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2012/09/18

タイヤから見たシンガポールグランプリ

2012年9月17日、ミラノ
P ZeroイエローとP Zeroレッド、シンガポールのナイトレースへ

2011 Singapore GP (C)Pirelli Motorsport
拡大します
2012年シンガポールグランプリ:
2012年9月21日 - 23日 シンガポール

グランプリ概要:
ピレリのP Zeroイエロー・ソフトタイヤとP Zeroレッド・スーパーソフトタイヤが、シーズン中で唯一のナイトレースであるシンガポールグランプリのマリーナベイ・サーキット用に選択されました。シンガポールでのナイトレースは、通常のグランプリとは異なる変動要因を生成します。まず、通常よりもセッションの開始が6時間遅いため、ヨーロッパラウンドと同様の時間帯に行われます。また、レースの進行とともに、気温と路面温度は上昇ではなく下降していきます。変動しないものは湿度で、レース週末を通して75%から90%のままです。マリーナベイは、シーズン中で2番目に多い23のコーナーを有する、トラクションが重要となる市街地サーキットです。アスファルトはバンピーで滑りやすく、グリップは、マンホールの蓋や路面上の白線によって損なわれます。アドヒージョンの不足にも関わらず、マシンは、減速時に4.3Gに達する荷重をマネージしなければなりません。

反時計回りの全長5.073kmのコースを61周する決勝は、2時間のタイムリミットに近いものとなるため、熱や湿度、絶え間ないバンプも加わり、ドライバーにとって肉体的に非常に過酷で、マシンとタイヤにもタフなものとなります。例えば、スタート直後のターン1からターン3にかけてのコーナーの連続では、特にタイヤに大きな負荷を課す切り返しがあります。

ドライバーは、ブレーキングを出来るだけ遅めにし、ターンインと減速を同時に行います。このため、タイヤには、縦方向と横方向の荷重が同時にかかり、タイヤ構造への負荷は大きくなります。しかし、コンストラクションの完全性は、ミスが許されないシンガポールで不可欠となる、最適なドライビングプレシジョンと完璧なレーシングラインのためのアドヒージョンを保証します。

ピレリジャパン・プレスリリース

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント: 「個人的には、シンガポールグランプリは大好きです。ナイトレースならではの驚くべきシーンが見られ、素晴らしい雰囲気に包まれ、そして我々のタイヤにとって魅力的なチャレンジの場所です。無数のスポットライトの下、決勝時の状況は通常のレースとは異なるため、チームとドライバーは、タイヤ戦略を懸命に練らなければなりません。路面の状況と改善は、日中のレースの場合といくらか異なります。また、セーフティーカー導入の可能性もあります。2008年以降、シンガポールグランプリでは、セーフティーカーが毎年登場しています。したがって、状況が振り出しに戻った場合に迅速にアドバンテージを得るために、戦略は柔軟かつ効果的でなければなりません。湿度は常に高いものの、これまでシンガポールグランプリでは雨を経験していません。今年も同様と思われ、我々のFormula Oneレンジ中で最も軟らかい組み合わせである2つのスリックタイヤの究極の性能が見られるでしょう。昨年は、セバスチャン・ベッテルが3ストップ戦略で優勝しました。一方、ルイス・ハミルトンは、4回のピットストップと1回のドライブスルー・ペナルティーを行いながらも5位に入賞しました。平均スピードは速くないため、低速コーナーからの出口で、オーバーヒートに繋がるホイールスピンをコントロールできれば、デグラデーションは問題にならないと思います」

ドライバーのコメント ヘイキ・コバライネン(ケータハム) : 「シンガポールは、クールな場所だ。グランプリ開催地として素晴らしいし、ファンにとっても、マシンがフルスロットルで夜のストリートを駆け抜けるのを見るのは信じられないようなことじゃないかな。照明が素晴らしく、ヴィジビリティには何の問題も無いので、コックピットの中では、通常の市街地レースと変わりなく感じる。でも、テレビでトラック上やヘリからの映像を見ると、実にクールだね! 技術的な観点で、シンガポールのトラックでキーとなるセットアップとして、ブレーキング・スタビリティを良好にすることとトラクションを最大限にすることが挙げられる。ハイダウンフォースのトラックで、ブレーキング時の温度は高くなる。2010年に再舗装されたものの、特にターン13と14の間はバンピーなままだ。モナコと同様、今回はピレリP Zeroタイヤのソフトとスーパーソフトを使用する。モンテカルロでのレース時よりもシンガポールの方が暑くなるけど、デグラデーションに関しては同様だと思う。シーズンを通して、いいパフォーマンスを発揮するためにはタイヤマネージメントが鍵となる。路面温度とトラックの特性は、僕らのチームに合っていると思う。5月にモナコで行ったようなレースを、ここシンガポールでも出来ることを期待している」

ピレリ・テストドライバーのコメント ハイメ・アルグエルスアリ : 「高い気温のため、シンガポールでは熱によるデグラデーションが発生するけど、最も注意すべきは、ドライバーにとってレースを過酷なものにする湿度だ。ソフトとスーパーソフトは、このトラックにとても合った組み合わせだと思う。硬めのコンパウンドでの数戦の後、再び軟らかめのコンパウンドを使用することは、その性能を十分に引き出せるからいいことだね。シンガポールは、モンテカルロと同じようなフィーリングだけど、オーバーテイクポイントが多いので、より楽しめるよ。モナコのような1ストップ戦略は難しく、おそらく2ストップになると思う。とは言え、低速コーナーが多く、タイヤへの負荷はそれほど大きくないから、デグラデーションそのものは低くなると思う」

テクニカルノート:
・ シンガポールグランプリでは、マシンは、シーズン中で最も重い燃料を搭載してスタートするため、特にレース序盤において、タイヤ摩耗への影響が大きい。長いレースとともに、ストップ&ゴーの特性のため、燃費も高くなるサーキットである。ラップの半分をフルスロットルで走行するが、ブレーキングエリアも数か所存在する。

・ タイヤにとってタフなコーナーのひとつは、ラップ中で最も長いストレート後のシンガポールスリングである。高速コーナーではないが、ドライバーは、スピードをキープするために縁石を使用する。タイヤは、約130km/hで縁石をヒットする。

・ レース戦略に影響を与える重要な要素として、ピットストップに要する時間が挙げられる。シンガポールは、大半のレースよりも遅いピットレーン走行速度(60km/h)と404mのピットレーンにより、シーズン中で最もピットストップ所要時間が長いサーキットのひとつである。

Pi_2

シンガポールにおけるピレリ:
・ ピレリ・シンガポールは、ピレリのアジアパシフィック地域オペレーションの中心であり、中国にピレリ最大の工場を設立するにあたっては、シンガポールが司令塔としての機能を果たしました。既に操業中のYangzou工場近郊の新工場は、年間1000万ユニットを生産し、アジアパシフィック市場への主要な生産拠点となっています。

・ ピレリは、シンガポールの大規模なディーラーネットワークを通じて、フルレンジのプレミアムカー向けタイヤを供給しています。それらは、ウルトラ・ハイパフォーマンス・タイヤのP Zeroファミリーや、最大限の耐久性と環境フレンドリーな技術を併せ持つCinturato P1などです。

・ ピレリは、シンガポールグランプリのサポートレースの代表でもあります。The Ferrari Challenge Trofeo Pirelli は、マリーナベイで、今シーズンのアジアパシフィックシリーズ5戦を締めくくります。約32台の570馬力のフェラーリが、同一のピレリタイヤでスタートします。今回初めて、GP2シリーズもシンガポールグランプリをサポートします。

その他のニュース:
・ ピレリは、ダウ・ジョーンズ持続性世界指数(Dow Jones Sustainability World Indexes)と同ヨーロッパ指数(Dow Jones Sustainability Europe Indexes)の自動車部品&タイヤ部門において、6年連続で世界のリーダーとなりました。ピレリのスコアリングは、同セクター平均の53ポイントに対して86ポイントでした。

・ ピレリは、先週、フランスのマニクールで、フェラーリ、フォース・インディア、メルセデスとともに若手ドライバーテストに参加しました。3日間のテストは、最終日が雨に見舞われたため、若手ドライバーたちは、多様なコンディションの下、フルレンジのピレリタイヤをテストする機会を得ました。

・ ピレリのFormula One、GP2、GP3に向けた、さらなる開発テストが、先週、スペインのバルセロナで行われました。ハイメ・アルグエルスアリ、ジャコモ・リッチ、ベン・ハンレーがドライバーを務めました。このテストは、2013年のタイヤレンジ開発のためのものです。

・ プジョー・イタリアのドライバー、パオロ・アンドレウッチが、先週、イタリアラリー選手権の最新ラウンドであるRally San Martino di Castrozzaで優勝しました。アンドレウッチは、ピレリのRXラリータイヤを使用しました。このタイヤは、全てのターマックイベントでの多様な温度の下で効果的に機能しました。ピレリは、インターナショナルラリーチャレンジのPrime Rally Yaltaでも、Ford Fiesta S2000を駆るYagiz Avciと共に優勝を獲得しました。

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