タイヤから見た中国GP ソフトとミディアム、中国の高速コーナーへ挑む
2012 Prerri F1 Tyre(C)
拡大します 2012年中国GP: 2012年4月13-15日 上海
グランプリ概要:
今年、最も技術的に厳しいレースの一つである上海GPにおいて、タイヤ戦略に注目が集まっています。昨年、ファイナルラップまで順位の行方がわからなかったトップ3は、それぞれ異なる戦略を採りました。そして、今年、ピレリがコンパウンド間の性能差を縮小させたため、タイヤ戦略の重要性は一層大きくなったと言えるでしょう。
ピレリは、中国へP Zeroホワイト・ミディアムコンパウンドと、P Zeroイエロー・ソフトコンパウンドを持ち込みます。サーキットは、長いストレート、ヘビーブレーキングエリアとともに、高速で開放的なコーナーが特徴です。
これらの要素により、タイヤ戦略は非常に重要なものになります。昨年、レースに勝つために必要なスピードをもたらしたのは3ストップ戦略でした。ミディアムとソフトの組み合わせは、このサーキットにおけるグリップとパフォーマンスのベストな妥協点を確保します。
しかし、雨の可能性も高いため、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットが登場することになるかもしれません。短い時間の豪雨が特徴的なマレーシアと異なり、中国での雨は、しばしば小雨で長い時間降り続けます。
その場合は、インターミディエイトにとって理想的な舞台となります。
ピレリジャパン・プレスリリース
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント: 「昨年の中国GPは、タイヤ戦略が主役になった、なかなか見られないような魅力的なレースの一つとなりました。しかし、我々が今年採用した方針は、スリックタイヤの性能ピーク時間を長くすることなので、ドライバーは、より熾烈な接戦を繰り広げることができるはずです。
中国では、気温は低いものの、ユニークなコースレイアウトのため、タイヤデグラデーションは高くなります。したがって、タイヤ選択は、オーストラリアと同じミディアムとソフトですが、我々のP Zeroは、来週の上海では、全く異なるチャレンジを迎えるでしょう」
ドライバーのコメント セルジオ・ペレス (ザウバーF1チーム): 「上海では、タイヤにとってマシンの適正なセットアップはとても重要だ。特にフロントだね。
長い高速コーナー、特にターン1では、フロントタイヤにとても大きな負荷がかかる。
だから、タイヤを長く保たせるように気を付けないといけない。
これが、タイヤに関して、上海インターナショナル・サーキットで最も重要なことだと思う。レースがとても楽しみだよ。
僕らのチームは、ザウバーC31フェラーリが戦えるマシンであることを証明できたけど、今は慢心することなく、さらなる改善を目指して努力を続けなければと思っている」
ピレリ・テストドライバーのコメント ハイメ・アルグエルスアリ : 「中国では、タイヤの使い方と戦略が勝負を左右する。去年のレースを見れば分かると思う。
ルイス・ハミルトンは、セバスチャン・ベッテルより1回多いピットストップで勝つことができたし、マーク・ウェバーは、予選の結果は悪かったけれど、タイヤを上手く使って3位になっている」
・ 「タイヤが異なる結果を導く、二つのコーナーがある。
ベストなコーナリングの鍵は、二つのコンパウンドの動作を正確に理解することだ。
まず始めに、ターン1。角度がどんどんタイトになっていくこの右コーナーは、出口に辿りつくまで永遠に続くように感じる。
理想的なラインを維持するために、タイヤはとてもハードな働きをしなければならない」 ・ 「もう一つの鍵は、メインストレート直前の長い右コーナー、ターン13。
わずかにバンクがついた高速コーナーだ。
ストレートとDRSゾーンへ向かって加速するにつれて、タイヤへの負荷が大きくなっていく。
特に予選において、ストレートへ向かってスピードを乗せていけるように、コーナー出口で十分なトラクションを得ることがラップタイムのために必要不可欠だ」
テクニカルノート:
・ ピレリは、オーストラリアと同じタイヤ選択である、P Zeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフトを持ち込む。しかし、今回は、タイヤにとって異なるチャレンジとなる。
・ 中国のサーキット・レイアウトは、アルバート・パークよりも厳しい。
例えば、メインストレートエンドのブレーキングエリアでは、マシンは、130mに満たない距離で時速320kmから時速68kmまで減速する。減速Gは、6Gに達する。これは、シーズンを通して最も大きな負荷の一つである。
・ ミッドセクターでタイヤにかかる横荷重は、3Gほどである。
・ 中国の特性であるヘビーブレーキングは、リアタイヤよりもフロントタイヤに負担を強いる傾向がある。フロントタイヤは、ほぼ円を一周描くターン1においても負荷が大きい。
これは、マシンがエアロダイナミック・グリップよりもメカニカル・グリップに依存するためである。
・ 路面のグリップレベルは中程度だが、マレーシアほど粗くはない。
ターン13のバンクでは、タイヤ接地面が通常時より広がるため、タイヤ構造への負担を増加させる。
・ ルイス・ハミルトンは、ただ一人、中国で2勝を挙げている。彼を除いて、初開催の2004年以降、毎年異なる優勝者が生まれている。これは、上海サーキットの多様なチャレンジング性を強調している。
・ 昨年、セバスチャン・ベッテルは、上海サーキットの予選において、2011年型P Zeroイエロー・ソフトタイヤを使用して、1分33秒706の最速タイムを記録した。
これまでのタイヤ選択:
中国におけるピレリ:
・ 中国におけるピレリの二つの主要な工場は、山東省にあり、それぞれ乗用車用タイヤとトラック用タイヤを生産しています。最新の工場は、年間生産量を1千万本まで拡張できるよう設計されています。乗用車用、トラック用ともに、生産量は昨年から倍増しています。
・ 中国は、ピレリのモータースポーツ史において非常に重要です。
ピレリの最初の国際的な勝利は、壮大な1907年の北京―パリロードレースでした。シピオーネ・ボルゲーゼ公爵が排気量7リッターのイターラで勝利しています。
・ 中国におけるピレリの昨年の活動には、BMW Destination X, Ferrari Challenge Asia, the China Rally, the Subaru Driver Championship などがあります。
また、ピレリは、イタリア商工会議所主催の‘Festival Italiano’とカートレースのスポンサーでもありました。
その他のニュース:
・ ピレリは、iPhoneとAndroidスマートフォン向けのFormula Oneアプリ、Pirelli Autodromeを発表しました。このアプリは、インタラクティブな機能とともにバーチャルなFormula One体験を提供します。
Pirelli Autodrome は、iTunesとAndroidマーケットから無料でダウンロードできます。
・ ピレリが単独タイヤ・サプライヤーを務める2012 FIA WRCアカデミーがポルトガルで開幕しました。
新進気鋭の北アイルランド人、アラステア・フィッシャーが開幕戦に勝利しました。
・ 現イタリアラリー選手権王者のパオロ・アンドレウッチは、今シーズン開幕戦のRally del Cioccoで、ピレリのターマック・ラリー用タイヤを使用して優勝しました。
・ ピレリは、先週、ミラノのPirelli Institute において、2012年モータースポーツ・プログラムを発表しました。プラグラムには、FIA GT Championship, the Italian Endurance Touring Car Championship, Ferrari Challenge, Lamborghini Super Trofeo、Maserati Trofeo が含まれています。
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