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2011/06/10

タイヤから見たカナダGP

(C)Pirelli Motorsport
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2011年6月9日、モントリオール

モナコGPと同様に、ピレリはモントリオールにもPZeroイエロー・ソフト・タイヤとPZeroレッド・スーパーソフト・タイヤを投入します。カナダはシーズン中でも最もタイヤに厳しいサーキットのひとつです。

サーキットについて:
モナコとは違い、カナダは完全な市街地サーキットではありません。セントローレンス川に浮かぶ人工島の公道を使用しますが、一部はレースの時にしか使用されないパーマネントサーキットとなっているからです。全長4.361 kmのコースを70周して争われますが、路面は非常にスムーズで、グリップレベルも変わりやすくなっています。

大きなブレーキングポイントが6箇所あり、それゆえにシーズン中でも最もブレーキに厳しいサーキットとなっています。加えて3つのシケイン、4つの高速コーナーから構成されています。

コース中盤には2つのシケインとダブルブレーキングの箇所、そして素早い切り返しが要求されるシケインがあり、これがわずか700m足らずの間に連続するタイトなセクションとなっています。これによってタイヤには非常に大きな負荷がかかり、15秒の間にタイヤの表面温度は20度も上昇し、最高で110度にも達します。

1周の中で最もクルマにとってもドライバーやタイヤにとっても厳しいのは、ロングヘアピンへのアプローチです。ここでは、たった130mの距離の間に3秒以下で290km/hから60km/hまで実に230km/hもの減速が要求されます。これによって1100kgもの垂直圧力がフロントタイヤにかかります。このコーナーへの飛び込みが最大のオーバーテイクポイントのひとつになっています。

モントリオールのサーキットは、路面のバリエーションの豊富さでも知られ、ピットレーンがその好例です。ある箇所はアスファルト、ある箇所はコンクリートで、そしてそれぞれが異なる摩擦係数で、ラバーの載り方が異なりグリップのレベルも違ってくるのです。しかし今回投入される2つのPZeroタイヤのコンパウンドは、こうした幅広い路面に対応して安定したパフォーマンスを発揮するよう設計されています。

ピレリジャパン・プレスリリース

レース戦略:
今年のF1タイヤでは、レース戦略を正しく組み立てることが今まで以上に重要になってきています。レース戦略は様々な要素によって決まってくるものですが、チームにとって最も重要なのは、レース中のどのタイミングでマシンが最速になるように仕上げてくるかということです。

速い方のタイヤ、大方は柔らかい方のタイヤということになりますが、それをレースのスタート時に履けば、レース序盤にライバルを引き離してアドバンテージを築くことができます。しかしレース中盤や終盤に速い方のタイヤを履いたドライバーに逆転されるというリスクもあります。

逆に硬い方のタイヤでスタートすれば、柔らかい方のタイヤを履いたライバルたちが最初のピットストップに入ったところで前に出ることができます(これは“アンダーカット”と呼ばれています)。しかし柔らかい方のタイヤを履いたライバルたちはその性能を最大限に活用するので、レース序盤は苦しい戦いを強いられることになります。

1回目のピットストップでは、もうひとつの重要な決断を下さねばなりません。異なるコンパウンドのタイヤを履くか、同じスペックをもう一度履くかです。異なるスペックを履けば、レース戦略に幅を持たせることができます。
各ドライバーは用意された2つのスペックを少なくとも1度ずつ使用しなければならないと規定されているからです。つまり、そこで第1スティントと同じスペックのタイヤを選択すれば、もう一度ピットストップしなければならないのです。

各チームは非常に複雑なコンピュータプログラムを駆使して、様々なレース戦略によってどのような結果になるかをシミュレートします。しかしそのようなコンピュータが計算することができないのが、他のドライバーがどのような戦略を採るかということや、遅いクルマに抑え込まれてしまうという可能性、そしてサーキット特性や事故やセーフティカーの出動といった要素です。

どのチームもレース戦略を大きく左右するような出来事が起こりうる可能性は慎重に研究しています。例えばカナダなら、67%の確率でセーフティカーが出動しています。そして天候も大きな要素です。天候が変われば、大抵のレース戦略は無に帰してしまうからです。そのサーキットがどれだけ追い抜きがしやすいかというのも、戦略を考える上で重要な要素のひとつになっています。

モナコとは違い、カナダはオーバーテイクのチャンスが多々あります。これはつまり、冒険的なレース戦略を採りやすいということです。逆に追い抜きの難しいモナコでは、コンサバティブな戦略に偏りがちなのです。

極論すれば、レース戦略の鍵とはフレキシビリティです。臨機応変に対応できる戦略家がいるチームは、予想外の状況にもリアルタイムで対応することができため、ライバルたちよりも先にイニシアティブを握ることができ、往々にして上位フィニッシュを果たしています。かつてないほど、リアクションの速さが重要です。このように、ピレリのPZeroタイヤは変化が激しくエキサイティングな要素を提供しているのです。

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