ベッテル、最小僅差で鈴鹿のポールポジション獲得
(C)Pirelli Motorsport
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2011年10月8日、鈴鹿
レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルは、日本GPのポールポジションを獲得し、2回目のF1タイトル獲得に向けて最良の位置につけました。ベッテルは、ピレリのPZeroイエロー・ソフト・タイヤを使用して、1分30秒466を叩き出しました。昨年、自身が記録したポールタイム1分30秒785を更新し、マクラーレンのジェンソン・バトンを、わずか0.009秒差で抑えました。このタイム差は、2000年にミハエル・シューマッハがミカ・ハッキネンを抑えて、ポールを獲得した時と同じであり、鈴鹿における史上最小のタイム差によるポール獲得です。
PZeroホワイト・ミディアム・タイヤとPZeroイエロー・ソフト・タイヤのパフォーマンスは、ラップ当り1秒以上の差があったため、上位ドライバーは、速い方のソフト・タイヤをできるだけセーブすることに専念しました。しかしながら、Q3進出を確固たるものとするためには、Q2の開始時点からソフト・タイヤを使用せざるを得ませんでした。
ポールポジションを争ったドライバーたちは、できるだけ多くのPZeroイエロー・コンパウンドを決勝に残しておくため、最終セッションにおいて、ソフト・タイヤで2回のランしか行ないませんでした。鈴鹿サーキットは、タイヤを発熱させる高速コーナーが多いため、タイヤに厳しいという特性があります。このため、アウトラップ後の最初のフライングラップにおいて、ソフト・タイヤは、ピークのパフォーマンスを発揮し、ドライバーたちに、即座にベストタイムを求められるプレッシャーを与えます。
Q1で最速タイムを記録したザウバーの小林可夢偉は、ソフト・タイヤを使用して、Q3進出を果たしました。しかし、Q3ではミディアム・タイヤを使用し、アタックを行いませんでした。メルセデスGPのミハエル・シューマッハ、ロータス・ルノーのブルーノ・セナとビタリー・ペトロフもタイムを記録していません。そのため、この4人は、明日のレースでソフトとミディアムのどちらでスタートすることも可能です。
メルセデスGPのニコ・ロズベルグは、メカニカルトラブルに見舞われたため、ピットを出られず、驚くべきことにQ1で敗退となりました。しかし、予選の上位10人のドライバーは、予選で自己ベストタイムを記録したタイヤを使用して、決勝をスタートしなければなりません(*)。グリッド最後方からスタートしなければならず、失うものが少ないロズベルグは、過激なタイヤ戦略を採る可能性もあります。
(*) 既述の通り、Q3でタイムを記録しなかったドライバーは、タイヤ選択の自由がある。
ピレリジャパン・プレスリリース
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「非常に速い予選でしたが、タイヤは、鈴鹿サーキットの高速要求にしっかりと耐えてくれました。摩耗もデグラデーションも、通常の範囲を超えていません。しかし、Q3に進出した中の数台は、タイヤをセーブするためにアタックを行なわないということが慣例化しているようです。これは、観客にとって公平ではありませんから、私たちは、今後、チームやFIAとともに、皆が納得する解決策を見つけたいと思っています。私たちは、過去、いくつもの提案をしてきましたが、チーム側から却下されてきました。しかし、今日、解決すべき問題が、依然として残っていることが露呈してしまったのです。決勝レースについて、ソフト・タイヤとミディアム・タイヤには大きなタイム差がありますから、今週末は面白い戦略が見られる可能性もあるでしょう。ソフト・タイヤは、速さの代償として、クロスオーバーポイント(ミディアム・タイヤの方が速くなるポイント)が、たったの5~6周で訪れる可能性もあります。各チームがどのように対応してくるのか、非常に興味深いものになるでしょう」
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