トヨタ イギリスGP決勝レースの模様
F1世界選手権第8戦イギリスGP決勝
J.トゥルーリが7位入賞でポイントを獲得
パナソニック・トヨタ・レーシングは21日、シルバーストーン・サーキットでイギリスGPの決勝を行い、2ポイントを獲得した。
20日の予選で非常に競争力が高いパフォーマンスを発揮したため、決勝で表彰台に上ることに、大きな期待を寄せた。
しかし、再び肌寒くなったシルバーストーンでの午後の決勝で、赤信号が消え、クルマがスタートした時、その期待は失望に変わった。
セカンドローに並んだヤルノ・トゥルーリは、スタートで問題が出て順位を落とし、1周目を終えるころには、7位に後退した。
1周目のティモ・グロックは、3つ順位を落とし11位だった。
両ドライバーともブリヂストンのソフトタイヤでスタート。
18周目で1回目のピットストップを行ったトゥルーリは、再度ソフトタイヤを履き、ピットクルーの素早い作業のおかげで、6位に順位をあげた。
グロックの1回目のピットストップは、トゥルーリより1周遅い19周目。
トゥルーリと同じタイヤ戦略を選び、再び11位でトラックに戻った。
路面温度は30℃と低く、チームは最後のスティント(ピットインからピットインまでの走行)を短く取り、ハードタイヤを選択した。
トゥルーリは7位に下がったが、グロックは9位に順位を上げ、ポイント圏内の8位を目指して攻めた。
トゥルーリはそのまま楽に7位でフィニッシュ。
グロックは、8位のキミ・ライコネンを追い詰めたものの、抜くチャンスはなかった。
Jarno Trulli (C)Panasonic Toyota Racing
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ヤルノ・トゥルーリ:カー・ナンバー9 シャシー:TF109/06
グリッド:4番手
決勝:7位(トップと68.307秒差)
ピットストップ:18周目、46周目
「とても難しいレースだった。
クルマがいつものように速く発進せず、スタートで苦労し、いくつか順位を落とした。
レース中、順位を戻そうと懸命に戦ったが、そう簡単なことではなく、クルマは何度も滑った。
たぶん、昨日選んだ空力のセットアップのせいだと思う。
そう思ったほど暖かくならず、私のセットアップに少々手を焼き、特にロングランの時にそうだった。
私たちの戦略は良かったが、今回のGPではもっと良い結果を期待していたので、ドイツGPで巻き返す決意だ」
ティモ・グロック:カー・ナンバー10 シャシー:TF109/05
グリッド:8番手
決勝:9位(トップと69.823秒差)
ピットストップ:19周目、48周目
「ポイントを逃したことは残念。
特に、渋滞から抜け出してから私はとても速く、最後には、キミ(・ライコネン)に非常に簡単に追いつくことができた。
問題は、いくつか順位を落とした第1コーナーだった。
そのため、渋滞にはまり、レースが上手く行かなくなった。
それでも、私はあきらめないで、ポイント圏内に入る可能性があった中間のスティントでは(ジャンカルロ・)フィジケラと競い合った。
最後にハードタイヤを履いた時は、クルマの調子が良くあっという間にキミに追いついたが、追い抜くまでのチャンスはなかった。
最終ラップの最後のコーナーで試みたものの、上手く行かなかった。
今はもう、自分とチームにとってホームでのレースになる次のGPを楽しみにしている。
今日のような低い気温よりも、私たちのクルマに合うようなもう少し暖かい気候になってほしい」
新居章年:シャシー部門技術コーディネーション担当ディレクター
「非常にフラストレーションの溜まる結果だった。
スタートを上手く決められなかった
ことでレースは非常に難しい展開になってしまった。
またレース中も状況に合わせ戦略の変更も試みたが、ポジションを回復できなかった。
チーム全員の働きをレースの結果に結び付けられず、残念で仕方がない。
しかし車のポテンシャルは負けていると思えず、ホームグランプリとも言えるドイツGPでは、挽回を図る」
ジョン・ハウエット:TMG社長
「もっと良い結果を狙ったが、レースは思ったようにはいかなかった。
予選は期待が膨らむ結果で、心から表彰台目指す戦いを期待したが、ヤルノはスタートで順位を落とし、ティモは第1コーナーでほかのクルマに押し出され、うまくラインが取れ
なかった。
2ポイントは、調子が良かった予選からははるかに期待外れだが、この結果はかえって、さらに改良してニュルブルクリンクでのホームグランプリへ強くなって帰って来ようという良い刺激になる」
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