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2013/08/21

ピレリのハードとミディアムがスパ・フランコルシャンに登場

ベルギーグランプリ プレビュー: スパ・フランコルシャン 2013年 8月23-25日
2013年8月19日、ミラノ

(C)Pirelli Motorsport
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サマーブレイクの直前、Formula Oneの各チームは、カレンダー中で最も低速な常設サーキットであるハンガロリンクで戦い、そして今、アルデンヌ丘陵に位置する最も高速なサーキットのひとつ、スパ・フランコルシャンへと向かいます。ピレリは、レンジ中で最も硬い組み合わせであるP Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを持ち込みます。この組み合わせは、高速コーナーや伝説的なオー・ルージュに代表される高速のコンプレッションが存在する高負荷のサーキットに完璧にマッチします。スパの鍵となる特徴のひとつは、変わりやすい天候であるため、レース週末を通して、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットタイヤが登場する可能性もあります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「スパは偉大なサーキットであるだけではなく、我々のタイヤにとってシーズン中で最も大きなチャレンジの場でもあります。それは主に、オー・ルージュのような大きなコンプレッションによる縦方向の負荷と、ブランシモンのような高速コーナーでの横方向の負荷が、常にタイヤに襲いかかるためです。そして、タイヤには、しばしば同時に別方向への動きが課せられ、その負担が増幅します。したがって、スパでは特にラップが長いこともあり、タイヤのケアが非常に重要になります。スパでは多様な戦略を採ることが可能で、戦略が勝敗を決します。しかし、時に変わりやすい天候がスパを魅力的に演出するため、どんな戦略もフレキシブルである必要があります。過去の事例が物語るように、コンディションが急激に変わる可能性もあるため、インターミディエイトとフルウェットタイヤの使用方法が成功の鍵となります。我々の雨天用タイヤは、過去のレースを通してその性能を示しており、特にインターミディエイトタイヤは、ドライへ変わりつつあるコンディションに非常に適していることを示しています。我々のタイヤが提供する性能と耐久性は、豊富に存在する今週末のオーバーテイク機会を最大限に引き出すでしょう」

ピレリ・ブランド・アンバサダー ジャン・アレジのコメント:「スパは、誰もが素晴らしいと表現するサーキットで、高速でチャレンジングです。その特徴のひとつが非常に長いサーキットであるということです。したがって、他のトラックと比較しても、単調なラップを重ねることが少ないと言えます。そして、タイヤマネージメントには特別なスキルが必要となります。多くの高速コーナーがあり、変化する気温と長いラップによって、ラップの序盤以降、タイヤはクールダウンされます。しかし予選では、もしタイヤを暖め過ぎたままスタートすると、ラップ全体を通してのタイヤの最大限の性能を引き出すことができなくなります。セットアップに関しても多様な選択肢が存在し、ラップ中盤で多くのグリップを得るためにダウンフォースを大きくするチームもあるでしょう。そして、セットアップがタイヤの動作に影響を及ぼします。おそらく、最も重要な特徴は、雨の可能性が高いことです。完全なドライコーナーの後にフルウェットの路面に遭遇する可能性もあります。しかしウェットの場合でも、路面は非常に粗く、良好なグリップを提供するため、ドライビングは可能です。より大きな問題は、トラックをジグザグに横切る川状の水の流れが突然現れることです。アクアプレーニングを引き起こさないように、その場所を把握しておく必要があります。また、雨になった場合、スパでは多くの水しぶきもあがるため、ウェットコンディション時の視認性が難しくなります」

サーキットから見たタイヤ:
スパは、Formula Oneが開始された1950年以降、グランプリが開催されているサーキットのひとつです。これまでにトラックは全面的に改修されています(現在のレイアウトは、1979年以降のものです)が、流れるような高速性は維持されており、ラップ中の平均速度は約230km/hです。
サーキットの全長は7km弱であり、シーズン中で最長のラップとなっています。マシンは、ラップ中の約80%をフルスロットルで走行し、20秒以上フルスロットルが続く場所もあります。ラップ中のバリエーションによって、ポールポジションからのスタートは、他のサーキットよりも重要ではありません。

高速走行時のアグレッシブなキャンバー角は、タイヤのエッジが熱を帯びる際、ブリスターを発生させる可能性があります。しかし、各チームはピレリが推奨する最大のキャンバー角に従うため、ブリスターの発生は抑制されるでしょう。

テクニカルノート:
オー・ルージュでの大きなコンプレッションは、フロントタイヤにシーズン中で最も高い縦方向の荷重を課します。その荷重は、重量に換算すると1000kgに達します。

昨年のトップ2(バトンとベッテル)は1ストップ戦略を、3位のライコネンは2ストップ戦略を採りました。スタート時のタイヤ選択にも異なった戦略が見られました。大半のドライバーがミディアムタイヤでスタートした中、ヒュルケンベルグはハードタイヤでスタートし、2ストップ戦略を採り、4位でフィニッシュしました。

ハードとミディアム間の性能差は、ラップあたり1秒以上になりそうです。

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ピレリF1チームの紹介:
ハイメ・アルグエルスアリとルーカス・ディ・グラッシ(F1テストドライバー)

昨年同様、ピレリは今年も2人の優秀なテストドライバーを擁しています。スペイン人ドライバーのハイメ・アルグエルスアリとブラジル人ドライバーのルーカス・ディ・グラッシです。ハイメは、今シーズン最初の2回のテストを完了し、ルーカスはシーズン残りのテストを担当する予定です。

彼らの作業は、プライベートテストを通じて、ピレリの最新型プロトタイプコンパウンドを評価することです。テストには、最新のレギュレーションに合せて改造された2010年型ルノーを使用します。プロトタイプタイヤで走行後、彼らは、コンパウンドの特性やさらなる改善の方向性についてピレリのエンジニアへフィードバックします。2人のテストドライバーの使用によって、22人のドライバー用にタイヤを開発する際に不可欠となる、2つの異なる考え方や意見がエンジニアに伝えられます。

ハイメは、2009年に最年少でFormula Oneへデビューし、トロ・ロッソでの2シーズンを経てピレリのテストドライバーになりました。ベストリザルトは、2011年のイタリアグランプリと韓国グランプリにおける7位です。スキルのあるレースドライバーであるとともに、彼はDJとしての才能にも恵まれ、スペインでチャート1位を獲得しています。
ルーカスは、2010年にヴァージン・レーシングからFormula

Oneにデビューし、マレーシアグランプリで14位を獲得しました。彼は、2011年にピレリのテストドライバーになるとともに、耐久レースでのアウディのファクトリードライバーとなり、今シーズンのル・マン24時間レースで表彰台に上っています。

その他のニュース:
ピレリは、来年から世界ラリー選手権(WRC)へ復帰することを発表しました。ピレリのWRCへの復帰は、2008-2010年の間、単独タイヤサプライヤーとしての参戦以来となります。今回は、他の3社のタイヤサプライヤーとともにWRCへタイヤ供給を行います。

ピレリの直近のスパへの登場は、先月行われたスパ24時間でした。このイベントは、ピレリ史上最大規模の物流オペレーションとなり、19台のトラックによって8552本のタイヤが供給されました。(22時間をかけて)平均して26秒に1本のタイヤがフィッティングされました。

ロータスのキミ・ライコネンが、先週、バルセロナで行われたGP3公式開発テストで、ピレリタイヤを装着したGP3マシンをテストしました。ライコネンは、「GP3/13は、ヤングドライバーにとって、特に、僕らがF1で行っているようなタイヤマネージメントを学ぶ際にとても良いツールだと思う」とコメントしました。

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