トヨタ ブラジルGP決勝レースの模様
第16戦ブラジルGP 決勝
小林可夢偉がデビュー戦でトップ10入り
サンパウロのインテルラゴスで18日、ブラジルGPの決勝を行ったパナソニック・トヨタ・レーシングは、残念ながらポイント獲得を逃すこととなった。
負傷したティモ・グロックに代わり参戦した小林可夢偉は、トップ10入りでF1デビュー戦を飾ったが、表彰台獲得を再び狙ったヤルノ・トゥルーリは、1周目でアクシデントにあい、レース途中でリタイア。
スタート直後、先頭集団で戦っていたトゥルーリは、第5コーナーの入り口で大きく横に押し出され、スピンしながら壁に衝突した。
トゥルーリは、そこでリタイアを余儀なくされたが、小林は素晴らしい走りを見せ、後続を抑えながら第1コーナーに入り、その後6位へポジションを上げた。
燃料を多めに積んでいる小林は、後続のクルマからの激しい追い上げを抑えてきたが、25周目の序盤で、ポジションを下げ、また同じ周の終盤で更に7位となった。
しかし、素晴らしいファイティングスピリットで小林はすぐに抜き返し、ブリヂストンのミディアムタイヤを装着し、長めにとった第1スティントで、一時は3位までポジションを上げた。
彼のF1初のピットストップはスムーズに運び、再びミディアムタイヤを履いてバトルを繰り広げ、短めにとった最後のスティントではスーパーソフトタイヤに履き替えて走行した。
反時計回りのインテルラゴスは肉体的に厳しいコースだが、最後の最後まで攻め続け、68周目でフェラーリのフィジケラを抜き、トップ10入りを果たした。
前のクルマとの差がかなりあったが、小林は最終71周目でパーソナルベストラップを記録、チェッカーフラッグを受け、F1デビューのレースを見事に完走した。
レース後、9位でチェッカーを受けたヘイキ・コバライネン(マクラーレン)のペナルティにより、小林はひとつ順位が繰り上がり、9位となった。
小林 可夢偉 (C)Panasonic Toyota Racing
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小林可夢偉:カー・ナンバー10 シャシー:TF109/04
グリッド:11番手
決勝:9位(トップと1分3.324秒差)
ピットストップ:30周目、56周目
「厳しいレースだった。初めてのGPなので、F1で初めて経験することばかりで、学びながらの体験だった。
体力的には非常に長いレースで、大変だった。
完走することが目標だったので、それを達成できてうれしいが、スタートしてからは、ポイントも狙える良いポジションにいたので、ポイント獲得を逃したのは少し残念だ。
最初のスティントでのクルマは好調だったが、タイヤを交換すると、バランスが変わったように感じ、少してこずった。
経験を積めば、克服できると思う。
このように、今日は初レースであり、今後向上できることはいくつかあるが、今週のパフォーマンスには満足している。
サポートをしてくれたチームのみんなに感謝したい」
ヤルノ・トゥルーリ:カー・ナンバー9 シャシー:TF109/06
グリッド:4番手
決勝:リタイア
「表彰台を充分狙えたので、今日の出来事には、非常にフラストレーションを感じている。
1周目に(キミ・)ライコネンと競っていた(エイドリアン・)スーティルは、第4コーナーを非常にゆっくり走っていた。
内側にスーティルがいたので、私は外側のラインを取ったが、彼は私をどんどん外に押し出した。
結局、私は芝の上に乗り、クルマをコントロールすることができなくなり、高速で壁にクラッシュした。
われわれ2台ともコーナーを回る充分なスペースがあったと私は思う」
新居章年:シャシー部門技術コーディネーション担当ディレクター
「表彰台も期待できたヤルノが1周目に他車と接触してリタイアしたのは本当に残念だ。
一方、可夢偉はポイント獲得こそならなかったが、終始素晴らしい走りを見せ、ファイターぶりをしっかり見せてくれた。
今シーズンも残すところアブダビの1レースのみになったが、最後まで目標の優勝を目指して頑張る」
山科忠:TMG会長 兼 チーム代表
「とても期待できたGPだったので、ポイントを稼げず残念だ。
ヤルノは、日本に続き好成績を収めるチャンスがあったので、1周目で事故に合い、気の毒だった。
走行するのは今回が初めてであり、週末の始まりは難しいコンディションの中、かつ可夢偉のクルマが決勝スタート直後にたった1台となった状況で、彼は非常に良い仕事をした。
私たちが期待したように、彼は激しいバトルを繰り広げ、ファンの方々に素晴らしい走行をお見せすることができた。
特に、ハードであったレース終了直前にも、他のクルマを抜いて見せたのは特に素晴らしく、彼の頑張りを誇りに思う」
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