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2013/03/19

P Zeroオレンジタイヤ、マレーシアでデビュー (ピレリ)

マレーシアグランプリ プレビュー: セパン 2013年 3月22-24日
2013年3月18日、ミラノ

(C)Pirelli Motorsport
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ピレリの2013年型タイヤレンジで最も硬いコンパウンドが、新しいカラーとともにマレーシアでデビューします。P Zeroオレンジ・ハードは、オーストラリアで使用されたP Zeroホワイト・ミディアムとともにセパン用に選択されました。ピレリのタイヤレンジ中最も硬い方の2つのコンパウンドは、マレーシアのエクストリームな気候と粗い路面には最適の組み合わせです。セパンはモンスーンのような豪雨が降ることでもよく知られており、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットがレース週末に登場する機会も十分にありそうです。

ピレリジャパン・プレスリリース

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「気候と路面の両面において、セパンはまさに‘エクストリーム’なところです。したがって、我々のタイヤにとってシーズン中で最も厳しいレース週末のひとつと言えます。今回、オレンジ・ハードコンパウンドがグランプリに初登場しますが、この色はテレビでホワイト・ミディアムと容易に識別できるように選ばれたものです。マレーシア用のタイヤ選択は昨年と同じですが、今年のコンパウンドは、昨年より高い性能と意図的に大きなデグラデーションを提供します。昨年は、ウェットとドライが混在するコンディションの下、3ストップが勝利の戦略となり、タイヤ戦略を駆使したフェルナンド・アロンソとセルジオ・ペレスによるスリル満点のフィニッシュが見られました。今年も3ストップを予測していますが、やはり天候による影響を受ける可能性があります。雨が降らなかったとしても、80%ほどの湿度と30℃を超える気温がドライバーたちを待ち受けています」

ピレリ・ブランド・アンバサダー ジャン・アレジのコメント:「私はマレーシアグランプリには過去3回参戦しました。1回目はマレーシアグランプリ初開催となった1999年で、3回目はFormula Oneドライバー最後の年となった2001年でした。3回とも完走しましたが、カレンダー中で最も肉体的に厳しいレースのひとつで、ドライバーにとってもマシンにとっても大きなチャレンジであったことを記憶しています。アルバート・パーク同様、セパンも‘典型的’とは言えないサーキットですので、今週末の結果が残りのシーズンにそのまま当てはまるとは思いません。しかし、どのチームが強いマシンと高いタイヤマネージメント能力を有しているかが示されるのは確かです。今年のタイヤはデグラデーションが大きいので、タイヤマネージメント能力がより一層重要なスキルになります。この点は、Formula Oneの歴史上共通することで、マレーシアではさらに重みを増します。しかし、もし豪雨になれば何も為す術がありません。ただ、生き残ることにトライするのみです。誰が正しいタイヤ選択をするかによって、興味深い結果がもたらされるでしょう」

サーキットから見たタイヤ:
・マレーシアは、シーズン中で最も粗い路面を持つサーキットのひとつです。これは、タイヤレンジ中で最も硬い方の2つのコンパウンドが選択された理由のひとつです。

・P Zeroオレンジ・ハードタイヤの作動温度領域は高く、それに対してP Zeroホワイト・ミディアムの作動温度領域は低くなっています。したがって、あらゆる事態に対応可能な理想的な組み合わせと言えます。新型ハードタイヤの耐久性は、昨年のミディアムタイヤと近いもので、2012年型ハードタイヤよりもラップあたり0.4~0.5秒速くなっています。
・セパン・サーキットは、かつて沼地だった凹凸がある場所に建設されました。しかし、2007年に再舗装され、一部を除いて大半のバンプは無くなりました。

・昨年もハードとミディアムがマレーシアグランプリ用に選択されました。トップ5のドライバーたちは3ストップ戦略(インターミディエイト-ウェット-インターミディエイト-スリック)を採りました。一方、6位入賞のブルーノ・セナは4ストッパーでした。

テクニカルノート:
・マレーシアは、バルセロナに次いでシーズン中で2番目に大きな横荷重をタイヤに課します。このため、タイヤ温度は上昇し、最高130℃に達します。

・豪雨のため、マレーシアグランプリのセッションはしばしば中断されることがありました。2009年には決勝が中断され、獲得ポイントは半分となりました。ピレリは、トラクションの改善とスナップオーバーステア抑制のため、今年のCinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットのタイヤ構造を変更しました。

・マレーシアのグリップレベルは高いものの、路面に乗ったラバーを夜間の雨が洗い流してしまうことがよくあります。したがって、セッション開始時点では‘グリーン’な路面になりがちです。高い気温によってドライラインが急速に現れますが、セパンは水捌けが良くないため、水溜りが出現します。

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ピレリF1チームの紹介:
マリオ・イーゾラ(レーシング・マネージャー)
ミラノで生まれ育ったマリオは、全レースにおいてポール・ヘンベリーの右腕的存在として活躍しています。マリオは、サーキットおよびミラノにおいて日々のピレリFormula Oneオペレーションを担当し、チームや主催者との連携役も果たしています。問題があれば解決する男、それがマリオです。彼は、ピレリの250のモータースポーツプログラムの運営もサポートしています。マリオは、タイヤテスターとしてキャリアをスタートしたため、タイヤの動作に関して特別な感性を持ち、ラリーや耐久レースのエンジニアを務めた時期もあります。暇な時には(めったにありませんが)、ミラノでボランティアの救急車ドライバーを務めたり、過去に驚くような好成績を残したアマチュアラリードライバーとして活動したりしています。

マレーシアにおけるピレリ:
・マレーシアでのピレリの活動は、ピレリアジア・パシフィックが担当しています。拠点は300km離れたシンガポールにあります。マレーシアで販売されるタイヤのほとんどは、年間400万本以上を製造する中国にあるピレリの先進的なYangzhou工場で製造されています。

・ピレリは、FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権で数々の好成績を残してきました。Motor Racing Image teamとスバルのコディ・クロッカーとともに3年連続のタイトル獲得を達成しています。
・セパン近郊のゴムバックで生まれたマレーシア人モデルのリン・タンは、1997年のピレリカレンダーに登場しました。その年のテーマは、’women of the world’で、アメリカ人フォトグラファーのリチャード・アヴェドンによって撮影されました。

その他のニュース:
・Formula Oneとともに、GP2シリーズが今週末マレーシアで開催されます。GP2シリーズ用のタイヤもFormula Oneと同じマーキングで再設計されました。P Zeroオレンジ・ハードタイヤとP Zeroイエロー・ソフトタイヤが、セパンでの最初の2レース用に選択されています。

・2013年イタリア・ラリー選手権が、来週末トスカーナでのRally del Cioccoで開幕します。今年の新しい契約では、ピレリは、プジョー・イタリアとシュコダ・イタリアチームへタイヤを供給します。

・ピレリは、今月、世界で最も有名なショップであるロンドンのハロッズに、ポップアップP Zeroストアをオープンします。この新しいストアでは、P Zeroブランドの全ファッション&アクセサリーアイテムや、ピレリFormula Oneチームのウェアを販売します。

・ピレリがサポートし、‘ジムカーナ’のビデオによってインターネットで旋風を巻き起こしたケン・ブロックが、ラリー・メキシコで世界ラリー選手権での自己最高位を獲得しました。ブロックはFord Fiesta RS WRCを駆り、終始トップ6を争い、最終的には7位でフィニッシュしました。

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