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2013/07/03

ピレリ: シルバーストンの事実説明と今後のレースについて

いくつかの要因が重なりシルバーストンでのタイヤ問題に至った:

(C)Pirelli Motorsport
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リアタイヤが左右逆に装着されていた点、低い内圧、極端なキャンバー、高い縁石

2013年型タイヤは、正しく使用される限り安全性をそこなうものではない

今シーズン使用されているような精巧なタイヤを開発および管理するためには、リアルタイムのオペレーティング・データへのアクセスが不可欠となるため、この点に関するレギュレーションの変更を要望中

タイヤ開発のため、ウィンターテストおよびシーズン中のテストをFIAと共に調整

カナダのフリー走行でテストされたケブラーベルト使用のリアタイヤをドイツへ投入予定

2012年型のタイヤ構造と2013年型のコンパウンドを統合した新しいタイヤレンジをハンガリーから導入予定

これらのタイヤは、シルバーストンで行われるヤングドライバーテストにおいて、2013年型マシンとレーシングドライバーによりテストされる

ピレリジャパン・プレスリリース

ポール・ヘンベリーのコメント:「シルバーストンで発生したことは我々を混乱させました。これらの精巧につくられているタイヤの管理のためには、温度、内圧、キャンバーなどのデータをリアルタイムに見ることが我々にとって不可欠です。レギュレーション改訂を待つ間、我々は、よりマネージしやすいタイヤを供給します」

2013年7月2日、ミラノ

シルバーストンで使用されたタイヤに関する膨大な分析を行った結果、ピレリは、問題の主な原因が下記の要因の組み合わせによって発生したものであるという結論に達しました。

1)左右逆に装着されていたリアタイヤ:
問題が発生したマシンは、左用のタイヤが装着されるべきところに右用のタイヤが装着(右側も同様に逆の装着)されていました。今シーズン用のタイヤは非対称構造のため、左右両方に使えるようには設定されていません。サイドウォールは、タイヤの外側および内側の特定の負荷に対応できるように設計されています。したがって、タイヤを逆に装着することは、特定の状況下でのタイヤの機能に影響を及ぼします。特に、タイヤの外側部分は、高速左コーナーやアグレッシブな縁石が存在するシルバーストンのような、タイヤに厳しいサーキットのコーナリング中に生じる非常に高い負荷に対応できるように設計されています。

2)ピレリの指定より低く設定された内圧:
内圧が不足すると、タイヤは、よりストレスの高い動作環境に晒されることになります。

3)極端なキャンバー角の使用

4)問題の大半が発生したシルバーストンのターン4のような高速コーナー上の特にアグレッシブな縁石:

結果的に、左リアタイヤに影響を及ぼします。

シルバーストン以前に明らかになった唯一の問題は、全く別の現象であるデラミネーションでした。デラミネーションを抑止するため、ピレリは、カナダのフリー走行でテストされたタイヤをシルバーストン以降に
使用することを提案しました。この提案が受け入れられなかったため、ピレリは、カーカスにトレッドを接着する新たな接着工程をラボラトリーテストで見出しました。その結果、デラミネーション問題は、イギリスグランプリでは全く発生しませんでした。

分析の結果は次の通りです。

1)タイヤを左右逆に装着することは慣行的なものであり、誰もが過小評価をしていました。ピレリ自身もこの行為を禁じていませんでした。

2)同様に、ピレリのコントロールが及ばないタイヤの内圧不足や極端なキャンバーセッティングは、特定の状況下では危険となり得ます。このため、ピレリは、FIAに対して、これらの要素を今後の厳密な検査対象とすることを提案しました。また、専門機関による、ルール遵守のチェックも提案しました。

3)正しく使用される限り、2013年型タイヤレンジがドライバーの安全性をそこなうものではなく、FIAから要望された全ての安全基準に適合しています。

論理的な結論は、性能と技術的な洗練性を併せ持つ2013年型タイヤレンジにとって、ピレリ自身が規制し注意深く管理することが不可欠であるということです。タイヤの適正な機能を確保するために、ピレリは、内圧、温度、キャンバー角などの基礎的なパラメーターに関する各チームからのリアルタイムなデータを求めます。最先端のタイヤの開発や管理に不可欠となるこれらのデータにピレリがアクセスすることを認める新しいレギュレーションが制定されるのを待つ間、下記の措置がFIA、FOM、各チームおよびドライバーと同意の上で提案されることになります。

1)カナダでテストされ、信頼性が証明された新型のタイヤを今週末のドイツグランプリで使用すること。このタイヤは、ニュルブルクリンクのテクニカルな特性にベストマッチします。特に、7月7日から始まるドイツグランプリで使用予定のリアタイヤは、現在のスチール構造に代るケブラー構造で、2012年型ベルトの再導入となり、最大限の安定性とロードホールディングを確保します。新型リアタイヤも非対称構造であるため、左右逆に装着することは厳しく禁止されます。フロントタイヤに変更はありません。

2)ハンガリーグランプリ以降、新レンジのタイヤが導入されること。新型タイヤは対称構造を持ち、タイヤデータへのアクセス無しでも最大限の安全性を保証するように設計されます。(しかし、タイヤデータへのアクセスは、より洗練された2013年型タイヤの最適な機能のために不可欠です。)ハンガリーグランプリ以降に導入されるタイヤは、2012年型タイヤの特性と2013年型タイヤの性能を併せ持つものです。実質、新型タイヤは、2012年型タイヤと同一の構造とベルトになる予定で、最大限の性能と安全性を確保します。コンパウンドは、今シーズンこれまで使用されてきたもので、より速いラップタイムとより広い作動温度領域を保証します。FIAに承認されたこの新仕様は、7月17~19日、シルバーストンにおいて、ヤングドライバーテストと並行して、レースドライバーも参加の上でテストされる予定です。このテストは、新レンジタイヤの最終的な開発に貢献し、各チームに適正なマシンセットアップを実行する機会を提供します。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「シルバーストンで発生したことは、全く予測不可能で、このようなことは、1世紀を超えるピレリのモータースポーツ史上初めて経験することでした。我々を非常に混乱させた今回の出来事は、既に提案しているタイヤ変更の緊急性を加速させ、ドイツグランプリの金曜フリー走行で導入されることになりました。早急な問題解決のためのFIA、FOM、各チーム及びドライバーの迅速で意欲的な対応に感謝します。特に、FIAの調整による、タイヤ開発により適したウィンターテストの採用や、シーズン中のテスト実施の可能性は、安全性と性能の大幅な改善の実現につながります。2013年型タイヤレンジは、正しい使用方法の下では、完全に安全であることを強調しておきたいと思います。シルバーストンで起こったことを教訓に、我々は、タイヤの正しい使用方法の遵守や、平均2秒以上ラップタイムを縮めるよう求められた高性能なタイヤ開発を確実にするために、タイヤデータへのリアルタイムなフルアクセスを求めます。レギュレーションが変更されるまでの間、我々は管理が容易なタイヤを導入します」

ポール・ヘンベリーの声明

ヘンベリー:「各チーム、ドライバー、FIAおよびFOMからのサポートに感謝しています」
2013年7月2日、ミラノ

本日発行された、シルバーストンでのタイヤの故障に関する説明のプレスリリースにつづき、ポール・ヘンベリーがコメントを発表しました。

「一部の人々が持つ印象に反して、我々は、各チーム、ドライバー、そしてFIAとFOMからの協力やサポートを受けていることを改めて強調させていただきます。我々には、論争を起こしたり、誰かを非難する意図は全くありません。プレスリリースに示されているように我々は自分たちの責任を果たします。しかし、タイヤを使用する際に受ける衝撃の全要素を完全にコントロールできるわけではなく、関係各位の協力が必要です。この件について、我々は関連する全てのパートナーからのフル・サポートを受けており、そのことに大変感謝しています」

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