高温下でのタイヤ戦略がモントリオールでの鍵となる (ピレリ)
ダニエル・リカルド (C)Pirelli Motorsport
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2014 カナダグランプリ 決勝
・終盤、トップ5が5秒差以内にひしめく接戦に:
・表彰台を争ったのは1ストップと2ストップ戦略
・ピレリタイヤを装着したフェラーリ・チャレンジも開催:
・カナダで注目されたもうひとつのレース
2014年6月8日、モントリオール
上昇した気温とレース開始直後の長いセーフティーカー導入周回によって、タイヤ戦略が、スリリングなカナダグランプリの主要部分を構成しました。各チームは、フリー走行と予選時の冷涼なコンディションと比較して、高温下でのタイヤ特性を理解する必要がありました。
レース終盤にトップ5がわずか5秒差にひしめく中、レッドブルのダニエル・リカルドが優勝しました。タイヤ戦略が主役となり、フィニッシュが近づくにつれて、ドライバーたちはアドバンテージを得るためによりフレッシュなタイヤを使用しました。リカルドは、残りわずか2周時点でメルセデスのニコ・ロズベルグから首位の座を奪い、また、レッドブルのセバスチャン・ベッテルは表彰台を獲得しました。トップ3全員が採用したのは、2ストップ戦略でした。
1ストッパーで最上位となったドライバーは、5位入賞を果たしたフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグでした。ヒュルケンベルグはソフトタイヤでスタートし、41周の第1スティントを走行後、唯一のピットストップでスーパーソフトへ交換しました。
ピレリジャパン・プレスリリース
ヒュルケンベルグのチームメイトのセルジオ・ペレスも1ストップ戦略を採りました。ペレスはスーパーソフトでスタートし、レースの丁度半分の35周目にソフトへ交換しました。表彰台を賭けて争っていたペレスとウィリアムズのフェリペ・マッサとの間にファイナルラップで事故が発生し、セーフティーカー導入のままレースのフィニッシュを迎えることとなりました。ともあれ、彼らの戦略は表彰台獲得のチャンスをもたらしており、マッサは、ファイナルスティントでライバルたちよりもフレッシュなタイヤによるスピードのアドバンテージを活かしていました。
レース開始直後の8周のセーフティーカー導入周回により、最も重要な燃料が重い状態でのデグラデーションは最小化され、タイヤ戦略に影響を及ぼしました。路面温度45℃、気温30℃を超えるコンディションにも関わらず、両コンパウンドの摩耗は全体的に低いレベルでした。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「またしても、カナダはスリリングなグランプリの舞台となりました。今回は暑いコンディションの下で多くの興味深いタイヤ戦略が展開されました。アクション満載のレースで、ベストなアドバンテージを得るためのタイヤ戦略にトライするドライバーたちの臨機応変な対応が数多く見られました。記憶に残るレースで初優勝を遂げたダニエル・リカルドを祝福したいと思います。また、フォース・インディアにも祝福の言葉を贈ります。彼らは、我々のFormula One復帰以来、しばしばライバルたちとは異なるタイヤ戦略を採っていました。カナダでも、最後にポジションをアップするためにいかなるタイヤ戦略の使用が可能であるのかを示し、もし終了間際での事故が無ければ、彼らにとってのベストリザルドへと導いたタイヤ戦略だったと思います」
Truth-O-Meter:
我々の予測した最速戦略は次の2ストッパーでした。スーパーソフトでスタート、13周でソフトへ交換、41周でソフトへ交換。この予測はほぼ的中し、リカルドは、14周でソフトへ、38周でソフトへ交換しました。スーパーソフト ソフト ソフトと繋ぐ戦略は、トップ10ではヒュルケンベルグを除く全ドライバーが採用しました。
フェラーリ・チャレンジ:ピレリとの長年に渡るリレーションシップ
カナダグランプリのもうひとつの注目は、ピレリが1993年からタイヤサプライヤーを務め、タイヤ・マニュファクチャラーとチャンピオンシップ間の史上最長のリレーションシップとなるフェラーリ・チャレンジでした。このレースでは、今年さらなる進化を遂げている特別装備のフェラーリ458が使用されます。フェラーリ・チャレンジは、北米の最もプレステージャスなサーキットを転戦し、11月にオースティンで再びFormula Oneと合流します。16周のレースが2回行われ、ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのポール・ヘンベリーが表彰台のプレゼンターを務めました。
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