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2012/09/22

シンガポール用の高い燃料搭載量と多様な戦略

2011 Singapore GP (C)Pirelli Motorsport
拡大します
2012年9月21日、シンガポール

シンガポールグランプリ金曜フリー走行の2セッションで、Formula Oneのドライバーたちは、今シーズン初めての夜間走行を行いました。シーズン中で最も特殊でタフなレースのひとつであるため、異なる燃料搭載量でのP Zeroイエロー・ソフトタイヤとP Zeroレッド・スーパーソフトタイヤの情報収集は、より重要なタスクとなりました。

マシンは、160kgに達するシーズン中で最も重い燃料を搭載してスタートし、2時間近くの走行を行うため、レースが進む中、マシンバランスは劇的に変化していきます。この点がタイヤの使用方法に大きな影響を与えるため、今日のフリー走行では、このレース週末用に選択されているピレリの最も軟らかい(そして最も速い)2つのコンパウンドを使用したロングランに多くの時間が費やされました。フリー走行2回目(FP2)の終盤では、多くの上位チームが、決勝のスタート時に使用することが予想されるスーパーソフトタイヤを装着して高い燃料搭載量での走行に専念しました。

ピレリジャパン・プレスリリース

大半のサーキットと異なり、気温と路面温度はほぼ同じで、FP2を通して、28℃前後のコンディションの下、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが、スーパーソフトタイヤで1分48秒340の金曜日の最速タイムを記録しました。ベッテルのタイムは、2番手となったマクラーレンのジェンソン・バトンのタイムより0.3秒以上速いものでした。

高い気温と一定した高い湿度が、熱によるデグラデーションを招きます。そのため、タイヤマネージメントで必要なことは、迅速にウォームアップを行い、特にトラクションとブレーキングのエリアでラバーをオーバーヒートさせることなく、タイヤ温度を適切な作動温度領域内に維持することです。

フリー走行1回目(FP1)の前、激しい雨が降り、マシンがコースに入った時にはダンプが残っていました。大半のドライバーがピレリのCinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤでセッションを開始しました。(フェラーリのフェルナンド・アロンソがインターミディエイトでの最速タイムを記録しています。)また、トラック上のウェット状態を見るために、Cinturatoブルー・フルウェットタイヤを使用するドライバーも見られました。その後、サーキットはドライ状態となり、P Zeroイエロー・ソフトタイヤでの走行が可能になりました。FP1では、誰もスーパーソフトタイヤを使用せず、ベッテルが1分50秒566の最速タイムを記録し、2番手には、0.1秒以内の差でマクラーレンのルイス・ハミルトンが続きました。

P Zeroレッド・スーパーソフトタイヤは、FP2の30分過ぎ頃に、トロ・ロッソのジャン・エリック・ベルニュによって最初に使用されました。その後、ソフトタイヤでセッションを開始したドライバーたちは、徐々にスーパーソフトタイヤへ移行しました。FP2では、セッション中盤、ターン19でウォールにヒット後ストップしたウィリアムズのブルーノ・セナのマシン撤去のため、短い赤旗中断がありました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「いつものように、シンガポールグランプリは素晴らしい幕開けとなりました。今回は、FP1開始時点でのダンプによって、このレースの複雑性が増しました。序盤のウェット状態にも関わらず、今晩のセッションを通して、多様な燃料搭載量でのデータを大量に収集する多くの走行が見られました。ここまで見てきた限りでは、決勝は2もしくは3ストップになると思われます。しかし、シンガポールでは登場する機会が多いセーフティーカーや、各ドライバーのドライビングスタイルに大きく依存します。ソフトとスーパーソフトの性能差は、ラップあたり約1.5秒で、ラップあたりのデグラデーションは、スーパーソフトで約0.3秒、ソフトで約0.1秒と見ています。これにより、戦略に関して多様な可能性が潜在すると言えます。各チームのアップグレードも多く見られるため、より接戦になると思われます。戦略に関して、例えば、重い燃料の状態で第1スティントをより長く走行するために、硬い方のコンパウンドでスタートするチームも現れるかもしれません。フリー走行を通じて、既に多様なプログラムが見られました。これは、各チームが戦略に関して非常に柔軟な姿勢で臨んでいることを示しています」

今日の数値:
使用タイヤセット数
ソフト 50
スーパーソフト 24
インターミディエイト 22
ウェット 7

コンパウンド毎の最多ロングラン
ソフト 14 ロズベルグ
スーパーソフト 14 ディ・レスタ、ハミルトン、ヒュルケンベルグ
インターミディエイト 8 ベッテル
ウェット 0

今日の豆知識:
市街地のストリートで構成されるシンガポール・サーキットで、昨年以降、ターン5と7の間、ターン13のエイペックスへのアプローチ部分が再舗装されました。新しいアスファルトは、グリップが向上しており、縁石は、マシンへの衝撃が小さくなるように設計されています。

シンガポールは、ドライバー、マシン、タイヤの耐久テストの場として知られています。高温、高湿度のレースの間に失われる水分量によって、ドライバーの体重は2~3kg減少します。これは、Formula One用ホイールとタイヤ重量の約3分の1に相当します。

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