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2013/01/27

ピレリ、2013年型Formula1タイヤを発表

(C)Pirelli Motorsport
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2013年1月23日、ミラノ

・よりソフトになったコンパウンドと新しいタイヤ構造
・より高い性能を提供しつつ、レースでは少なくとも2回のピットストップが必要に
・ウォームアップ時間の短縮、約0.5秒のラップタイム短縮、熱によるデグラデーションの増大は、新型PZeroとCinturatoの鍵となる特徴
・全面的に再設計された新型タイヤは、コンパウンド間の性能差がラップあたり約0.5秒以上となる
・その目的は、より多くのピットストップとオーバーテイク機会の創出
・新型ハードタイヤのカラーはオレンジに

ピレリは、一新されたドライ用のPZeroレンジとウェット用のCinturatoレンジで2013年Formula Oneシーズンの活動を開始しました。新型タイヤは、各チームの要望とFIAの最新のレギュレーションにしたがって開発されました。最新の進化により、コンパウンドはよりソフトに、タイヤ構造はよりフレキシブルになり、タイヤショルダーは強化されています。

相互に密接に関連するこれら全ての革新の目的は、性能の改善と熱によるデグラデーションの増大、そして、各レースにおいて少なくとも2回のピットストップを確実にし、全てのチームにより多くの戦略の選択肢を提供することです。サイドウォールも変更され、ハードコンパウンドを表すカラーが昨年のシルバーからオレンジになりました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「2013年シーズンも、オリジナルの2011年型Formula Oneタイヤを進化させるという昨年のフィロソフィーを受け継いでいます。目的は、各ドライバーへ常に新しいチャレンジを課し、タイヤに関して全チームが公平な立場で新しいシーズンをスタートできるようにすることです。7戦で7人の優勝者を生んだ目を見張るべき昨年の開幕後、各グランプリでのデータの蓄積によって、各チームは次第にタイヤへの理解度を深めました。その結果、シーズン終盤のレースでは接戦の状況が減り、1ストップのみのレースも見られました。2011年にも見られたこの現象は、多くのファンを失望させることとなり、いくつかのチームが我々に、何か異なる新しいチャレンジを提供するようにさらなる開発の継続を求めていました。我々の2013年型タイヤは、より多くのオーバーテイク機会の創出と、各レースにおける2~3回のピットストップを確実にすることを併せて提供するものです」

ピレリジャパン・プレスリリース

コンピュータ・シミュレーションと数千キロに及ぶテスト

2013年型P ZeroレンジとCinturatoレンジの開発には、2012年シーズン中にピレリのエンジニアが最先端ソフトウェアによって実行した数千ものコンピュータ・シミュレーションが含まれています。コンパウンドのラボラトリーテストによって裏付けされたこれらのシミュレーションは、グランプリ中に収集されたデータやルノーR30を使用して行われた約7000kmに及ぶ5回のプライベートテストによるデータと統合されます。ピレリのテストカーは、ハイメ・アルグエルスアリとルーカス・ディ・グラッシが、ヘレス、スパ、バルセロナ(2回)、ポール・リカール(ウェットウェザーテスト)でドライブしています。
各チームは、昨年11月、ブラジルグランプリのフリー走行において、新型P Zeroオレンジ・ハードタイヤを試すことができましたが、新型全レンジのデビューは、2月初旬にヘレスで行われるFormula Oneテストを待つことになります。

より高い温度、よりソフトになったサイドウォールとパフォーマンスの向上

2013年型ピレリFormula Oneタイヤを特徴づけるものは、全体的にソフトになったコンパウンドです。これにより、昨年と比較して、各タイヤはより速くピークの作動温度領域に達し、約0.5秒速いラップを刻むことが可能になります。
ピレリタイヤテクノロジーの急速な進化により、新型ハードタイヤ(P Zeroオレンジ)は昨年のミディアムコンパウンドとほぼ同等のものとなりました。今年のタイヤは、サイドウォールがよりソフトになっていますが、タイヤショルダーはより強化されています。これによって、タイヤのピーク性能のウィンドウは広がりますが、熱によるデグラデーションが大きくなるという効果をもたらします。トラクションも改善され、特に、コーナー出口や、ブレーキからアクセル、アクセルからブレーキが連続するエリアにおいて、ラップタイムの短縮に貢献します。

異なるコンパウンド間の性能差は、昨年(特に昨年の後半)の状況とは逆に、ラップあたり少なくとも0.5秒以上となります。熱によるデグラデーションの増大とコンパウンド間の性能差の拡大は、各レースにおいて、より多くのオーバーテイク機会を創出します。

バーコードによって割り当てられるマシンあたり11セットのタイヤ

Formula Oneタイヤは、ミラノにあるピレリのラボラトリーで設計され、トルコのイズミットにある専用の工場で製造されます。品質検査やその他のチェックを通過後、タイヤはイギリスのディドコットにあるピレリの流通ハブに送られ、そこから各サーキットへと配送されます。今年も、各Formula Oneマシンには、レース週末に11セットのタイヤ(6セットの硬い方のコンパウンドと5セットの軟らかい方のコンパウンド)が割り当てられます。合計すると、ピレリは各グランプリに約1800のタイヤを持ち込みます。

FIAのレギュレーションによって、バーコードを使用して、タイヤは各チームへランダムに割り当てられます。この割り当て作業はFIAのオフィシャルによって行われ、ピレリが関与することはありません。各タイヤのサイドウォールには、加硫工程前にバーコードが埋め込まれ、バーコードはタイヤの‘パスポート’としての役割を果たします。
今年もグランプリに向かうピレリチームは、タイヤフィッター、配送スタッフ、ホスピタリティースタッフ、エンジニア等の55名で構成されます。これまで同様、各チームには専属のピレリエンジニアがアサインされます。

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