ピレリのP Zeroスーパーソフト、雨混じりのモナコで主役に
(C)Pirelli Motorsport
拡大します
2012年5月24日、モナコ
モナコのようなタイトでツイスティな市街地サーキット向けに設計された、ピレリのP Zeroレッド・スーパーソフトは、本日、2012年のデビューを果たしました。マクラーレンのジェンソン・バトンが、フリー走行2回目で、スーパーソフトで1分15秒746の最速タイムを記録しています。
スーパーソフトは、プロファイルには変更が加えられていますが、昨年のコンパウンドのままである唯一のタイヤです。通常通り、フリー走行1回目では、各チームはソフトタイヤを使用してセットアップ作業に専念しました。そして、フリー走行2回目において、予選と決勝のシミュレーション作業へと移行しましたが、断続的な雨により、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤが使用される場面もありました。ドライバーたちは、天候の回復を待ってプログラムを継続しようとしましたが、雨が続いたため、大半がインターミディエイトを使用した走行となりました。
フリー走行1回目において、ドライバーズ選手権の首位に立つ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが、P Zeroイエロー・ソフトタイヤで1分16秒265の最速タイムを記録しました。このタイムは、昨年のフリー走行1回目のベンチマークを約0.4秒上回るものです。フリー走行1回目は、終了10分前に、ケータハムのヘイキ・コバライネンのマシントラブルによってトンネル内でオイルが流出したため、赤旗中断となり、そのまま終了となりました。
ピレリジャパン・プレスリリース
気温が上昇した午後のフリー走行2回目の開始時点では、路面にラバーが乗り、午前中よりも高いグリップを提供するコンディションでした。モナコは、年に1回だけレースに使用される市街地サーキットのため、週末を通しての路面の改善には注目すべきものがあります。木曜日のフリー走行1回目から土曜日の予選に至るまで、ラップタイムで3秒ほどの改善が見られます。
路面は粗くなく、シーズン中最も低速なコースのため、タイヤの摩耗率は低くなります。これにより、日曜日の決勝では、ソフトタイヤは50周もしくはそれ以上の走行が可能であると予測されています。昨年、モナコの予選史上最速ラップを記録したスーパーソフトは、土曜日の予選において、1~2周のピーク性能を提供します。オーバーテイクが非常に難しいため、モナコの予選は、通常よりも重要な意味を持ちます。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「各チームは、これまで、我々のタイヤレンジの中でスーパーソフトの走行機会が最も少なかったので、今日のフリー走行は、モナコのユニークなコンディション下でスーパーソフトの知識を深めるために、各チームにとって大変重要でした。残念ながら、変わりやすい天候によって、ソフトとスーパーソフトの比較に多くの時間を費やすことができませんでした。土曜日のフリー走行では、燃料をフルにした状態での走行が確認できることを期待しています。今夜、分析する大量のデータがありますが、現時点では、ソフトタイヤで50周、スーパーソフトで35周ほど走行可能であると予測しており、コンパウンド間の性能差は、ラップあたり約1秒と考えています。タイヤ戦略が非常に重要になるでしょう。また、予選の鍵は、なかなか容易なことではありませんが、クリアラップの機会を見つけることです。スーパーソフトは、迅速なウォームアップが可能であり、これはドライバーが期待できる部分です。モナコにおいても、下位グリッドからのポジションアップに貢献する素晴らしいタイヤ戦略が見られるでしょう」
今日の数値:
使用タイヤセット数
スーパーソフト 15
ソフト 48
インターミディエイト 24
ウェット 2
コンパウンド毎の最多ラップ数
スーパーソフト 5
ソフト 17
インターミディエイト 13
ウェット 1
今日の豆知識:
ウォームアップ時間は、タイヤが作動温度に達するまでに要する時間です。P Zeroレッド・スーパーソフトの場合、約95℃(タイヤの表面を測定した温度)です。スーパーソフトは、ピレリのタイヤレンジ中でウォームアップ時間が最速であり、モナコでは、わずか1周以内で作動温度に到達します。タイヤ全体は、単にトレッドパターンではなく、このウォームアップのプロセスに直接的な影響を受けます。温度上昇に伴い、タイヤ内部の空気が膨張し、完璧な剛性と接地面の最適な位置を保証するため、6psiまでタイヤ圧が上昇します。
| 固定リンク
最近のコメント