ホンダ モナコGP事前ニュース
モナコGPプレビュー
Honda Racing F1 Teamは今週末、F1のハイライトとも言うべきモナコGPに参戦する
観客、チーム、そしてドライバーのだれからも愛されるこのレースは、モナコ公国の市街地を舞台とする独特の雰囲気、コース自体の難易度の高さなどから、全戦中で屈指のエキサイティングなレースと言える。
中本修平 シニア・テクニカル・ディレクター:
先週のポールリカールテストでは、モナコ、カナダを中心に、今後3戦に向けての最新空力パーツを試した。
市街地レースのモナコでは、ダウンフォースを目一杯効かせたクルマ作りになる。
テストでは非常に有効なデータを得られたので、それを基に、今後もRA107の開発を進めて行くつもりだ。
モナコを含めた今後数戦でパフォーマンスを上げていきたい。
Rubens Barrichello (C)Honda Racing
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ルーベンス・バリチェロ:
他の多くのドライバー同様、モナコは僕の大好きなサーキットだ。
これまでモナコでは表彰台に4度上がったこともあり、いい思い出は山ほどある。
いろんな意味でモナコはユニークで、F1の歴史においても、特別な地位付けにある。
ここでは特に、予選が楽しい。
予選の重要さ、難しさということでは、全グランプリの中でも屈指だ。
レース中の追い越しはほとんど不可能だから、とにかく予選でいいグリッドを獲得しないといけない。
それからピットストップで順位を上げることも可能だから、レース戦略もすごく大事だ。
ジェンソン・バトンのモナコGPガイド:
モナコでは、F1の持っている華麗さ、凄さが、すべてがあらわになる。
世界中のあらゆるレースの中でもっとも有名で、この週末のモナコはひときわ特別な場所に変身する。
ここでのレースは、他のどんなGPとも違う。
これまで積み重ねられてきた歴史にも圧倒されるし、ここに住んでいる僕にとっては、ホームレースのひとつだ。
でも皮肉なことに、観客たちにとっては素晴らしい部分も、チームやドライバーにとっては、タイトなスケジュールや、狭い場所での人の行き来で、ストレスが溜まることもある。
だから僕はパドックにいない時は、モナコから脱出して丘の上に上がり、リラックスするようにしている。
サーキット自体は、とにかく狭く曲がりくねっているという一言に尽きる。
ガードレールがマシンのほんの数センチまで迫るから、スピード感は満載。
1周の間、息が抜ける瞬間はコンマ1秒もない。頭を下げて精神集中し、ひたすら攻めるしかない。
ガードレールに接触せずに、でも攻めることに臆病すぎてしまってもダメだ。
ここで速いタイムを出すには、自由な気持ちを失わず、ガードレールギリギリを恐れずに攻めることだ。
そしてドライビングの正確さは、他のどんなサーキットよりも高いレベルを要求される。
ここではとにかく、ひとつでも上のグリッドを得ることが重要だ。
レースでは、追い越しはほとんどできないから、予選が勝敗のカギを握る。
的確なピット作戦こそが、レースを左右する。ダウンフォースはできるだけ大きく、そしてメカニカルグリップに優れていることが、ここでは欠かせない。
いずれにしてもファンにとっても、最高のレースだ。
こんなに近くでF1マシンを見、エンジン音を聴ける機会は、他にはない。
●モナコ公国・市街地サーキット
決勝 78周(260.520km)
全長 3.340km
アントニー・ノゲによって設計されたコースは、F1カレンダーの中でも、もっとも有名なグランプリとしての地位を誇る。
初開催は1929年。狭く曲がりくねり、デコボコの路面、連続した低速コーナー、ドライバーに一瞬の油断も許さないというコース特性を持っている。
現代のF1マシンで疾走するには、時代遅れと言えなくもない。
しかしモナコは依然として、すべてのドライバーが一度は優勝を夢見るレースでもある。
ここでのセットアップについて、最も重要なことはダウンフォースをつけることである。
トンネル出口での最高速は時速290km以上に達するものの、平均速度はその半分以下でしかない。
そのためエンジニアたちは、ダウンフォースをつけながら低速コーナーでのハンドリング向上に全力を注ぐ。
またコース上での追い越しはほとんど不可能なため、予選での好グリッド獲得が勝負を分けることになる。
一方、燃費やタイヤの摩耗は、さほど問題にはならない。
モナコは、ドライバーそしてチームスタッフが他のどこよりも集中してレースに臨むことを要求されるコースでもある。
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