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2019/09/09

ホンダ系チーム、決勝レースコメント(9/08)

Alexander Albon (C)Honda Racing
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難しい一戦となったイタリアGPでは、Aston Martin Red Bull Racingの2台がポイントを獲得することができましたが、一方でRed Bull Toro Rosso Hondaにとっては不運なレースとなりました。

予選の結果、アレクサンダー・アルボンは8番グリッド、そしてダニール・クビアトは12番グリッドから決勝をスタート。
スペック4のPUへの交換により、グリッド降格ペナルティーを受けたマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーは、グリッド後方からのスタートとなりました。
オープニングラップの1コーナーで、フロントウイングにダメージを負ったフェルスタッペンは、パーツ交換のために緊急ピットイン。
そしてレース序盤の混乱は、Honda PU搭載マシンの4台のうち3台のレース展開に影響を及ぼしました。

レズモコーナーで、アルボンはカルロス・サインツ選手と6番手をかけた接近戦を繰り広げました。
サインツ選手はコーナー出口でアルボンをワイドに追いやったため、アルボンはポジションを9番手に落としてコースへ復帰。
その際のショートカットが原因で5秒加算ペナルティーを受けたアルボンでしたが、そのあと26周目でピットインをしてから追い上げをみせ、このレースを6位で終えることができました。

クビアトとガスリーは、ポイント獲得を賭けた争いを繰り広げましたが、不運にもそのあとガスリーはコースアウトに巻き込まれてしまいました。
アスカリシケインでセバスチャン・ベッテル選手と接触があったランス・ストロール選手は、ガスリーの直前でコース上に復帰。
そのためグラベルに追いやられてしまったガスリーでしたが、いくつかポジションを落としながらも壁への激突を免れました。

バーチャルセーフティカーにより、28周目に同時にピットインしたマクラーレンとToro Rossoでしたが、そのあとクビアトのマシン後方からスモークが発生し、リタイアを余儀なくされました。
オイル漏れの箇所など、詳しい原因はToro Rossoのエンジニアたちとともに詳しく解明していく予定です。

ガスリーは10番手のランド・ノリス選手をとらえることができず、惜しくもポイント獲得には至りませんでしたが、11位までポジションを上げる追い上げをみせました。

19番グリッドスタートのフェルスタッペンは、レース序盤に起きたアクシデントにより、Toro Rossoの2台がピットインする前に2回目のピットインを余技なくされましたが、8位まで追い上げて4ポイントを獲得し、今大会を締めくくることができました。

【マックス・フェルスタッペン(レッドブル)】(8位)

「オープニングラップの1コーナーでのブレーキングで全員が減速したため、セルジオ(・ペレス)選手のリアタイヤと接触し、フロントウイングにダメージを負ってしまいました。
すぐにピットインして新しいウイングに付け替え、前にマシンがいない状態で、いいペースで走ることができました。
そのあと何台かオーバーテイクをしたのですが、不運なことにピットインした直後にバーチャルセーフティカーが導入されてしまいました。
そのため、オーバーテイクした3、4台のマシンの背後につくことになりました。
再びオーバーテイクすることはできましたが、タイヤに厳しい状況となり、ペレス選手の後ろで再び詰まってしまう状況になってしまいました。
彼はストレートでとても速かったため、なかなか追い抜くことができませんでした。
PUのペース面では前進がみられましたが、まだ改善できることがあると感じています。
1周目の1コーナーで起きたことを考えると、8位でレースを終えることができたのは悪い結果ではないですし、後方からスタートするとこういったことが起きてしまいがちではあると思います。
ここ2戦のレースでは難しい状況が続きましたが、やっと通常のレースウイークに戻れますし、もっとトップに近いところでレースができるのではと思っています」

【アレクサンダー・アルボン(レッドブル)】(6位)

「レースは予定していた通りとはなりませんでしたが、いくつかポジティブな部分もありました。
チームにとって簡単なサーキットではなかったうえに、予選では不運に見舞われた週末でした。
レースではスタートがうまくいかず、後方から追い上げなければいけない序盤になりました。
残念ながらストレートでオーバーテイクできるほどのスピードはなかったので、コーナーでバトルを仕掛けなければなりませんでした。
なので、サイドバイサイドの接近戦が多く、グリップを失うことにつながってしまったようでした。
そのあと、コースオフをしたことにより、5秒ペナルティーを受けることとなりました。
しかし、レースペースが改善され、(前戦の)スパから大きく前進できたように感じているので満足しています。
次戦のシンガポールは、さらに多くのダウンフォースが必要で、多くのコーナーがあるサーキットなので、よりよいレースができることを期待しています。
もっと自分のポテンシャルを発揮できる自信があるので、次戦以降にも期待したいです」

【ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)】(リタイヤ)

「今日は僕たちにとってすばらしい一戦となるはずでした。
僕がリタイアとなってしまったときに、Aston Martin Red Bull Racingと互角に戦えていたので、僕たちのチームもポイント獲得の可能性が見えていました。
しかし、いいパフォーマンスができているときでも、マシンにトラブルが発生してしまえば、あきらめなければならないのがモータースポーツというものです。
周りのマシンと同じようなラップタイムで走行できていたうえに、新しいタイヤを装着していたので、トップ10に入れる自信が十分にありました。
ポイント獲得に至らなかったのはとても残念ですが、ここ最近日曜の決勝では力強さをみせることができていると思います。
なので、いい結果を目指し、次戦のシンガポールに向けて、気持ちを切り替え挑みたいと思います」

【ピエール・ガスリー(トロ・ロッソ)】(11位)

「17番手からのスタートでしたので、今日は難しいレースになると予想していましたが、今日はいろいろなことがあった一日でした。
スタートはうまくいき、最初の1周で13番手まで上がることができました。
展開はうまい具合に進んでいたのですが、ストロール選手がコースオフしてから戻ってきたタイミングが悪く、彼との接触を避けるためグラベルまで逃げなくてはならなくなり、2つポジションを下げてしまいました。
それが原因で、(ポイント獲得となる)9位からはわずか3秒の差で届かずレースを終えることとなりました。
理想的な結果とはなりませんでしたが、このレースウイークではいいパフォーマンスをみせることができましたし、グリッド後方からのスタートでもポイント獲得も可能なペースで走行することもできました。
次戦のシンガポールでは、ペナルティーのないクリーンなレースをして、最大のポテンシャルを発揮して戦える一戦となることを期待しています」

【田辺 豊治(テクニカルディレクター)】

「今日は不運な接触やペナルティーなどの影響もあり、Honda勢にとっては難しいレースになりました。
Aston Martin Red Bull Racingのアルボン選手は、序盤のサインツ選手との接触により、順位を落としたものの、6位まで順位を回復する粘り強いレースをみせてくれました。

今回のレースでは、PUの交換によるペナルティーで、フェルスタッペン選手とガスリー選手がグリッド後方からのスタートとなりました。
フェルスタッペン選手はスタート直後の接触により、フロントウイング交換のためのピットインを余儀なくされましたが、そこから力強い走りでポイント圏内まで順位を上げました。
ガスリー選手も序盤にオーバーテイクをみせてポジションアップを続けましたが、ストロール選手とのアクシデントにより、順位を落とし、ポイント圏外の11位フィニッシュとなりました。
クビアト選手については、オイル漏れが起因となるトラブルにより、残念ながらリタイアとなりました。
オイル漏れについては、これからチームと一緒に発生箇所の特定を急ぎます。

4台のスペック4のPUを使用した今週末は、多くのデータを得ることができました。
ここからシンガポールGPに向けて準備を進めます」

提供:本田技研工業(株)

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