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2013/05/22

P Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトが登場 (ピレリ)

(C)Pirelli Motorsport
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モナコグランプリ プレビュー: モンテカルロ 2013年 5月23-26日
2013年5月20日、ミラノ

過去2年間同様、モナコグランプリには、ピレリのタイヤレンジで最も軟らかい2つのコンパウンドであるP Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトが選択されています。モナコは、カレンダー中最も低速でツイスティなサーキットで、オーバーテイクが難しいため、迅速なウォームアップとタイヤによる高いメカニカルグリップが不可欠になります。しかし、摩耗とデグラデーションはシーズン中で最も低いレベルにあります。したがって、最大2ストップが標準的となるでしょう。また、他のグランプリとは異なり、通常金曜日に行われるフリー走行は木曜日に開催されます。トラックは、グランプリ週末中も一定期間公道として使用されるため、結果的に路面の改善が進みます。また、過去には雨に見舞われたケースもあり、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・ウェットタイヤが登場する可能性もあります。

ピレリジャパン・プレスリリース

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「バルセロナでの前回のレースとは全く対照的に、モナコではタイヤの摩耗とデグラデーションのレベルが非常に低いため、2ストップが平均的なものになると予測しています。しかし、過去には全く異なった戦略による大接戦が見られたように、このことがレースの戦略性を低くするわけではありません。スペインでは、過去には例のない下位グリッドからの優勝となりました。したがって、モナコでも同様のパターンが繰り返されるかどうか、興味深いところです。モナコのトラックは、オーバーテイクが難しいことで知られているため、戦略が通常よりも重要となり、各チームは上位のスターティンググリッドを確保するために、戦略を駆使してくるでしょう」

ピレリ・ブランド・アンバサダー ジャン・アレジのコメント:「モナコは、私が愛して止まないサーキットです。表彰台には3回上り、決勝でのファステストラップを2回記録していると記憶しています。また、モナコでの最初のレースでは、アイルトン・セナに続く2位でフィニッシュしました。モナコの最初の感触は、ピレリタイヤを通してのものでした。1990年、ティレルのドライバーとして参戦した時であり、当時は予選用タイヤがありました。その走りは、非常に楽しいもので、トラック全体が魅力的でした。予選で出来るだけ上位のグリッドを獲得することが重要なため、予選のラップは大混雑したものです。今は、予選の重要性は以前ほどではないかもしれません。今シーズンは、下位グリッドからのスタートでもうまい戦略でそれを克服するような、重要度を増した決勝が数多く見られています。したがって、予選が完璧でなくとも、まだチャンスは残されており、これは、ピレリがFormula Oneへもたらした大きなアドバンテージです。モナコでは、タイヤの摩耗とデグラデーションが低いことに加えて、週末を通しての路面の改善が、おそらくシーズン中で最も大きいことが注目されます。軟らかいタイヤでハードに気持ちよくプッシュできるでしょう」

サーキットから見たタイヤ:
2013年シーズンは、これまでのところセーフティーカーの導入がありません。長く続くアームコ・バリアと限られたランオフエリアが特徴的であるタイトなモナコのトラックでは、この流れが変わる可能性もあります。シンガポール、韓国、カナダとともに、モナコはシーズン中でセーフティーカー導入の可能性が高いグランプリのひとつで、その可能性は約80%です。この点は、レース戦略に大きな影響を与えます。

昨年のトップ10は、30周前後でタイヤを交換する1ストップ戦略を採りました。トップ10中2名を除くドライバーたちは、スーパーソフトでスタートし、後にソフトへ交換しました。

モンテカルロ・グランプリトラックには、シーズン中で最も低速であることや路面が最も粗くないことなどの多くの’最少’記録があります。

テクニカルノート:
モナコでは、ブレーキが激しく使用されるため、タイヤの温度が上昇し、タイヤ構造に負荷がかかります。例えば、サン・デボーテの入口では、マシンは、わずか100mで時速160kmの減速を行います。スイミングプール・コンプレックスもタイヤにとって厳しい場所です。時速200km以上で縁石をヒットし、横荷重は3.65Gに達します。

モナコグランプリでは、各ドライバーはラップごとに130回を超えるステアリングへの入力を行い、ギアチェンジは、平均して50m間隔で行われます。これらのアクションは、タイヤへ非常にハードに作用します。

ローズヘアピンは、シーズン中で最も低速なコーナーで、47km/hで通過します。低速なため、空力ダウンフォースは機能せず、フルステアリングによって右フロントタイヤが転換時の全ての役割を担います。

Pi

ピレリF1チームの紹介:
ティナ・ワヤンスキ(タイヤフィッター)
ピレリの18人のタイヤフィッターのひとり、ティナは、ハンガリー系イギリス人です。レース以外の時は、ディドコットにあるピレリのイギリスの流通ハブに勤務し、ダービーシャーに住んでいます。2006年からタイヤフィッターとなり、ピレリがFormula Oneに復帰した2011年からピレリで働いています。バーミンガム・ポリテクニックで機械工学を学んだ彼女は、トラックのドライバーとしてF1のキャリアをスタートし、2004年以降、全てのヨーロッパでのFormula Oneのレースへ赴いていました。そして、タイヤの世界へ入りました。

フィッターとしての彼女の役割は多岐に渡ります。サーキットへ到着後の最初の仕事は、FIAによって供給されたバーコード(ピレリが各チームへのタイヤ割り当てに関与していないことを証明するもの)にしたがって、タイヤを各チームのリムへ割り当てることです。その後、バーコードリーダーでバーコードをチェックします。読み込まれたデータはピレリのレース・タイヤ・システムへと送られます。

タイヤの割り当ての後は、ピレリのレースエンジニアのサポート役となり、各セッション中、エンジニアと密接に働き、その後のタイヤをチェックします。ディドコットの拠点へ戻ると、次のF1,GP2,GP3用のタイヤや関連する機材の準備に追われます。

プライベートでの彼女の趣味は、ランニング(非常にフィジカルに厳しい仕事への体調維持にも貢献)とオートバイです。彼女は、サッカーチーム シェフィールド・ユナイテッドの熱烈なサポーターで、時間が許す限り、ホームゲームとアウェイゲームを訪れています。

その他のニュース:
イタリアラリー選手権の第3ラウンドthe Rally dell’Adriatico が、モナコグランプリ前の週末に行われました。Skoda Fabia S2000のUmberto Scandola が、ピレリタイヤを装着して優勝しました。

9度の世界ラリー選手権王者に輝き、2008-2010までピレリタイヤで3度のタイトルを獲得したセバスチャン・ローブが、今週末、モナコグランプリを訪れ、ポルシェ・スーパーカップに参戦します。
ピレリは、ランボルギーニの50周年を祝福し、ピレリのミラノ本社でスペシャル・プレスコンファレンスとレセプションを開催しました。ランボルギーニ創業期の1963 350 GTVは、ピレリタイヤを装着して発表されました。以降、ピレリはランボルギーニ用のOEタイヤを供給しています。

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