天候不安定なシルバーストンで、アロンソがピレリで初優勝
(C)Pirelli Motorsport
拡大します
2011年7月10日、シルバーストン
フェラーリのフェルナンド・アロンソが、ピレリタイヤで初めて、そして今季初の勝利を収めました。複雑なコンディションとライバルからの激しいプレッシャーを跳ねのけ、昨年の韓国GP以来となる、自身27回目の優勝です。
レースは気温20度、ダンプコンディションでスタートを迎え、全車がPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤを履きました。そのため、レギュレーションで定められた通り、どのドライバーもPZeroシルバー・ハード・タイヤとPZeroイエロー・ソフト・タイヤの両方をレース中に使う義務がなくなりました。
レッドブルのセバスチャン・ベッテルはポールポジションからスタートしたチームメイトのマーク・ウェバーをスタート直後にかわして首位に立ち、アロンソは3位のポジションを守りました。ウェバーとアロンソの間では2位争いが繰り広げられ、フェラーリのフェリペ・マッサとマクラーレンの・ルイス・ハミルトンの間では4位争いが繰り広げられましたが、路面が乾いていくにつれて、ドライバーたちはインターミディエイト・タイヤをいたわることに専念しなければなりませんでした。
最初にスリックタイヤに交換したのはメルセデスGPのミハエル・シューマッハで、小林可夢偉との接触を受けてノーズ交換とともに9周目にPZeroイエロー・ソフト・タイヤに交換しました。彼はすぐに最速タイムを記録し始め、すでにスリックタイヤに交換した方が速くなるというクロスオーバーポイントに達していることを示しました。ベッテルは13周目にピットインしてPZeroイエローに交換し、リードを守ったままレースに復帰しました。
しかし27周目の2回目のピットストップではリアジャッキにトラブルが発生し、3位に後退。代わってアロンソがトップに立ちました。アロンソは3回ストップ作戦で優勝をたぐり寄せましたが、上位5名が全員これと同じ戦略でした。2回ストップ作戦の最上位は、6位に入ったメルセデスGPのニコ・ロズベルグでした。ポール・ディ・レスタはピットでのトラブルによって15位フィニッシュを余儀なくされましたが、レース中にPZeroシルバー・ハード・タイヤを使用したのは彼だけでした。ザウバーのセルジオ・ペレスは予選12位から7位でフィニッシュし、自己最高位を記録しています。
今年ピット&パドックエリアが新設されたシルバーストンは、ピットストップでロスする時間が14秒で、最も短いサーキットとなりました。他のサーキットは18秒前後です。そのため、できるだけタイヤが新品の状態で走る“スプリント”のレース戦略が好まれることになりました。アロンソは最後のスティントはPZeroイエローで13周、第1スティントのZeroブルー・インターミディエイトは12周のみでした。
ピレリジャパン・プレスリリース
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「シルバーストンでのフェラーリの初優勝から60年後の今年、素晴らしいレースを制したフェラーリのフェルナンド・アロンソの健闘を称えたいと思います。今日は素晴らしいドライビングや作戦があちこちで見られました。レース序盤にはウエットとドライが入り混じるコンディションの中で12周ほどにわたってPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤが性能を証明しました。非常に印象的なパフォーマンスを発揮したと思います。今日は2回ストップと3回ストップ作戦が見られましたが、これはまさに我々の予想通りでした。そして今回のレースも、最後の最後まで表彰台の面子が決まりませんでしたね」
レースのスタート前に、フェルナンド・アロンソがフェラーリ375でデモンストレーション走行を披露しました。これは60年前の1951年のイギリスGPで、ピレリタイヤを履いたフロイラン・ゴンザレスが勝利を飾ったマシンです。今はF1運営会社フォーミュラ・ワン・マネージメントの代表バーニー・エクレストンが所有しています。
ピットストップサマリー 2011 イギリスGP
Alonso: IN SU (12) SU (27) SU (39) 3
Vettel: IU SU (13) SU (27) SU (36) 3
Webber: IU SU (12) SU (26) SU (38) 3
Hamilton: IN SU (12) SU (24) SU (37) 3
Massa: IN SU (13) SU (26) SU (41) 3
Rosberg: IU SU (12) SU (30) 2
Perez: IN SU (12) SN (32) 2
Heidfeld: IN SU (10) SN (30) 2
Schumacher: IN SU (9) DT (16) SN (31) 3
Alguersuari: IN SN (12) SN (31) 2
Sutil: IN SN (11) SU (25) SU (40) 3
Petrov: IN SU (11) SN (38) 2
Barrichello: IN SU (11) SN (31) 2
Maldonado: IN SU (11) SU (24) SU (35) 3
Di Resta: IN SU (12) SU (24) HN (26) 3
Glock: IN SN (11) SU (30) 2
D’Ambrosio: IN SN (11) SU (28) 2
Liuzzi: IU SU (11) SN (31) 2
Ricciardo: IN SN (12) SU (28) 2
Button: IN SU (11) SU (26) SU (39) 3 NC
Buemi IN SN (11) SN (25) 2 NC
Kobayashi: IN SU (11) DT (20) 2 NC
TrullIi: IN 0 NC
Kovalainen: IN 0 NC
最初のコラムはドライバーが最初に装着していたタイヤ
最後のコラムはピットストップの総数
S = Soft compound
H = Hard compound
N = New compound
U = Used compound
I = Intermediate tyre
W = Wet tyre
D = Damage
DT = Drive Through
NC = Not classified
| 固定リンク
最近のコメント