で開催する方針と主張している。

これはオーストリアのヴァーナー・コグラー/スポーツ担当大臣が地元の『クライネ・ツァイトゥング』紙に示したもの。
「私自身が主催者という立場ではないが、彼ら(レッドブルリンク)の説明を聞けば予定通りの日程でオーストリアGPが行えるばかりか、シーズン中さらにもう一回グランプリを行うのも可能であると受け止めている。
もしもFIA(国際自動車連盟)が無観客を要求するのであれば、それも受け入れ可能なことだろう」と、担当大臣。

今季、タイトル獲得のビッグチャンスと目されるレッドブルにとってはなんとしても開催したいところだろう。

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アルバートパーク、一部コース変更を計画

Daniel Ricciardo (C)Renault Sport F1
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今年の開幕戦として設定されていたオーストラリアGPは、新型コロナウイルスの影響で公式セッション開始直前にキャンセルとされ、今シーズン中の復活はないとみられている。
そこで同グランプリの主催者であるAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)ではこれを奇貨として一部コースの変更を計画していることがわかった。

AGPCのアンドリュー・ウェスタコット/CEO(最高経営責任者)によれば、コース路面の再舗装と共に16コーナー部分のコースレイアウトを変更、よりオーバーテイクの機会が増すよう改修するというもの。
この計画について事前に意見を求められたという同国のヒーロー、ダニエル・リカルド(ルノー)は「この計画が実施に移されれば、間違いなくレース中のオーバーテイクは増加する筈だ。
その結果、日曜日のお客さんが喜んでくれるならドライバーとしても最高だね」と、肯定的な意見を披露した。

F1マシンは年々そのスピードを増しているが、オーバーテイクのチャンスは逆に減少の勢いが止まっていない。

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ジャン・トッドFIA会長、ファンの関心喪失を懸念

Jean Todt (C)RedBull Racing
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開幕から数多くのイベントを失ってなお見通しが定かでない2020年のF1選手権だが、世界のモータースポーツを統括するFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が新たな心配を『モータースポーツ・コム』のインタビューで示唆し注目を集めている。

その中でこの元フェラーリ・チーム代表は、「おそらくシーズン後半からのグランプリ開催は可能であるものの、その時点でファンがまだF1に関心を持ってくれているかはわからない。
今の未曾有の困難をやっと克服し以前の生活を取り戻した時に、果たしてまたこうしたスポーツイベントに行きたいと思ってくれるかが心配なんだ。
そしてそうであれば各イベントのプロモーターだってリスクを犯して開催に前向きである保証はない」と、独自の懸念を示した。
現在FIAのもと、すべての世界選手権は中断したままだ。

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2020/04/14

暫定開幕戦フランスGPにも赤信号

Image (C)Pirelli Motorsport
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現在2020年シーズン暫定の開幕戦となっているフランスGP(6月28日決勝)に、懸念されていた事態が表面化したようだ。

これは、同国のマクロン大統領が13日(月)行った国民向けのテレビ演説の中で、新型コロナウイルスへの対策の一環として少なくとも7月中旬までの国内大規模イベントの取り止めを言明したからだ。

フランスGPについての直接の言及はなかったものの、ポールリカール関係者はこれで予定のスケジュールでの開催は困難になったとの受け止めをしているようだ。
フランスGPも中止ないし延期となれば、これで開幕戦から実に10戦連続に及ぶ異常事態ということになる。

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ハミルトン(メルセデス)、モス氏の逝去悼む

S.Moss & L.Hamilton (C)Mercedes Motorsport
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天寿を全うして逝去した故スターリング・モス氏について、生前同じメルセデス・チームのレースドライバーとしてとりわけ交流があったルイス・ハミルトンは、次のように弔意を表しその死を悼んだ。

「僕らは今日故サー・スターリング・モス氏の死を知り、悲しいお別れを行った。
なんてつらいことだろう。
言葉でお別れを言うことは簡単なことだけれど、その思いはつらく悲しいものだ。
それでも彼が残したレジェンドはみんなの心に残り続け、モータースポーツ界の貴重な遺産としてこれからも残り続けるに違いない。
僕はモス氏と特別な時間を持てたことを心からの感謝とともに誇らしく思う。
その意味で僕らは互いに同志だったのだと。
残されたご家族に心からお悔やみ申し上げます」

モス氏は1955年の一シーズン、当時のメルセデス・チームから参戦、わずか6回のレースで優勝1回、2位2回という成績を残している。

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ガスリー(アルファタウリ)、フランスGP開幕を心待ち

Pierre Gasly (C)Honda Racing
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これまで開幕戦オーストラリアGPから第8戦カナダGPまでの中止ないし延期が決まっていて、現在のカレンダーでは第9戦のフランスGPが目下の開幕戦とされている。
これについて同国出身のピエール・ガスリー(アルファタウリ)が強い期待感を示した。

「いま僕は新型コロナウイルスの影響を避けてドバイでトレーニングを積んでいるんだけれど、このニュースを聞いて奮い立ったね。
だって自分の母国グランプリが開幕戦だなんて、素晴らしいじゃないか。
これまでのリカルド(オーストラリア)の気持ちがよくわかるよ。
個人的にはなんとかそれまでにヨーロッパの感染事情が好転していることを願うばかり。
一日も早くその日が来るといいね、もう待ちきれないよ」と、ガスリー。

この昂ぶりはもう一人のフランス人ドライバーであるロマン・グロージャン(ハースF1)も同じ気持ちであることだろう。
ただフランスGPがカレンダー通り無事開催されるかどうかは危ういとみられている。

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2020/04/13

上海サーキット(中国)、2か月ぶりに営業再開

Shanghai Circuit (C)Pirelli Motorsport
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久々にF1に明るいニュースが届けられた。
これは、去る2月12日に4月開催予定だった中国GPの延期を決めた上海サーキットが、新型コロナウイルスの影響がほぼ解消したとして2か月ぶりにサーキットの営業を再開したことを明らかにしたもの。
ただレース開催はポルシェ・レースの小規模なものに抑えられ、本格復活は6月を目指すということだ。

肝心の中国GPの新しい日程について、主催者は早ければ本来F1の夏休みだった8月にも開催したいとしているが、他のグランプリとの兼ね合いもありまだスケジュールは確定していない。

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ダラーラ社、医療用マスク製作で貢献

Dallara DW12 (C)Indycar Media
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メルセデスらF1チームが英国で新型コロナウイルス対策用の医療機器の製作で協力していることが報じられたが、今度は現在インディカー・シリーズなどで専用マシンを独占供給するダラーラ社が医療用マスクやガウンを製作して貢献していることがわかった。
これはイタリアの本社だけでなく、アメリカの拠点も同様。

ダラーラは1988年から1992年に掛けてフォード・エンジンを搭載したマシンでF1にワークス参戦(最高3位)したこともあるが、多くはプライベートチームからの受託でマシンを提供してきた。
現在はF1を除いたF2、インディカー、スーパー・フォーミュラなど多くのカテゴリーでトップシェアを占めている。

これについてダラーラUSAのステファーノ・デポンデイ/CEOは「新型コロナウイルスは人類全体の危機だ。技術があるのだからこれに協力するのは企業の使命に他ならない」と、前向きな姿勢をみせた。

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『無冠の帝王』スターリング・モス氏、逝去

S.Moss & L.Hamilton (C)Mercedes Motorsport
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F1黎明期の1950年代から1961年に掛けて活躍したF1レジェンドであるスターリング・モス氏(イギリス)が、逝去したことがわかった。享年90歳。

当時のHWMから21歳の若さでF1デビュー、メルセデスやマセラティ、ヴァンウォール、クーパー、そしてロータス・チーム等で通算16勝を記録たものの、ランキングでは4回の総合2位、3回の3位に留まり、『無冠の帝王』と称せられた。
またモータースポーツ界への貢献により、2000年に英国王室から『ナイト』の称号を授与されている。

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ウイルス禍でリバティ・メディア首脳ら減棒へ

Liberty Media F1
新型コロナウイルスの影響は参戦チームやイベント主催者らのグランプリ当事者だけでなく、F1を運営するリバティ・メディア自身をも苦しめる事態となっていいる。
これについてフランスの日刊紙『ウエスト・フランス』は、影響はリバティ・メディア首脳陣の報酬カットにまで及ぶと報じている。

それによればF1のCEO(最高経営責任者)であるチェイス・キャリー氏についても20%ないしそれ以上の報酬カットになるとのこと。
同氏はこれを受け入れる意向をみせているという。
リバティ・メディアは当初、カレンダーを組み替えて少なくとも16戦以上をと目論んだが、今は選手権成立の最低条件である8戦にまで目標を下げることを検討と言われている。

なおF1ではすでに多くのチームが財政難からスタッフの一時休職を、さらにマクラーレンやウィリアムズそしてハースらのチームで首脳陣やドライバーの給与カットに追い込まれている。

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2020/04/12

まだ頑張っている?メルセデスとレッドブル

Redbull Motorhome (C)RedBull Racing
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モータースポーツのメッカを自負するイギリスにはF1でも多くのチームが本拠を置くが、今回の新型コロナウイルスの影響はここでも例外ではなく、チームを苦境に陥れている。

現在F1全10チームのうち、7チームは英国内に本拠を置いている。
(他国に本拠を置くのはフェラーリ&アルファタウリ(いずれもイタリア)、そしてアルファロメオ(スイス)ら3チーム、一方ルノーがフランスに、ハースもアメリカと英国外にも本拠を置いている)

英国内の企業に対しイギリス政府が給与の80%を休業補償支援していることもあり、すでにマクラーレン、ルノー、レーシング・ポイント、ハースそしてウィリアムズら5チームがこの支援を受け入れたことが確認されている。
逆にいえば、メルセデスとレッドブルの2チームはまだ英国政府の支援を受けずにいることになる。

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ウィリアムズ・チーム、歴代F1マシン担保に金策

Williams FW11 (C)Williams F1
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ご多分に漏れずに漏れず新型コロナウイルスの影響で財政難に陥っているチームの一つウィリアムズ・チームでは新たな融資を受けるため、土地や工場設備だけでなく同チームが誇る歴代F1マシンをも担保としていることがわかった。

担保に提供される同チームの歴代マシンには、1978年の『FW06』から、昨シーズン使用された最新の『FW42』まであり、チャンピオンシップを獲得した名車もすべて含まれるとのこと。
最大の融資元となるのはF1スポンサーとしても馴染み深い香港に本社を置く世界的銀行『HSBC』となるが、現在同チームのレースドライバーであるニコラス・ラティフィの父親であるマイケル・ラティフィ氏が保有するラトルス・レーシングも関与していると伝えられている。

同チームは昨年末にも姉妹会社である『WAE』(ウィリアムズ・アドバンス・エンジニアリング)に株式の過半数を譲渡する金策に走ったことがわかっている。

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フラビオ・ブリアトーレ氏提言、「F1自身の変革が必要」

Flavio Briatore (C)Renault F1 UK
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今シーズンの異常事態を受け、元ルノー・チーム代表フラビオ・ブリアトーレ氏(69歳:イタリア)が、「これを機にF1も変革すべき」との提言を行って注目を集めている。

かつてアロンソを擁しWタイトルを獲得する一方、F1クラッシュ・ゲートと呼ばれる大きな騒動の中心人物となったブリアトーレ氏は、イタリアの日刊紙『コリエーレ・デラ・セラ』で次のように語ったもの。

「新型コロナウイルスのせいでF1も大きな変革を余儀なくされることだろう。
コストを掛けずに戦いを平等なものにするにはバジェットキャップ(予算制限)だけでは不足で、技術的な面をレギュレーションで規制すべきなんだ。
例えば巨費の掛かる風洞実験時間の制限とか、ウイング変更の回数とか。
そうしていけば自ずと速いドライバーが浮かび上がってくるというものだ。
加えて冗長すぎる今のレースを短くして、40分のレースを2回するとかしたらいい」

ブリアトーレ氏自身、イングランドのプレミア・サッカーチーム経営に携わった経験がある。

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2020/04/11

F1グランプリ、平日開催のアイデアも

Jan Lammers (C)A1GP
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新型コロナウイルスに翻弄されている今シーズンのF1は、すでに開幕から9戦が中止ないし延期に追い込まれていて、シーズン後半に延期された分のレースも消化するのにはかなり厳しい状況に追い込まれている。
そうした中、これまで例のない『平日開催』というアイデアも検討されていることがわかった。
現実に様々な課題はあるにせよ、これであれば一つの週に二つのグランプリを開催するのも数字の上では可能ということになる。

これをNOS(オランダ放送協会:Nederlasndse Omroep Stichting)で提言しているのは元マーチ等のF1ドライバーで、現在はオランダGPのスポークスマンを務めるヤン・ラマース氏(63歳:オランダ)。
同氏は、「F1も頭を切り換えて、サッカーのように火曜日か水曜日など平日の夜にやったらいい。そうすれば溜まったカレンダーの消化も捗る筈」と、斬新なアイデアを披露している。

ただ期待された母国オランダGPの今年の復活はすでに見送りが決まっている。

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ジャン・トッドFIA会長、メーカーのF1撤退を懸念

Jean Todt (C)RedBull Racing
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一向に収束の気配がみられない新型コロナウイルスのモータースポーツ界への影響について、FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が見解を示した。

「現在モータースポーツ界を襲っている危機は、これまで誰も経験したことのない未曾有のもので、その対応には関係者すべての知見と叡知とが必要とされる。
とりわけF1とその競争者についてはいたへんな財政難が危惧となっている。
これを放置しておけば、いくつものチームやエンジン・サプライヤー、そして自動車メーカーの参戦継続に支障を来すことだろう。
とりわけメーカーの継続については深い懸念を持っている。
なぜなら、メーカーにとってモータースポーツの継続というのは決して彼らにとっての最優先事項ではないからね」

過去にもBMWやトヨタ、ホンダなど自社の都合により突然F1から撤退した痛い歴史がある。

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フェラーリ代表、「チームには個別の事情」と釈明

Mattia Binotto (C)Ferrari S.p.A
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以前から膨大な活動費が負担になっていたところ、今回の新型コロナウイルスの影響でF1チームはさらに財政面が逼迫に追い込まれていて、かねて議論されてはたバジェットキャップ(予算制限)が喫緊の課題として挙げられている。
しかし先に行われたFIA(国際自動車連盟)やF1、それに各チーム代表らによるテレビ会議では、フェラーリやレッドブルの反対により合意を得ることができなかったことがわかっている。

これは、2022年からの大幅レギュレーション改定を機に、1チーム総額1億7500万ドル(約191億円)とされた限度額をさらに総額1億ドル(約109億円)まで減額しようとするもの。
しかしこれに反対したことについてフェラーリ・チームのマッティア・ビノット代表は、「基本的には減額する方向に賛成だが、チームの活動はそれぞれみんな取り巻く事情が異なるもので、単に一律に減額するというのには賛同しかねる」と、個別の金額を設定するよう主張した。

残念ながらいまのところ全チームが同意するような環境には至っていないが、昨今のF1を取り巻く状況はさらに悪化していると言わざるを得ないものだ。

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2020/04/10

アルファロメオもスイス政府の支援で一時帰休を実施

Alfaromeo Factory (C)Alfaromeo Racing
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新型コロナウイルスによる影響で、すでにすべてのF1チームがファクトリー閉鎖に追い込まれているが、そうした中イギリス国内に本拠を置くチームなど4つのチームがイギリス政府による支援制度を用いて休暇に入っていることがわかった。

それによればイギリス政府は今回の緊急対策として後に元の職場に復帰することを前提に一定の給与を政府が補償して一時帰休を可能にするというもの。
すでにマクラーレン、レーシング・ポイント、ハース、ウィリアムズなどのイギリス系チームがこの制度を利用しているとのこと。

また同様にスイスに本拠を置くアルファロメオ・レーシング(元ザウバー)も、こちらはスイス政府の支援を得て一時帰休の実施に入ると伝えられている。
こちらは年金制度の継続も保証されているということだ。

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リバティ・メディア、「最低でも今季8戦の開催が必須」

Image (C)Scuderia Toro Rosso
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現在のところ、2020年のF1は新型コロナウイルスの影響で開幕から8戦がすでに中止ないし延期となっていて、新しい開幕戦は早くても6月のフランスGPとなっているが、これにもヨーロッパ地域の感染状況から懐疑的な見方をする向きが多い。
そうした中、F1のオーナーであるリバティ・メディアでは、たとえ開幕が今年終盤からまで遅れたとしても、最低年間8戦の開催が必須であると訴えた。

それによれば新型コロナウイルスの収束に時間が掛かって開幕が10月あたりにずれ込んだ場合でも、最悪8戦が開催できれば世界選手権として成立するとのこと。
伝統のF1を守るためにもこのラインはなんとしても死守したい考えであることを明かしたもの。

現在のカレンダーでは10月から閉幕まで日本GPを含む5戦がノミネートされているが、ここに8戦を組み込むためには11月末の最終戦をさらに遅らせる必要もありそうだ。

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ロス・ブラウン氏、「無観客でも欧州戦からスタートすべき」

Ros Brawn (C)Mercedes Motorsports
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F1を管理するロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターが、新型コロナウイルスの影響で開催が追い込まれている2020年のF1について「たしえ無観客でもヨーロッパのレースからスタートさせるべき」との持論について、イギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で言及した。

「世界中がこんな時だからこそ、F1はすべてのファンにエンターテイメントを一日でも早く提供したい。
問題はグランプリを開催する国だけのものではなく、チームやスタッフら関係者の移動についても課題は山積だ。
無事に到着できればF1はかなりの部分で自己完結できるものと考えている。
そのためには、たとえそれが無観客であるとしてもヨーロッパでのレースから再開するのが望ましい。
無観客というのは誰にとっても決して望ましいものではないが、われわれはその背後にいる世界の何百万人というファンのことをも考えなくてはならないからね」

その上でブラウン氏は現実を反映させた新たな修正F1カレンダーの調整に当たっていることを強調した。

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アルガルベ(ポルトガル)、F1サーキット資格認定

Algarve Circuit
ポルトガルの南部ポルティマオンに位置するアルガルベ・サーキットが、FIA(国際自動車連盟)から『グレード1』の資格を得たことを明らかにした。

『グレード1』はサーキットの資格としてF1レースの開催もできる最も上級に位置するもの。
同サーキットでは昨年来申請を行い、これまで複数回の現地査察を受けていた。
まだ正式発表はないが、関係者によれば今年のシーズン終了後、F1マシンでの公式テストを行うべくすでに話が進められていたとのこと。
ただ今回の新型コロナウイルス騒動でF1を取り巻く事態は予断を許さないものになっている。

元々のアルガルベ・サーキットは2008年に完成。
現在はコースだけでなくスポーツ・コンプレックスとしてテクノロジーパークやホテル、住居等も兼ね備えた一大複合施設となっている。
なおF1ポルトガルGPはこれまでほとんど西部のエストリル・サーキットを舞台に開催されてきたが、1996年を最後に現在F1レースは行われていない。

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2020/04/09

鈴鹿サーキット、5月10日まで全施設臨時休業に

Suzuka Circuit (C)Pirelli Motorsport
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F1日本GPの舞台である三重県の鈴鹿サーキットを運営する(株)モビリティランドは、同サーキットの全施設を4月10日(金)から5月10日(日)までの約1か月間臨時休業として閉鎖することを決めた。

新型コロナウイルスの影響でこれまでも一部の営業を自粛してきたが、今回政府から緊急事態宣言が発令されたことから全施設の休業に踏み切ったもの。
なお同様にやはり同社が運営する栃木県のツインリンクもてぎでも同じく臨時休業の措置が取られる。

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「複数開催の要求にも応える」と、レッドブルリンク

A-1 Ring (C)Williams F1
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F1オーストリアGPの開催地として知られるレッドブルリンクでは、F1が要求するのであればシーズン中に複数レースの開催が可能であるとした。
これはレッドブル・グループの幹部であるヘルムート・マルコ/レーシング・アドバイザーがドイツの専門サイト『モータースポルト・マガジン・コム』で明らかにしたもの。

「第11戦に組まれているオーストリアGP(7月5日決勝)については予定通りだ。
ただこの先世界の情勢がどうなるのかは誰にもわからないし、われわれだけの都合で決められるものではない。
現在は予定通りに開催を前提として準備が進められているということだ。
その上で、もしも今後F1からさらなるレース開催の要望があるのなら、レッドブルリンクは問題なくこれを受け入れる用意がある。
シュピールベルクにはすべてが揃っているし、直ちに決断を下すことも可能だからだ」

レッドブルリンクは1969年に造られた高速コースのエステルライヒリンクが発祥地。
その後1996年、著名なサーキット・デザイナーであるヘルマン・ティルケ氏のデザインにより大改修を受けA-1リンクとして現在のような中速コースに衣替え、2011年にはレッドブルリンクと再び名称変更が行われ、2014年よりオーストリアGPの地として復活。
レッドブルのホームコースとしてフェルスタッペン(レッドブル)が目下2連勝をしている。
その名の通り、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシス氏の所有であることからメリットがあるとなれば、「鶴の一声」で一気に計画は進捗することだろう。

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メルセデス、新型肺炎用呼吸補助装置の設計情報公開

CPAP Device (C)Mercedes Motorsport
メルセデスAMGチームでは、F1マシン等開発の技術・設備を活かし、折りからモータースポーツ界を襲っている新型コロナウイルス対策の一環として、肺炎用の呼吸補助装置を開発していたがこのほどこれを完成、英国保健当局の承認を受けたことがわかった。

当初、人工呼吸器と報じられたものだが、具体的には人工呼吸器を必要とせずに肺に空気を供給することができる呼吸補助装置であるとのこと。
とはいえこれだけ短期間で最新医療機器の開発に成功したのはF1の技術力をまさにみせつけたものと言えそうだ。
この装置はすでに英国政府から初期依頼としてい1万ユニットの発注を受けたという。

さらにメルセデスでは、この装置の設計・開発情報を公開して他のメーカーでも広く製作やサポートができるようにすると度量の広いところをみせている。

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2020/04/08

2022年バジェットキャップ(予算制限)は合意できず

 Image
ファクトリー閉鎖期間の拡大が決定されたF1関係者によるテレビ会議だったが、もうヒツトの主要課題であった2022年からのバジェットキャップ(予算制限)では合意を得ることができなかったという。

これは今年の新型コロナウイルスの影響で、当初導入予定だった2021年から翌年まで延期されたF1の大幅ルール改定に合わせさらに制限額を減じようとするもの。
具体的には、1チーム総額1億7500万ドル(約191億円)とされた限度額を一気に総額1億ドル(約109億円)まで減額するという提案だ。
なおこの上限額にはドライバーの給与、マーケティング費用、法務および財務費用、そしてFIAが認めた非F1活動等の費用は含まれない。

しかしこれにフェラーリとレッドブル・レーシングら2チームが反対の意向をみせていると伝えられている。
これは、フェラーリはアルファロメオやハースなど、またレッドブルはアルファタウリにそれぞれ供給する一部コンポーネンツの開発・製作を負担しているため、他チームとは事情が異なるというのがその理由と推測されている。
ただそれであればメルセデスAMGチームも同様と考えられるが、ここでもメルセデスのF1ワークス参戦撤退という噂がさらに現実味を帯びる要素となっているようだ。

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F1、ファクトリー閉鎖期間を35日まで拡大

Ferrari Factory Image (C)Ferrari S.p.A
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F1はいま新型コロナウイルスの影響で8月恒例の夏休み期間を前倒しして開幕からこれを5月までの範囲で各自行っているが、その期間をさらに拡大したことを明らかにした。

それによれば当初2週間(14日間)とされ、現在3週間(21日)まで拡大して行われている工場閉鎖をさらに5週間(35日)まで大幅に拡大するというもの。
この間ファクトリーでの作業やテスト走行などすべての開発活動は禁止となる。
なおこれはすべてのF1チームだけでなく、ホンダなど4者のパワーユニット供給者にも適用される。

この決定は今週行われたテレビ電話による会議で、FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長、F1首脳、そして各チーム代表者らにより決定されたとのことだ。

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カナダGPも2020年の開催延期を表明

Gilles Villeneuve Circuit (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスの英樹用で、開幕からすでに8戦の開催中止ないし延期が決定、これにより形の上で今季開幕戦となっていた第9戦カナダGPだったが、レース主催者は6月14日の開催断念を表明した。

それによればこの結論に至るには自身だけでなく、F1、モントリオール市やケベック州政府、カナダ連邦政府など関係する多くの部署との綿密な検討を重ねた結果であるという。
それでもジル・ビルニューブ・サーキットは完全な市街地特設コースではなく約半分はパーマネント・サーキットであるため決定に時間を割くことができたため、この時期での判断になったということだ。

これによりカレンダーの上では第10戦のフランスGP(6月26日)が開幕戦といしうことになるが、こちらも新型コロナウイルスの感染は拡大していて予断を許さない状況だ。

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ロシアGP主催者、予定通りの開催を主張

Sochi Circuit (C)Pirelli Motorsport
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すでに開幕から8戦ものグランプリが中止ないし延期の羽目に追い込まれている2020年のF1、この後のスケジュールにも暗雲が漂っているとみられる中、今季第17戦に予定されているロシアGPの主催者は予定通りの開催ができると主張している。

これは同グランプリのプロモーターであるイベント会社『ロスゴンキ』の担当者がロシア国営の『タス通信』に語ったもの。
「報道によれば今年のカレンダーは大幅な見直しが行われるということだ。
しかしロシアGPについては問題ない。
ソチ・サーキットはいま閉鎖されているが、予定通りの日程でロシアGPを開催すべく準備が進められている」

ただロシアでも新型コロナウイルスの感染は例外ではない。
またそのわずか2週間後には日本GP(鈴鹿サーキット)も予定されていて、日本としてはその行方に注目が集まる。

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2020/04/07

ウィリアムズでもドライバーらの給与カットに踏み切る

Williams Factory (C)Williams F1
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6日(月)ウィリアムズ・チームはリリースを発表し、新型コロナウイルスの影響で悪化している財政事情から給与カットなどの緊急対策を実行することを明らかにした。

それによれば同チームののレースドライバー(ジョージ・ラッセル&ニコラス・ラティフィ)や上級管理職らの給与を4月から一部(当面20%)カット。
状況をみながらとりあえずまず5月まで行われるというもの
カットは一般スタッフには適用されないということで、これはあくまでもスタッフのフル雇用を守るための措置であるとした。

F1チームにおける給与カットの動きはすでにマクラーレン・チームでも実施が伝えられている。

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トッド会長、FIAスタッフに異例の団結を指示

Jean Todt (C)RedBull Racing
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新型コロナウイルスの猛威によるモータースポーツ界の現状について、FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長がFIAスタッフに団結して当たるよう指示した。

「いま世界を襲っているこの現況は、かつてわれわれが経験したことのない未曾有のものだ。
その影響は世界の産業の多岐に渡っているが、モータースポーツも決してその例外ではない。
すでに多くのイベントが中止ないし延期とされていて、各カテゴリーで大きなスケジュール変更を余儀なくされているが、いままだ不確定要素が多く先の見通しは立てにくいものとなっている。
またこれによる経済的ダメージは大きく、われわれだけでなくエントラントそれぞれに大きな負担を強いるものとなっている。
これらに対処するため、FIAのスタッフは全員が団結し、一丸となって対処しなくてはならない」と、異例の檄を飛ばした。

トッド氏の言葉通り、モータースポーツ界はかつて経験したことのない苦境に見舞われている。

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ロン・デニス氏、ウイルス戦士の支援に乗り出す

SALUTE THE NHS.ORG
元マクラーレン・チームの代表だったロン・デニス氏(72歳:イギリス)が、母国で新型コロナウイルスと戦う『NHS』(英国国民保健サービス)の支援活動に私費を投じて乗り出していることが判明、久々にその名前を世界に復活させた。

それによれば同氏は流通大手の『テスコ社』や、ケータリングサービスの『アブソリュート・テイスト社』らと共同で慈善団体『SalutetheNHS.org』を設立、折りから英国をも襲っている新型コロナウイルスに立ち向かう『NHS』で働く数千人ものスタッフに食事を無料で提供するボランティア活動を開始したというもの。

デニス氏は、自身が立ち上げたボランティア団体である『ドリームチェイシング財団』を通じて、この活動の創設費用として100万ポンド(約1億3千万円)を寄付した。
現場で働くスタッフの環境は超ハードで、満足な食事を摂れていないのだということだ。
支援は当面3か月の予定で行われる。

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2020/04/06

ケレニウス新社長(ダイムラー)はF1継続の意向示すが

Ola Kallenius (C)Mercedes Motorsports
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ワークス参戦から撤退の噂が囁かれるメルセデスAMGチームだが、いまだ明確な方針転換はまだ報じられていない。
これがアストンマーティンやレーシング・ポイントをも巻き込んで今や『時の人』になったトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターの去就についても不安定な状況を生み出している。
伝えられるところではメルセデスとウォルフ氏との現在の契約は2020年末までとなっているが、今後については確定していないとのこと。

メルセデス撤退の場合、噂になっているのがウォルフ氏がアストンマーティンF1に移籍して現場のチーム責任者になるというものだが、ローレンス・ストロール氏による同チームの発表の席では触れられることはなかった。

ダイムラー社の新社長に就いたオラ・ケレニウスはこれまでのところ終始F1撤退を否定しているが、その通り役員会で認められるかどうかは、このところの新型コロナウイルスの影響もあり不透明となっている。

1993年にダイムラー・ベンツに入社したケレニウス氏は、一時マクラーレン・オートモーティブの役員を務めた時期もある。

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屈辱の契約呈示に悩むベッテル(フェラーリ)

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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フェラーリのセバスチャン・ベッテル(32歳:ドイツ)は、同チームが呈示したという新たな契約延長について、受け入れるかどうか悩んでいるようだ。

フェラーリはチームメイトのシャルル・ルクレールとの間で年棒大幅アップでの2024年末までという長期契約を結んだのに対し、エースである筈のベッテルには2021年だけの単年契約に加えてさらに年棒減額という屈辱のものを示したと伝えられ話題を呼んでいるもの。

これについてベッテルは次のように『motorsport.com』に語っている。
「契約において何を優先させるかはそれぞれの価値観によると思う。
お金が最優先の人は金額で頑張ればいい。
レーシングドライバーというのは他のスポーツに比べ概ねキャリアが短いから、そうした人は多い。
でも僕はもうお金のために走っている訳じゃないし、10年後もまだここで走っているとは思えないからね」と、ドイツ人。

この4回の元F1チャンピオンはレーシングドライバーにとって最も重要なモチベーションを駆り立てるのに苦慮しているのかも知れない。

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開催見通し立たない2020年のF1に悲観論も

Image (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスによる影響でいまだ開幕の見通しが立っていない今年のF1チャンピオンシップについて、悲観的な見方をする関係者も現れている。

元F1チャンピオンのカナダ人ジャック・ビルニューブ氏は、「シーズンが後半からで半分になるようならそれはもうまともなチャンピオンシップとはいえないだろう。
そんなことなら今年は選手権としてではなく、個別のイベントとしてやればいい。
インディ500だってルマン24時間レースだって、それぞれの個性が評価されているじゃないか。
F1だってそう評価されるようにユニークな特徴を出せばいいんだ」と、提言。

また元FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)代表で、実質的なF1運営者だったバーニー・エクレストン氏の見解はさらに過激だ。
「半分しかレースができないようならもう今年はチャンピオンシップを諦めたたほうがいい。
思い切って今年はすべてお休みとして、来年再開するシーズンの準備のほうを万全にすべきだ」としている。
しかし現役時代あれだけお金に拘った同氏の言い分だけに、「財政面を考えればあまりに無責任」と、冷ややかな目線で見る向きもある。

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2020/04/05

トト・ウォルフ氏(メルセデス)の去就はなお不明

Toto Wolff (C)Mercedes Motorsports
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アストンマーティン社の大株主となったローレンス・ストロール氏は噂通り、2021年に同社名でのF1ワークス参戦を発表したが、同じく噂になっていたトト・ウォルフ氏(メルセデス)の去就についてこの席では明確にしなかった。

これには、両者の協議が破談となりウォルフ氏が引き続きメルセデスAMGチームに残るという見方と、まだ条件面で両者は折り合わないため、ストロール氏が見切り発車をしたという説がある。
さらにこれはメルセデスAMGチーム自体の将来も大きく関わることから、ダイムラー本社の結論待ちという説もある。

ストロール氏にとって理想はウォルフ氏が主要スタッフを引き連れての合流か。
ちなみにウォルフ氏本人はこの移籍説を終始否定してきている。

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ストロール氏、アストンマーティンのワークス参戦正式発表

Aston Martin/Redbull (C)RedBull Racing
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かねて噂に挙がっていたアストンマーティン社によるF1ワークス参戦が、同社の大株主となったカナダの大富豪ローレンス・ストロール氏によって正式発表された。

子息のランス・ストロール(21歳:カナダ)のチームであるレーシング・ポイントのオーナーでもあるストロール氏は経営難に陥っていた同社にコンソーシアムを作って資本参加、本業のSUVである『DBX』の本格生産を可能にすると共に2021年シーズンからレーシング・ポイントを母体にアストンマーティン名でのワークス参戦をスタートさせるというもの。

同氏は「これはF1における私の長期的ビジョンの一部」と広言しており、現在F1を苦しめている新型コロナウイルスの影響も懸念していないことを強調した。
なおこれにより、現在レッドブル・レーシングに対して行っていたタイトル・スポンサー契約は終了することになる。

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「F1はまさに異常事態」と、アルファロメオ代表

Alfaromeo Ferrari 『C39』 (C)Alfaromeo Racing
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いまだに収拾の見通しすら立たない今年のF1について、規模の小さいプライベートチームらからはすでに「異常事態」との悲痛な言葉が聞かれている。

そうフランスの日刊紙『ウエスト・フランス』で訴えるのはアルファロメオ・チームのフレデリック・バッサー代表。
「この状況はもちろんわれわれ自身にも、また誰にもコントロールができない難局だ。
それは例え偉大な政治家にとっても、ね。
われわれはただいつか訪れる回復の時に向けて、怖れながら柔軟に少しでも多くの準備を整えるということしかできることはない。
とはいえこの困難な状況でわれわれを襲っている財政問題は想像を絶するレベルにある。
このまま手をこまねいていれば、複数のチームが近い将来消滅する怖れがある。
それはわれわれであるかも知れないよ。
それを防ぐためにはバジェットキャップ(予算制限)のさらなる引き下げが必要だ」と、力説した。

これまでバジェットキャップの引き下げにはメルセデスやフェラーリが強く反対してきた経緯がある。

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2020/04/04

シルバーストーンが『仰天逆回り案』で複数開催を提案」

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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今年の第12戦に設定されていたイギリスGP(7月19日決勝)の開催地であるシルバーストーン・サーキットは、混乱が続く修正カレンダーの中、開催の最終決定を4月末までと予定を明らかにしている。

その上で同サーキットでは、カレンダー消化のため今年中にさらにもう一度グランプリの開催が可能であるとイギリスのスポーツ・チャンネル『スカイスポーツ』で明らかにした。
さらに驚かされるのは、逆回りの走行も可能であるとしたこと。
日本でも過去に富士スピードウェイなど逆回りでビッグレースが行われたことはあるが、ガードレールなど安全面の設備から現在では困難とされている。

シルバーストーン・サーキットがこれだけ開催に熱心であるのにはイギリスGP自身だけでなく、1950年から続いたF1グランプリのチャンピオンシップとしての歴史を途絶えさせたくないという心意気があるともみられる。

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F1、ムーディーズの格付けで『ネガティブ』に

Liberty Media F1
アメリカの屋大手格付け会社『ムーディーズ』は、F1の格付けをこれまでの『ポジティブ』から投資不適格の『ネガティブ』へと変更したことを明らかにした。。

衆知の通り今シーズンのF1は他の多くのスポーツ競技らと同様、新型コロナウイルスの影響で次々と開催断念に追い込まれており、今後の見通しも悲観的なものになっている。
そしてこれはF1の収益に巨大な損失を与える原因になっているからだ。
ムーディーズの評価はさらに今シーズンの残りの日程に関しても疑問符を突きつけるものとなった。

ただこれについてF1を運営するリバティ・メディアは、「われわれには4億ドル(約432億円)の現金と総額5億ドル(約540億円)もの承認された信用枠があり、ムーディーズもこれを理解している」と主張している。

しかしそうだとしても今後の展開はまだ収束が見通せず、不安定な状況はさらに続きそうだ。

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カナダGP主催者も今年の開催に懐疑的

Gilles Villeneuve Circuit (C)Pirelli Motorsport
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今シーズンのF1はすでに開幕7戦が中止ないし延期、さらに第8戦のアゼルバイジャンGPも同じく開催見送りが決まり、今のところ今年の初戦は第9戦のカナダGP(6月14日決勝)ということになっている。
しかしそのカナダGPの主催者ですら、すでに「開催できる可能性は50%」と懐疑的な見通しを示している。

カナダGPについては先月、同国出身の元F1チャンピオンであるジャック・ビルニューブ氏がすでに『モントリオール・ジャーナル』で開催に疑問符を投げ掛けていたが、さらに『ラ・プレス』らは「世界の現状をみれば、カナダGPの開催は10%の見通しもない」と、消極的。

当初のカレンダーではカナダGPの後は第10戦のフランスから第15戦のイタリアまでヨーロッパ・ラウンドが続いていて、こちらの開催見通しはさらに悲観的なものになっている。

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2020/04/03

マクラーレン、スタッフの一時休職・給与カット断行

McLaren Technology Center (C)McLaren Group
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新型コロナウイルスによる影響で開幕からレースが行えないという前例のない苦境に見舞われている今年のF1だが、ついにスタッフの一時休職や給与カットの報が伝えられた。
これは英『BBCスポーツ』が報じたもので、先陣を切ったのはマクラーレン・チームであるという。

それによればマクラーレン・チームはスタッフの一部には一時休職を、またその他のスタッフについては給与をカットすることで合意、休業補償は英国の労働法に基づき満額の80%が支払われるとのことだ。

同チームのザク・ブロウン代表は「現在の状況は過去にない窮地でありスタッフの雇用を守るために止むを得ない措置」であると強調した。
期間は当面3か月であるとした。

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トト・ウォルフ氏、メルセデスとの協議は認める

Toto Wolff (C)Mercedes Motorsports
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新型コロナウイルスがF1界をを揺るがしている2020年のF1で、注目を集めている一つが新生アストンマーティンの行方だ。
これまで現レーシング・ポイントのオーナーでもあるカナダの大富豪ローレンス・ストロールが新たにアストンマーティン社の大株主となったことから、2021年より同社名でワークス参戦する形での変更案を発表しており、その場合に現場のチーム代表として現メルセデスのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターを起用するという噂が専らだった。

しかし新型コロナウイルスによって起きた財政問題がアストンマーティン社を襲っていること、またメルセデス自身のワークス参戦についても影響が考えられることなど複数の不確定要素が浮上しているもの。

そのウォルフ氏は自身の去就について次のようにオーストリアのテレビ『ORF』に語っている。
「私はメルセデスでの仕事に完全に満足していて他に計画など持ち合わせていない。
メルセデスとは常に協議を続けているか、アストンマーティンに移るというような話は何も聞いていない」と、明言した。

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アストンマーティンのワークス参戦に暗雲

Aston Martin/Redbull (C)RedBull Racing
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現在レッドブル・レーシングのタイトル・スポンサーとしてF1に参画しているアストンマーティンには、現レーシング・ポイントの大株主であるローレンス・ストロール氏の株式買収によりアストンマーティン・ワークスとしてのF1参戦が噂されていたが、いまモータースポーツ界をも襲っている新型コロナウイルスの影響がこれを直撃しているようだ。

伝えられるところでは、ストロール氏らのコンソーシアムにより得た資金では今回の逆風が乗り越えられず、総額200億円ともいわれる新たな貸付金を迫られたとのこと。
そのためアストンマーティン本業の生産計画が優先され、F1参戦計画が危ぶまれているというものだ。
またこれにはF1参戦継続が揺らぐメルセデス自体のF1方針も影響してくるとの報道も。

しかしこれについてストロール氏は「アストンマーティンとしてのF1参戦計画は既定の事実」として、あくまでも2021年の参戦が予定通りであることを強調している。

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2020/04/02

ロニー・ピーターソンの墓地、荒らされる

Ronnie Peterson
ロータスやマーチ等で活躍した元F1ドライバーであるロニー・ピーターソンの墓地が、何者かによって荒らされていることがわかった。

これはピーターソンの母国スウェーデン・オレプロ市の日刊紙『ネリケス・アレハンダ』が報じたもの。
事件が発覚したのは3月末のこと。
同紙によれば同時に多数の墓地が荒らされていたとのことで、ピーターソンの墓が特別狙われたものではないとみられる。

1970年に当時のマーチ・チームから26歳でF1デビューを果たしたピーターソンは、その後ロータス、ティレル等で活躍、通算10勝を記録した。
しかし1978年のイタリアGPで大事故に遭い、のちこの時の怪我が原因で死亡することとなった。

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伝統のイギリスGPは4月中に開催を判断

Silverstone Circuit (C)Pirelli Motorsport
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すでに開幕8戦が中止ないし延期に追い込まれている2020年のF1だが、まだ日程まで3か月以上もあるイギリスGP(7月19日決勝)までもが検討を余儀なくされている。

主催者であるシルバーストーン・サーキットでは、引き続き英国政府や関連する保健部門などとも協議し、遅くとも4月末までには結論を出したいとしている。
逆に言えばそれまでできるだけ結論を先送りして慎重に判断したいという構えだ。

同国では他にもテニスのウインブルドン選手権やゴルフの全英オープンなどのビッグイベントが軒並み新型コロナウイルスの脅威にさらされていて、こちらもまだ結論は出ていないが、同サーキットでは「テニスやゴルフとでは競技の性格や置かれた事情が異なる」としている。

イギリスGPはイタリアGPと並び、1950年からこれまで一度も欠けることなく開催が続くF1伝統のグランプリだ。

【追記】ウインブルドン選手権は戦後初、開催中止になりました。

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F1新ルール、さらに2023年まで先送りする案も

F1 2021 Car (C)FIA
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F1が2021年からの導入を予定していた大幅なルール変更は新型コロナウイルスによる影響で2022年から導入することに1年先送りとされたが、いまさらにこれを2023年まで遅らせようとする動きが顕在化しつつある。
その背景にはいま世界を襲っているウイルスによる財政面での悪影響が想像以上にF1チームをも苦しめていることがあるという。

レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表によれば、変更をする都度新たなコストが生まれるため、今F1に最も必要とされているのは規則の安定性という。
ホーナー代表はコスト削減のため図られているバジェットキャップ(予算制限)だけでは必ずしも効果的でなく、それよりも規則変更自体を先送りして新たなシャシー開発に掛かる費用を削減したほうが財政面では有効で、F1の継続に資すると主張した。

この規則変更先送り案にはすでにプライベートの雄であるウィリアムズ・チームのクレア・ウィリアムズ副代表らも賛同の意向をみせているという。

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2020/04/01

メルセデスの『DASシステム』今季限りも正式確認

Mercedes 『W11』 (C)Mercedes Motorsports
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メルセデスAMGチームがバルセロナ合同テストで登場させた『DASシステム』(デュアル・アクシス・ステアリング・システム)についても、31日(火)開かれたWMSC(世界モータースポーツ評議会)は今年限りのものであることを正式確認した。

これによりメルセデスAMGチーム及び他のいずれかのチームが今シーズンに同システムを投入したとしても2020年限りで来年の使用はできないことになる。

なおこれとは別に相変わらずくすぶっているのが、メルセデスAMGチームが今季限りでワークス参戦を終了するという噂。
ここに来て新型コロナウイルスの影響が自動車メーカーにも波及していることが輪を掛けているようだ。

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F1カレンダー変更、最少6チームの同意で可能に

FIA
F1は、31日(火)開いたWMSC(世界モータースポーツ評議会)で、これまで全チームの同意が必要とされたカレンダー変更をチームの60%の同意で変更できるものとした。
これにより今シーズンのような緊急事態での変更にも迅速に対応できるようになるとみられる。

その他、前述の2022年用マシンの年内開発凍結、すでに明らかにされていたエンジン変更に関わるマクラーレン・チームへの特例、またF1チームだけでなくメルセデス、フェラーリそしてホンダらのエンジン・サプライヤーについてもファクトリーの3週間の一時閉鎖義務などが確認されている。

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FIA、2022年の規則変更、年内の開発を禁止

FIA
F1で2021年シーズンから行われる筈だったレギュレーションの大幅変更について、FIA(国際自動車連盟)はすでにこの導入を2022年まで1年先送りとしているが、これに合わせてさらに2020年末まで事前の開発が禁止とされたことがわかった。

2020年のスケジュールはすでに大幅に遅れていて、各チーム共に財政面で苦慮している状況。
開発を許すとチームはさらに出費を強いられることやチーム間格差が拡大する懸念もあることからこれを禁じた形だ。

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ピレリ、「18インチ径タイヤ先送りでもテスト必要」

Tyre Work (C)Pirelli Motorsport
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F1は新型コロナウイルスによる影響で、2021年に予定されていた大幅なレギュレーション改訂を1年先延ばしとしたが、同時にピレリが準備していた18インチ径タイヤの導入も1年先の2022年シーズンからとなった。

これにより現行タイヤがそのまま2021年も使えることになっため、年内に予定されていた18インチ径タイヤのすべてのテストを取りやめることを先にピレリはいったん表明した。

しかしここに来てピレリは18インチ径タイヤ導入が先送りになっとしても、2021年に使用する13インチ径タイヤは現行のものをそのまま使うのではなく、さらにテストを重ねて熟成を進める必要があると訴えた。

ただF1スケジュールはいま混乱していて調整がつくまで見通しが立っていない状態だ。

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