ホンダ イギリスGP決勝レースの模様
第9戦 イギリスGP 決勝レース
「イギリスGP決勝、バリチェロ3位表彰台を獲得!」
7月6日・日曜日(決勝レース) 天候:雨 気温:16~18度
第9戦イギリスGPの決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロが、16番グリッドからスタートし、3位でフィニッシュ。チームに2006年最終戦ブラジルGP以来の表彰台をもたらし、バリチェロにとってはホンダ移籍後初、自身のF1キャリアでは通算62回目の表彰台獲得となった。
一方、ジェンソン・バトンは、後半38周でリタイアを喫した。
Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開:
決勝当日は、朝から断続的に強い雨の降る天候となった。
レースの始まる午後1時の時点では雨はほぼ止み、わずかに薄日も差している。
しかし再び雨になる可能性は、十分にある。
路面は、完全ウェット。
Hondaの二人は、浅溝のウェットタイヤでのスタートとなった。
バリチェロがいいスタートを決め、1周目で6つ順位を上げ10番手にジャンプアップ。
F・マッサ(フェラーリ)のスピン、D・クルサード(レッドブル)、S・ベッテル(トロロッソ)の接触リタイアなどが続き、バトンも3周目には11番手に上がる。
10周目、バトンとバリチェロの順位が入れ替わり、その後ともにM・ウェバー(レッドブル)に抜かれて、15周目の時点で11、12番手を走る。
しかしウェバーは燃料が軽く、18周目に最初のピットイン。
再び10、11番手となった二人は、乾きかけの路面で順調にペースを上げて行く。
23周目ごろから再び、雨が降り出す。
24周目にバリチェロが、そして次の周にバトンがピットに向かった。
ほぼ全マシンが1回目のピットインを終えた中盤30周目、バリチェロは入賞圏内の7番手、バトンは11番手を走行する。
30周目。バリチェロの前を走るK・ライコネン(フェラーリ)が、2度目のピットイン。
これでバリチェロは、6番手に上がる。
いったん止みかけていた雨が、再び激しくなってくる。
35周目に、バリチェロとバトンが相次いで2回目のピットインを行い、深溝のエクストリームウェットタイヤに履き替える。
しかしバリチェロのピットイン時、フューエルリグのトラブルが起きる。
これにより、後からピットインしたバトンもタイムロスを喫した。
しかし、その後、エクストリームウェットタイヤの効果は抜群で、バリチェロはライバルよりはるかに速いペースで快走する。
39周目にはH・コバライネン(マクラーレン)をあっいう間に抜き去り、40周目にはF・アロンソ(ルノー)も抜いて4番手に躍進する。
一方のバトンは、終盤の低速区間でストップし、38周でリタイアした。
41周目。バリチェロはJ・トゥルーリ(トヨタ)を抜いて、ついに表彰台圏内の3番手に。
2番手のN・ハイドフェルド(BMWザウバー)との差も、少しずつ縮まっていく。
そして43周目には、ついに2位に。
46周目。バリチェロが3度目のピットに向かい、雨は完全に上がっていたことから、再び浅溝のウェットタイヤに履き替える。
そして3番手で、コースに復帰。そのまま走り切り、3位でチェッカーを受けた。
バリチェロにとってはF1キャリア通算62回目、チームとしては2006年最終戦ブラジルGP以来の表彰台獲得となった。
Rubens Barrichello (C)Honda Racing
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■ルーベンス・バリチェロ 3位
Q.おめでとう、ルーベンス。チームのホームレースですばらしいパフォーマンスを見せ、ホンダ移籍後、初の表彰台を獲得して、今、どんな気分か?
A.今日再び表彰台に立つことができて、最高の気分だ。
とてもエキサイティングなレースで、天候に助けられ、マシンの能力を最大限に引き出すことができた。
僕らにとって、このレースで一番重要だったのは、レース半ばで激しい雨が降り始めたときに、エクストリームウエットに履き替えた決断だった。
クラブに差し掛かったときに高速でコースオフし、ウォールに接触する寸前だった。
まさにそのときに、僕らはすばやい決断を下さなければならないと思った。
エクストリームウエットに履き替えてからは、前にいるクルマを簡単にオーバーテイクできた。
あれはいいものだ。
あのような重大な決断を下せたのは、僕の経験と、僕を信じてくれたチームのおかげだ。
今日はチームへ本当に感謝をささげたい。
ファクトリーや日本にいる人たちを含め、すべての人にだ。
人生は、自らの経験から学んでいくものであり、僕らは厳しかったここ2年でそうやって積み重ねてきた。
僕はいつでも、いつか良いときが来ることを信じていたし、これからもやってくると思っている。
■ジェンソン・バトン リタイア(38周)
Q.母国の観衆を前に残念な結果だったが、どんなレースだったか?
A.コンディションが変わり続ける、異常なレース展開だった。
レース序盤は、ウエットタイヤでいいペースを出すことができた。雨が激しくなってきて、ルーベンスも僕も、35周目にエクストリームウエットへ履き替えるためにピットへ戻った。
そのあとすぐ、僕はブリッジのところにあった水たまりにつかまって、アクアプレーニングによってコースオフをしてしまった。
マシンをスピンさせて戻そうとしたが、別のクルマが来ていて、道を開けなければならなかった。
それでマシンを十分に回すことができず、グラベルにはまった。
こういうレースには、運の良し悪しがからむもの。
残念だが、今日の僕はついていなかった。
3位、そして、ホンダに移籍して、初めて表彰台を獲得したルーベンス、おめでとう。
■ロス・ブロウン Honda Racing F1 Team チームプリンシパル
Q.コンディションが変わり続けるドラマチックなレースが、ルーベンスにホンダ移籍後、初表彰台をもたらし、とても満足しているのでは?
A.われわれは今日の結果に喜んでおり、ルーベンスのホンダでの初表彰台は、その走りに見合ったものだ。
タイヤ選択と戦略について、非常に重要な情報をもたらした彼は、本当にさすがだと思った。
2回目のピットストップで起こったフューエルリグのトラブルがなければ、彼は間違いなくひとつ上の2位でフィニッシュしていたと思う。
われわれは、レースでは雨の予報が出ていることを考え、ウエットコンディションに対応できるよう、昨日の予選セッティングを妥協していたが、その決断がレースで功を奏した。
Q.この結果はチームにとってどのような意味を持つか?
A.今シーズン初の表彰台を獲得したことは、今日ここにいるメンバー、そして、ファクトリーで懸命に働くメンバーら、チーム全体の士気を非常に上げている。
さらに、われわれのホームレースで、ブラックリーとブラックネルにあるファクトリーから近いところで、この結果を成し遂げたことは、二重の意味で報いだ。
また、6ポイントを獲得したことにより、シーズンこれからのレースで、コンストラクターズチャンピオンシップの6位争いに加わることができる。
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