マレーシアでのスピードと戦略 (ピレリ)
(C)Pirelli Motorsport
拡大します2012年3月24日、セパン
開幕第2戦、マレーシアGPにおいて、マクラーレンのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンが、先週に続いて予選1位2位となりました。両ドライバーともに、ピレリのP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを使用して自身の最速タイムを記録しました。ハミルトンのタイムは、1分36秒219でした。
タイヤ戦略は予選の鍵となり、現世界王者のセバスチャン・ベッテルは、他のドライバーとは異なるアプローチを採りました。ベッテルは、最終アタックでP Zeroシルバー・ハードタイヤに切り替え、彼の最速タイム(全体で6位)を記録しました。したがって、明日の決勝では、トップ10ドライバーの中でベッテルのみが、ハードタイヤでスタートを切ることになります。予選では、誰もガレージにとどまることを選択せず、すべてのドライバーがタイムを計測しました。
ハミルトンは、Q3における最初のアタックで、ミディアムタイヤを使用してポールタイムを記録しました。そして、その記録が破られないと見て、2回目のアタックを行わず、タイヤをセーブすることができました。バトンは2回のアタックを行い、自身の最速タイムを予選終了間際に記録しました。
もう一つの予選のハイライトは、2人の元世界王者による素晴らしいパフォーマンスでした。
メルセデスAMGのミハエル・シューマッハは、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤを使用して予選3位となり、F1復帰後のベストグリッドを獲得しました。2年のブランクからF1に復帰したキミ・ライコネンは、同じくミディアムタイヤを使用して予選5位となりました。ライコネンは、レッドブル・レーシングのマーク・ウェバーと同タイムを記録しましたが、ペナルティにより5グリッド降格となります。
ピレリジャパン・プレスリリース
Q1では、ミディアムタイヤを使用するドライバーもいましたが、上位チームはハードタイヤを使用してQ2進出をめざしました。予選は気温31℃、湿度63%のドライコンディションで行われました。
Q1とは対照的に、Q2では、全てのドライバーがP Zeroホワイト・ミディアムタイヤを使用しました。ここでは、ライコネンが最速タイムを記録しました。ウィリアムズのパストール・マルドナードは、惜しくもトップ10に入れず、11番グリッドからのスタートになります。しかし、レギュレーションにより、彼はスタート時に装着するコンパウンドを選択できます。
予選前の最終フリー走行は、ダンプコンディションでの開始となり、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤによる走行が見られました。最終的には、トラックがドライになった後、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤを使用して最速タイムを記録しました。
セパン・サーキットは、粗い路面で、タイヤに大きな横荷重がかかります。また、スコールによるグリップレベルへの影響もあります。昨年、ピレリは、マレーシアGP用にソフトタイヤとハードタイヤを選択しました。しかし、今年のコンパウンドは非常にソフトになっており、新型P Zeroシルバーは、2011年型ミディアムタイヤとほぼ同じ特性です。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「シーズン中で最もタイヤに厳しく、デグラデーションが大きいレースの一つとなることは明らかです。したがって、タイヤマネージメントが非常に重要となり、各チームは、短期的なメリット(性能)と長期的なメリット(耐久性)を上手くバランスしなければなりません。例えば、ハードタイヤでのスタートは、大いに議論される戦略であると思われます。我々は、ハードタイヤで約25周走行可能と予測していますが、ミディアムタイヤは、ラップあたり0.5秒弱早く、ポールタイムもミディアムにより記録されています。Q3でミディアムを使用したドライバーたちは、3回のピットストップになると考えています。すなわち、比較的短い第1スティントの後、これまで非常に高い性能を発揮しているハードに切り替える戦略が見られると思います」
公式予選トップ10ドライバーの使用タイヤ:
ハミルトン ミディアム
バトン ミディアム
シューマッハ ミディアム
ウェバー ミディアム
ライコネン ミディアム
ベッテル ハード
グロージャン ミディアム
ロズベルグ ミディアム
アロンソ ミディアム
ペレス ミディアム
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