トヨタ モナコGP決勝レースの模様
F1第6戦モナコGP決勝 波乱のレースで2台共に完走
T.グロック12位、J.トゥルーリ13位 次戦カナダGPで巻き返しを図る
天候:レース序盤は雨、その後、雨が上がりコースはドライへ
気温19-22℃、路面温度19-24℃
コンストラクターズポイント:9ポイント(6位)
ドライバーズタイトルポイント:ヤルノ・トゥルーリ 9ポイント(8位)
F1世界選手権第6戦モナコGPの決勝レースがモナコ公国・モンテカルロ市街地特設コースで行われた。
予報どおりに雨に見舞われたコースではアクシデントが続出し、2度のセーフティーカー導入と2時間ルールの適用という、波乱の展開となった。
パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、ヤルノ・トゥルーリが8番手グリッド、ティモ・グロックが10番手グリッドでスタートした。
両車とも良いスタートを切ったが、その後はタイヤの選択をはじめ、様々な事態が待ち受けていた。
ティモは序盤のスピンのためノーズ交換のためピットイン。
その際、エクストリームウェットタイヤに交換したが、コースが乾きつつある中で厳しい走行となり、ピットイン直前に再度スピン。
ゴールまでの給油を行ったが、その後ドライタイヤに交換、最終的に12位でフィニッシュした。
一方ヤルノは、8位でスタートした後、セーフティーカー走行時にエクストリームウェットタイヤに交換、ポジションを上げ7位を走行したが、やはり乾いていくコースに厳しい走行を強いられた。
一旦、給油と共にスタンダードウェットタイヤに交換したが、その後ドライタイヤに交換することになり、最終的に13位でチェッカーを受けた。
Timo Glock (C)Panasonic Toyota Racing
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ティモ・グロック :カー・ナンバー12 シャシー:TF108/06
決勝:12位(トップと1周差)
予選順位:11位
予選ラップタイム:1分15秒907(第2セッションでトップと0.797秒差)
グリッド:10番手
「とにかく、今日は自分にとって良い日ではなかった。
ポイントを獲得することは可能だったのに、あまりに多くのミスをしてしまった。
チームに対して申し訳ないと思っている。
良いスタートを切れて、第1コーナーで前を走るウェバーをパスした。
しかし、それから数周後にスピンしていまい、ピットに入らなければならなかった。
第1スティントのためにわれわれはエクストリームウェットタイヤに履き替えたのだけれど、コースが乾くにつれて辛い状態になってきた。
われわれのピットストップのすぐ後に、コースはさらに乾いていったから、ドライタイヤに履き替えるために再びピットに入らなければならなかった。
そして、それはレース終わり間近だったんだ。
次回はぜひ、より良いレースにしたい」
ヤルノ・トゥルーリ:カー・ナンバー11 シャシー:TF108/05
決勝:13位(トップと1周差)
予選順位:8位
予選ラップタイム:1分17秒203(第3セッションでトップと1.416秒差)
グリッド:8番手
「今週は厳しい週末だった。
そして、今日は物事がうまく行かない日だった。
あるステージでは激しく雨が降っていたから、われわれはエクストリームウェットタイヤを履く賭けに出た。
序盤では、私は速かったし、何回か追い越しの作戦を取ったほどで、タイヤ選択は上手く行っていた。
しかし、雨があがってしまい、コースが乾いてきたため、エクストリームウェットタイヤの走行に苦労することになってしまった。
残念ながら、ここモナコではトラフィックにはまるのが常だ。
そして私もピットストップの間に順位をかなり落してしまった。
レースの終わり頃に、われわれはドライタイヤに履き替え、ゴールを迎えたんだ」
新居章年:技術コーディネーション担当ディレクター
「コンディションに振り回されて、フレキシブルに考えていたストラテジーも有効に使えず、大変残念なレースだったとしか言えない。ヤルノは最初のセーフティーカーが出た時にインターミディエートからエクストリームウエットタイヤに履き替えたが雨は結局小康状態でタイヤの賭けが裏目に出てしまった。 またティモは途中2度スピンを喫して緊急ピットインをせざるを得ず、予定したストラテジーを有効に使うことが出来なかった。一方で、レーススタートをヤルノ、ティモとも見事に決めることが出来た事は良かった。次戦のカナダGPでは、過去セーフティーカーの出るレースが多かったので、今回の教訓を活かせればと思っている。」
山科忠:TMG会長 兼 チーム代表
「われわれが予選で示したパフォーマンスを保っていたなら、何ポイントか獲得できただろう。
しかしそれどころか、非常に厳しい一日になってしまった。
両ドライバーは好調なスタートを切り、レース序盤は順調だった。
しかし、ティモはわれわれが予期していないスピンをしてしまった。
またヤルノは、コースが乾いて、他の車が追いついてくる中、エクストリームウェットタイヤでペースを得ようと苦闘していた。
われわれのタイヤ変更の戦略が今日の天候に合わなかったのと共に、ドライバーもこのコースでの車に対する自信を失ってしまった。
それで、レースはあらゆる分野でわれわれに不利に働いてしまった。
われわれには分析しなくてはならないことが沢山ある。
われわれはカナダでもっと良いレースをするべくプッシュし続けなければならない」
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