S・アグリ カナダGP事前ニュース
カナダグランプリプレビュー
アントニオ・クケレラ(23 号車レースエンジニア)インタビュー
Q: アントニオ、モナコはドライブスルーでアンソニー・デビッドソンにはフラストレーションのたまるレースになりましたが、SAF1 チームにとっては明るい面も多く見られたと言っていましたね?
アントニオ・クケレラ(以下:AC): ええ、そうです。
それにドライブスルーだってシーズンはじめから続けてきたいいパフォーマンスの影みたいなものですよ。
アンソニーはシーズンはじめのレースからコンペティティブで、とってもいいスピードを見せてくれているし、レースの経験を積みながら彼にとっては今までなかったQ2 進出も果たしているでしょ。
アンソニーはフライウエイレースの間に毎レース彼の可能性を見せながらそれを結果に反
映させ続けている。
彼もこの5レースで自信をつけて、テストドライバーから今はレースドライバーに変わったよ。
彼にとって、これから身につける必要があることは本質的に、後ろからもっと速い車が来る状況での対応の仕方、それからピットストップと、あとは車だけのデベロップよりもレース全体を視野に入れたセットアップに気を配ることだね。
アンソニーは厳しい修行を経て、今他のF1 ドライバーたちと同じレベルでパフォーマンスをはじめたところなんだ。
Q: モナコとジル・ビルヌーブサーキットはかなり似ていますね。
両方ともストリートサーキットで、バリアがトラックと信じられないくらい近くてオーバーテイクできるところが少ない。
カナダに役立てるために、何をどれくらい学びましたか?
Antonio Cuquerella (C)Super Aguri F1
拡大します
AC: どちらのサーキットもグリップが低いから、BS のスーパーソフトタイヤを使うことになりそうだし、バリアがリスクを冒す機会を制限することも同じだよね。
でもその反面、車のセットアップは全く違う。
カナダはローダウンフォースのサーキットで、平均速度はとても高い、ドラッグとパワーが大切になってくるけど、モナコではこのようなことは関係なかった。
どちらのサーキットも違った意味でブレーキングはとても大変なんだ-モナコはブレーキの温度の問題で、カナダの方はブレーキングパワーが要るから。
Q: それで、モントリオールのセットアップとストラテジーはどう考えてますか?
AC: セットアップに関しては、エアロの仕様が異なるから、全く違うよ。
でもモントリオールのサーキットでは車の方向転換の良さとブレーキの安定性が必要だね。
モントリオールではいろいろなところで縁石を使うから、この状況に合わせたセットアップが必要になるんだ。
初日のグリップの低いトラックで、車のバランスを変える作業をレースウィークエンドのはじめから終わりまで、全部することになるわけ。
ストラテジーの側面ではね、オーバーテイクは確かに難しいけど、可能だよ。
他の全てのチームがワンストップストラテジーで行くほどレース順位にこだわっているわけじゃないし、もっと2 ストップのチームも出てくるよ。
モントリオールでは燃料の重さによる影響は低い、ピットレーンが短い、それからタイヤによるタイムダウンは大きい、これらはチームがストラテジーを決めるのに最も大切なファクターなんだ。
エンジンとブレーキにも大きい負担があるけど、グリップに関してはモナコほど大変じゃないので、これのカナダでのラップタイムへの影響は普通レベルに戻るんじゃないかな。
これは、ここではラップ毎のコーナリングのときにかかる力が各サーキットの中でも一番低いところのひとつだから。
Q: レースに戻ってくるにあたってアンソニーはどうでしょう、そしてあなたは彼とどう関係を作り上げていますか?
AC: 彼は精神的にポジティブになっていると思う、それもみんなが今、彼をレースドライバーだとみなすに値するだけ速いから。
5年間をテストドライバーとして費やした後で考え方を”レースモード”に変えるのは易しいことじゃない。
僕らの絆はレースごとに強くなっているよ。
僕らはお互いにもっと理解し合い続けているんだ;彼は僕が何をききたいか、僕は彼に何が必要かが、お互いいつも分かっている。
今は僕たちの能力とそれで、いいチームワークができていることに自信を持っているよ。
アンソニーは他のエンジニアや、23号車のクルーたちともいい仕事をしているし、これは今後もシーズンを通して大きい強みになると思う。
Q: このシーズンの今後についてですが、SUPER AGURI F1 チームの23号車はどんなパフォーマンスをすると思いますか?
AC: SAF1チームは最初の5レースで予想以上の成果を出したんじゃないかな。
バルセロナでのはじめてのチャンピオンシップポイントは明らかに僕らの努力の結果だったよね。
でも僕は23 号車が当然目標にしているポイントを取ることを楽しみにしているし、これはアンソニーと全てのクルーによって、実現されることが近いことも信じているよ。
提供:スーパー・アグリ・F1
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