ピレリ、ハードとミディアムでホームグランプリへ
(C)Pirelli Motorsport
拡大します
イタリアグランプリ プレビュー: モンツァ 2013年 9月6-8日
2013年9月2日、ミラノ
モンツァで行われるピレリのホームグランプリには、P Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤが選択されています。これは、スパで行われたベルギーグランプリ用と同じ組み合わせです。しかし、スパがタイヤに大きな横方向の入力を加えたのに対し、モンツァは、タイヤに非常に大きな負荷を課し、高いレベルのメカニカルグリップを求める縦方向の入力に代表されるサーキットです。サーキットの高速セクターと低速セクター間の妥協点を見出すセットアップとなるため、モンツァではタイヤが極めて重要な役割を演じ、戦略のための多くの機会を提供します。
モンツァサーキットの誕生は、1922年にまで遡ります。そしてこの時代は、1925年にガストーネ・ブリッリ・ペーリがアルファ・ロメオを駆り、ピレリが初めてグランプリのチャンピオンシップを手にした頃でもあります。長年に渡る数多くの改修を重ねた現在のサーキットレイアウトは、誕生時とは大きく異なっています。しかし、ピレリのホームサーキットのユニークな特徴の一部である、歴史あるトラックのバンクは、現在もモニュメントとして残されています。
ピレリジャパン・プレスリリース
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「ミラノのピレリ本社からわずか30分程のモンツァは、言うまでもなく我々のホームレースの地です。モンツァを訪れると、ここがなぜ‘スピードの殿堂’と呼ばれてきたのかが分かります。実際、モンツァはシーズン中で最も高速なサーキットで、長いストレートと高速コーナーがタイヤに大きな入力を加えます。タイヤをコントロールしないと、オーバーヒートやブリスターが発生する可能性があります。したがって、適切なタイヤマネージメントは、レースとその戦略に非常に重要な影響を及ぼします。この点は、各チームが金曜フリー走行を通じて評価する項目となります。モンツァでは、高速走行時の縁石による大きな影響もあるため、性能のみならず耐久性も試されることになり、これがレースでの重要な側面のひとつとなります。モンツァは、大勢のティフォシが訪れるシーズン中屈指の人気あるレースで、我々も非常に楽しみにしています」
ピレリ・ブランド・アンバサダー ジャン・アレジのコメント:「私は、愛するモンツァで数々の素晴らしい瞬間を経験しました。表彰台には2回上り、おそらく私のモンツァ’ライフ’の半分くらいはリードラップを走行したと思います。ただ、メカニカルな問題に邪魔されましたが。タイヤに関しては、ここは非常にチャレンジングでシーズン中最速のラップが刻まれるレースとなるので、最も硬い組み合わせが必要であることは明らかです。マシンはローダウンフォースで走行するため、コーナーでは滑りやすくなり、これを抑止することがタイヤからベストなライフを引き出す鍵となります。モンツァでは、タイヤの内圧を適切にすることも非常に重要です。内圧が低くなり過ぎないように気を付けなければなりません。この点は、特にハードにヒットする縁石に対して極めて重要なポイントです。現在のレイアウトは、ストレートの間にシケインのある構成なので、タイヤの内圧を適切にすることが以前よりも重要になっています。そして、モンツァと言えばティフォシですね。フェラーリのドライバーとして受けた彼らのサポートは素晴らしかった。モンツァの雰囲気は、それは特別なものです」
サーキットから見たタイヤ:
モンツァでは、ラップ中の約75%をフルスロットルで走行しますが、タイヤに大きな負荷を課す複数のヘビーブレーキングエリアも存在します。第1シケインへのアプローチでは、マシンはわずか150mの間に340km/hから80km/hまで減速します。
スロットル全開のストレートとともに、複数の高速コーナーも存在します。パラボリカでは、ドライバーには3.7Gの負荷がかかり、その負荷はタイヤにも及びます。
モンツァでタイヤに最も厳しい3つのエリアは、第1シケイン(ヘビーブレーキング)、アスカリシケイン(急速な方向転換)、そして有名なパラボリカ(大きな横方向の荷重を生み出す長くオープンなコーナー)です。
テクニカルノート:
モンツァでのスピードは、セットアップによっては約340km/hに達します。この時の負荷は、タイヤ温度をシーズン中で最も高温となる130℃まで上昇させます。
昨年のトップ2(ハミルトンとペレス)は1ストップ戦略を採り、ペレスは13番グリッドからのスタートで2位を獲得しました。ハミルトンがミディアムでスタート後にハードへ交換したのに対し、ペレスはその逆を行いました。2ストップ戦略を採ったドライバー中の最上位は、6位に入賞したメルセデスのミハエル・シューマッハでした。
各チームは、モンツァ用として、シーズン中で最も低いレベルのダウンフォースとなる特別な空力パッケージで走行します。このため、空力グリップよりもメカニカルグリップが重要になります。
ピレリF1チームの紹介:
Dario Marrafuschi (モデリング&アプリケーション エンジニア)
ピレリの先進的なエンジニア集団のひとりであるダリオは、ミラノで生まれ育ち、大学でエンジニアリングを専攻しました。2000年に大学卒業後、彼はFormula Oneの世界へ入りました。当初、フェラーリのビークルダイナミクスグループに所属し、後にタイヤエンジニアを経て、最終的には2006-2008年の間、テストチーム用マシンのエンジニアリングに携わりました。
2008年末にサーキット・レーシングマネージャーとしてピレリに入社後は、サーキットをベースとしたピレリの全ての活動を担当しました。2010年、Formula Oneプロジェクトでの活動開始の際に拡大された、モデリングと開発前工程に特化した研究開発部門へ入りました。ダリオは、今年のタイヤに注意を向けながら、数学的モデルやシミュレーションを通して、ピレリのレース用タイヤの今後の開発に集中しています。彼のコンピュータが計算を行っている間は、ジョギングやイタリアのアルプスを横断するサイクリングを楽しんでいます。彼のトレーニングは本格的で、イタリアの地区大会でランナーとして活躍したことがあります。最近は、仕事や家族(妻と2歳の息子)のことで忙しく、あまりトレーニングの時間が取れないようです。
その他のニュース:
先週末、イタリアラリー選手権の第6ラウンドであるRally del Friuliが行われ、シュコダ・イタリアのUmberto
Scandolaが、ピレリのグラベル用タイヤを使用して優勝しました。Scandolaは、残り2戦の時点でチャンピオンシップを手にしました。
アイスランド人アーティストのRagnar Kjartanssonの作品が、ハンガービコッカ(ミラノにあるピレリの文化的専用スペース)で展示されることが発表されました。Kjartanssonの作品は、音楽とアートを融合させたもので、過去には有名なアイスランド人バンドのシガー・ロス(Sigur Ros)とコラボレーションしています。
2週間前、ピレリを装着したイギリスラリー選手権の最新ラウンド、オールターマックのUlster Rallyが北アイルランドで開催されました。Osian PryceがCitroen DS3 R3Tを駆って優勝し、後にWRCのスターとなった2003年のヤリ=マティ・ラトバラ(Jari-Matti Latvala)以来、イギリスラリー選手権の最年少優勝ドライバーとなりました。
| 固定リンク
最近のコメント