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2011/09/23

タイヤから見たシンガポールGP

(C)Pirelli Motorsport
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2011年9月22日、シンガポール

シンガポールGPは、2011年F1カレンダーの中で初めての、そして唯一のナイトレースです。非常に厳しくテクニカルな市街地サーキットで行なわるため、ピレリのソフト・タイヤとスーパーソフト・タイヤが使用されます。今週末にはセバスチャン・ベッテルが、ピレリにとって1957年のファン・マヌエル・ファンジオ以来のチャンピオンになる可能性があります。現在ベッテルは2位以下に112ポイント差を付けており、今週末のレースで125ポイントまで広げれば、他の誰も追いつくことができなくなります。

シンガポールは最も長いレースのひとつでもあります。全長5.073kmのサーキットを61周して争われるレースは、グランプリの上限である2時間近くかかることが予想されています。シンガポールは非常に湿度が高いことで知られていますが、2008年の初開催以来、レース週末に雨が降ったことはまだありません。しかし、現在のところ天気予報では週末を通して降水確率が高く、ピレリのPZeroオレンジ・ウエット・タイヤやPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤが使用されることになりそうです。

ターン2の縁石が僅かに変更された以外、サーキットは昨年から変更はありません。では、タイヤから見たこのサーキットのチャレンジングな箇所を見ていきましょう。

ピレリジャパン・プレスリリース

サーキットについて:

このサーキット最長のストレートの後に、メモリアル・コーナーが待ち受けています。このストレートでは最高速が時速300kmに達し、その際には非常に大きなダウンフォースが発生しタイヤを押さえつけます。ブレーキングエリアは104mで、4Gもの減速Gで減速するマシンはバンピーな路面で安定感を失います。フロントタイヤには約600kgの荷重がかかり、グリップを生み出し、シャープなターンインを実現し、コーナリングラインの精度を高めます。

もうひとつの有名なコーナーが、シンガポール・スリングです。コーナーをカットするため、ドライバーたちは縁石を使います。タイヤは時速130kmで縁石をヒットし、マシンの縦方向の動きを吸収して和らげ、サスペンションが衝撃を吸収するのを助けます。

時速250kmで通過する短いストレートの後、最後にいずれも同じカーブ半径の2つのコーナーに入っていきます。最終コーナーの入り口では、理想的なラインをキープするために右フロントタイヤのグリップの正確さが重要になります。コーナーの途中からはドライバーがスロットルを開けフルパワーを絞り出すため、そのパワーを路面に伝えるために右リアタイヤの仕事が重要になります。こうした全てのコーナーがマリーナベイ・サーキットを特徴付けていますが、タイヤ摩耗を引き起こす最大の要因は、ホイールスピンです。トラクション性能を高めるためにはPZeroタイヤのうち柔らかいコンパウンドが適しており、それがシンガポールGPの供給タイヤスペック決定のもう一つの大きな理由となったのです。

暗闇での雨天用タイヤ:

今週マシンが走行する時間帯に雨が降っても、それはF1マシンが夜にウエットコンディションで走る初めての機会とはなりません。シーズン前のテストの際、ピレリは1月にアブダビで人工的にダンプ状態にした路面でテストを行なっているのです。トヨタTF109を使用し、ペドロ・デ・ラ・ロサがドライブを担当しました。その時、グランプリ史上初めてF1マシンが暗い環境の中で“雨”の中を走るという歴史が刻まれたのです。

これは見事なショーでしたが、非常に真面目な目的に基づいたものでもありました。雨はいつも寒いコンディションの中で降るわけではありません。そこで気温20〜25度のアブダビで400kmにわたって走り、PZeroタイヤの性能評価を行なったのです。これは今週末のシンガポールとよく似たコンディションです。

デ・ラ・ロサからは、夜にウエットコンディションで走るフィーリングがどのようなものか、ドライバーの視点から報告が上げられました。彼は路面の水たまりに照明が反射するという問題も少々あると指摘しましたが、視界に問題はなく、非常に楽しくユニークな経験ができたと語りました

ピレリのモータースポーツ・ダイレクター、ポール・ヘンベリーは次のように説明しています。「理論的には、我々の雨天用タイヤは、夜間に走ろうが昼間に走ろうが全く違いはありません。最大の違いは温度です。しかしアブダビ・テストでは、普通とは異なる暖かいコンディションで雨天用タイヤがどのような傾向を示すのか、非常に有益なデータを多く収集することができました。テスト結果は非常に満足できるものであり、今週末も必要とあらば、完全なる自信を持って雨天用タイヤで夜間走行することができるでしょう」

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