ソフトとスーパーソフト、初の酷暑に臨む
(C)Pirelli Motorsport
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2011年 ハンガリーGP
グランプリ概要:
シルバーストンとニュルブルクリンクでの高速コーナーと肌寒い気候の後、ハンガリーのブダペスト郊外に位置するタイトでツイスティなハンガロリンクでは、例年酷暑となるためピレリのPZeroタイヤにとっては過酷な条件となります。8カ月という短い期間で完成したハンガロリンクは、東ヨーロッパでは初めて1986年からF1を開催しています。
以来、このサーキットは非常に高い知名度を誇っていますが、グランプリ以外ではほとんど使用されていません。この点がこのサーキットの最大の特徴で、ダスティでスリッパリーな路面にはレース週末の間に急激にラバーが乗っていき、これによってグリップレベルが大幅に向上します。これこそ、ピレリがPZeroイエロー・ソフト・タイヤとPZeroレッド・スーパーソフト・タイヤをハンガロリンクに投入する理由なのです。16のコーナーはいずれもタイトで狭く、平均速度も低く、モンテカルロに似ています。従ってピレリのPZeroタイヤの中ではよりソフトなタイヤが理想的なのですが、スーパーソフトが非常に暑いコンディションで使用されるのは初めてのことになります。
ブダペストでは先週末は雨が続いていましたが、今週末のレース時の気温は26~27度ほどになると予想され、ドライバーはタイヤをいかにいたわるかを考えなければなりません。ハンガロリンクはモナコのようにオーバーテイクが難しいことでも知られているため、どのチームもタイヤ戦略を巧みに使って順位を上げようとしてくるはずです。間違いなく、それがこの週末の焦点になるでしょう。
サーキットは自然の盆地のようなところにあるため、全体の約80%が直に見渡すことができ、多くのアクションを見ることができます。
今週のレースでは金曜フリー走行に追加タイヤは供給されず、週末に使用できるタイヤは1ドライバーあたり通常の11セットのままとなっています。
ピレリジャパン・プレスリリース
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのコメント:
ポール・ヘンベリー:「昨年GP3で初めてハンガロリンクを訪れた際の経験から言っても、ハンガリーもここ最近のレースとさほど変わらない展開になるでしょう。しかしGP3のタイヤはF1用タイヤとは全く異なりますから、高温と滑りやすい路面という大まかな予測以外は、あまりデータを参考にすることはできません。いずれのチームやドライバーにとっても課題となるのは、この暑いコンディションの中でタイヤの摩耗をしっかりとコントロールすることです。PZeroイエロー・ソフト・タイヤはすでに暑いコンディションでも使用されており、良好なパフォーマンスが証明されています。スーパーソフト・タイヤは予選では素晴らしい性能を発揮するでしょうが、ソフト・タイヤほどの耐摩耗性はありません。速さと耐久性の数値を各チームがどう判断するか、それが様々なレース戦略のカギになるでしょう。これまでもハンガロリンクでは様々なドラマが起きてきましたが、今年は新たな要素も多く、エキサイティングなレースになるはずです」
F1ドライバーのコメント:
ビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP):「僕たちはハンガロリンクに似たコース特性のモナコやカナダでも非常に高いポテンシャルを発揮できたし、ハンガリーでも良いレースができると期待しているよ。カナダではウエットとインターミディエイトを使用したから少し事情は違うけど、ハンガリーではそんなことにはならないだろうね。でも僕らはこの手のサーキットでは良いパフォーマンスを見せられるはずだ。今シーズンの最大の課題のひとつはフリー走行からタイヤの性能を引き出し、予選に向けてしっかりと準備を整えることなんだ。例年ハンガリーではいつも以上に予選がより重要になる。アンダーステアが出やすく、オーバーテイクがすごく難しいからね。スーパーソフトで何周走ることができるのか、それも確認しておかなければならない。それがレース戦略の重要なポイントになるわけだからね。これまでのところ、ピレリのタイヤは運転していて楽しく、性能をしっかりと引き出すことができればパフォーマンスも良い。今シーズン始めにオーストラリアで表彰台に上った時のようにね。けれども基本的には、もう少し性能の安定性が欲しいかな」
テクニカルノート:
*ハンガロリンクは全サーキットの中で最もグリップレベルが低いサーキットのひとつで、そのためタイヤの摩耗はそれほど激しくない。一方、気温が高いうえに、低速コーナーが連続するため走行風量も少なく、ドライバーにとっては最も体力的に厳しいレースのひとつになる。2006年を最後に雨のレースはない。
*ハンガロリンクの特殊なコースレイアウトは、初優勝を生み出すことでも知られている。デーモン・ヒル(1993年)、フェルナンド・アロンソ(2003年)、ジェンソン・バトン(2006年)、ヘイキ・コバライネン(2008年)などがハンガロリンクで自身初優勝を挙げている。
*ハンガロリンクではハイダウンフォースが要求される。全長4.381kmのうち、フルスロットルで走行できるのは10秒ほどでしかない。リアサスペンションを柔らかくセッティングすれば、コーナー立ち上がりでのメカニカルグリップとトラクションを最大限に高めることができる。しかしそれはリアタイヤに大きな負荷をかけることになる。
これまでのタイヤ選択
PZero Red | PZero Yellow | PZero White | PZero Silver | |
Australia | Soft | Hard | ||
Malaysia | Soft | Hard | ||
China | Soft | Hard | ||
Turkey | Soft | Hard | ||
Spain | Soft | Hard | ||
Monaco | Super Soft | Soft | ||
Canada | Super Soft | Soft | ||
Europe | Soft | Medium | ||
Great Britain | Soft | Hard | ||
Germany | Soft | Medium |
ハンガリーでのピレリ:
*ハンガリーにおけるピレリの最初の活動は、ケーブルに関するビジネスでした。現在ではピレリは東ヨーロッパのタイヤ市場において主要メーカーのひとつとなり、とりわけ冬用タイヤの売り上げが好調です。
*ピレリは2010年のGP3に参戦するまで、ハンガリー国内のサーキットでのレース経験はありませんでした。しかしハンガリー・ラリー選手権では数多くの成功を収めています。
*ピレリは10年以上にわたって、ハンガリーで生産しているスズキの乗用車にタイヤを供給しています。
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