ピレリ:タイヤテストはいかなるチームを優遇したものではない
今年行われたタイヤテストの目的は2014年用タイヤの開発
(C)Pirelli Motorsport
拡大します・ピレリは、テスト用に2013年型マシンを要求しておらず、2013年型メルセデスマシンの使用はチームとFIA間の協議により決定された
・タイヤ開発の基本は適切なテスト
・デラミネーション問題は、ピレリの技術者がラボラトリーで解決、トラック上でのテストによるものではない
・ピレリはFIAに対し、カナダグランプリに持ち込まれる試験型タイヤは、どのドライバーも試したことがないと回答
2013年5月31日、ミラノ
ピレリが2013年にチームと行った開発テストは、特定のチームを優遇するためではなく、常に透明性をもって誠実に、プロフェッショナルに徹して遂行されました。テストで使用されたタイヤは、今シーズン用のタイヤではなく、やがて更新されるサプライヤー契約を見据えて開発中であるタイヤレンジの一部でした。本テストは、特定のマシンに有利性を与えるためではなく、将来のチャンピオンシップにおけるタイヤ・ソリューションを開発する目的のみで行なわれました。メルセデスマシンの使用については、FIAとメルセデス間の直接対話により決定されたことであり、ピレリは、2014年型タイヤの開発テスト用に提供された2013年型マシンを、メルセデスやFIAや他のチームに求めたことはありません。また、カナダグランプリのフリー走行で各チームがテストする予定のタイヤを、特定のチームが使用した事実はありません。新型タイヤに関して、デラミネーション問題は、ピレリの技術者がラボラトリーテストのみで解決しました。これまで、4回のみ発生したデラミネーションは、いずれもトラック上のデブリに起因するもので、ドライバーの安全性を脅かすものではありませんでしたが、ピレリのイメージを損なう恐れがあったため、これを解決することを決定しました。
ピレリジャパン・プレスリリース
活動全般を統治するルールに関して、ピレリは、常にFIAやチームおよびチャンピオンシップのオーガナイザーとの契約上の制限を順守しており、スポーツへの忠誠の精神を尊重しています。
しかしながらピレリは、タイヤ開発のためには、全ての利害関係者間で共有される明確なルールで規定された適切なテストを行う必要不可欠性を再確認すべきと考えています。ピレリは、これまでに何度もチームへ情報を伝達してきた通り、2014年型タイヤの開発テストを全チームと行うことが可能な状態であるということを明言します。
ピレリのFIAへの回答
FIAからの要求を受け、ピレリは自身の責任において、テストにおける事実を明らかにするために必要な回答を即座に提出しました。
2014年型タイヤの開発テストは、全チームに分け隔てなくオファーした
テストは、ピレリとFIAとの契約に則り行われました。契約上は、サプライヤーは各チームと1,000kmまでの開発テストを実施することが可能となっており、使用するマシンのタイプや走行テスト時の全チームによる同時立ち会いは定められてはいません。このため、ピレリは、2010年以来、このようなテストを全
てのチームと同時に行うことは非現実的で有効ではないと認識していました。実際、この種のテストは、技術的な開発や新しいソリューションの研究を目的としているために多くの種類のタイヤを使用しますので、1回毎に1台のマシンでテストを行う必要があります。一方、全チームの参加が求められるウィンターテストのような、チャンピオンシップの仕様に関するテストは、全てのマシンにとって最も好ましいソリューションを見出すためのものです。この目的のため、ピレリは、シーズン中の代表的なコンディションと同様のコンディション下でウィンターテストを実施する必要性を主張しています。
2012年3月、ピレリは、全チームとFIAおよびFOMへEメールを送信し、2013年用タイヤの開発テストへの参加の可否を知らせるよう要請しました。さらに、ピレリは、自社ではテストに適したマシンを保有していなかったため(ピレリが現在保有しているのは2010年型ルノーを改造したマシンで、それ以前は、2009年型トヨタでした)、各チームのマシンでのテストが必要であることを説明していました。
テストへの要請はその後も公式に繰り返されており、今年3月、2014年型タイヤ開発のために数チームに対して再びテストのオファーを出しています。
バルセロナで行われたテストは、2014年型タイヤの開発を目的としたものであり、2013年型タイヤの仕様変更のためではない。
このテストは、通常のように、チャンピオンシップで未使用の単一のコンパウンドを使用して行われました。タイヤ構造は今シーズンのものではなく、2013年後半の使用を目指したものではありません。タイヤテストは“イン・ザ・ダーク”で行われました。すなわち、チームはテストするタイヤの仕様や目的は伝えられておらず、テスト後もいかなる情報も与えられてはいません。
さらに、このテストはデラミネーションに関するものではありません。デラミネーション問題は、シーズン序盤のデータを基に、ピレリの技術者がラボラトリーテストで解決しました。
ピレリは、常に現行のチャンピオンシップで使用されているマシンと同様の性能を持つマシンを求めていましたが、2013年のレースで使用されているマシンを指定することはありませんでした。
バルセロナでの「2013年型メルセデス」は、メルセデスとFIA間の協議で決定され、何も要求していないピレリはルールに抵触することなど知る由もなかった。
バルセロナでのテストは、2013年5月15日から17日まで、メルセデスの協力のもとで行われました。1台のマシンと2人のトップドライバーが参加し、彼らは1日ずつ交代でステアリングを握りました。
テストは、今年使用されていないベースコンパウンドと、2013年に使われたことのない12種類の異なる構造を持つタイヤで行われました。その内、1種類のみにケブラーが使用されていました。
メルセデスは、今年のチャンピオンシップに活用できるタイヤ動作の知識に関して、いかなるアドバンテージも得ていません。
メルセデスとピレリとの間で交わされたEメールが示すように、テストで使用されたマシンのタイプは、メルセデスとFIA間との直接協議で決定されたものであり、特に、メルセデスはピレリに対して2011年型マシンは使用不可能であることと、2013年型マシンの使用についてFIAに連絡済みである旨を通達していました。マシンに関する一連の問題はチームの排他的な領域であり、そこへピレリが介入することは不可能であったということに疑問を挟む余地はありません(ピレリが、技術的な見地から、タイヤ性能への影響を知るために代表的なマシンを必要としていたにもかかわらず)。
このテストが通常の開発テストであり特別な調整を目的としたものではないことを確認するため、ピレリは、テストに参加するメルセデスのドライバーやスタッフに関して、いかなるリクエストも上げておらず、開発テストに参加する通常のチームとして対応しました。
カナダグランプリで使用される試験型タイヤは未使用のものである。
カナダグランプリのフリー走行で各チームに供給されるケブラーを用いた新構造のタイヤは、ラボラトリーテストを経て、今回初めてトラック上でテストされます。新型タイヤでは、デラミネーション問題は解決され
ています。デラミネーションは、ドライバーの安全性を危うくするものではありませんが、ピレリのイメージを損なう恐れがあります。カナダでのフリー走行において、各チームには、タイヤの評価と彼らの意見を表明する機会が与えられます。
タイヤの“耐久性”には変更無し
ピレリは、いつでも変更する準備はできていますが、今回はいくつかのチームの合意が得られなかったため、タイヤの耐久性、すなわちピットストップ回数に影響を及ぼす変更は行っていません。
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