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2020年3月

2020/03/31

DTM責任者、「モータースポーツ全体が年内活動停止の覚悟も」

Gerhard Berger (C)Scuderia Toro Rosso
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元マクラーレン等のF1ドライバーで現在は人気シリーズDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の運営責任者を務めるゲルハルト・ベルガー氏(60歳:オーストリア)が、母国オーストリアの『クライネ・ツァイトゥング』紙で悲観的な見通しを示唆している。

「残念ながら今モータースポーツは先のことが見通せない状況だ。
みんなが年内の活動再開を願っているが、おそらく9月になるまでは誰にもわからない。
現在は健康問題が最優先事項であることは間違いないが、この状況が続けば経済問題が表面化してくることだろう。
なぜならレースが開催できないというのは直接各チームの収益に関わってくることだからだ。
チームの運営者は、最悪年内のモータースポーツ全体がすべて実施できないことも覚悟しておく必要がある。
われわれには今こそ逆境に立ち向かう覚悟が要求されているのだ」

ベルガー氏自身、かつて共同オーナーとしてF1チーム(トロ・ロッソ)を率いた経験を持つ。

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『無観客レース』での開催主張の声も

David Coulthard (C)RedBull Racing
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一時、今年第2戦のバーレーンGPで導入が宣言された観客を入れないスタイルのいわゆる『無観客レース』は、他のレースも含めて中止ないし延期となっため実現しなかったが、ここに来て再び気運が盛り上がりつつあるようだ。

その中心にいるのが元F1ドライバーで現在は最後に所属したレッドブルでグループのアンバサダーを務めるデビッド・クルサード氏(49歳:イギリス)だ。

同氏は「もちろん僕もレースは観客を入れた完全な形での開催を望んでいるよ。
そしてそれは今シーズンの終盤になれば問題なく実現することだろう。
でもそれを待たずともできるだけ早い段階に、たとえ無観客であろうともレースは行われるべきだと思っているんだ。
スタンドに観客がいなくても世界的なテレビ放映はあるし、イベントは成功すると確信しているよ。
とにかくこのまま何もすることなくただ座していてはいけない」

F1だけでなく、ルマン24時間レースやDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)など豊富な参戦経験を持つ実力者だけに説得力がある。

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ブロウン代表(マクラーレン)、独自の『ファンサービス』も検討

Zak Brown (C)McLaren Group
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本来、シーズン真っ只中の筈だったF1だが、新型コロナウイルスの影響でファンにとっても異例の手持ち無沙汰状態が続いている。
そんな中、マクラーレン・チームはユニークな『ファンサービス』を計画していることを明かした。

同チームのザク・ブロウン/エクゼクティブ・ディレクターは「われわれはみんなレースができない今の状況を申し訳ないと思っているんだ。
でもこの状況で無理してレースを強行することよりも、F1に携わる関係者全員やファンの人すべての健康のほうがはるかに重要なことだから。
ただこれから先、世界の状況が許すなら、ファンに楽しんでもらうために何か新しいことをやりたいと思っている。
それはたとえば今人気の『eスポーツ』かも知れないし、それとは違うソーシャルメディアを使った何か新しいアイデアであるかも知れないが」と、意欲をみせている。

ただそれもあくまで「チームを守った上でのことが前提」と自身が置かれた立場を強調した。
ブロウン氏自身、F3などのレーシングドライバー出身でもあるが、実務ではマーケティングの専門家でもある。

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2020/03/30

2020年シーズンのF1、すべて2日間日程に変更も

Image (C)Mercedes Motorsports
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新型コロナウイルスの影響で2020年のF1はすでに開幕の7戦を中止ないし延期にされているが、残ったグランプリの中にも開催困難が予想されるものがあり、残り期間での開催スケジュール消化はタイトになる一方だ。

このためF1を運営するリバティ・メディアでは、今年行うグランプリをすべて2日間の日程に変更して行うことを検討し始めているという。
しかしそれができたとしても当初のスケジュール通り12月始めまでにシーズンを消化するのは困難で、最悪2021年の1月まで食い込むことも覚悟しているとのことだ。

その場合、非常事態として全チームの同意という条項はクリアしたとしても、開催日時の変更には各国の感染事情や規制などの見通しが現状では立たないため、調整が困難を極めるのは必至とみられている。

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ベッテルに、フェラーリから「屈辱」の新契約オファー

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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フェラーリ・チームのエース、セバスチャン・ベッテル(32歳:ドイツ)に対し、同チームが新たな契約の延長を申し入れたと伝えられて話題を呼んでいる。

これはフェラーリの地元イタリアのテレビ局『スカイ・イタリア』が報じたもの。
ベッテルの現在の契約は2017年からの3年契約というもので今シーズン末で満了することになる。
すでにチームメイトであるシャルル・ルクレールのほうが2014年末までという異例の長期契約を結んでいてベッテルとの交渉に注目が集まっていた。

しかし今回伝えられたのは新人並みの単年契約で、さらに具体的な金額は明らかでないもののなんと減額を呈示されたとみられている。
ちなみに現在ベッテルは年棒3300ユーロ(約39億6000万円)程度と推測されている。

ベッテルがこれを受け入れるかどうかは不明だが、これだけの大物を受け入れられるチームは限られていて、最悪ステアリングホイールを置くことになるかも知れない。

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ハミルトン(メルセデス)、『菜食生活』の効能説く

Lewis Hamilton (C)Mercedes Motorsports
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F1チャンピオンであるルイス・ハミルトン(35歳:イギリス)は、一部に疑問の声もある自身のビーガン(菜食主義)生活について、イギリスのタブロイド紙『デイリー・エキスプレス』にその効能を語っている。

「僕のビーガン生活については否定的な意見をしてくる人もいるけれど、僕自身はやせ我慢でもなければ意地でもない、完全に納得してやっていることだ。
この数年、肉類を止めて野菜中心の食事にしているんだけれど、何も弊害はないよ。
フィジカルもバッチリだし、すこぶる健康だもの」と、力説。

またハミルトンは自身がビーガン生活を始めたきっかけについて、健康上の理由だけでなく環境の保護と動物保護そしてエコロジーへの関心を持ったことも説いた。
これには陸上のカール・ルイスやボクシングのマイク・タイソン、テニスのノバク・ジョコビッチなど各分野のトップアスリートの賛同者も数多くいるという。

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2020/03/29

ダニエル・リカルド(ルノー)は実家で英気養う

Daniel Ricciardo (C)Redbull Racing
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本来なら今年もホームグランプリとして開幕戦のオーストラリアGPを迎える筈だったルノー・チームのダニエル・リカルド(30歳)だが、衆知の通り新型コロナウイルスの影響でレースはキャンセルに。
主催者ではシーズン後半での延期開催を希望しているというがいまのところ見通しは立っていない。
また現在は政府がすべての国民に海外渡航の自粛を求めるなどオーストラリアも緊急事態が続いている。

そんな現状についてリカルドは次のように語った。
「オーストラリアGPだけでなく、今年のF1がこんな悲惨なことになってほんとうに悲しく思っている。
いま自分は実家の農場(パース近郊)にいて健康的な生活を送っている。
いつもと違って時間だけは十分にあるので戸惑っている面もあるけれど、もちろんその分フィジカル・トレーニングを欠かしてはいない。
ただ、将来が見通せないというのがドライバーとしてはほんとうにつらいな。
現実が身に染みつつあるよ。
ファンのみんなも辛抱強く待っていて欲しいというのが僕らの気持ちだ」

2014年にはフロントロウを獲得したこともあるホームグランプリだが、最高位は4位止まりで不思議とまだ表彰台にも上がったことはない。

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英国系7チーム、正式に医療機器支援をスタート

Wind Tunnel (C)RedBull Racing
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イギリス政府の要請を受けていた英国系のF1チームが共同で新型コロナウイルスに対応する医療機器の製作支援や分析などを行うプロジェクトをスタートさせることが決まった。

これに参加したのはメルセデス、レッドブル、マクラーレン、レーシング・ポイント、ハース、そしてウィリアムズら英国内に本拠ファクトリーを有する7チームに加え、F1を運営するリバティ・メディアのパット・シモンズ/チーフ・テクニカル・オフィサーも参加している。
なお正式名は『プロジェクト・ピットレーン』と名付けられた。

F1チームにとって医療の分野は専門外ではあるが、元々空気流の処理技術には長けているうえ、医療の専門家であるロンドン大学病院の研究医らも共同体に加わっているということだ。

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ジャック・ビルニューブ、カナダGPの開催に疑問符

Jacques Villeneuve (C)Williams F1
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カナダが産んだF1ドライバーであるジャック・ビルニューブ氏(48歳:カナダ)が、今年のカナダGPの開催に疑問符を投げ掛けている。

開幕から相次いで7戦が中止ないし延期に追い込まれた2020年シーズン、現在のところは第8戦のアゼルバイジャンGPが開幕戦とされているが、すでに開催断念というのが大方の見方だ。
その場合、次のカナダGPが開幕戦として浮上するもののこれにも懐疑的な見方をしていいるのが197年のチャンピオン、ビルニューブ氏で、同氏は地元の『モントリオール・ジャーナル』紙に次のように語っている。

「僕はいま仕事の関係でミラノにいるけれど、イタリアはもう凄いことになっているよ。
感染者は拡大するばかりでいつ終わりが来るのか見通しが立たない有り様だ。
でもこれはアメリカ大陸にとっても決して対岸の火事なんかじゃない。
おそらく次はアメリカやカナダになる。
カナダGPが予定通りに開催できれば素晴らしいことだけど、果たしてどうかな。
僕にはそのイメージは湧かないよ」

F1だけでなく、北アメリカではすでに伝統のインディ500レース(5月)も延期が決まっている。

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2020/03/28

エクレストン氏、爆弾発言「今年のF1は断念すべき」

C.Carey & B.Ecclestone (C)Liberty Media Group
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かつてFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)の代表としてF1を率いたバーニー・エクレストン氏が、混乱する今シーズンのF1に爆弾発言を落とした。
おそらく今のF1に満足していないであろう今年90歳を迎える意気軒昂なベテランは、「今シーズンはもうF1をやるべきではない」との持論をイギリスの通信社『ロイター』で語ったもの。

「もし私が以前のようにF1に責任を持っているのであれば、とっくに今年のF1はすべてキャンセルしたことだろう。
なぜならそれがみんなの安全のためにできる唯一の手段に他ならないものだからだ。
それなのにいまだにレースの開催のため奔走するなんて。
私ならそんな愚かなことはしないということだよ。
もしも彼ら(リバティ・メディア)が言うとおり今年後半に18戦もできると信じているなら、私はビックリして卒倒するこどたろう」と、吐き出した。

それでも同氏は、「本音では今年なんとか数レースでもできることを願っているんだがね」と、フォローした。

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シリル・アビテブール(ルノー)、「弱いから撤退説が出る」

Renault 『RS20』 (C)Renault F1 Team
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ルノー・チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクターは、常について回るルノーの『F1撤退説』について、「われわれが弱いからそんな噂が立つ」と、自虐的な論調を披露した。

これは2021年に予定されていたF1の大幅レギュレーション変更が翌2022年に延期されたにも関わらず、マクラーレン・チームがルノー製パワーユニットからメルセデス製パワーユニットへの変更を強行したことから、ルノー自体のF1撤退の噂が広まったもの。

これについてフランス人のアビテブール氏は次のようにイギリスの専門誌『オートカー』に語っている。
「なぜルノーだけにいつもそうした噂が出るのかわからないよ。
僕らはこれまで何回もそうした噂についての説明を強いられてきたからね。
一つには僕らが弱いからかも知れないな。
それなら今シーズンはそうした噂を一蹴させてみせようじゃないか」と噂を否定。

しかし大きな成功を収め続けているメルセデスにもF1撤退説は膨らみつつある。
それがF1。

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独誌、「今年のF1、11戦できれば上々」

Image (C)Mercedes Motorsports
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開幕戦のオーストラリアGPを皮切りに、次々とレースが中止ないし延期に。
現在すでに開幕の7戦がその餌食になっているが、まだその勢いは収まりをみせていない。
それでもF1のチェイス・キャリー/CEOは今年後半のスケジュールを見直し、なんとか15-18戦は開催したいと意欲をみせた。

しかしこの見通しについてドイツの専門誌『スピード・ウィーク』は1980年代にアロウズ等で走った元F1ドライバーのマルク・スレール氏による悲観的な判断を報じている。
「今年のF1は元々22戦が予定されていたが、今はもう望むべくもない。
それでもリバティ・メディアが15戦だの18戦言う根拠がわからないよ。
自分の感触では半分の11戦もできれば上々なのではないか」

28歳が初レースという遅咲きのスレールは全82戦を戦い、エンサインとブラバムによる2回の4位が最高位となっている。

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2020/03/27

F1の危機はリバティ・メディア自身の命取りにも

Liberty Media F1
アジアからヨーロッパ、さらにアメリカへと拡大の一途を辿る新型コロナウイルスの影響は、F1の収益を直撃している。
自動車メーカーによる後ろ盾があるワークスチームはともかく、弱小プライベートチームの一部は資金難から存続の危機が伝えられる有り様だからだ。
レース数の減少は直接チームの収入減少を意味するものとなっている。
名前を挙げられているのはウィリアムズやレーシング・ポイントなど。

そんな中、F1存続そのものについても危機感を伝える声が出て来た。
というのも、現在F1を運営するリバティ・メディア自体が苦境に揺らぎ始めたとみられるからだ。
著名なF1写真家であるダレン・ヒース氏は自身のツイッターで「近くわれわれは新しいF1オーナーの名前を聞かされるかも知れない」と、意味ありげな言葉を書き込んでいる。

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ハースF1チーム、2020年のテスト&リザーブドライバー発表

Haas 『VF-20』(C)Haas F1 Team
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今年でF1参戦5シーズン目を迎えるハースF1チームは、2020年のテスト&リザーブドライバー2名を発表した。
指名されたのはピエトロ・フィッティパルディ(23歳:ブラジル)とルイ・デレトラズ(22歳:スイス)の二人で、いずれも昨シーズンに続いての起用となった。

ピエトロ・フィッティパルディはその名が示す通り、元F1チャンピオンであるエマーソン・フィティパルディ氏の孫にあたり、叔父がウィルソン・フィティパルディ、従兄弟がクリスチャン・フィティパルディといういずれも元F1ドライバーのサラブレッド。
昨年はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦。
ルイ・デレトラズはルノー・チームのジュニア育成ドライバー出身で、昨年はカーリン・モータースポーツからF2に参戦していた。

フィッティパルディとデレトラズは、4月5日に開催されるF1バーチャル・グランプリGPの次のラウンドに出場する予定となっている。

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ピレリ、年内の18インチ径タイヤのテスト取り止め

Pirelli 18inch Tyre (C)Pirelli Motorsport
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F1にタイヤを独占供給するピレリタイヤでは、年内に予定されていた18インチ径タイヤのテストをすべて取り止めることを明らかにした。

これは2021年からの導入が予定されていたF1の大幅レギュレーション変更が新型コロナウイルスの影響で1年先送りされ翌2022年からになったため、18インチ径タイヤへの変更も1年ずれたことによる。
年内は複数回のテストが予定されていたがすべてキャンセルとされ、2021年にあらためてスケジュールを調整して行うことになる。

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F1のバジェットキャップ(予算制限)さらに減額の動き

F1は2021年からの導入を予定していた大幅なレギュレーション変更について、新型コロナウイルス騒動による今シーズンの混乱を受け、2022年まで1年先送りすることを決めている。
しかしこれは技術的なもので、同時に行われる計画だった各チームの予算削減のための『バジェットキャップ』(予算制限)は予定通り2021年から導入されることになっており、その金額は1億7500万ドル(約194億円)とされている。

しかしこれについてドイツの専門誌『アウトモーター・ウント・スポルト』誌はある憶測を報じている。
それによればFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長とF1のチェイス・キャリー/CEOの両者は、今シーズンの散々な状態を踏まえ、この機会に更に限度を引き下げるべく画策しているというもの。

実のところ今年は各チーム共に大幅な減収を余儀なくされていて小規模なチームでは財政難からF1撤退も懸念されているところではあるが、これまでもメルセデスやフェラーリなど潤沢な資金を持つチームからの反対で減額は難航してきた経緯がある。

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2020/03/26

ハミルトン(メルセデス)、「もっとウイルス警戒すべき」と自主隔離

Lewis Hamilton (C)Mercedes Motorsports
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F1王者のルイス・ハミルトン(メルセデス)は、「世界の人々はもっと新型コロナウイルスの恐怖を警戒すべき」との持論を展開した。

「この新型コロナウイルスの怖いところは、誰もがまだその正体を掴めていないところにあるんだ。
いま急速に死者の数を伸ばしている怖い病気なのに。。
だから敢然とこれに立ち向かっている国や医師などの人々は尊敬する。
ましてや民間の人々もだ。
僕らにはできないこともあるけれど、できることは協力すべき。
未だにクラブやバー、それに大規模な集会に出掛ける人がいるけれど、僕には信じられないことだよ。
もっとこのウイルスの恐さを知って欲しい」と、チャンピオン。

ハミルトン自身は感染してはいないものの、念のため現在は自主隔離をしているということだ。

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ガスリー(アルファタウリ)、ドバイ滞在を選択

Pierre Gasly (C)Redbull Racing
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オーストラリアGPキヤンセルにも関わらず、2週間も隔離生活を余儀なくされたマクラーレン・チームのスタッフたちのイギリス帰国が伝えられたが、その一方で自らの意思でまだヨーロッパ帰国を避けているドライバーもいることがわかった。

これはフランスの通信社『AFP』が伝えたもので、それによればアルファタウリ・ホンダのドライバーであるピエール・ガスリー(24歳:フランス)は新型コロナウイルスの感染が拡大して移動制限などが敷かれているヨーロッパへの帰国を避け、中東ドバイに滞在しているということだ。

そのガスリーは「メルボルンに到着した時は体調万全で、すぐにでもコースに出る気満々だったんだ。
だからオーストラリアGPがキャンセルになったと聞いた時にはガッカリしたよ。
でもそれは僕らの力の及ばないこと。
僕がすべきことはこの最高のフィジカルをトレーニングを重ねることで維持することだと考えたんだ。
でもヨーロッパは今ウイルスのせいでそれどころじゃないから、ドバイを選んだのさ。
ここならまだウイルスの心配をせずにトレーニングに集中できるからね。
あとはできるだけ早く今年のグランプリが開かれることを願っているよ」と、語っている。

しかしまだグランプリ開幕の日程は流動的で見通せないままとなっている。

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エンジン変更によるマクラーレンのシャシー改造に特例

McLaren 『MCL35』 (C)McLaren Group
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FIA(国際自動車連盟)は、2021年に予定されるマクラーレン・チームのエンジン変更について、最低限のシャシー改造を認める意向を明らかにしている。

これは現行のレギュレーションでのマシンは2020年までとし、2021年から新たな大幅レギュレーション変更とする方針に合わせ、マクラーレン・チームが搭載するエンジンを現在のルノー製のものからメルセデス製パワーユニットに変更する計画を立てていたものの、レギュレーション変更が1年先送りとなったため同チームだけ現行のマシンのままで2021年シーズンを戦うことが不可能となっていたためだ。

現在のF1マシンはシャシー、ボディとパワーユニットとが一体で設計・製作されていて、昔のようにエンジン変更は簡単なものではなくなっている。
同チームでは「エンジン変更に伴い最低限の改造だけで、これによりわれわれが有利になることはない」と、言明している。

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2020/03/25

ヘルムート・マルコ博士(レッドブル)、思わぬ失言

M.Verstappen & H.Marko (C)Redbull Racing
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レッドブル・グループで大きな影響力を持つレーシング・アドバイザーのヘルムート・マルコ博士が思わぬ失言で矢面に立たされているようだ。

レッドブルの地元オーストリア『クライネ・ツァイトゥング』紙によれば、マルコ博士は今ヨーロッパでも猛威を振るっている新型コロナウイルスに語った内容が顰蹙を買っているのだという。

レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンがマルコ博士に直接電話を掛け、新型コロナウイルスへの感染を心配していることを伝えたとのこと。
これに対しマルコ博士は、「若いフェルスタッペン(22歳)であれば例え感染したとしても大事に至ることはないから大丈夫、感染するならF1がお休みの今がいい。
むしろ早く免疫を付けたほうがいいのではないか」と回答したとのこと。

しかしこれが報じられると「世界の人々が新型コロナウイルスで苦しんでいる中、マルコ博士の発言は不謹慎」との指摘が相次いで寄せられているのだという。
新型コロナウイルスはF1でもすでに開幕7戦が中止ないし延期になるなど混乱を極めている。

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隔離のマクラーレン・スタッフ勢、無事全員帰国へ

Image (C)Pirelli Motorsport
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開幕戦オーストラリアGPで新型コロナウイルス感染の陽性反応が出るなどしたため、現地メルボルンで隔離生活を余儀なくされていたマクラーレン・チームのスタツフ15名が、隔離期間を終え陰性が確認されたため、無事全員帰国できることになった。

これは陽性反応となった一人に加え、濃厚接触が確認されて隔離措置になった同僚14人。
開幕前夜に辞退が発覚したマクラーレン・チームは直ちに参戦辞退を表明、結局これが引き金となって開幕戦は金曜日のセッションがスタートするわずか2時間前にキヤンセルとなっていた。

幸い帰国が許されたものの、現在多くの国で移動禁止などの措置が採られているためチームは帰国便の手配に苦慮しているということだ。

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年間15戦の開催は放映権収入の最低ライン

Imasge (C)Pirelli Motorsport
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『F1インサイダー・コム』が報じたところによれば、年間15戦の開催は放映権契約における最低ラインということだ。
それを考慮するとF1のチェイス・キャリー/CEOが主張した「今年夏から開幕になったしても年間15-18戦のレース数を開催」にも納得がいきそうだ。

しかし元々は年間22戦が当初のスケジュール。
これだけグランプリ数が減少となると総額1億ドルもの減収になるということで、この上放映権収入まで失うことになるとそのダメージは計り知れないものになる。
F1としては連続開催などハードスケジュールになったとしても年間最低15戦のラインは死守したいところだ。

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フェルナンド・アロンソ、舌禍が自らの道閉ざす

Fernando Alonso (C)McLaren Group
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2018年シーズンを最後にステアリングを置いたフェルナンド・アロンソ(38歳:スペイン)だが、本人はまだこれがF1引退であることは認めておらず、機会があれば再びF1のフィールドに戻る意欲を捨てていない。

しかし「レースに勝てるマシン」であることを必須とするアロンソにとって市場は決して開放的でない。
すでにメルセデス、フェラーリそしてレッドブルら3強はロアンソの加入を明確に否定。
その他の中堅チームからもウェルカムの雰囲気は伝えられていない。

これについて1989年から1994年までベネトン等でF1参戦したフィンランドのJJレート氏は、フィンランドのタブロイド紙『イルタレヒティ』にその背景を次のように語った。

「彼を迎え入れようとするチームがない理由は明確だ。
不振だった2015年からの3年間、彼は終始ホンダに対し不満を口にしていたからね。
しかもその態度は自分の雇用主に対して非礼きわまるものだった。
あれを目にしたら、どのチームだつて彼を迎え入れようとはしないだろう。
もしも自分たちも同じ目に遭ったらたまらないとみんな思うからね。
アロンソは自分の雇い主に噛みつき、自ら将来の道を壊してしまったんだよ」と、手厳しい意見。

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2020/03/24

F1会長、2020年は「夏から開幕で全15戦以上の開催希望」


Chase Carey/CEO (C)Liberty Media Group
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3月23日、F1のチェイス・キャリー/CEOが、混乱続く2020年シーズンのF1について、「夏から開幕し、最低でも全15戦以上行いたい」との見解を示した。

同日、暫定的に今年の開幕戦と目された第8戦のアゼルバイジャンGPも延期になるなど日を追って延期になるグランプリが相次いでいる現状、リーダーの見解も悲観的なものとなった。
現行のカレンダーにおける「夏」がどの辺りを指すのか明確でないが、7月5日のオーストリアGPとした場合でもさらにカナダ、フランスの2グランプリ。
もっと遅れて8月のハンガリーGPとした場合には加えてオーストリアとイギリスの2グランプリがなくなることになる。

その場合、年内の残り4か月ほどで15グランプリ以上を消化するというのはかなり困難なことに思える。

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マクラーレン、フェラーリのサインツ獲得の動きを警戒

>Carlos Sainz (C)McLaren Group
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昨シーズン、カルロス・サインツ&ランド・ノリスというフレッシュな若手コンビの活躍により前年の6位から4位にまでランキングを上げたマクラーレン・チームだが、フェラーリ・チームによるサインツ獲得の動きがあることに警戒感を持っていることがわかった。

これは1990年代にミカ・ハッキネンのチームメイトとして同チームで走った英国人のマーティン・ブランドル氏(60歳)で、母国のタブロイド紙『デイリー・エキスプレス』に次のように語ったもの。

「彼には間違いなく才能がある。
それはマクラーレンが彼についての評価を測りかねていた時、すでに私は確信していたものだ。
彼はテクニックだけでなく(ラリーの)世界チャンピオンだった彼の父親のように勝利へのスピリットを持っているんだ。
将来間違いなく彼は大物になる。
ただ、今はまだ跳ね馬チームに移ることなくマクラーレンで走ったほうがいいんだ」と、現在F1コメンテーターを務めるプランドル氏。

その背景には、2020年末でフェラーリとの契約が満了するセバスチャン・ベッテルとサインツが入れ替えになるという噂があるからだ。

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新たな開幕戦のアゼルバイジャンGPも開催延期に

Image (C)Pirelli Motorsport
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開幕7戦の中止ないし延期を受けて新たな開幕戦となっていたアゼルバイジャンGP(6月7日)だが、主催者であるバクー市街地サーキットからの申し入れを受けてこれまた延期になることが明らかとなった。

同サーキットによれば、今回の決定は純粋に当地の保健機関によって提供された専門家の意見を元に決定したものという。
今後アゼルバイジャン政府とFIA(国際自動車連盟)そしてF1と連携して新たな代替の開催日を模索するとしている。

なおこれにより今度は第9戦のカナダGP(6月14日)が新しい開幕戦となるが、こちらもすでに開催に及び腰になっているとも伝えられていて、新型コロナウイルスによるF1の混乱は拡大するばかりだ。

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またも再燃するメルセデスのワークス活動撤退説

Mercedes 3 Pointed_Star (C)Mercedes Motorsport
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一時大きな話題となったメルセデスAMGチームによる2021年限りでの・ワークス活動終了説が、ここに来て再び陽の目を見ているようだ。

これはワークス活動を終えたチャンピオン・チームをプライベート・チームとしてアストンマーティン・チームに変更して継続。
資金的な面は現在レーシング・ポイントのオーナーであるカナダの富豪であるローレンス・ストロール氏が担い、チームの運営面は現メルセデスのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターが引き受けるというもの。

ただその後この噂はメルセデスの活動継続宣言やストロール氏のレーシング・ポイントのアストンマーティンへの名称変更発表により立ち消えとなっていた。

しかし今回新型コロナウイルス騒動を受けて行われたFIA(国際自動車連盟)やF1、そして全チームによるビデオ会議に渦中のトト・ウォルフ氏(メルセデス)とストロール氏(レーシング・ポイント)が二人とも欠席したことが発覚、これにより当初の噂が再燃しているもの。

すでにF1で大きな成功を収めたメルセデスにとって、ウイルス騒動がダイムラー本社の経営をも揺るがす騒動になっていることから方針を変更することは十分に考えられる。

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2020/03/23

新開幕戦となったアゼルバイジャンGPも開催断念の方向

Image (C)Pirelli Motorsport
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2021年のF1は新型コロナウイルスの影響によりすでに開幕からの7戦が中止ないし延期となっていて、現在は当初のカレンダーで第8戦になっていたアゼルバイジャンGP(6月7日決勝)が新たな開幕戦ということになっている。

しかしヨーロッパ地域では新型ウイルスがさらに猛威を振るっていて、これも実のところ危うくなってきたようだ。
すでに同グランプリの主催者は、「これだけ各国で健康問題が表面化している今、われわれが予定通りにレースを強行する意味がみつからない」と語り、早くもサジを投げかねない様相だ。

レースはキャンセルでなくシーズン後半での延期開催を希望しているとのことだ。
なおその場合、次の第9戦は6月14日のカナダGPということになる。

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マクラーレン、2021年に予定通りメルセデス・エンジンへ

McLaren 『MCL35』 (C)McLaren Group
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2021年のF1レギュレーション変更に合わせ、これまでのルノー製パワーユニットから4年の長期契約でメルセデス製パワーユニットへ変更することを発表していたマクラーレン・チームだが、改めてこれを予定通りに実行すること明らかにした。

これは今猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、FIA(国際自動車連盟)とF1がチーム側の同意のもと規則の変更を翌2022年まで先送りとし、2021年は現行の規則に基づいた仕様のマシンを継続させることを決めたため問題が表面化していたもの。
というのもこれで同チームだけが2021年の1シーズンだけのためにエンジン変更を強いられることになったからだ。

しかし今回の声明で、マクラーレン・チームは当初の計画通りにエンジン・スイッチを行うことがわかったもの。
大変な作業にはなるが、メルセデス・エンジンは2014年に現在の規則になって以来、すべてのシーズンでタイトルを獲得してきた目下最強のパワーユニットだ。

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ハミルトン(メルセデス)、ウイルス濃厚接触で自主隔離

F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)が、新型コロナウイルス感染騒動で自主隔離を行っていることを明らかにした。

それによればカナダのトルドー首相の夫人であるソフィーさんが出席した政府の催しに、ハミルトンも出席していたためとのこと。
ソフィーさんら複数の出席者が新型コロナウイルスの検査で陽性反応だったことで世界的に話題を呼んだ催しだ。

ハミルトン自身は無症状で体調にもなんら問題はないということだが、念のため自主隔離したもので、健康状態には自信があるとしている。

「検査が必要なら医者に連絡を取るけれいまのところ必要ない。
検査可能な量は限られているというから、僕よりもそれを必要としているたくさんの人々が優先されるべき」と、ハミルトンは大人の対応をみせている。

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サウジアラビアの新規グランプリ計画にも暗雲

Saudi Aramco
サウジアラビアの国営石油会社である『サウジ・アラムコ』がF1と大規模なスポンサー契約を結んだことで実現が確実視とみられた同国が計画するサウジアラビアGPの新規開催だが、いま猛威を振るっている新型コロナウイルスによるグランプリの開催延期がここにも影響を及ぼしそうだ。

サウジアラビアでは首都リヤドの郊外に最新のF1規格『グレードA』をクリアする専用サーキットを建設し、早ければ2023年にも『サウジアラビアGP』の開催計画を明らかにしていた。
これはサーキットだけでなく大規模なスポーツ、アミューズメント、エンターテイメント複合施設の一部で国家を挙げての巨大プロジェクトの一環。
しかし新型コロナウイルスの感染は中東にも拡大しているうえ、石油輸出国機構の減産協定破談で先物原油価格が暴落していて、国自体がF1どころではない、との声も聞かれているとのこと。
さらにF1を運営するリバティ・メディアも新規参入のグランプリより現在のカレンダーの消化で手一杯の状況に追い込まれている。

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2020/03/22

2021年の規則変更先送りで『スーパー・シーズン』の導入も

Imasge (C)Pirelli Motorsport
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新型コロナウイルスの影響で開幕が大幅に遅れた2020年シーズンのF1では、既報の通り2021年からの導入が予定されていたレギュレーション改定を翌2022年まで1年先送りにすることを全チーム同意で決定した。
ところがこの止むを得ず導入した施策がF1に新しい可能性を産むことになるかも知れない。

というのも、この開催スケジュールの大幅遅れを逆手にとって、冬のオフシーズンをなくして年を跨いで行ういわゆる『スーパー・シーズン』が議論に挙がってきたからだ。
モータースポーツではすでに『フォーミュラE』や『WEC(世界耐久選手権)』で導入されているもの。
これであればウイルス騒動が収まるまで時間的な猶予が得られる期待が持てそうだ。

これまで導入に障害とされていたのは2021年からのレギュレーション変更で2020年と同じマシンが使えないことだったが、今やその懸念はなくなった。

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フェルスタッペン(レッドブル)、『バーチャルGP』に参加せず

F1 Esports Virtual Grand Prix
開幕が大幅に遅れることになった2020年シーズンをカバーすべく、F1が打ち出した仮想ビデオゲーム『F1・Eスポーツ・バーチャル・グランプリ』について、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは参加の意思がないことを地元オランダのケーブルテレビ局『ジッゴ・スポーツ』で示唆した。

その中でフェルスタッペンは、「僕は参加するつものはないよ。
そもそもその『F1 2019』というゲームに精通していないし、やるならきちんと理解しておかなくてはいけないけれど、今から勉強する予定もないな。
そんな時間があったら本物の準備に廻したいくらいだよ」と語った。

チーム関係者によれば、「フェルスタッペンは何でも負けるのが嫌いなので、やるならとことん傾注してしまうからだろうね」と、その背景を推察した。
このアイデアには実際のF1ドライバーよりも、むしろコンピュータゲームの猛者たちのほうが対決に関心を持っているようだ。

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F1チーム、技術力で新型コロナウイルス対策に尽力

Wind Tunnel (C)RedBull Racing
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新型コロナウイルス騒動によりF1は大きな影響を受けているが、ただ座しているだけでなく、その技術力でウイルスに対抗すべく積極的に動き始めていることが明らかとなった。

これはイギリス政府の呼び掛けによるものということで、英国内にファクトリーを置く各F1チームに加え、エンジン・サプライヤー、さらに専門テクノロジー関連のサポート企業により共同体を設立、新型コロナウイルス患者に対する呼吸器装置を主とした医療機器の緊急開発・製造を行うものとのこと。

F1チームにとって医療の分野は専門外ではあるが、元々空気流の処理技術には長けているうえ、医療の専門家であるロンドン大学病院の研究医らも共同体に加わっているということだ。

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2020/03/21

F1、「カレンダー変更にチームの了解必要なし」の見解

Image (C)Pirelli Motorsport
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2020年のF1は、新型コロナウイルス騒動の影響により開催スケジュールの大幅な変更を余儀なくされているが、その上て「年間カレンダーの変更にチーム側の了解は必要ない」との独自見解が示された。

これはF1の最高責任者であるチェイス・キャリー/CEOがが明らかにしたもの。
それによればキャリー氏はFIAのジャン・トッド会長、そしてモータースポーツ部門を担当するロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターらと行った電話会議の席で、「再編成されたF1カレンダーについてはチーム側の正式な了解を経ることなく決定できる」との方針を示して同意を得たという。

というのも現在の状況はF1にとって危機的なもので、新型コロナウイルス騒動が収まった後のカレンダー再編成はタイムリーに行われなければならず、柔軟性が必要なためであるとした。
その裏には再編成には主催者との緊密な協力が不可欠で、チーム側の事情まで考慮していては合意に時間が掛かってしまうことを懸念したようだ。
ただこれについて蚊帳の外に置かれた形のチーム側の反応はまだ明らかでない。

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2021年の規則変更先送りでマクラーレンに想定外の負担も

McLaren 『MCL35』 (C)McLaren Group
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新型コロナウイルス問題による開催の遅れで、F1は2021年シーズンに予定されていた大幅なレギュレーション変更の導入を翌2022年からと1年先送りにすることを決定した。
これによりF1チームの経済的負担をかなり軽減できるとの見通しだ。

ところがこれがマクラーレン・チームに思わぬ負担を強いることとなったようだ。
というのも、同チームは現在のルノー製パワーユニット搭載を2020年限りで終了、2021年からは4年契約でメルセデス製パワーユニットを搭載することになっていたからだ。

本来なら2021年に向け新レギュレーションとメルセデス製パワーユニット搭載に合わせたマシンを開発するところを、2021年まで現行のマシンを走らせるとするとわずか1シーズンのためにエンジン変更という大幅な改造を強いられるからだ。

またこれは逆にホンダF1にとっては朗報(?)と言えるかも知れない。
ホンダのレッドブルとの供給契約は2021年までになっているが、本来であれば新レギュレーションのマシンをこの1シーズンのために開発しなければならない筈だったが、1年先送りで2020年マシンの継続使用が可能になったからだ。

とはいえ何が起きてもおかしくないこのF1という世界ではまだ誰も安穏としてはいられない。

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F1ドライバーによる『バーチャルGPレース』開催へ

F1 Esports Virtual Grand Prix
新型コロナウイルスの影響で開幕7戦すべてがなくなったことを受け、F1は仮想ビデオゲームである『F1・Eスポーツ・バーチャル・グランプリ』を行うことを明らかにした。

これはコードマスターズが開発したPC版のコンピュータ・ゲーム『F1 2019』を使用したもので、最初の一戦はバーレーンGPが行われる筈だった3月22日(日)GMT午後8時にスタート。
現実のF1ドライバーによってリモートで競われ、レース距離は本番の半分に短縮される。
ただし本物のチャンピオンシップ・ポイントは与えられないとのこと!!

開発したコードマスターズのフランク・サニエ/CEOは、「新しい『F1・Eスポーツ・バーチャル・グランプリ』にわれわれが参加できることに興奮している。
オンラインでエキサイティングなラインナップを集め、空いた席を埋めることができるのは素晴らしいことだ。
必ずやコンペティティブでエキサイティングな、F1関係者やむファン全員にとって非常に楽しいものになることだろう」と、語っている。

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伝統のモナコGP中止決定のきっかけ

2018 Monaco GP Scene (C)Mercedes Motorsports
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FIA(国際自動車連盟)が延期を発表したわずか数時間後に延期でなく今年のイベントの中止を発表したモナコGPの決断は、F1関係者を驚かせることとなった。

モナコGPを主催するACM(オートモビル・クラブ・ド・モナコ)では、前日まで例年通りの開催に向け市街地特設コースの準備に取り掛かっていることをアピールしていたのだ。
にも関わらず、FIAによる再度のカレンダー調整を待たずに中止を決断した背景には、王室や政権中枢の新型コロナウイルス感染もあったようだ。

数日前には国務大臣のセルジュ・テル氏が陽性であることが明らかに。
さらに19日には国王のアルベール2世が陽性反応を示したことで衝撃が走った。
知られたように、同国王の父はレーニエ3世、母はハリウッド女優のグレース・ケリーさん。
モナコGPの表彰式には欠かせない、国民に親しまれた存在となっている。

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2020/03/20

モナコGP、2020年のレースを延期でなく開催断念に

Montecarlo Street Circuit (C)Pirelli Motorsport 拡大します モナコGPを主催するACM(オートモビル・クラブ・ド・モナコ)は、FIA(国際自動車連盟)から延期の発表があった今年のモナコGPについて、延期ではなく開催そのものを断念したことを明らかにした。

 

それによればFIAが示した今年後半での延期開催は、見通しの効かない情勢の不確実性がありF1チーム側の事情も考慮した結果、実現の可能性が低いことからむ中止を選択したとのこと。
19650年の黎明期に一度開催、その後1955年からはこれまで一度も欠けることなくF1グランプリの顔として連続開催を続けて来たモナコGPとしては痛恨の判断となった。

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2021年からのレギュレーション変更を1年先送りに

F1 2021 Car (C)FIA
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FIA(国際自動車連盟)とF1は、2021年に予定していたF1の大幅なレギュレーション変更について、1年先送りして2022年から導入することを正式決定した。
これは19日(木)行われたビデオ会議で決まったもの。

変更には全チームの同意が必要とされていて、これまではフェラーリ・チームのみが反対の意向をみせていたが、新型コロナウイルス騒動の影響で2020年のレーススケジュールが大幅に遅れる見込みとなったうえに経済的なマイナスも大きくなったことから延期の結論に達したという。

2021年末までの参戦をコミットするに留めていたホンダにとってはある意味救いのニュースかも知れない。

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F1、開幕7戦のすべて延期を決定

Image (C)Pirelli Motorsport
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F1は世界に蔓延する新型コロナウイルスによる影響について各チームとも競技した結果、すでに開催が延期とされた開幕戦オーストラリアGP、第2戦バーレーンGP、第3戦ベトナムGP、そして第4戦の中国GPに加え、さらに第5戦のオランダGP、第6戦のスペインGP、そして第7戦のモナコGPまでの3戦も開催延期とした。

声明の中で今回延期が発表された3つのレースはシーズン後半への日程調整を進めているとしている。
これにより現状でシーズン開幕戦と目されるのは6月7日決勝の第8戦アゼルバイジャンGPとなった。

またF1はすでに8月に予定されていた恒例の夏休みを3-4月に前倒しし、期間も3週間に延長する措置を採っている。

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新型コロナウイルス騒動、2021年の規則変更に影響も

F1 2021 Car (C)FIA
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現在2020年のグランプリ開催に大きな混乱を与えている新型コロナウイルス騒動が、2021年に予定されるF1の大幅なレギュレーション変更にまで影響を与えることになるのが必至の様相になってきた。
とりわけカレンダーが12月まで食い込むことになると、当然のことながら2021年新型車の開発に支障の出ることが懸念される。

F1関係者の多くがこれを認めていて、新レギュレーションの導入はいったん翌2022年まで延期し、2021年は現在のルールのままでいくことが検討され始めているとのこと。
ただこれには全チームの合意が必要となるが、しかしここでもある『紅いチーム』からは難色が示されていて全チーム一致という条件が見通せない状況であるという。

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2020/03/19

FIA、2020年の夏休み日程変更を正式発表

FIA
18日(水)、FIA(国際自動車連盟)はF1カレンダーに設けられた夏休みの日程変更を正式発表した。
当初のスケジュールでは7-8月に14日間が夏休みとして設けられていたが、これを3-4月に移動し期間も21日間へと拡大される。
この間は各チームともファクトリーは閉鎖され一切の作業はできないことになる。

これによりすでに延期が決まったグランプリなどを7-8月の間にできるだけ消化したい考えとみられ、今後のカレンダー調整に注目が集まる。

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最終戦の先送りでF1カレンダー調整も難航か

Abu Dhabi GP (C)Pirelli Motorsport
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F1は開幕からすでに4戦がなくなったうえ、今後のウイルス騒動次第ではさらに複数のヨーロッパ地域グランプリが開催見送りになる可能性が高くなっている。
そのためFIA(国際自動車連盟)やF1では8月に設けられた夏休みを返上する方針で調整しているものとされるが、それだけでは到底追い付かないことは明白。

そこで浮上してきたのが最終戦のアブダビGP(11月29日決勝)を12月中旬あたりまで遅らせ、空いた部分に延期となったレースを複数組み入れようという案。
ただこれにはアブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)自身の同意が必要不可欠となる。
アブダビGP自身には移動する理由はまったくなく、また最終戦ということで巨額の積み増し開催料を負担しているものとみられることから、その説得には難航が予想されている。

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F1チーム、今日(19日)にビデ会議でスケジュール検討

Image (C)Scuderia Toro Rosso
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F1は、新型コロナウイルスの影響で混乱する2020年の開催スケジュールについて、19日(木)に異例のビデオ会議を開催、検討することがドイツ・メディアの報道でわかった。
F1スケジュールはWMSC(世界モータースポーツ評議会)を経て毎年1月1日まてに決定することになっていて、シーズンに入ってから複数グランプリに渡って変更するのは極めて異例。

現在のところでは開幕戦オーストラリアGPがキャンセル、第2戦バーレーンGP、第3戦ベトナムGPそして第4戦の中国GPまでの3戦はいずれもすでに延期とされている。
しかし第5戦オランダGP、第6戦スペインGP、さらに第7戦のモナコGPまでも開催が危ぶまれていて、早くても6月のアゼルバイジャンGPが開幕になるとの見方も。

これを受けF1は夏休みの返上などスケジュールの大幅な再変更を詰めたい意向だが、レギュレーションにより変更には全10チームの同意が必要となることもあり、前途は多難だ。

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ルノー首脳、「ベッテル(フェラーリ)獲得は最優先じゃない」

Sebastian Vettel (C)Redbull Racing
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フェラーリ・チームではルクレールが長期契約を確定させたのに対し、ベッテルのほうは離脱説が収まっていない。
もしベッテルを失った場合、同チームでは現ルノー・チームのダニエル・リカルド(30歳:オーストラリア)の獲得を考えているとの見方が有力になっている。

これについてルノー側は公式なコメントをしていないが、同チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクターは、リカルドの後任にベッテルを獲得するという案には懐疑的な見方を示した。

「もちろんタイトルを獲得したベッテルは偉大なドライバーだ。
それは面白い案であるとは思うが、しかしわれわれの最優先という訳ではない。
われわれのポリシーは「過去のドライバー」よりも「未来のドライバー」と働くというものだから。
偉大なベテランよりもむしろ有能な若手ドライバーを発掘するほうに力を注ぎたいね」

レッドブル時代にはルノーと密接な関係を持っていたベッテルではある。

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2020/03/18

F1チーム、3月29日(日)までファクトリー閉鎖で合意か

Redbull Factory (C)RedBull Racing
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全F1チームが3月29日(日)までファクトリー閉鎖で合意したということだ。
これはドイツの専門誌『アウト・ビルド・モータースポルト』が報じたもの。

現在各チームは、オーストラリアでマクラーレンやピレリタイヤのスタッフに新型コロナウイルス感染者が出たことにより、全員が自主的に14日間の自宅待機を行っているが、その後のことは決まっていなかった。
そのためメルセデスやレッドブルらはファクトリーでの作業を再開する方針であったが、フェラーリやアルファタウリなどイタリアのチームは移動禁止令により実質活動ができないことから不公平な情勢になる懸念が示されていたもの。
今回合意が成立すれば、全チームとも一線に並んで3月30日(月)に活動再開ということになる。

なお今シーズンの開幕は現在のところ第5戦のオランダGP(5月3日決勝)となっているが、ヨーロッパでもウイルスの感染は拡大していて正確な見通しは立っていない。

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ベッテル(フェラーリ)、中団グループへの移籍に否定的

Ferrari Duo (C)Ferrari S.p.A
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2021年、マクラーレン・チーム移籍の可能性が報じられたセバスチャン・ベッテル(32歳:ドイツ)だが、これについて本人は否定な姿勢をみせた。
チーム内でルクレールの台頭が表面化したことにより、ベッテルの元チャンピオンとしての立場が微妙になっていてメルセデスないしレッドブルへの移籍が噂になったものの難航。
新たに今度はマクラーレン・チームへの移籍が話題になったもの。

しかしこのところのマクラーレンは不振から抜け出せず、優勝するような希望が見出せないでいる状況。
これについてベッテルは、「僕にとってお金は重要なものではないけれど、自分が楽しむことのできるだけの戦闘力は必要だ」として、現在のマクラーレンの戦力に満足していないことを示唆した。

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ボタス(メルセデス)、「開幕戦でDAS使うつもりだった」

Mercedes 『W11』 (C)Mercedes Motorsports
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シーズン前テストで合法なのか議論を呼んだメルセデスAMGチームの新開発システム『DAS』(デュアル・アクシス・ステアリング・システム)について、同チームのバルテリ・ボタスは使うつもりだったことを明らかにした。

「僕は当然のこと、『DASシステム』を使うつもりだったよ。
少しでもそれでアドバンテージが得られるなら、それは使うべきだと思うからね。
それが合法なのかどうかはドライバーが心配することじゃない。
レギュレーションに違反とかいう問題はチームが考えることだよ」と、涼しい顔のボタス。

一方レッドブルなどライバル・チームでは、もしメルセデスがこのシステムをオーストラリアGPで実際に投入した場合、レーススチュワードに正式抗議をする構えだったということだ。

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2020/03/17

ベッテル(フェラーリ)に2021年マクラーレン移籍の噂

Sebastian Vettel (C)BMW Sauber F1
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現在のフェラーリ・チームとの契約が2020年末で満了するセバスチャン・ベッテル(31歳:ドイツ)たが、契約更新したという話は伝えられていない。
チームメイトでまだ2年目の若手ルクレールが2024年までの長期契約延長を早くも終えたのに比べると、チームがベッテルの今シーズンの戦闘力を推し量っているとのメディアの見方も納得できそうだ。

しかし通算4度の栄冠に輝く元チャンピオンにとって実質ナンバー2のこれは屈辱なもので、当然のことチーム離脱の噂が立った。
当初有力とされたのはハミルトン(メルセデス)とのシート交換というものだったが、ハミルトンは結局メルセデスに残留とみられ、噂は立ち消えになったようだ。

そこで今回浮上したのがベッテルのマクラーレン移籍というもの。
マクラーレン・チームのザイドル現代表とは同じドイツ人で、かつてBMW時代(2007年)に共に仕事をした間柄で信憑性はある。
ただマクラーレンは現在のサインツ&ノリスというコンビに100%満足しているということでドライバー変更に問題がない訳ではない。

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まだ続くF1スタッフの新型コロナウイルス感染者

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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F1開幕戦オーストラリアGPはマクラーレン・チームのスタッフ一人の新型コロナウイルス陽性反応から始まった騒動がキャンセルへの動きに繋がったが、他にも陽性反応が出ていたことがわかった。

新たに伝えられたのはF1にタイヤを独占供給するピレリタイヤのメンバーで、発覚したのはグランプリのキャンセルが決まった後ということだ。
ピレリのスポークスマンによればこのメンバーはすでに地元保健当局の指示に従って隔離されており、第三者へのさらなる濃厚接触者の心配はないという。

一方、同じく隔離されたマクラーレン・チームのメンバーのほうはすでに症状が回復したとして、世界から寄せられた支援と励ましに感謝の意を表明。
あらためてメンバーの安全を最優先する同チームの姿勢を説明した。
また15名ものスタッフが隔離されたことで撤収作業に支障が出たものの、他チームから作業の協力があったことを明かした。

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新たな遺恨? キャリー/CEO、ハミルトンの発言に不快感

Lewis Hamilton (C)Mercedes Motorsports
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F1の代表者であるチェイス・キャリー氏が、オーストラリアGP開催を巡って行われたルイス・ハミルトン(メルセデス)の発言に強い不快感をみせている。

これは開幕戦オーストラリアGPのためメルボルンに到着していたハミルトンが、「こんな状況の中で、なんで自分たちがここにいるのかわからない」と、新型コロナウイルス感染への懸念を広言したもの。
さらにこのF1王者は、「それでもレースが強行されようとしているのはお金の力が偉大だから?」と、言外にF1の姿勢を批判したことによる。

結果的にオーストラリアGPの開催はキャンセルされたが、その後行われた記者会見でキャリー氏はハミルトンの発言を挙げ、「われわれがお金で動いているならこんな決定(中止)をする筈もない。
情勢は日々動いており、到着という判断も中止という決断もそれぞれその時点で正しいものだった」と、判断の正当性を強調した。

そのハミルトンやベッテル(フェラーリ)らは中止の決定前にもうチケットを手配するなどメルボルンを離れる動きをみせていたとしても話題を呼んでいる。

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2020/03/16

フェラーリ・チーム、マラネロのファクトリーを封鎖

Ferrari Factory Image (C)Ferrari S.p.A
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イタリア北部のマラネロに本拠を置くフェラーリ・チームは、少なくとも今月一杯はファクトリーにおけるすべての作業を停止、スタッフには自宅で作業ないし待機をするように命じたという。

これはヨーロッパでも急速に拡大をみせている新型コロナウイルス感染に対応したもの。
政府はコロナ対策としてすべての移動を禁じているため実質的に工場封鎖となっているためだ。
これはF1スタッフだけでなく、全体で4000人以上と言われる全従業員も同様で、同社のルイス・カミレッリ/CEOは「全社の危機」であると宣言している。

もし今後も国内全土での移動制限が続いた場合、フェラーリ・チームやアルファタウリらの参戦が実質不可能になることから、この意味でもF1再開が困難なことになるのは必至だ。

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F1、夏休み返上で開催数復活も

Image (C)Ex. Force India F1
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2020年のF1は新型コロナウイルス騒動の影響によりすでに開幕4戦が延期ないし中止に追い込まれていて、当初調整した年間22戦を目論見通りすべてこなすのは絶望的な状況となっている。

これを受けF1を担当するロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターは、「夏休み返上」という奇策も問題解決選択肢の一つにあることを示唆した。

今年のスケジュールでは8月2日のハンガリーGPを終えた後3週間のインターバルを置いて8月30日のベルギーGPで再開されることになっている。
そこでここに2日間日程の連続開催という形で何戦かを送り込もうというもの。
2戦程度は回復が見込まれそうだがこれですべてが解決する訳ではなく、またこれにも近隣の開催予定のグランプリへの影響やチーム側、さらに個別の開催地の承諾など待ち構える困難の数々は山のように連なっている。

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ピレリ、豪GP用F1新品タイヤ1800本を廃棄処分に

Pirelli Tyre (C)Pirelli Motorsport
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F1にタイヤを独占供給するピレリが、直前にキャンセルとなったオーストラリアGP用の新品タイヤ計1800本を廃棄処分することがわかった。

これは、すべて未使用のものだがすでに各チームのディスクホイールに組み込み済みのもの。
いまのところグランプリ開幕は早くても5月になってからとされていて、取り外せば多少なり損傷を受けるため再使用はできず廃棄にせざるを得ないということだ。

なお第2戦のバーレーン、第3戦の初開催ベトナムにもすでにタイヤは海上輸送で届いているが、こちらはまだディスクホイールに組み込んでいないため温存されるという。
相次ぐグランプリの開催中止は広範に渡る損失を生み出している。

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メルセデス本社が引導を渡したオーストラリアGP

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、今回急きょキャンセルとなったオーストラリアGPの開催を主張していた一人であることを隠していない。
そしてほぼ開催に向けて動いていたにも関わらず、あるチームの「裏切り」によって打ち砕かれたと打ち明けた。

これはフィンランドのテレビ局『MTV3』に語ったもの。
「グランプリウィークがスタートする前、われわれはほぼレースをする準備が整っていた。
FIA(国際自動車連盟)と同様に地元政府の保健当局もゴーサインを出していたし、マクラーレンのスタッフ一人に感染の例は出たものの、われわれが決断すればレースはできたんだ。
チーム代表による最初の投票では開催派と中止派が互角だった。
(訳注:開催派はメルセデス、レッドブル、アルファタウリ、レーシング・ポイントの4チーム、、中止派はフェラーリ、ルノー、アルファロメオ、そしてすでに撤退を表明したマクラーレンの4チーム、ハースとウィリアムズの2チームは棄権と伝えられている)
しかしその晩、ウォルフ(メルセデス)の所に本社から電話があってメルセデスは突然翻意。
同じパワーユニットのレーシング・ポイントと共に中止派に鞍替えったためレースのキャンセルが確定してしまった」

この裏にはシーズンの準備が万全と言われたレッドブルらに対し、フェラーリやルノーは開幕戦を迎えるのにまだ消極的な姿勢、加えてメルセデスは自動車メーカーとしてこの状況下での開催強行に慎重になったためとの見方をするパドック雀もいるようだ。

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2020/03/15

ザイドル代表(マクラーレン)、「スタッフの安全が最優先事項」

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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他チームがいち早く撤収を終える中、オーストラリアGPキャンセルのきっかけを作ったマクラーレン・チームでは検査で陽性と判定されたスタッフら15名のメンバーが観察のため隔離措置となりメルボルンに居残りを余儀なくされている。

そしてその後、同チーム代表であるアンドレアス・ザイドル氏も現地に残っていることがわかった。
ドイツの専門誌『アウト・ビルド』によればこれは『チーム連帯』のためなのだという。

「元よりわれわれは何よりもメンバーの安全を最優先にしている。
今回は急な出来事だったが、参戦辞退の判断を下すのに何の躊躇もなかった。
14名はまだ感染がクロと判定された訳ではなかったが、一人でも陽性者が出た以上、迷う余地はなかったよ」と、ザイドル氏。

かつて母国の自動車メーカーであるBMWやポルシェで幹部として豊富な経験を持つ同氏は、また今回自身の判断がオーナーによって100%支持されていたことも強調した。

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オーストラリアGP主催者、「延期開催を模索」

Albert Park Circuit (C)Williams F1
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これまで開催を断念したグランプリはいずれも「延期」としていたのに対し、オーストラリアGPだけは中止(キャンセル)と発表されている。
これについて「再開催はないのか」と聞かれたオーストラリアGPの主催者AGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)のアンドリュー・ウェスタコット/CEOは次のようにメディアに答えた。

「今回の決定はあまりに急な決定で時間がなかったため、便宜的に「キャンセル」という表現をしたものだった。
なぜなら現場や観客に混乱を与えてはいけないと考えたからだ。
それは概ね成功したと評価している。
しかしわれわれもこのままで良いとは思っていない。
今後FIA(国際自動車連盟)やF1と密に連絡を取り、日程の調整が可能であるならばなんとかオーストラリアGPも延期開催の道を探りたい」

「F1も絶対のものではなかった」と、自嘲するウェスタコット/CEOだが、再開催の可能性は著しく低いものとみられる。

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モナコGP、開催に向け積極姿勢みせる

Monaco GP Scene (C)Pirelli Motorsport
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3-4月予定の4戦がすべてキャンセルとなったF1は、現在のところ第5戦のオランダGPからのシーズン開幕を公表している。
しかし続くスペインGPやモナコGPはすでに新型コロナウイルスの感染者が拡大している地域で、予定通りの通常開催には疑問を投げ掛ける向きも多い。

そのモナコGPの主催者であるACM(オートモビル・クラブ・ド・モナコ)は次のように語り、開催への意欲を強調した。

「われわれはモナコGPが計画通り開催できるよう、いま問題となっている新型コロナウイルスの脅威に対し万全の対策を採っている。
F1、そしてFIA(国際自動車連盟)だけでなくモナコ政府や保健当局とも緊密に連絡を取り、体制を整えつつあるところだ。
ここ数日のうちには最初の構造物の設置が始まり、ドライバーやスタッフの健康を守り抜く予防措置が実施されることだろう。
その上で日々の状況を注視し、必要な情報や対応を更新していくつもりだ」

伝統のモナコGPは1955年から連続開催が続いている。

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2020/03/14

インディカーもWECもキャンセルが相次ぐ

佐藤 琢磨 (C)Indycar Media
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新型コロナウイルスの影響でF1は開幕4戦がすでにキャンセルとなったが、同様に他の世界選手権イベントでも中止が相次いでいる。

佐藤琢磨(ホンダ)が参戦するアメリカが主な舞台地のインディカー・シリーズは、今週予定されていたセントピータースバーグ戦を含め開幕の4戦をすべて中止にしたことを明らかにした。
また中嶋一貴、小林可夢偉らトヨタ・チームが参戦のWEC(世界耐久選手権)でも来週の第6戦セブリング戦の中止を発表している。

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マクラーレン・チーム、14名が観察のため隔離措置

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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マクラーレン・チームでは、オーストラリアGP出場辞退のきっかけとなった新型コロナウイルス陽性と判定されたスタッフ一人の他、14名のメンバーが観察のため隔離措置となりとりあえず宿泊のホテルに缶詰となった。

これは仕事がら、当該スタッフと濃厚な接触があったとしてウイルス感染の疑いを見極めるためのもの。
マクラーレンを含め全チームがすでにアルバートパークから撤収の作業に取り掛かっているが、この14名は虚しくオーストラリアの地に取り残される形となった。

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第2戦バーレーン&第3戦ベトナムGPも開催延期を決定

Redbull Zandvoort Demo (C)Redbull Racing
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F1は、開幕戦F1オーストラリアGPの中止に続き、第2戦バーレーンGPと第3戦ベトナムGPの延期を決定。先に発表された第4戦中国GPの延期と合わせて開幕から4戦の中止・延期が決まった。

これにより2020年シーズンの初戦はカレンダーで第5戦となっていたオランダGP(5月3日決勝)ということになるが、新型コロナウイルスの情勢次第ではまだ変動の可能性がある。

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2020年開幕戦、アゼルバイジャンGPの可能性も

Baku City (C)Pirelli Motorsport
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2020年のF1は予定通りの開催を目指していた開幕戦オーストラリアGPが新型コロナウイルスの影響で直前キャンセルになったことにより、一気に暗雲が立ちこめた状況に陥っている。

異例の無観客で行う方針を示していた第2戦バーレーンGPは開幕戦と2週連続開催ということもあり困難な情勢になりつつある。
また第3戦のベトナムGPもすでにキャンセルされた第4戦の中国GP同様、アジア地域ということで開催の気運は盛り上がっていない。
さらに、続くオランダGP、スペインGPそしてモナコGPらのヨーロッパ地域はいま急速に新型コロナウイルスによる感染者が拡大しているところで、5月までに収まるか見通しは立たない状況。

詰まるところ、6月の第8戦アゼルバイジャンGPあたりまで2020年のF1は行えないのではないか、との悲観的な見方がいま強まってきた。

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2020/03/13

走行準備していたのはレッドブルら3チームのみ

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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2020年のF1は、金曜日の朝になってキャンセルが決定されるという前代未聞の混乱でスタートした。

これは最終責任を持つFIA(国際自動車連盟)らの決定が遅れたためだが、まず自チームのスタッフに新型コロナウイルスの感染者が確認されたマクラーレン・チームは木曜日夜のうちに今回のレースからの撤退を表明。
またメルセデス、フェラーリ、そしてルノーのワークス3チームは元々レースの中止を主張していた。

金曜朝の時点で実際にメンバーがガレージに入って走行の準備に取り掛かっていたのはレッドブル・レーシングとアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)、そしてレーシング・ポイントのわずか3チーム。
中止の結論が出る前にすでに参加の意思を持っていなかったのはアルファロメオ、ハースF1そしてウィリアムズの3チームだったということになる。

なおF1は連続でバーレーンGP(無観客)の開催が予定されていて、こちらへの影響も考えられるがまだ発表はない。

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FIA(国際自動車連盟)、豪GPキャンセル声明

FIA

【FIA(国際自動車連盟)の声明】

「FIA(国際自動車連盟)とF1は、チームメンバーに新型コロナウイルス検査の陽性が確認されたマクラーレン・チームがオーストラリアGPからの撤退を表明した後、残りの各チーム代表9名によるチーム代表会議を招集し意見を求めた結果、今回のレースを開催すべきではないとの結論を得た。

これを受け両者はAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)の全面的な支援和受けてオーストラリアGPのすべてのF1活動をキャンセルするという決定を下した。
チケットの払い戻し等については近々発表が行われる見込み。

すべての当事者はオーストラリアGPに関わるAGPC、モータースポーツ・オーストラリア、スタッフ及びボランティアの多大な努力を考慮したが、F1ファミリー及び広いコミュニティと競争の公平性が優先される」

その他の詳細についてはまだ発表されていない。

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豪GP、キャンセル決定

FIA(国際自動車連盟)とオーストラリアGP主催者であるAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)は、13日(金)朝、新型コロナウイルス騒動の影響により正式にイベントのキャンセルを決めた。

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豪GP、正式発表ないまま混乱の朝迎える

マクラーレン・チーム撤退の後、オーストラリアGPは開催か否か結論が出ないまま金曜日フリー走行の朝を迎えた。
FIA(国際自動車連盟)は主催者であるAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)とF1、各チームの以降を踏まえて方針を出すとしたが、結論には至っていない模様。

そんな中、メルセデス、フェラーリ、マクラーレンそしてルノーを除く6チームは予定通りガレージに入り走行の準備をスタートさせたとのこと。
しかし英『BBC』によれば、ベッテル(フェラーリ)とライコネン(アルファロメオ)のいずれも元チャンピオンは参加を拒否し帰国の意向をみせたと伝えている。

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ハースF1チームのスタッフは全員が陰性と判明

ハースF1チームは新型コロナウイルスの感染が疑われていたスタッフ4名が、検査の結果全員が陰性だったことを明らかにした。

同様に検査を受けたマクラーレン・チームのスタッフは陽性だったことを受け、同チームは今回のオーストラリアGPの欠場を決めている。

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ルノーF1現場、大型タイトル・スポンサー獲得を歓迎

Renault 『RS20』 (C)Renault F1 Team
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ルノーF1チームの現場では今回サウジアラビアからの大型スポンサー『DPワールド』を獲得したことにより、「F1活動の大きなバックアップになる」として歓迎の意向を明らかにしている。

そう語るのは同チームのシリル・アビテブール/マネージング・ディレクター。
「今回の発表がルノーF1チームの活動にとって大きな後押しになるのは間違いない。
われわれの将来についてはすでに決まったこともあるが、まだ決まっていないことも多い。
お金だけでは解決できないこともあるしね。
事実、チームの母体であるルノーでは2021年のレギュレーション大幅改定以降のF1参戦について、まだ根本の姿勢を明らかにしていない。
しかしまだ予断を許さない状況であるにしても、これで未来に一筋の光明が差したとは言えるよ」と、笑顔をみせた。

ホンダも現在のところ2022年以降の参戦についてはまだコミットしていない。

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マクラーレン・チーム、オーストラリアGP欠場を発表

マクラーレン・チームはスタッフが新型コロナウイルスに感染したことが判明したことを受け、開幕戦オーストラリアGPを欠場することを正式発表した。

これは、すでにメルボルンに到着していたスタッフの一人に感染の疑いがあったため自己隔離した上で検査を受けたところ、12日(木)の夕方になって陽性であることが判明したもの。
開幕前夜の欠場決定というのは極めて珍しいケース。
なおハースF1チームの中にも感染が違われている者が複数確認されているとのこと。

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2020/03/12

初開催ベトナムGPも延期で合意との報

Vietnam GP
2020年のF1は、これまで開幕戦オーストラリアGPは予定通り、第2戦のバーレーンGPは無観客、そして第4戦の中国GPは延期が早々と決まっているが、ここに来て今年初開催で第3戦に予定されていたベトナムGPも延期やむなしとの報が入ってきた。
これはまだ公式発表はないものの、地元ハノイ市当局との間で合意、おそらくはこの週末に正式に通達される見通しであるという。

代替案として第5戦オランダGPの前週や、最終日アブダビGPの前週ないし当該週の開催など様々なアイデアが報じられているが、元々タイトなF1スケジュールの見直しは非現実的で極めて困難な状態となっている。

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豪GPのスチュワードにベテランのエマニュエル・ピロ氏

Emanuele Pirro (C)Audi Motorsport
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FIA(国際自動車連盟)は今週末行われる2020年開幕戦オーストラリアGPのドライバー出身枠レーススチュワード(競技審査委員)に、元ベネトン等のF1ドライバー、エマニュエル・ピロ氏(58歳:イタリア)を指名したことがわかった。
同氏のスチュワード就任は昨年のブラジルGP以来で自身通算32回目、引き続き全体の最多記録を更新した。

ピロ氏はスポーツカーレースで活躍、5回のルマン24時間レース優勝を記録したレジェンド。
F1では1989年オーストラリアGPの5位(ベネトン・フォード)が最高位。
昨年のカナダGPではベッテル(フェラーリ)の勝利をフイにするペナルティ裁定を下したことで一躍渦中の人となった経緯がある。

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オーストラリアGPの週末、土・日は雨の心配はなし

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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今週末行われる2020年F1開幕戦オーストラリアGPの舞台地であるアルバートパーク・サーキットのあるメルボルン地方の天候について、地元気象台はフリー走行の金曜日には一時雨の可能性があるものの、公式予選が行われる土曜日、決勝レースが行われる日曜日はいずれも晴れないし曇りで、雨が降る心配はないと予報している。

期 日 種 目 気 候 気 温 降水確率
3月13日(金) フリー走行 曇り一時雨 15- 25度 80%
3月14日(土) 公式予選 晴れ時々曇り 13- 16度 20%
3月15日(日) 決勝レース 晴れ時々曇り 11- 18度 10%

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2020/03/11

ルノー・チーム、新スポンサーとカラーリング発表

Renault 『RS20』 (C)Renault F1 Team
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開幕戦オーストラリアGPを前に、ルノー・チームが新スポンサーと2020年のカラーリングを当地・アルバートパークでお披露目した。

新しいスポンサーは中東ドバイに本拠を置く貿易会社の『DPワールド』で、チームのグローバル・ロジスティック・パートナーに就くだけでなく今シーズンのタイトル・スポンサーも務めることが明らかにされた。

また同時に2020年のカラーリングも発表されたが、シーズン前テストでのグレー基調の地味なものからは一新されたものの、これまで同様の黄色と黒のコーポレイテッドカラーとなっていて、ファンを焦らせた割には新鮮味に欠けたものとなった。

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豪GPのタイヤ選択、3強6人の判断微妙に分かれる

Australia GP Tyre (C)Pirelli Motorsport
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ピレリタイヤが明らかにした開幕戦オーストラリアGPのタイヤ選択では、3強6人の選択が微妙に分かれたことがわかった。

王者メルセデスAMGチームではハミルトン&ボタスの選択は同一で、ハード(C2)が1セット、ミディアム(C3)が2セット、そしてソフト(C4)が最多の10セットとなっている。
一方、フェラーリではソフト(C4)9セットは同じだがベッテルはハード(C2)ミディアム(C3)共に2セットずつ、これに対しルクレールはハード(C2)1セット、ミディアム(C3)3セットという選択。
レッドブルではフェルスタッペン&アルボン共にハード(C2)が1セット、ミディアム(C3)が3セット、そしてソフト(C4)を9セットずつとしている。
他チームの中ではペレス&ストロールのレーシング・ポイント勢だけがソフト(C4)を8セットずつに留めているのが目立つ。

オーストラリアGP決勝レースは3月15日(日)に予定されている。

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メルセデスら2チーム、車両規定違反の疑いでマシン修正へ

Mercedes 『W11』 (C)Mercedes Motorsports
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FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスAMGの新型車『W11』と同じくレーシング・ポイントの新型車『RP20』について、車両規定違反の疑いがあるとしていずれも修正を命じたことを明らかにした。

それによればこれらのマシンが採用したリヤブレーキの冷却装置について、F1レギュレーションで定めたダクトの位置・寸法を逸脱している疑いがあると判定されたとみられる。
これについては他チーム(レッドブルか)から指摘があったということで、開幕戦を前に緊急措置が取られた形。

なおレーシング・ポイントのマシンも同じ指摘を受けたことは、同マシンが『ピンク・メルセデス』と揶揄されたことを改めて裏付けてしまった形だ。

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サウジの国営石油会社、F1のスポンサーに

Saudi Aramco
F1は、サウジアラビアの国営石油会社である『サウジ・アラムコ』と大規模なスポンサー契約を結んだことを明らかにした。

これまで大量に二酸化炭素を放出してきた石油会社との契約は時代の趨勢に反するものとの見解もあるが、両者は将来に向け「地球に優しい燃料やエンジン効率の強化、そして新たなモビリティ技術の進展に向けた機会を創り出す」として、それぞれの持つ専門知識を共有していくとしている。
なお同社は今シーズンのスペイン、ハンガリー、そしてアメリカら三つのグランプリのタイトル・スポンサーに就くことが決まっている。

またサウジアラビアではこれとは別に首都リヤドの郊外に最新のF1規格『グレードA』をクリアする専用サーキットが建設されることになっていて、早ければ2023年にも『サウジアラビアGP』の開催実現が近づいたともみられている。

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2輪モトGPは『Wヘッダー案』も、F1は?

MoptoGP Scene (C)RedBull Racing
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世界的に拡大する新型コロナウイルス騒動に振り回されているのは4輪ばかりでなく2輪のF1と称されるモトGPでも同様だ。

2輪モトGPでは3月8日(日)予定の開幕戦『カタールGP』が中止に追い込まれたばかりでなく、第2戦だった『タイGP』もすでに10月に延期が決まっている。
さらにこれによって開幕戦となった第3戦の『アメリカGP』もF1と同じ開催地であるオースティンのテキサス州が『災害緊急事態』を宣言していて予断を許さない状況だ。

こうしたことを受け、2輪レースの元締めであるFIM(国際モーターサイクル連盟)のホルヘ・ビエガス会長は、新型コロナウイルスの影響がさらに拡大となった場合、週末に2レースを開催する『Wヘッダー案』の検討も示唆している。

さすがにイベントの開催規模が異なる4輪のF1では『Wヘッダー』は現実的でないが、責任者であるロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターの悩みは尽きないようだ。

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2020/03/10

セッテ・カマラ、レッドブル・グループのリザーブドライバーに

Sergio Sette Camara (C)RedBull Racing
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2020年のシーズン開幕を前に、レッドブルはブラジルの新鋭セルジオ・セッテ・カマラ(21歳)を同グループのリザーブ&テストドライバーに指名したことを明らかにした。

これまでウィリアムズやマクラーレン・チーム等でテストドライバーの経験を持つカマラだが、まだF1参戦に必要なスーパーライセンス発給資格には達していないため今季もF1傘下のF2シリーズに参戦する見込み。
またそれと同時にグランプリにも先輩セバスチャン・ブエミと同様できる限りチーム(レッドブル・レーシング&アルファタウリ)に帯同するとのことだ。

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日本の投資会社『バズ』、マクラーレン・チームのスポンサーに

Buzz Asset Management
マクラーレン・チームは、日本の投資会社である『バズ・アセット・マネージメント』とスポンサー契約を結んだことを明らかにした。

同社は元レーシングドライバーである長谷川大祐氏によって設立された会社で、これまでもF1トロ・ロッソやF2の松下信治、F3では名取鉄平らを支援するなどモータースポーツ活動に熱心な会社として知られる。

これにより2020年シーズンは同社のロゴがマクラーレン・ルノー『MCL35』のリヤウィング・エンドプレートに掲出されることになる。
また長谷川大祐氏自身もマクラーレン・チームのコンサルタントとして日本国内のパートナーシップ活動を担当するという。

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ティモ・グロック、「フェラーリの燃料違反疑惑は衆知のこと」

Ferrari Team (C)Ferrari S.p.A
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W新しいシーズンの開幕を前に、騒動となったフェラーリ・チームの燃料規定違反疑惑について、元トヨタ・チーム等で活躍したティモ・グロック氏(37歳:ドイツ)は「昨シーズン中から衆知の事実だった」と独メディアに語っている。

「フェラーリ・チームが燃料で不正な手段を講じているというのは昨年すでに問題になっていて、みんなが知っていたこと。
他チームからの指摘受け、FIA(国際自動車連盟)もこの調査に乗り出したが、その結果フェラーリは明らかに失速した。
ちょうどフェルスタッペン(レッドブル)が口にして騒動になった頃になる。
非常にセンシティブな問題であったため、FIAによる調査は難航し時間が掛かったんだろう。
ただ調査結果の公表がバルセロナ合同テストの最終日になったことでFIAが意図して大きなニュースになるのを避けた、というのもあながち穿った見方とは言えないかも知れない」と、元F1ドライバー。
その上で、「この問題のうまい着地点を見出すのは困難だろう」との見通しも明らかにした。

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2020/03/09

フェラーリ・チーム、オーストラリアGP参戦を明言

Ferrari Factory Image (C)Ferrari S.p.A
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急速に新型コロナウイルスの感染者が増加しているイタリアでは、新たにイタリア北部の多くに出入りを禁じる新たな規制(違反者には罰金)を敷いたが、この中にロンバルディア州などフェラーリの本拠地マラネロが含まれていて騒動となっている。
もし宣言通りに規制となると同チームのスタッフのオーストラリア遠征に支障が出るからだ。

しかしこれについて同チームのスポークスマンは「問題ない」と、強気な見解を示している。
「メルボルンにはすでに先着チームなど多くの人間が到着して準備を進めているが、残りの人間についても無事出国てきるよう働いている。
週末にはすべてのスタッフをメルボルンに連れていける筈だ」と、自信をみせている。

またF1のロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターも「すべてのチームが参加するのF1の根本」であるとして事態の打開に奔走しているとのことだ。
なお同じくイタリアを本拠とするアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)のほうは、幸い規制地域から外れている。

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ルクレール(フェラーリ)、「序列の話はすべて無視」

Charles Leclerc (C)Ferrari S.p.A
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6日間に渡って行われたシーズン前のバルセロナ合同テストで、昨年とは打って変わって精彩を欠いたタイムに留まったフェラーリ・チームだが、同チームメイトのシャルル・ルクレールは「チームの序列の話には一切耳を貸さない」と、断じた。

昨年はチームメイトであるベッテルと共に全体の1-3という好タイムでシーズン前テストを締め括ったが、実際にシーズンが始まると苦戦。
念願の初勝利を記録したのは第13戦ベルギーGPになってからだった。

ルクレールは「開幕前のテストで比べたって意味はない。
それは速くても遅くてもね、去年嫌というほど味わったことだもの。
テストはタイムを出すためにやっているんじゃないから、序列なんか気にならないよ。
大事なのはメルボルンのグリッドで僕らがどこにいるかだ。
序列の話を口にするのはその時にしよう」と、冷静。

しかしそのフェラーリにはこのところ「燃料規定違反疑惑問題」が沸騰していて、フェラーリ不振の一因と指摘する向きもある。

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新型コロナウイルス、第2戦バーレーンGPは「無観客」で

Bahrain Circuit (C)Pirelli Motorsport
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開催まで2週間を切った今季のF1第2戦バーレーンGPは、異例の「無観客」」で行うことを主催者が正式発表した。

これは中東でも拡大しつつある新型コロナウイルスの影響によるもの。
イランなどからの入国者により、バーレーンでもすでに83人の感染者を記録しているとのこと。
主催者であるBIC(バーレーン国際サーキット)はすでにチケット販売を制限するなど対応を模索してきたが、最終的に無観客を決断したもの。
「世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、一般市民に公開され、数多くの海外旅行者と地元の観客が接近して交流する国際的なスポーツイベントを催すことは適切な行為ではない」とした。

現在のところ開幕戦オーストラリアGPは予定通りとなっているが、第3戦のベトナムGPにもまだ懸念が囁かれている。

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2020/03/08

2021年以降のF1チーム年間予算は限度額184億円に

Image (C)Pirelli Motorsport
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FIA(国際自動車連盟)は2021年以降のF1年間予算の上限額、いわゆるバジェットキャップについて、年間21戦を基本として1億7500万ドル(役183億7500万円)を設定したことを明らかにした。
なお年間レース数が21戦より上下した場合には、1戦あたり100万ドル(約1億500万円)がそれぞれ加算または減算されることになる。

F1チームは年間を通じてFIAのCCA(コスト制限管理者)に報告し、12月31日以降に通年報告書を提出することが義務付けられた。

ただしこの上限額にはドライバーの給与、マーケティング費用、法務および財務費用、そしてFIAが認めた非F1活動等の費用は含まれないとした。

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2輪4輪問わず、イタリア・チームに広がる不確実性

Ferrari Factory Image (C)Ferrari S.p.A
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急速に新型コロナウイルスの感染者が増加しているイタリアでは、感染拡大の抑制に政府をはじめ躍起となっているが、この週末政府はイタリア北部の多くに出入りを禁じる新たな規制(違反者には罰金)を敷いたと伝えられる。

この地域にはフェラーリ・チームの拠点であるマラネロのあるモデナ、ピレリタイヤのミラノ、さらに2輪でもヤマハなど多くのチームが含まれるとのこと。
一方、アルファタウリ(旧トロ・ロッソ)のファエンツァやドゥカティのボローニャはこの規制地域に該当しないとも伝えられている。

F1では第4戦の中国GPの延期が決まっているが、2輪モトGPでも開幕戦のカタールは中止、さらに第2戦のタイも政府が大規模集会を禁止したことにより10月4日に延期されている。
現在のところF1開幕戦のオーストラリアGPは予定通りとされているが、イタリア政府の意向次第ではまだ予断を許さない情勢だ。

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フェラーリ問題、7チームの共同声明をWMSCは支持せず

Pitstop Scene (C)Ferrari S.p.A
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WMSC(世界モータースポーツ評議会)は、フェラーリ系チームを除く7チームが共同で出した声明を支持しない姿勢を明らかにした。
これは7チームが声明でFIAの行為について、「国際的なスポーツ統治団体であるFIAはガ゛ハナンスについて公正なものでなければならない」と指摘したことなどに反発したもののようだ。
これについてFIAは引き続き「和解の内容についてまで公開する義務はない」と主張していてね今後両者の関係はぎくしゃくしたものになりそうだ。

FIA(国際自動車連盟)の内部組織であるWMSCはモータースポーツに関する最高機関。
FIA会長が議長を務め、リバティ・メディアのチェイス・キャリー/CEOや各国のACN(モータースポーツ権能団体)代表ら27名で構成されている。

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WMSC、18インチ径タイヤの2021年導入を正式確認

Pirelli 18inch Tyre (C)Pirelli Motorsport
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このほどパリで行われたWMSC(世界モータースポーツ評議会)で、F1では初となる『18インチ径タイヤ』の2021年シーズン導入が正式に確認された。
これまでF1では13インチ径のホイールに固執してきたが、市販車でも大口径のホイールが主流となっている今、やっとF1もこれに追い付いた形だ。

なおフィオラノ・サーキットで予定されていたフェラーリ・チームによる今月の18インチ径タイヤのテストは新型コロナウイルスの影響で中止となっている。
シーズン最終戦のアブダビGP終了後の当地合同テストでは各チーム揃って行う方針となっている。

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2020/03/07

オーストラリアGP、イタリアからの入国に安全審査

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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世界的な新型コロナウイルス拡大の中、開幕戦が行われるオーストラリアでは感染者拡大が伝えられる中国、韓国、そしてイランからの旅行者について出国から2週間以上経過していない場合にオーストラリアへの入国を禁止している。
一方、F1スタッフが多いことで懸念されるイタリアからの関係者入国に対しては、厳格なスクリーニング(ふるい分け)を行ったうえで許可する方針を明らかにした。
ただフェラーリやアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)らF1チームはイタリアに本拠地があることから入国の保証を求めている。

新型コロナウイルス問題についてFIA(国際自動車連盟)は『FIAクライシスセル』を新たに設置して2日おきに検討会議を開催、開催の可否も含めて対応しているが、F1のロス・ブラウン/モータースポーツ・ディレクターは「完全に懸念を取り除くことはできないが、必要以上にリスクを取る必要はない」と、ウイルスに負けない積極姿勢を続けている。

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FIA、ヘルメット・カラーリングの回数制限撤廃

Max Verstappen (C)Redbull Racing
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FIA(国際自動車連盟)は、WMSC(世界モータースポーツ評議会)の承認を経てF1ドライバーのヘルメットに対する現行のカラーリング変更の回数制限を今シーズンから撤廃することを明らかにした。

現在F1レギュレーションでは、シーズン中「実質的に同じ色合いのヘルメット」をドライバーに課していて、変更は年1回だけとしているが、これについてはドライバーから反発の声がくすぶっていたもの。
元々この規定は観客からマシン識別の視認に役立てようとする狙いとするものだったが、ドライバーやチームによればプロモーション活動にも支障が生じていたとのこと。
これによりシーズン中に移籍した場合などでもカラーリングの変更が許されることになる。

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フェラーリ問題で7チーム側が説明再要求

FIA
FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスなど7チームから求められたフェラーリ・チームとの合意内容の開示について合意に至った経緯について説明を行ったが、チーム側はこれに納得せず再度明確にすることを要求した。
要求したのはフェラーリ自身とフェラーリ製パワーユニットを搭載するハースとアルファロメオを除いた、メルセデス、レッドブル、マクラーレン、ルノー、アルファタウリ、レーシング・ポイント、そしてウィリアムズの7チーム。

FIAは2月28日(金)にフェラーリとの間で和解したことを発表、和解の一環としてフェラーリはFIAによる『二酸化炭素排出量と持続可能な燃料の研究開発』を支援するとした。
しかし、具体的な合意内容についてはフェラーリとFIAの間で保持するとして明確にしない不明瞭なものだった。
そのため前述の7チームは、両者が交わした合意について再度内容を明らかにするよう要求する共同声明を発表したもの。

2020年シーズン開幕までわずか1週間というこの時点で、FIAは新型コロナウイルス問題にも匹敵する難題を抱えた形だ。

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「F1の未来は電気自動車も」と、ハミルトン(メルセデス)

Lewis Hamilton (C)Mercedes Motorsports
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現役最多となる6回のF1タイトル獲得に輝くルイス・ハミルトン(メルセデス)だが、F1がいつまでも現在の形で続くことは考えられないと指摘した。

「地球規模のエネルギー消費を考えた場合、F1を含むモータースポーツの世界が現在のような形で続いていくとは考えられないな。
僕が経験している分だけでも、F1の燃料消費量はハイブリッドで以前の約3分の2になっていて、この傾向が止まることはないだろう。
いや、エンジン(内燃機関)がF1の動力であり続けることだって保証はない。
いつの日か、F1も電気自動車になることも覚悟しておかなくっちゃいけないと思うよ」と、チャンピオン。

ただハミルトンは「まあ、その時まで僕は走っていないだろうけどね」と付け加えた。

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2020/03/06

バーレーンGP、新型ウイルス対策に観客制限も辞さず

Bahrain Circuit (C)Pirelli Motorsport
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F1第2戦のバーレーンGPは、現在のところ予定通りの開催が見込まれているが、いまなお世界的に収束をみせない新型コロナウイルスへの対策に躍起だ。

主催者は「安全なイベント」を主眼に、すでにFIA(国際自動車連盟)やリバティ・メディア、それに政府の保健当局らと緊密な連絡を取り、サーキット内に専用の医療施設や衛生設備を設けると共に観客への啓蒙を強化、さらには観客どうしの密接な接近を避けるためチケット販売の制限にまで対策を施しているとのこと。
これらは運営上、資金的負担が大きいものだが、主催者であるBIC(バーレーン国際サーキット)はとにかく「安全な開催が最優先」であると強調している。

バーレーンGPは3月22日(日)に決勝レースが行われる。

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ピレリ、ザンドフールト用タイヤの投入を断念

Zandvoolt Bank
今シーズン、実に35年ぶりに復活するオランダGPだが、開催地となるザンドフールト・サーキットが最終コーナーにバンク角を設けたことにより、ピレリタイヤではより高負荷に耐えられる専用タイヤの投入を示唆していた。

しかしここに来て同陣営のマリオ・イゾーラ/ヘッド・オブ・カーレーシングは、「特別名タイヤは必要ない」として、通常のスペックのものでオランダGPにも対応する方針を明らかにした。
詳細についてピレリは明らかにしていないが、おそらく通常よりも設定空気圧を高くすることで臨むものとみられる。

なおコース改修が終わったザンドフールトは、地元の英雄であるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が試験走行をすでに行ってOKサインを出している。
オランダGP決勝レースは5月3日(日)だ。

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FIA、フェラーリ問題についてチーム側に説明

FIA
FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスなど7チームから求められたフェラーリ・チームとの合意内容の開示について、合意に至った経緯について説明を行った。

それによればFIAは、フェラーリ製パワーユニットの合法性に疑問を抱いたが決定的な結果が得られる確信が持てなかったため、問題を正式に表面化する代わりに合意を結ぶことを決めたという。
FIAは完全には納得しなかったものの、その背景には問題が複雑であること、違反の明確な証拠を発見する難しさなどからこれ以上追及しても決定的な解決策は得られないと判断したとしている。
しかし求められた合意内容について具体的な開示はなかったとされる。

なお声明を発表したのはフェラーリ自身とフェラーリ製パワーユニットを搭載するハースとアルファロメオを除く、メルセデス、レッドブル、マクラーレン、ルノー、アルファタウリ、レーシング・ポイント、そしてウィリアムズの7チーム。

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ハースF1チーム、今シーズン限りでのF1撤退も選択肢

Haas 『VF-20』(C)Haas F1 Team
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今年F1参戦5年目を迎えるハースF1チームだが、2021年シーズンの参戦についてまだ結論を出していない。
2021年からF1はレギュレーションなど大幅な変化が予定されていて、これに伴い新しいコンコルド協定が結ばれることになっているが、同チームはまだこれにサインしていないとのこと。

同チームのオーナーで、アメリカの成功した実業家でもあるジーン・ハース氏は、「これまでF1をやってきて、ほんとうに苛酷なスポーツであると実感している。
それにとてつもない資金が掛かることにも呆れた。
それでも上位チームとの差は縮まることがなく、後方で続けるのは実につらいものだ。
今年、どのようなスタートが切れるかということで、われわれは自分の将来を判断することになるだろう」と、語る。

この4年間を通じハースF1は2018年のランキング5位が最上位。
昨年は10チーム中9位の最低成績に留まった。

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2020/03/05

フェルスタッペン(レッドブル)、ファンの過熱を懸念

Max Verstappen Fans (C)Redbull Racing
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デビュー当時から熱烈なファンを擁するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、タイトル争いも狙える昨今の状況で今年は地元オランダGPを迎えることになり、、ファンの応援もさらに過熱する勢いだ。
しかしこれについて当のフェルスタッペンは当惑ぶりを隠していない。

「もちろんファンの応援には感謝している。
スタンドからの声援は、ドライバーの背中をさらに押してくれるからね。
でもオランダGPにはちょっぴり心配しているんだ。
地元では応援がさらに過熱することだろう。
それは(かつてチームメイトだった)リカルドのオーストラリアGPを見ていたからわかる。
ホームグランプリということで彼には凄いプレッシャーが掛かっていたからね。
メルボルンは毎回大変なことになっていて彼には同情するばかりだった。
でも僕自身は同じ状況にはなりくたないんだ。
素晴らしい週末を期待するけれど、理解もして欲しいと思っている」

そのフェルスタッペンはザンドフールトで話題のバンク・コーナーをいち早く体験したということだ。

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ロス・ブラウン氏、「全チーム揃わなければGP開催できない」

Ros Brawn (C)Brawn GP F1 Team
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F1を管理するモータースポーツ・ディレクターのポジションにあるロス・ブラウン氏は、様々な憶測が飛んでいる開幕戦オーストラリアGPの開催について、「全チームが揃わなければ開催はできない」との見解を示した。

いまのところオーストラリアGPは予定通りに開催される見通しとなっているが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、スタッフや機材のイタリアからの入国に対して制限を設けることや、経由地に対しても制限を掛ける可能性も囁かれている。
その場合、フェラーリやアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)などイタリアに本拠を置くチームの開幕戦参戦に支障の出る可能性が予想される。

これについてかつて自身もチーム代表であったブラウン氏は、「すべてのチームが揃わないのであれば、開催することはできない。
なぜなら、不公平な状態で戦うのであればそれはもう世界選手権とは言えないからだ。
チーム自身が参加をとりやめるのであればともかく、外部からの事情が原因ではそれは容認できない」と述べている。

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FIAによるフェラーリとの合意で7チームが共同声明

FIA
かねて疑惑が掛けられていたフェラーリ・チームによる燃料規定違反疑惑問題について、FIA(国際自動車連盟)が不明瞭な和解をしたことに他チームから不満と失望の声が高まっている。
中には『フェラーリへの特別扱い』だとする反発から、今回の評決に対して次のステップを検討中であるとしていたが、結果7チームが共同声明を発表する事態となった。

声明を発表したのはフェラーリ自身とフェラーリ製パワーユニットを搭載するハースとアルファロメオを除く、メルセデス、レッドブル、マクラーレン、ルノー、アルファタウリ、レーシング・ポイント、そしてウィリアムズの7チーム。
声明では公開されなかった合意内容の開示を求めているが、いまのところFIAは対応を明確にしていない。

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メルセデス首脳、「騒ぐほど『DAS』にアドバンテージない」

Mercedes 『W11』 (C)Mercedes Motorsports
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メルセデスAMGチームがバルセロナ合同テストで登場させた『DASシステム』(デュアル・アクシス・ステアリング・システム)について、同チームでは「騒動になるほどメリッドはない」と、説明している。

同チームのトト・ウォルフ/エクゼクティブ・ディレクターは、「そんなにDASにアドバンテージはないよ。
言われているような1周で何秒も速くなる筈がない。
だからなんでそんなに騒がれているのかわからないな」と、騒動の火消しに躍起。

しかしドライバーであるバルテリ・ボタスは、「間違いなくメリットはあるよ。
でなければわざわざこんな複雑な装置を採用する意味はない。
たとえその効果がわずかなものだとしても、F1はそうした極限で戦っているものなんだから……」と、システムの意義を認めている。

DASがどれほどの効果を生み出すものなのかは、シーズンが始まれば自ずと証明されることだろう。

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2020/03/04

フェラーリ新型車不振なら来季に戦術変更も

Ferrari 『SF1000』 (C)Ferrari S.p.A
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シーズン前テストを終え、新型車『SF1000』の戦闘力不足が指摘されたフェラーリ・チーム、表向きは否定するものの事実であれば戦術変更の可能性もあることを首脳陣が示唆している。

これは同チームを率いるマッティア・ビノット代表が明らかにしたもので、次のように語ったとのことだ。
「残念ながらテストではわれわれが期待したレベルにはなかったのが事実だ。
しかしもちろん開幕まで全力を挙げて対応しているところでもあるし、シーズンに入ってからも改良は続けられる。
ただ状況によってはいつまでも今年のマシンに関わってばかりもいられない事情もある。
大幅にルールが変わる2021年にはまったく新しいマシンを用意しなければならないからだ。
そのため必要であれば戦術を変更することもない訳ではない」

今年のフェラーリ製パワーユニットはライバルほどのパワーが出ていないとみられ、その原因が疑惑を呼んだ燃料システムの変更にあると指摘する向きもある。

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オーストラリアGP、主催者は「予定通り」を明言

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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幕開けまで2週間を切ったオーストラリアGPについて、主催者であるAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)のアンドリュー・ウェスタコット/CEO(最高経営責任者)は「予定通りのスケジュールでの開催」を明言した。

ただオーストラリア政府は過去14日間に新型コロナウイルス感染者の多い中国、イランからの『旅行者』について設けていた入国制限の国にイタリアとカタールを追加。
いまのところF1スタッフについては制限がないとされているものの、イタリアを本拠地とするアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)ではグランプリでの活動に支障がないことを求めているとのこと、これについて主催者は「F1スタッフについて渡航制限等はない」としているという。

F1はさらにその1週間後、初開催のベトナムGPとなっているが、こちらもいまのところ延期等の言及はない。

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フェラーリとの不明瞭和解で他チームからFIAに不満の声

FIA
FIA(国際自動車連盟)が、フェラーリ・チームに掛けられていた燃料規定違反疑惑問題について不明瞭な和解をしたことで、他チームからは不満と失望の声が高まっている。

これは、同チームがレギュレーションで定められている燃料流量制限を回避する抜け穴を発見し、規定を潜り抜けてパワーを得ているとの疑惑が表面化していたもの。
しかしFIAのテクニカル部門はこの疑惑について詳細を明らかにしいまま和解で合意した。

ある関係者は、「フェラーリのものがレギュレーションに合法であるならばそう明確にすればいい。不明朗な表現で収束させたこと自体が怪しい」と、疑惑の目を向けている。
他チームからは、また『フェラーリへの特別扱い』だとする反撥が起きており、今回の評決に対して次のステップを検討中であるとした。

昨シーズン、このシステムを使ったフェラーリは通算3勝を記録している。

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2020/03/03

ベッテル(フェラーリ)、「ライコネンの歳までは走ってない」

Sebastian Vettel (C)Ferrari S.p.A
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現在32歳になるフェラーリ・チームのセバスチャン・ベッテルだが、「いつまでF1で走るのか」というメディアからの質問に対し、次のように答えて話題を呼んでいる。

これはドイツの専門誌『スポルト・ビルド』に語ったもの。
その中でベッテルは、「いまF1で最高齢は2018年までチームメイトだったライコネンの40歳だけど、僕はそこまで走っていないと思うな。
先のことは誰にもわからないし、まだあと8年もあるものね。
走ってるイメージが湧かないよ。
もしも自分自身で限界だと感じたら、その時点でステアリングホイールを置くよ」と、回答。

跳ね馬チーム不動のエースと目されたベッテルだが、昨年は新しいチームメイトであるシャルル・ルクレールの活躍の陰に隠れた形。
ちなみに2021年以降の同チームとの契約はまだ結ばれていない。

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オーストラリアGP、2週間切っても開催に言及なく

Albert Park Circuit (C)Pirelli Motorsport
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2週間に渡ったシーズン前テストも終了し、いよいよ第1戦オーストラリアGPの開幕を待つばかりのF1だが、2週間を切った今の段階でも開催が不透明な状況が続いたままだ。

同グランプリの主催者であるAGPC(オーストラリア・グランプリ株式会社)のアンドリュー・ウェスタコット/CEO(最高経営責任者)は「予定通りの開催」を重ねて主張しているものの、FIA(国際自動車連盟)からは開催についての言及はないままだからだ。

これを受けてオーストラリア政府のグレッグ・ハント保健相は「オーストラリアに新型コロナウイルス問題はない。
通常通り、グランプリに行き、サッカーを感染し、中華レストランに行くべき」と、安全を強調。

しかし感染者が増加しているイタリアからの入国に葉制限が掛けられているとして、イタリアを本拠とするフェラーリ(マラネロ)やアルファタウリ(ファエンツァ)らのチームからは懸念の声が挙がっている。

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メルセデスAMG、「DASシステムの投入時期は未定」

Mercedes 『W11』 (C)Mercedes Motorsports
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バルセロナ・サーキットで行われたシーズン前テスト2日目、メルセデスAMGチームがその存在を明らかにしてパドックを驚かせたいわゆる『DASシステム』(デュアル・アクシス・ステアリング・システム)だが、これを開幕戦から投入するかどうかはまだ確定していないということだ。

これはコーナリングの際中、ドライバーがステアリングホイールを前後にスライドすることによりフロントタイヤのトー角を変化させることを可能とし、マシンのコーナリングを安定させアドバンテージが得られるとするシステム。

レギュレーションの不備を巧みに突いたとされ、同チームでは現状違法ではないということを事前にFIA(国際自動車連盟)に確認したということだが、それでも他チームからは疑問の声が挙がっているもの。
そうしたことも含め、メルセデスAMGチームでは投入時期の判断をまだ決めかねているようだ。

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2020/03/02

F.トスト代表(アルファタウリ)、「豪の入国制限」を懸念

Franz Tost (C)Scuderia Toro Rosso
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新型コロナウイルスによる影響はF1でも例外ではないが、スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は開幕戦オーストラリアGPについて、新たな懸念を明らかにした。

それによれば、オーストラリアGPではいまのところ新型コロナウイルスによる影響や制限はないものの、今後同国保健省ないし地元メルボルンのビクトリア州政府らが何らかの指針を設けることも予想される。

トスト代表が心配するのはイタリアからの入国に対し制限が設けられるのではないかというもの。
元々イタリアに本拠を置くアルファタウリはファエンツァにファクトリーがあり、当地からオーストラリアに移動するスタッフも多いためだ。
なおこれについてはフェラーリも同様の事情となっている。

同代表は一部チームが不公平にならないよう何らかの救済措置をFIA(国際自動車連盟)に求めているというが、今のところ有効な見通しは立っていない。

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『アルファタウリ・ホンダ』がベスト・カラーリングに

Alfatauri Honda 『AT01』 (C)Scuderia Alfa Tauri
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アルファタウリ・ホンダの『AT01』が今年のマシンのベスト・カラーリング・カーに選出されたことがわかった。
これは『F1.com』がファン投票で行ったもの。

同マシンはこれまでの紺色をベースとしたカラーからホワイトをベースとした明るいものに一新。
チーム名にもなったレッドブルが展開する新ファッション・゛フランドであるアルファタウリ等のロゴがモノトーンで統一されて掲出されているのが特徴。
その中で『HONDA HYBRID』のロゴだけが赤色で描かれていて、ある意味旧ホンダF1のイメージも採り入れられたものにもなっている。

このカラーリングは投票全体の約4割を占める圧勝ぶり。
ちなみに2位は約1割の支持を得たマクラーレン・ルノー『MCL35』だった。

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ピレリタイヤのパフォーマンスに不満の声も

Test Scene (C)RedBull Racing
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計6日間に渡るバルセロナ・サーキットでのシーズン前テストを終えたF1だが、今シーズン用のピレリタイヤにドライバーらは必ずしも満足している状況ではないようだ。

昨年末行われたアブダビ合同テストでドライバーから不満の声が聞かれたことにより、ピレリは用意した2020年仕様のタイヤの採用を断念、実績がある2019年仕様のものを継続使用することを決めた。
ただコーナリング速度の上昇や新規開催ザンドフールトのバンクコーナー等を考慮してタイヤの空気圧をこれまでより高く設定するなどしている。

しかしこれについて例えばハミルトン(メルセデス)は、「去年のスペックが良かったとはいえ、ただそれの空気圧を上げるというのは策がないように思う。
タイヤは膨らんでいて、実際縁石を越える時などマシンは弾むし、コントロールしにくく感じる。
何かもっと適当な対策があるんじゃないか」と、疑問を投げ掛けている。

なお現行の13インチ径F1タイヤは今シーズンで終了、2021年からはF1でも18インチの大口径タイヤの採用が決まっている。

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2020/03/01

セルジオ・ペレス、「ピンク・メルセデス」の指摘に開き直り

Racing Point Mercedes 『RP20』(C)Racing Point F1
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シーズン前テストで好調なタイムを記録したレーシング・ポイントの新型車『RP20』には、メルセデス『W10』に酷似したルックスにより他陣営から『ピンク・メルセデス』などと揶揄されていて、チームではこれを否定するのに躍起となっているが、同チームのセルジオ・ペレスは意に介さないところをみせている。

「みんなが何と言おうと僕は気にしないね。
何も違法なことをしている訳じゃナシ、ピンクのメルセデス?上等じゃないか。
『W10』は去年のチャンピオンカーなんだ。
それと同じだと言うなら、それは褒め言葉だと受け取るのが妥当なところだろう。
チームが懸命な努力でマシンの戦闘力を上げて来たのは知っているし、そんな陰口は全然気にしてないよ。
ただ大事なのはグランプリ本番だからね」

昨シーズンはコンストラクターズ・ランキング7位だったレーシング・ポイントだが今年は潤沢な資金も得て、台風の目になるかも知れない。

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F1、リバティ・メディアになって初黒字計上

Liberty Media F1
2019年のF1は約1700万ドル(約18億円)の黒字になったことが伝えられた。
これは2017年に現在のリバティ・メディア体制になって以来、初の黒字ということになる。
2017年は3700万ドル(約40億円)、また2018年も63800万ドル(約73億円)の赤字だった。

それによれば収益の約3割を占めるグランプリ開催権料は減少したものの、これを上廻るテレビの放映権料が増加したことが大きな理由だという。
日本GPで言えば、開む催権料は鈴鹿サーキットのモビリティランド、放映権料はフジテレビということになる。

収益にはもうひとつF1自身が持つスポンサーけいやくがあり、最近では『ドバイ・エクスポ』などがこれにあたる。
ただリバティ・メディアの担当者によればグローバル活動であるF1においては為替レートによる数字の変動も大きいと釈明している。

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クレア・ウィリアムズ副代表、「昨年の轍は踏まない」

Williams Mercedes 『FW43』 (C)Williams F1
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昨年のテストでは初日にマシンの準備が間に合わずに欠場を余儀なくされるという躓きをみせたウィリアムズ・チームだったが、今年のシーズン前テストは順調な走行で締め括った。

ベストタイムも昨年の最終日トップと1周で1.9秒も大きく引き離されていたものを今年はトップのボタス(メルセデス)からわずか0.675秒という差まで詰めている。
最終日ステアリングを握ったジョージ・ラッセルも、「去年のスペインGP予選では1分19秒を切ることができなかったのに、今日のベストタイムは1分16秒台だもの、大違いさ。
今年はきっといいレースができるよ」と、自信ありげ。

これについて同チームの創始者令嬢でもあるクレア・ウィリアムズ副代表も次のように手応えを語っている。
「新しいシーズンはまだ始まったばかりですが、間違いなく昨年よりも良い感触を得ています。
今年はこのまま順調に開幕戦が迎えられることを願っています。
昨年の轍は踏みませんよ」と、前向き。
今年のウィリアムズ・チームはひと味違うようだが、それだけにここに来て懸念されるメルセデス製パワーユニットの信頼性が気掛かりなところだろう。

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