ピレリ、2008年以来のシーズン中テストでムジェロへ

(C)Pirelli Motorsport
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2012年4月30日、ミラノ

ピレリは、5月1日～3日まで、イタリア・ムジェロで行われる3日間のテストのため、Formula One史上最重要な場所のひとつへ向かいます。昨シーズンのアブダビでの若手ドライバーテストを除き、シーズン中にFormula Oneのテストが行われるのは、2008年の9月以来となります。

ピレリにとってムジェロは、より新しい重要性を持つ場所となりました。ここは、ピレリがFIAと3年間のFormula Oneタイヤ単独サプライヤー契約を締結後2ヶ月も経たない2010年8月、ピレリのFormula Oneタイヤのプロトタイプが初めてトラックを走行した場所なのです。

当時、ニック・ハイドフェルドがトヨタTF109でテストを行いました。今回は、Formula Oneの全チームが3日間テストのためにムジェロを訪れます。今回のテストの主要な目的は、2012年仕様のピレリP Zeroタイヤの動作について理解を深めることです。特に、各チームの焦点は、全てのコンパウンドとマシンとのバランスの最適化や、空力アップグレードがタイヤに与える作用を見極めることになると思われます。多くのチームが、サードドライバーによる今年初の走行をムジェロテストで予定しています。

ピレリジャパン・プレスリリース

ピレリは、全てのスリックコンパウンド（スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハード）をムジェロに持ち込みますが、各チームが使用できるのは、年間を通じてマシンにつき100セット割り当てられているテスト用タイヤの未使用分ということになります。使用するコンパウンドの決定は、チームに任されています。雨天の場合は、Cinturatoインターミディエイトとウェットタイヤを使用することが可能です。

フィレンツェに近いムジェロは、Formula Oneのレースが開催されたことはありませんが、スポーツカー、ツーリングカー、二輪のレース開催地として有名です。全長5.245kmのトラックには、15のコーナーと、トップスピードが時速335kmを超える非常に長いストレートがあります。サーキットの前半部分の特徴は、多くのコーナーと高低差です。後半部分の特徴は、タイヤの動作と性能を分析する際に特に重要になる長い高速コーナーです。
マシンによってタイヤの使用方法は異なります。したがって、タイヤの動作は、全てのマシン上で常に同じではありません。一般的には、スーパーソフトはウォームアップが最も容易で、作動温度は95℃前後です。ソフトタイヤも性能が重視されており、作動温度は105℃です。ミディアムタイヤは、高いレベルのグリップを維持しつつ一貫性が改善されており、作動温度は115℃です。最後に、ハードタイヤの作動温度は125℃前後で、グリップは低くなりますが、性能の安定性に優れています。これら全ての数値はおおよそのもので、各コンパウンドがベストに作動する温度領域が存在します。しかし、これらの数値は、コンパウンド間の主な違いを示し、今年、マシンのパフォーマンスを解放する重要な要素になっています。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント：「ムジェロテストは、タイヤの動作を理解する上で非常に重要になります。そして、昨年同様、シーズンの経過に伴ってタイヤに関する知識が深まる大量の情報を各チームが収集できることを確信しています。ドライバー間のバトルであるとともに、エンジニア間の技術的なバトルでもあるということが、このモータースポーツの持つ魅力のひとつと言えます。データの収集とともに、このテストは、サードドライバーにとって最新のタイヤを装着したFormula Oneマシンをドライブできる価値ある機会です。これは、通常では非常に困難なことです。今シーズンのスタートは、これまでに無い接戦となっています。そして、各チームは、ヨーロッパラウンド開始前の3日間のテストから、あらゆるアドバンテージを得ようと懸命になるでしょう。そして、我々のホームの近くで、我々にとって最新のFormula Oneでの戦いが始まった場所に戻れることは最高です」