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2011/06/22

2011年 ヨーロッパGP:ピレリ、ソフトとミディアムのコンパウンドをスペインへ

(C)Pirelli Motorsport
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2011年6月20日、ミラノ

グランプリ概要:
バレンシアの市街地サーキットの要求は特殊であるため、ピレリは今週末のヨーロッパGPに新型のミディアム・タイヤを投入します。これは2週間前のカナダGPのフリー走行でテストされたものです。PZeroホワイト・ミディアム・タイヤは、開幕5戦で使用されたハード・タイヤほどの耐久性はないものの、速さでは上回ります。ただし、バレンシアでオプションタイヤとして使用されるPZeroイエロー・ソフト・タイヤとは大きな差があります。

ピレリはF1参戦を前にバレンシアで2度のテストを行ないましたが、これは郊外にあるパーマネントサーキットであり、2008年からヨーロッパGPを開催している全長5.419kmの市街地サーキットとは異なるものです。こちらは地元出身のサンティアゴ・カラトラバ設計による非常にモダンな建築で有名な芸術科学都市などの脇を駆け抜けるサーキットです。

バレンシアは、モナコGP、そして最終ラップに首位争いが決着したカナダGPに続いて今季3度目の市街地サーキットになります。

バレンシアのサーキットは他の市街地サーキットとは大きく異なり、様々な種類のコーナーがあり、全開率が比較的高く、スムーズな路面となっています。

ストップ&ゴーと連続する切り返しのサーキット特性ゆえに、タイヤにはトラクションとブレーキング中、そして横方向のグリップ力が得られにくいコーナーの中で、非常に高い負荷がかかります。また、このサーキットは年に一度しか使用されないため、ラバーが乗るにしたがってレース週末を通してグリップレベルが大きく向上していくことになります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「今年はここまで、市街地サーキットでは素晴らしいレースが展開されてきました。前回のカナダGPは、今シーズンのハイライトのひとつになるでしょう。追い抜きが難しいサーキットではありますが、バレンシアでも同じような展開を期待しています。このコースレイアウトや路面特性、そして非常に暑くなるであろう気候コンディションのため、タイヤの摩耗は非常に激しくなるでしょう。従って、ミディアムとソフトを選択しました。これらのタイヤには充分な耐久性があり、なおかつレース戦略に充分な幅を与えてくれるはずです。両コンパウンドのラップタイム差は1秒ほどになるでしょう。PZeroホワイトについては、元々のスペックよりも少し耐久性を高めるために設計を調整しました。スペインGPからPZeroシルバー・ハード・タイヤの設計を変更したことを受けたものです。PZeroホワイトはカナダGPの金曜フリー走行でテストされ、非常に多くの有益なデータが得られています」

ドライバーのコメント ビタントニオ・リウッツィ(ヒスパニア・レーシング・チーム):
「バレンシアは1周がとても長くてテクニカルだから、実力を最大限に発揮するためには、良いマシンバランスが必要になる。ドライバーにとって最も難しいのはブレーキングとターンイン、そしてオーバーテイクのチャンスを見つけ出すことだ。タイヤにとっても非常に厳しいレースになる。特にリアタイヤは低速コーナーからの脱出でトラクションが強く要求され、非常に大きな負荷がかかるからね。路面特性と路面温度の高さのせいで、リアタイヤをオーバーヒートさせないようにするのが難しいんだ。僕にとって第2のホームレースだし、厳しいレースだから楽しみにしてるよ。タイヤにとっては、バレンシアは耐久性の面で非常に厳しいチャレンジになる。ここまでのところ、様々なコンディションでも非常に良い性能を示してくれているけどね」

ピレリジャパン・プレスリリース

テクニカルノート:
*バレンシア市街地サーキットには25のコーナーがあり、F1カレンダーの中で最もコーナーの多いサーキット。1周の間のギアチェンジの回数は、5番目に多い。決勝は57周で争われる。

*気候はドライで非常に暑くなると予想される。気温は29度前後と予想され、路面温度は今季ここまでで最も高くなる。

*過去に開催された3度のレースでは、ピットストップの回数は少ない。去年は29回で、1台あたり1.2回だった。

これまでのタイヤ選択

PZero Red PZero Yellow PZero White PZero Silver
Australia Soft Hard
Malaysia Soft Hard
China Soft Hard
Turkey Soft Hard
Spain Soft Hard
Monaco Super Soft Soft
Canada Super Soft Soft
Europe Soft Medium

スペインでのピレリ:
*ピレリは、F1参戦にあたりテストドライバーを務めたペドロ・デ・ラ・ロサの貢献もあり、年に2度のグランプリを開催する唯一の国である、ここスペインにおいても非常に活発な活動を行っております。

*バレンシアは2011年初の開幕前テストが行なわれた場所でした。2月上旬の3日間にわたって行なわれ、F1チームが2011年型マシンでピレリタイヤを履いた初めての機会となりました。その際、このパーマネントサーキットで各チームは4スペック全てをテストしました。

*スペインでは昨年、ピレリの4X4車両・SUV用の“Scorpion Verde(スコーピオン・ヴェルデ)”の全世界発表会がバルセロナで行なわれました。このタイヤはこのレンジとしては世界で初めて地球環境に優しい技術を使って開発されたタイヤです。

*スペインはピレリが支援するミラノのサッカーチーム、インテルにとって縁起の良い国です。2010年5月にマドリッドで行なわれたチャンピオンズリーグの決勝戦で、バイエルン・ミュンヘンを破って優勝を果たしました。

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