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2008/10/08

ブルツ(ホンダ)による富士スピードウェイ攻略法

Alexander Wurz (C)Honda Racing
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ホンダ・チームのテストドライバーを務めるアレクサンドル・ブルツが今週日本GPが行われる富士スピードウェイの攻略法を次のように解説している。

「富士スピードウェイはドライバーにとって、大きな挑戦だ。
もっと高速で、度胸の必要な鈴鹿より、おそらくいいタイムを出すのは難しい。
ここではマシンを、より優しく扱ってあげる必要がある。
特に終盤の低速区間では、ほんの少しのミスがすぐにコンマ5秒のロスにつながるからね。

なぜそこまで厳しいかといえば、通常よりダウンフォースを削った状態で走るからだ。
低速コーナーが連続しているからといって、モナコレベルのウィングを付けるわけにはいかない。
それでは1.5kmの直線で遅れを取ってしまう。
路面がもともと滑りやすい上に、空力的にもグリップが望めない。
つまりそこかしこに、罠が待ち受けているサーキットというわけだ。

ターン1に突っ込む時には、速度は時速306kmまで伸びている。
ブレーキングポイントは、100mボードのすぐ前。同時に7速から1速まで、一気に落とす。
コーナーはやや下りで、だから車輪をロックさせて、クリップポイントを逃しやすい。
出口に向けては、アクセル全開。
ターン2を抜けて、ターン3に到達する。
この左コーナーは、かなり難易度が高い。
タイムを稼ぐにはイン側の縁石に思い切ってぶつかって行く必要がある。
もし10cmでもクリップを外したら、出口で草の上にはみ出してしまう。

次のターン4、5は、このコースで最良の右コーナーと言っていい。
複合クリップで、普通は5速で抜けて行く。
コーナー中盤でややスロットルを抜けば、左フロントタイヤへの負担が軽減される。
そしてより簡単に、マシンがイン側に寄ってくれるはずだ。
そうすれば次の左への進入がいっそうやりやすくなる。
いずれにしてもかなりの高速コーナーだから、すごいGフォースがマシンと身体にかかる。
それがものすごく、楽しいんだ。

3速のターン6は上り坂の頂点にあるので、完全にブラインドだ。
もしターン5の出口で十分に右側に寄せていられたら、かなり速いコーナリングスピードが期待できる。
ターン9までは、ほぼ全開。
そしてターン10のシケインには、1速まで落として突っ込んで行く。
グリップは、イン側の方がいい。
つまりかなり狭いラインしか、使えないということだ。
そこから次の左に向かうまでに、わずかに加速する。ここは出口が、ひどく滑りやすい。
2速に上げても、簡単にホイールスピンするだろう。
そこからターン12までは、トラクションコントロールのない今のマシンでは、ひどく扱いづらいコーナーになってるだろうね。

そして最終区間にある4つのコーナーは、すべてが連動している。
最初のひとつでミスすれば、そこでの失速が最終コーナーまで響いてしまうんだ。
だからラインを正確にたどって行くことが、すごく重要になる。
最初のターン13は、丘の頂上越えからアプローチが始まる。
リアは一気に軽くなるから、3速の右コーナーでそんなに速くないにもかかわらず、細心のマシン操作を心がけないといけない。
そして左コーナーに突っ込んで、ターン16の最終コーナーへと駆け上がって行く。
立ち上がりでスピードを乗せるよう、リズミカルにクリアしないといけない。

富士スピードウェイの週末は、天候が大きな要素となる。
去年はずっと雨続きだったし、今年も3日間ドライ路面というのは考えにくい。
でも個人的には、あまり曇り空になってほしくないね。
青空を背景に雄大な富士山を眺めるのが、大好きだから。
過去に何度かそんな風景を見たことがあるけど、地球上で最も見事な山のひとつだと思う。
毎朝起きて部屋のカーテンを開ける時、窓の向こうに富士山が姿を見せているか、あるいは雲に隠れてしまっているか。
今年もそのたびにドキドキするだろうね」

Fuji Speedway (C)Panasonic Toyota Racing
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