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2012/07/21

試験型ハードタイヤ、断続的な雨の中デビュー (ピレリ)

(C)Pirelli Motorsport
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2012年7月20日、ホッケンハイム

雨に見舞われたシルバーストンでのフリー走行から2週間後、ドイツグランプリの開催地、ホッケンハイムの金曜フリー走行も再び雨の中行われました。しかし、今回は、午前中に若干のドライ走行が可能だったため、各チームは、非常に限定されてはいるものの、新型の試験型ハードコンパウンドについての情報を収集することができました。この試験型タイヤは、通常のレース週末用のスリックタイヤ11セットとともにフリー走行でテストされました。ドイツグランプリ用のコンパウンドには、P Zeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフトが選択されています。試験型ハードタイヤは、金曜日の夜に返却されるため、このタイヤを残りのレース週末で使用することはできません。

フリー走行1回目(FP1)では、断続的な雨によるコンディションの変化によって、タイヤやパーツの適正な評価が困難となったため、10分間の走行に制限されることがしばしばありました。そのような中、各チームは、試験型ハードとミディアムタイヤをテストしました。一方、ザウバーの両ドライバーとマクラーレンのルイス・ハミルトンは、Cinturatoグリーン・インターミディエイトを装着した走行も行いました。FP1での最速タイムは、マクラーレンのジェンソン・バトンによって記録されました。バトンは、トラックがドライだったセッションの序盤、ミディアムタイヤを使用して1分16秒595を記録しました。0.5秒差の2番手はハミルトンでした。彼は、トラックがドライになったセッション終盤、バトンと同じミディアムタイヤでタイムを記録しました。

ピレリジャパン・プレスリリース

各チームは、理論的に決勝のコンディションに近い、午後のフリー走行2回目(FP2)でソフトタイヤでの走行を計画していました。しかし、雨が激しくなったため、大半のドライバーが1時間30分のセッションの最後までソフトでの走行を行わず、水溜りの悪影響を避けるために、Cinturatoブルー・フルウェットタイヤで走行しました。トラックがドライになるにつれて、各ドライバーは、徐々にインターミディエイトタイヤへ移行しました。メルセデスのニコ・ロズベルグは、最初にインターミディエイトへ交換し、その直後に最速タイムを更新しました。セッション最後の30分、雨が激しくなってきたため、FP2ではどのドライバーもスリックタイヤで走行することはできませんでした。

完全なドライコンディションにならない中、FP2での最速タイムは、ウィリアムズのパストール・マルドナードによる1分27秒476で、インターミディエイトタイヤで記録されました。これは、FP1でのバトンのタイムより10秒以上遅いタイムです。FP2は、残り5分時点でメルセデスのミハエル・シューマッハがクラッシュし、赤旗中断のまま終了しました。

土曜日の予選もウェットコンディションが予測されていますが、日曜日の決勝はドライコンディションとなりそうです。したがって、ドライバーたちは、特にソフトタイヤについて、ホッケンハイムでの非常に限られたドライ走行の情報で決勝に臨むことになります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「イギリスグランプリの後、多くの人が雨はもうたくさんだと思っていたでしょうが、またしても雨です!しかし、午前中は、雨の合間にトラックが急速にドライとなり、シルバーストンとは非常に異なる状況が見られました。インターミディエイトで走行するほどのウェットコンディションではなかったため、いくらかのドライ走行も可能でした。午後は、よりウェットになりました。しかし、この多様なコンディションによって、各チームは、スリック、インターミディエイト、ウェット間のクロスオーバーポイントを評価することができたと思います。これは、特に予選において重要な情報になるでしょう。我々は、これまでホッケンハイムでFormula Oneレースを経験していませんので、特に今年初めて3種類のスリックコンパウンドを持ち込んだこの日に、可能な限り多くの情報を収集することが重要でした。変化するコンディションによって、ドライバーたちは、試験型タイヤに関して確固たる結論を導くことは出来なかったと思います。しかし、明日はもっと変わりやすい天候が予測されていますので、情報の収集という観点では、今日のテストは決して無駄にはならないと思います」

今日の数値:
使用タイヤセット数
新型ハード 34
ミディアム 24
ソフト 0
インターミディエイト 25
ウェット 24

コンパウンド毎の最多ラップ数
新型ハード 12 ベルニュ
ミディアム 11 ベッテル
ソフト 0
インターミディエイト 14 ウェバー
ウェット 12 ベルニュ

今日の豆知識:
今シーズンここまで、ピレリのFormula One初年度の昨シーズンと比較して、ピットストップの回数は減り、静止時間が短くなっています。ピットストップ回数が増えたグランプリは、雨の後ドライに変わったマレーシアのみです。今シーズン9つのグランプリの半数以上で、ドライバーあたりの平均ピットストップ回数は、2011年よりも1回少なくなっています。P Zeroコンパウンドは、スーパーソフトを除いて、軟らかめのコンパウンドになっていますが、最初の9レースでのピットストップ回数の合計は、2011年の560に対し、今シーズンは466となっています。ピットストップ時間の合計に関しては、5つのレースで2011年より短縮されています。今シーズン、最短ピットストップ時間は、8つのケースの平均で0.688秒短縮されています。

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