「今後につながる小さな足掛かり」 (ホンダ)
ジェンソン・バトン (C)Honda Motor Co Ltd.
May 23 2015
Formula 1 Grand Prix De Monaco 2015 (Monte Carlo)
2015年5月23日(土)・予選
会場:モンテカルロ市街地コース 全長:3.337km
両マシンが揃ってQ2に進出したものの、今日はMcLaren-Hondaチーム全体にとって残念な一日となりました。
ジェンソン・バトンは今年初めてのQ3進出を目前にしながらも、タイムアタックのラップを走行中にイエローフラッグが出たために、ラップタイムを伸ばすことがかないませんでした。そのイエローフラッグの影響で第1セクターでは0.5秒出遅れたものの、最終的なラップタイムはトップ10入りにわずか0.1秒及ばなかっただけであり、これはバトンが良いペースで走っていたことを示すものです。バトンの予選順位は12番手でした。
それに対して、フェルナンド・アロンソはマシントラブルのため、それまでに見せていた速い走りをQ2で披露することができませんでした。サン・デボーテの出口でマシンを止め、それ以降は予選への参加はかなわず。アロンソは予選15番手でしたが、バトンと同様、ロマン・グロージャン選手(Lotus)がペナルティを科せられたことによってグリッドが1つ繰り上がりました。
予選を11番手で終えたグロージャン選手がギアボックス交換のペナルティによって5グリッド降格となったために両ドライバーとも順位が1つ繰り上がり、その後、カルロス・サインツ・ジュニア選手(Toro Rosso)がマシンの重量チェックを怠ったペナルティとして明日の決勝をピットレーンからスタートすることになったため、さらにグリッドが1つ繰り上がる結果となりました。
明日のレースは10番手(バトン)および13番手(アロンソ)からスタートします。
ホンダモータースポーツリリース
コメント
ジェンソン・バトン
MP4-30-01
FP3 8番手 1分17.767秒(トップとの差 +1.624秒)28周
予選 Q1 8番手 1分17.492秒(オプションタイヤ)
Q2 12番手 1分17.093秒(オプションタイヤ)
Q3 -
「予選では常に“たられば”などと後からいろいろ思うことはありますが、今日はトップ10位以内に入るチャンスが十分にあったと思います。
Q2の最終ラップでは、1コーナーでイエローフラッグが出ていたので、かなりの時間をロスしてしまいました。その後ばん回し、自分のベストタイムからはわずか0.1秒遅いだけでしたが、トップ10入りを果たすには至りませんでした。Q3に進出していれば、同セッションでもかなり楽しむことができたでしょうし、他チームのマシン2、3台とポジション争いをしていたでしょう。
ただ、マシンにはとても良い感触がありました。まだ絶対的なペースはないものの、マシンに対しては自信を持っていますし、特にブレーキを踏み込む際にそう感じます。今日のパフォーマンスは我々が進化していることを示すものです。今週末、チームはすばらしい仕事を成し遂げてくれました。マシンが常に良くなっていることは喜ばしいことです。
これは今後につながる小さな足掛かりであり、明日はポイント獲得を目指します」
フェルナンド・アロンソ
MP4-30-03
FP3 14番手 1分18.197秒(トップとの差 +2.054秒)26周
予選 Q1 14番手 1分17.778秒(オプションタイヤ)
Q2 15番手 1分26.632秒(オプションタイヤ)
Q3 -
「Q2で私のマシンに何が起こったのかはよく分かりません。ストレートを走行中にマシンが突然ストップしてしまったので、おそらく電気系統のトラブルだと思います。馬力と電力を失い、ステアリングホイールのデータ表示のいっさいが消えてしまいました。
ただ、全体的には今週末のチームのパフォーマンスは良かったと思います。明日、少なくともジェンソンにはポイント獲得のチャンスがあります。
悲観的になっているわけではありませんが、モナコGPは(予選が開催される)土曜日の午後にレースが終了すると言っても過言ではありません。日曜日の決勝では、前方のマシンに連なって走るだけなのです。明日は14番手からのスタートになりますが、マシンに乗ってさらに経験を積みながら、パフォーマンスと信頼性を向上できればと思っています。現時点では、我々はまだ“もろさ”を抱えています」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「今日の予選は残念なだけでなく、不運だったと思います。
フェルナンドは各セッションにおいて速さと自信に満ちた走りを見せてくれていただけに、午後の予選ではQ3までスムーズに進んでくれることを大いに期待していました。ただ、残念ながら、フェルナンドはサン・デボーテに差しかかったところでマシンが突然ストップしてしまい、現在調査中の不具合によってQ3進出への道が閉ざされてしまいました。
一方、ジェンソンについてもスピードのある良い走りを見せてくれていたので、Q3進出は間違いないと思っていました。しかしながら、Q2で最速ラップタイムをまさに刻もうとしていたところで、前を走っていたニコ・ロズベルグ選手(Mercedes)がタイヤをロックアップし、サン・デボーテのエスケープロードに向かって直進してしまいました。これによってイエローフラッグが出され、ジェンソンはそこを通過する際にスローダウンしなければなりませんでした。
もしサン・デボーテを通常のスピードで走ることができていれば、ジェンソンはQ2では余裕でトップ10位以内に入り、今季初となるQ3進出を果たすことができたはずです。
チームの他のメンバーも言うように、そうなってしまったものは仕方がありませんが、我々にとってフラストレーションがたまる結果となったことは否定できません。
そうは言っても、ジェンソンもフェルナンドも非常に経験豊富なワールドチャンピオンです。ですから、明日、チェッカーフラッグを受ける瞬間まで、2人がポイント獲得に向けて懸命に追い上げてくれることを確信しています。
もちろん、ここモナコでオーバーテイクするのは本当に難しいことです。ただ、我々のドライバーはそんな逆境の中でも全力で走り切ってくれるでしょう」
新井康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「フリープラクティスで良い感触をつかんでいたので、予選で良い結果につながらず残念でした。ジェンソン・バトン選手については、第1セクターでイエローフラッグが出たことによってタイムアタックに影響が出たのではと思います。
フェルナンド・アロンソ選手のマシンに起きたトラブルの原因は調査中ですが、電気系統の問題ではないかと推定しています。マシンに対するドライバー2人のコメントは好印象でしたので、明日の決勝は少しでも順位をあげるため、パワーユニットデータとセットアップを再度見直して臨みたいと思います」
予選リザルト
順位 ドライバー チーム Q1 Q2 Q3 周回数
1 ルイス・ハミルトン Mercedes 1:16.588 1:15.864 1:15.098 28
2 ニコ・ロズベルグ Mercedes 1:16.528 1:15.471 1:15.440 25
3 セバスチャン・ベッテル Ferrari 1:17.502 1:16.181 1:15.849 24
4 ダニエル・リカルド Red Bull 1:17.254 1:16.706 1:16.041 28
5 ダニール・クビアト Red Bull 1:16.845 1:16.453 1:16.182 26
6 キミ・ライコネン Ferrari 1:17.660 1:16.440 1:16.427 23
7 セルジオ・ペレス Force India 1:17.376 1:16.999 1:16.808 22
8 カルロス・サインツ Jr. Toro Rosso 1:17.246 1:16.762 1:16.931 29
9 パストール・マルドナド Lotus 1:17.630 1:16.775 1:16.946 30
10 マックス・フェルスタッペン Toro Rosso 1:16.750 1:16.546 1:16.957 29
11 ロマン・グロージャン Lotus 1:17.767 1:17.007 22
12 ジェンソン・バトン McLaren-Honda 1:17.492 1:17.093 20
13 ニコ・ヒュルケンベルグ Force India 1:17.552 1:17.193 16
14 フェリペ・マッサ Williams 1:17.679 1:17.278 22
15 フェルナンド・アロンソ McLaren-Honda 1:17.778 1:26.632 11
16 フェリペ・ナスル Sauber 1:18.101 11
17 バルテッリ・ボッタス Williams 1:18.434 10
18 マーカス・エリクソン Sauber 1:18.513 11
19 ウィル・スティーブンス Marussia 1:20.655 9
20 ロベルト・メリ Marussia 1:20.904 10
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