ホンダ モナコGP決勝レースの模様
第6戦 モナコGP 決勝レース
「バリチェロ6位。今季初のポイント獲得」 5月25日・日曜日(決勝レース)
天候:雨のちくもり 気温:19~22度
第6戦モナコGP決勝レースは雨から晴れ、ウェットからドライ路面へと変わる、難しい展開となった。
その中で、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは6位入賞。
自身、今季初のポイント獲得となった。バトンは11位完走だった。
Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開:
決勝当日は、朝から雨。
時おり強い降りとなり、午前中のサポートレースはセイフティカー先導で始まったほどだ。
しかしその後、雨はほぼ止んで、路面は徐々に乾き始めた。
午後2時の時点で、路面はウェット。
一時は日が射していたモナコ上空も、再び雲に覆われ、スタート直前には雨が降り出した。
ほとんどのマシンは、浅溝のスタンダードウェットタイヤを装着している。
ギアボックスを交換したD・クルサード(レッドブル)が5番降格のペナルティを受け、バトン11番手、バリチェロ14番手にグリッドが繰り上がった。
オープニングラップ開始の際、2列目のH・コバライネン(マクラーレン)がグリッドから発進できず、ピットスタートとなった。
1周目、バトンはニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)とプールコーナー出口で接触し、フロントウィングを破損。
緊急ピットインで、最後尾に落ちる。
雨は激しさを増している。
8周目までにF・アロンソ(ルノー)、L・ハミルトン(マクラーレン)、T・グロック(トヨタ)などが、次々にガードレールに接触。
D・クルサードとS・ブルデ(トロロッソ)の8周目に起きたクラッシュではセイフティカーが初めて導入される。
序盤10周目で、バリチェロは9番手まで順位を上げた。
15周目辺りから雨が止み、浅溝タイヤのマシンがペースを上げる。
17周目の時点で、バリチェロは入賞圏内の8番手。
バトンは14番手を走っている。
折り返し点の39周目。
バリチェロは7番手、バトンは11番手まで上がった。
バリチェロはその後も、最速タイムを連発する。50周目には、6番手にポジションアップ。54周でピットインし、オプションタイヤとなるスーパーソフトタイヤを履き、8番手でコースに復帰した。
61周目。N・ロズベルグ(ウィリアムズ)がプールコーナーでクラッシュし、セイフティカーが導入される。
67周目にレース再開。
しかし残り時間は、あと11分しかない。
そして再開直後、4番手を走っていたA・スーティル(フォース・インディア)にK・ライコネン(フェラーリ)が追突。
2台とも緊急ピットインに向かい、バリチェロは6番手に。
そのままチェッカーを受け、自身今季初のポイント獲得を果たした。
一方、1周目のクラッシュでクルマにダメージを受けたバトンは、定まらない天候の下、リタイア6台、セイフティカー導入も重なる中、11位完走を果たした。
Jenson Button (C)Honda Racing
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■ジェンソン・バトン 11位
Q.期待していた雨のサバイバルレースだったが、結果についてどう思うか?
A.今日のレースの結果には、本当にがっかりだ。
スタートが悪く、1コーナーのインをつかれて2つほどポジションを落とした。
ヘアピンでルーベンスを、トンネルからシケインのところでウェバーをかわした。
スイミング・プールのところで、コーナーを過ぎていくハイドフェルドと並んだ。
コーナー出口で、インをつくスペースがあると思ったが、十分ではなく、ノーズがハイドフェルドのリアに接触してしまった。
フロントウイングが破損して、バージボードにダメージを受けた。
残念ながら、1周目にして僕のレースは厳しい展開を強いられた。
レース終盤では、コバライネンに後ろから接触され、シケインのところでリアにダメージを負ってスピンした。
めちゃくちゃなレースだった。
マシンにはポイントを獲得できるだけのペースがあっただけに、残念だ。
一方で、ルーベンスがいい走りをし、ポイントを取り、明るい話題をもたらした。
彼におめでとうと言いたい。
■ルーベンス・バリチェロ 6位
Q.おめでとう!
モナコで、再びポイントを獲得し、最高の気分では?
A.今日再びポイントを獲得できて本当にいい気分だ。
自分自身にとっても、チームにとっても喜ばしいことだ。
いいレースだった。
序盤でしばらくトゥルーリにひっかかってしまったのは残念だが、それ以外はこれ以上ない出来だった。
Q.チームと自分自身に対し、今、どれだけ期待しているか?
A.久しぶりにポイントを獲得し、悪い流れが断ち切れてうれしい。
だが、希望を失ったことはない。
僕らにはポイントを取るだけの力がある。
これが、僕らの力強いパフォーマンスを発揮していく幕開けだと思う。
これに浮かれず、ひたすらプッシュしていきたい。
■ロス・ブロウン Honda Racing F1 Team チームプリンシパル
Q.悲喜こもごものレースだったが、ルーベンスが3ポイントを獲得でき、良い一歩を踏み出せたのでは?
A.今日のレースでは色々なハプニングがあり、マシンも次々とリタイアしていった。
そんな中でルーベンスはすばらしい走りをし、あらゆるトラブルをうまくかわし、しっかりとしたレース運びで6位に入賞を果たした。
ジェンソンのレースは1周目終わりのハイドフェルドとの接触で妨げられ、その後、一時はすばらしい速さを見せたが、ポジションを上げるチャンスがなかった。
ポイントを再び取れたこと、そして、それに匹敵する走りを見せられたことは満足だ。
Q.今日のレースはどうだったか?
また、今後のHondaの展開は?
A.われわれにとって比較的トラブルの少ない週末だったが、これはモナコでは歓迎すべきことで、良いパフォーマンスを見せることができた。
フリー走行を通じて、われわれはマシンを進化させ、いかなるコンディションでも力強い走りを見せた。
クルサードのアクシデントによって出されたイエローフラッグにより、二人とも予選のトップ10に入れなかったのは残念だった。
われわれがポイントを取るために必要で、そのドラマを演出したウエットレースに感謝したい。
これから全く性質のちがうサーキットとなるモントリオールでのレースに挑む。
新しい低ダウンフォースパッケージと、多くのパーツを用意し、マシンをさらに進化させるのを楽しみにしている。
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