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2012/05/23

タイヤから見たモナコGP スーパーソフト、モナコで2012年初登場 (ピレリ)

2011 Monaco GP 小林 可夢偉 (C)Pirelli Motorsport
拡大します
2012年モナコGP: 2012年5月24-27日 モナコ

グランプリ概要:
ピレリのFormula Oneタイヤレンジで最も軟らかいコンパウンドであるP Zeroレッド・スーパーソフトが、有名なモナコグランプリで今シーズン初登場します。シーズン中で最もスローでタイトなサーキットで行われるモナコグランプリは、最も権威あるレースでもあります。このグランプリには、スーパーソフトとともにP Zeroイエロー・ソフトタイヤが選択されています。

モナコの市街地サーキットは、ほぼメカニカルグリップに依存するため、ウォームアップ時間が短く、非常に高いレベルのトラクションとコーナリングフォースを提供する、スーパーソフトが理想的です。モナコではオーバーテイク機会が非常に少ないため、予選で上位グリッドを得ることが通常よりも重要なポイントになります。同様に、レース戦略が大きな影響力を持ちます。モナコでは、トラック上でのオーバーテイクよりも、効果的な戦略によるピットストップで順位を上げる方がしばしば容易になります。タイヤの摩耗とデグラデーションレベルは、シーズン中で最も低く、1ストップ戦略を採るチームが現れる可能性もあります。モナコは市街地サーキットのため、レース週末を通して大幅な路面の改善が見られます。そして、フリー走行が木曜日に行われ、金曜日の大半は通常の交通状態に戻されるため、レース週末は、通常よりも一日長くなります。このことは、予選時の路面に乗るラバーの量に影響を与えます。

ピレリジャパン・プレスリリース

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント: 「モナコはシーズンのハイライトで、昨年も我々のスーパーソフトとソフトタイヤが、多くのエンターテインメントを提供した場所です。昨年、赤旗による中断になる前は、上位3人のドライバーによる3つの異なる戦略が見られました。スーパーソフトは、モナコのようなサーキットで非常に効果的であり、昨年から変更が無い唯一のコンパウンドですが、2012年のレギュレーションに対応するよう、プロファイルには変更が加えられています。モナコでは、摩耗率は非常に低いため、ドライバーたちは、スタートからフィニッシュまで、限界までハードにプッシュすることができるでしょう。また、ここは他のサーキットよりもオーバーテイクが難しいため、タイヤ戦略が極めて重要になります。モナコは、サプライズが多いグランプリと言われています。今シーズンは接戦のため、これまで見られたように、ほんのわずかなアドバンテージやほんのわずかなミスが、レースの最終結果に大きな影響を与える可能性があります」

ドライバーのコメント ジェンソン・バトン(マクラーレン) : 「モナコは、とても特別な場所だ。たぶん、スピード感が最も大きなサーキットだと思うよ。特に、木曜朝の最初のラップ走行時はね。モナコの狭くて曲がりくねったストリートで、750bhp(bhp=英馬力)のマシンをコントロールするなんて、とても不可能に感じるんだ。でも、すぐに、他では感じられないグルーヴとリズムを感じられるようになる。速いラップを重ね、コーナー付近でバックエンドをプッシュするのが心地いいよ。モナコでは、ピレリのスーパーソフトを今シーズン初めて使用することになる。とても楽しみだよ。今週末、僕らはソフトタイヤから使い始めるだろう。スーパーソフトに切り替えた時、マシンのフィーリングは変わるだろうね。いつものように、週末を通じて、タイヤの作用と動作を見極めることをとても興味深く感じている。モナコは、特に予選が重要になるレースだけど、ここでのチャレンジをとても楽しみにしているよ」

ピレリ・テストドライバーのコメント ルーカス・ディ・グラッシ : 「多くのドライバーと同じく、僕もモナコに住んでいるけど、ここでは、レース用のマシンのバランスとセットアップをとても正確に行う必要がある。それは、毎日モナコの市街地をドライブしていたとしても、何のアドバンテージにもならないということなんだ。モナコは、すべてのラップで正確さが要求される、シーズン中で最も複雑なレースのひとつだと思う。このサーキットのバンピーさは想像以上だから、正確なセットアップとタイヤを最大限に活用する方法について、考慮しなければいけないことがたくさんある。昨年同様、ピレリのタイヤ選択によって、今年も多様な戦略が見られるだろうね。ここまで、とても魅力的なシーズンだけど、力を持ちながらも勝利を手にしていないドライバーたちがいることも事実だと思う。モナコでは何が起こるかわからない。この点が、モナコが魅力的なレースである理由のひとつだ」

テクニカルノート:
・ 路面が粗くない点と平均時速が遅い(わずか時速47kmのシーズン中で最も遅いヘアピンコーナーを含む)点によって、タイヤも摩耗率は極めて低くなる。マクラーレンのジェンソン・バトンは、3ストップのスプリント戦略によって、昨年の表彰台を獲得しているが、ソフトタイヤは50周以上走行可能で、1ストップ戦略も実現可能である。

・ ランオフエリアが無い、サーキットのタイトでツイスティなエリアは、レース戦略に重要な影響を与える。セーフティーカー導入をもたらす事故のリスクが高いため、各チームは、彼らの戦略において、状況の変化に適応できる柔軟性を持つ必要がある。

・ モナコでは、ブレーキが激しく使用されるため、タイヤの温度が上昇し、タイヤ構造に負荷がかかる。例えば、サン・デボーテの入口では、マシンは、わずか100mで時速160kmの減速を行う。スイミングプール・コンプレックスもタイヤにとって厳しい場所である。時速200km以上で縁石をヒットし、横荷重は3.65Gに達する。

これまでのタイヤ選択:

1

モナコにおけるピレリ:
・ 昨年のセバスチャン・ベッテルの優勝を除き、モナコにおけるピレリの輝かしいイベントは、13回の優勝を挙げているモンテカルロラリーです。最近の優勝は、2010年、フィンランドのミッコ・ヒルボネンがフォード・フィエスタS2000によって達成しています。

・ モナコにおけるピレリの営業拠点は、ピレリフランスによって運営されています。ピレリフランスは、パリに近い場所にあり、約100名の従業員を雇用しています。ピレリは、ブランド認知度において、フランス第3位のタイヤメーカーです。

・ ピレリは、フランスのGTオーナーのための活動を広範囲に渡って行っています。P Zero Experienceは、フランスのベストなサーキットでの走行プログラムであり、P Zero by Night Experienceは、80台の車による夜間のレギュラリティーラリープログラムです。

・ ピレリフランスは、ラリーにも積極的に関わっており、ピレリトロフィーを通じて、約100名の若手ドライバーをサポートしています。ピレリフランスのエンジニアは、年あたり25以上のラリー週末に参加しています。その他のニュース: ・ ピレリキッチンの有名な料理を紹介した新しいレシピ本が、モナコパドックのピレリモーターホームで、水曜日の18時に発表されます。数名のスペシャルなドライバーのゲストが、数点のレシピに挑戦する予定です。

・ モナコサーキット史上初めて、GP2とGP3が同時開催され、未来のスタードライバーたちに、Formula Oneで最も影響力のある人々の前で輝くチャンスを与えます。ピレリのフィッターたちにとっては大きなチャレンジとなります。彼らは、週末を通して、パドックの狭いエリアで、合計3100本ほどのタイヤをフィッティングすることになります。

・ モナコグランプリの1週間前、イタリアラリー選手権における今シーズン初のグラベルラリーである、Rally dell’Adriaticoが開催されました。ピレリは、スコーピオンKシリーズを使用しました。これは、ピレリが2008-2010年、世界ラリー選手権の単独タイヤサプライヤーを務めていた際、故障率が0.02%未満だったタイヤと同様の技術を使用しています。ピレリドライバーのパオロ・アンドレウッチが優勝し、ドライバーズ選手権でのリードを固めています。

・ 先頃、ピレリは、2011年度のアニュアルレポートをミラノで発表しました。このアニュアルレポートは、昨年の業績を紹介するとともに、アート作品としての一面を持っています。イラストは、有名なオランダのイラストレーター、ステファン・グレールムによるもので、他にもヨーロッパを代表する作家や学者が参画しています。

・ ピレリのテストドライバー、ルーカス・ディ・グラッシは、モナコグランプリの1週間前、ニュルブリクリンク24時間レースに参加し、ピレリタイヤを装着したマクラーレンMP412Cをドライブしました。ディ・グラッシにとっての耐久レースデビューでしたが、アンラッキーな結果に終わりました。チームメイトが、土曜の夜にクラッシュし、チームはリタイヤを余儀なくされました。

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