ピレリタイヤ、マレーシアの熱を体感。新ハードコンパウンドのテストに成功
(C)Pirelli Motorsport
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セパン、2011年4月8日
ピレリと全F1チームは今日、グランプリレーシングの厳しさを味わうことになりました。路面温度は51度まで上がり、気温も37度まで上がったのです。
レッドブル・レーシングはオーストラリアGPから引き続いて首位の座を守り、マーク・ウェーバーが午前中のフリー走行1回目のセッションでトップタイムを記録しました。1分37秒651というそのラップタイムは、他車を1.5秒以上引き離すほどでした。午後のフリー走行2回目のセッションでもウェーバーは1分36秒876でトップに立ちましたが、今度はマクラーレンのジェンソン・バトンも0.005秒差でこれに続きました。
各ドライバーには2セットのハード・タイヤと1セットのソフト・タイヤが供給され、2回のセッションで全ドライバーが走行したのは総計1255周。今回はそれに加えて試験型ハードコンパウンドのタイヤが2セットずつ供給されました。これは作動温度領域の隅々まで安定した性能を発揮するよう、従来とはやや異なるフィロソフィーで設計されたものです。
フリー走行1回目のセッションには24人のドライバーが出走しました(そのうち3人は決勝には出走しないサードドライバーが起用されていました)。彼らからはこの新型タイヤの特性について価値あるフィードバックがもたらされ、今後のタイヤ開発のために活用されます。
この午前中のセッションでは、ほとんどのチームが2種類のハード・タイヤを使用しました。ウェーバーの最速タイムは、シルバーのロゴが刻印された標準型のハード・タイヤによって記録されたものです。ウイリアムズのパストール・マルドナドはこの標準ハード・タイヤでロングランを行ない、19周スティントの最後に5番手タイムを記録しています。
フリー走行2回目のセッションもドライのままでしたが、さらに暑いコンディションになりました。ウェーバーはハード・タイヤで走行を開始し、ソフト・タイヤに履き替えたところで最速タイムを記録しました。ほとんどのドライバーがこれと同様のパターンで走行しましたが、これは路面にラバーが載ってグリップが向上したところで、1セットしかないソフト・タイヤの性能を最大限に引き出すためです。
一般的に、このサーキットではソフト・タイヤはハード・タイヤよりも1周あたり1.2秒前後速いラップタイムを記録することができることが分かりました。そして決勝では8?10周ほどの寿命になるものと予想されます。
マレーシアGPと中国GPで使用されるソフト・タイヤには、黄色の識別ロゴに加えて、識別しやすいよう新たなマークが追加されています。タイヤの外周に沿って金色の帯が描かれており、テレビ映像などでの視認性が向上しています。ヨーロッパラウンドが始まる5月のトルコGPからは、ロゴの色変更による視認性の向上が予定されています。
ピレリ・モータースポーツダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「マレーシア初日の今日は、どのドライバーも非常に厳しいコンディションに直面しました。幸運にも我々のタイヤは何も問題なくパフォーマンスを発揮してくれました。しかしもちろん、本当の仕事はこれからの予選と決勝を迎えてからです。
今日ドライバーたちには進化型のハード・タイヤを試してもらいましたが、彼らからの反応はおおむね好意的なものでした。しかしコンサバティブ過ぎるタイヤにはしたくありませんから、慎重に評価しなければなりません。
今日は非常に過酷なコンディションでしたが、フリー走行の内容には満足していますし、決勝は3回ストップで走り切ることができるものと予想しています。もちろん、明日は予選でどちらのタイヤを選択するかという点において、興味深い戦略的な判断も見られることでしょう。それによって決勝も非常に面白い展開になり、ショーアップにつながるはずです」
タイヤに関して:
セパンで使用された試験型ハード・タイヤは、先週イスタンブールで行なわれたテストで開発されたものです。ペドロ・デ・ラ・ロサにとってはこれがピレリ・テストドライバーとしての最後のドライブとなり、今後はサードドライバーとしてマクラーレンに復帰します。ピレリはF1シーズンの実戦と並行してテストプログラムを進めており、5月に予定されている次回のバルセロナでのテストではルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル)がテストドライバーの役割を引き継ぎます。
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