ニキ・ラウダ氏、「安全なF1なんて……」
Niki Lauda (C)Ferrari S.p.A
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ドライバーの安全を確保するため、すでにF1マシンは頑健なコクピットの中に昔では考えられないほど埋もれるような姿勢を強いられているが、FIA(国際自動車連盟)は今週さらに頭部を守る『ハロー(頭部保護装置)』の導入に向け最終テストを行うことになっている。
しかしこうした動きについて、元3回のF1チャンピオンで、自身九死に一生を得る壮絶な大アクシデントに見舞われた経験を持つニキ・ラウダ氏(67歳:オーストリア)は「安全に守られすぎたF1は魅力を欠く」と、独自の見解を明らかにしている。
「いいかい、われわれが走っていた当時と比べれば、すでにマシンやコースの改良によってモーターレーシングは桁違いに安全なものになっているんだ。
私に言わせれば今日ほどこのF1が安全であったことはない。
もちろんドライバーの安全確保は大事なことだが、あまりにもそれを追求し過ぎると逆にF1の魅力を欠くものになってしまうよ。
はっきり言えば、このスポーツにおいては安全性と危険性とのバランスが肝心なんだ。
だから過度にリスクを排除して安全なものに走れば、F1からファンが次第に離れていく結果にもなりかねないね」と、警告した。
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