「雲間から差し込む希望の光」(ホンダ)
ジェンソン・バトン (C)Honda Motor Co Ltd.
November 1 2015 RACE
Formula 1 Gran Premio De México 2015
2015年11月1日(日)・決勝
会場:オートドロモ・エルマノス・ロドリゲス 全長:4.421km
本日のメキシコグランプリは、厳しい一日となりました。
ジェンソン・バトンは、レース終盤にカルロス・サインツJr.選手(Toro Rosso)を追い上げる走りを見せたものの、力不足のため、周りにいた他のチームのマシンに戦いを挑むことができず、14位でレースを終えました。一方、フェルナンド・アロンソは、MGU-Hの不具合によってレースを完走できる可能性がほとんどないことを知りながらもグリッドにつきましたが、やはり1周目でリタイアとなりました。
ホンダモータースポーツリリース
フェルナンド・アロンソ
MP4-30-01
スタート 18番手
レース結果 DNF ※MGU-H回転センサーの不具合のためリタイア
ファステストラップ -
ピットストップ -[プライムタイヤでスタート]
「今日はMGU-Hの回転スピードの問題を抱えていました。これは昨夜、見つけた不安材料でしたが、残念ながら今朝それが不具合であることが確認されました。部品交換をするほど十分な時間がなかったため、レースに出場するか欠場するかの2つの選択肢しかありませんでした。
我々は1つ目の選択肢を選び、メキシコのすばらしいファンの皆さんに敬意を表するために、できる限りのことをしました。グリッドについて、スタートを切り、その後に何が起こるのか私自身も見てみたかったのです。
結局、たった1周でレースを終えましたが、それでも楽しかったです。少なくとも我々はやってみたのです。何事もあきらめるよりは、やってみる方がいいのです。
遠征先での長い2週間が終わりましたが、私が獲得したポイントはゼロです。ただ、ここメキシコシティの観客の皆さんの姿を見て、とても報われる想いです。ここの皆さんは今シーズンの中で最も良い観客の一つですし、週末を通してすばらしかったです。
我々は今回のことは忘れて、今シーズンの残り2戦に備える必要があります」
ジェンソン・バトン
MP4-30-04
スタート 20番手
レース結果 14位
ファステストラップ 1分23.006秒 49周目(トップとの差 +2.485秒、15番手)
ピットストップ 2回:30周目(ピットストップ時間 3.46秒)および47周目(ピットストップ時間 3.29秒)[プライム→オプション→オプション]
「メキシコのファンの方々は自身に誇りに思うべきです。ファンの皆さんは週末を通してすばらしかったです。それとは対照的に、私は自分のレースについてポジティブに語れることがほとんどありません。
ストレートでは我々よりも他のマシンの方が遥かに速かったです。ただ、プラス面は、最終セクターでは中位陣のマシンよりも我々の方が速かったことです。ストレートでは彼らに追い抜かれましたが、最終コーナーで追いつきました。
標高の高い、ここのサーキットでは、我々は他のチームよりもパワーを失う量が多かったと思います」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「悲しいことに、今日はレースが始まる前から、フェルナンドが完走できる可能性はほどんとないと分かっていました。
問題は、彼のマシンのMGU-Hの中にある回転センサーが、昨夜、不安定な状態になったことです。そのため、午後のレースで多くの周回を重ねられる可能性はほとんどなかったのですが、それでもレースに出場したいというのがフェルナンドの強い要望でした。これは、フェルナンドが真のレーサーであるがゆえの想いであり、観客の皆さんの前で良い走りを見せたいという気持ちが強かったためです。
当然のことながら、我々はフェルナンドの想いを全面的にサポートしましたが、残念ながら、彼のレースはたった1周で終わってしまいました。
それに対して、ジェンソンが完走したことはポジティブな点でした。ただ、それほどポジティブではない点は、レース結果が14位だったことです。今週末に何度も言ってきたように、ここのサーキットは我々のマシンのパフォーマンスには適していないので、ここで入賞圏内を走る上位陣を苦しませることはできない状態でした。
それでも、今日は雲間から差し込む希望の光がありました。他チームのマシンがジェンソンを周回遅れにする中、サーキットの曲がりくねった部分では、ライバルチームの速いマシンの多くについて行くことができたとの報告がジェンソンからあり、データがそれを証明しています。我々は進化しつつありますし、改善するために今後も全力を尽くします。Hondaもその決意を100%共有しています。
最後に、ここメキシコシティですばらしいイベントを開催して下さった主催者の方々に敬意を表します。ここは、過去に褒め称えられた伝統的なコースを完ぺきに再現したサーキットであり、安全面および“見せる”ことを考慮した上でアップデートされています。今日、同サーキットはその名にふさわしい、すばらしいグランプリを開催しました。オートドロモ・エルマノス・ロドリゲスは、F1のカレンダーに追加された、まさにすばらしいサーキットです。今日、グランドスタンドをはじめ、観客席を埋め尽くした熱狂的な地元のファンの方々に対しては、こう申し上げます。『今日のレースでは、我々は観客の皆さんにスリルを味合わせることも興奮を与えることができず、申し訳なく思っていますが、来年はライバルチームに混ざってレースを展開することを誓います』」
新井康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「23年ぶりのメキシコGPはとても厳しい週末でした。本日、アロンソ選手のマシンをグリッドにつけてくれたチーム全員に感謝します。
アロンソ選手のマシンは、MGU-Hの回転センサーに不安がありましたが、ドライバーとチームで合意して判断した上で決勝レースに臨むことにしました。いつものように、スタートダッシュを決めたアロンソ選手はポジションを上げましたが、 直後にセンサーのフェイルに入ってしまったため、マシンをリタイアさせました。
今週末はバトン選手のマシンにトラブルが出てしまいましたが、わずかな走行時間を最大限に活用してくれました。その不足していた走行時間分を、アロンソ選手が堅実な走行でうめてくれたために、マシンのセットアップにつながり感謝しています。
2週間後のブラジルに向けて、センサー系のフェイルについて再度徹底的に分析を行い、万全に準備をして臨みたいと思います」
※レース結果ならびにポイントランキングは省略させて頂きました。
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